概要[編集]

ライブ配信(らいぶはいしん、英:Live streaming)とは、インターネットを通じて映像や音声をリアルタイムで送り届け、視聴者がその場でコメントや投げ銭を返せるメディア形態の総称である。テレビの「生放送」を誰でもスマホ1台で始められるようにしたもので、配信者と視聴者の距離の近さそのものが商品になっている点が最大の特徴である。

詳細[編集]

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スマートフォンでライブ配信を行う様子(2022年、北京・出典:ウィキメディア・コモンズ)

定義と呼び方[編集]

ライブ配信は「ライブストリーミング」「生配信」「生放送」「生主(なまぬし)」「配信」など、時代とプラットフォームによってさまざまな呼ばれ方をしてきた。ニコニコ生放送の利用者は配信者を「生主」、ツイキャスでは「キャス主」、Pocochaや17LIVEなどのアプリでは「ライバー」、TwitchやYouTubeのゲーム実況界隈では「ストリーマー」と呼ぶのが一般的で、呼び名を聞けばだいたいどの文化圏の人かわかる。

録画した動画をアップロードする「動画投稿」との違いは、編集ができない代わりに「いま・ここ」の共有がある点である。視聴者は配信者の発言にコメントで即座に反応し、配信者はそれを読み上げて返す。この双方向性が、テレビにもYouTube動画にもない独特の熱量と、ときに炎上の火種を生む。

配信の形態[編集]

現在のライブ配信は大まかに次のようなジャンルに分かれる。

  • 雑談配信:顔出しまたはアバターで視聴者と会話する。ライブ配信アプリの主流で、Pococha・17LIVEなどの主戦場。
  • ゲーム実況:PCやスマホのゲーム画面を映しながら実況する。Twitch・YouTube Live・ミラティブ・OPENREC.tvが中心。
  • 音楽・歌配信:弾き語りやカラオケ。ツイキャスや歌い手文化と相性がよい。
  • VTuber・Vライバー配信:Live2Dや3Dモデルのアバターで配信する。
  • 公式・企業配信:記者会見、スポーツ、ライブコンサート、ライブコマース(生放送で商品を売る通販)など。

配信者と視聴者の比率[編集]

ライブ配信は「見る人」が圧倒的に多い。MMD研究所とICT総研が2020年に行った調査では、ライブ配信サービスの現在利用者のうち「視聴のみ」が88.0%、「配信のみ」が3.4%、「視聴と配信の両方」が8.6%だった。同調査では、よく見るジャンルの上位は「トーク・雑談」(46.0%)、「音楽」(43.1%)、「ゲーム実況」(40.4%)で、投げ銭経験者は18.1%、1回あたりの最高額は「501〜1,000円」が最多(22.0%)とされる。つまり大半の視聴者は少額か無課金で、ごく一部の熱心なファンが大きな金額を支えるという構図である。

技術[編集]

配信の基本構造[編集]

ライブ配信は、ざっくり言うと「配信者のPC・スマホ → 取り込み(インジェスト)サーバー → 変換(トランスコード) → CDN → 視聴者」という流れで成り立っている。配信者側ではOBS Studioなどのエンコーダーソフトやスマホアプリが映像を圧縮し、サーバーへ送り出す。サーバー側は受け取った映像を複数の画質に変換し、世界中に分散したCDN(コンテンツ配信網)経由で視聴者に届ける。

RTMP[編集]

RTMP(Real-Time Messaging Protocol)は、もともとMacromedia(のちにAdobe)がFlash Player向けに開発した通信規格である。Flash自体は2020年末にサポートが終了したが、RTMPは「配信者からサーバーへ映像を送る」用途ではいまだに事実上の標準で、YouTube Live、Twitch、ニコニコ生放送などの多くが配信ソフトからRTMPで映像を受け付けている。配信ソフトに「サーバーURL」と「ストリームキー」を入れるあの作業は、ほぼRTMPの設定である。近年はHEVCやAV1といった新しいコーデックに対応させた拡張版(Enhanced RTMP)も登場している。

HLSとMPEG-DASH[編集]

視聴者側への配信で主流なのがHLS(HTTP Live Streaming)である。Appleが2009年に発表した方式で、映像を数秒単位の小さなファイル(セグメント)に切り分け、普通のWebサーバーと同じHTTPで順番に配る。ブラウザやスマホで再生しやすく、CDNでキャッシュしやすいため一気に普及した。国際標準規格のMPEG-DASHも同じ発想の方式である。

ただし「切り分けて貯めてから配る」仕組みのため、従来型のHLSは配信者の動きから視聴者の画面まで10〜30秒程度の遅延が出やすい。配信者が「いま何て言った?」とコメントに返すころには話題が一周している、というライブ配信あるあるの原因はだいたいこれである。

低遅延化の流れ[編集]

双方向性が命のライブ配信にとって、遅延は最大の敵である。そのため2010年代後半から低遅延化の技術が次々に導入された。

  • LL-HLS(Low-Latency HLS):Appleが2019年に発表したHLSの低遅延版。セグメントをさらに細かく分割し、数秒程度まで遅延を縮める。
  • WebRTC:ブラウザ同士のビデオ通話用に作られた技術で、1秒未満の超低遅延が可能。コラボ配信や視聴者参加型の企画、ライブコマースなどで使われる。配信者側からの送信用にWHIPという規格も整備されつつある。
  • SRT:不安定な回線でも映像を途切れにくく送るためのプロトコルで、放送業界や屋外中継で採用が進んでいる。

YouTube Liveでは配信者が「通常の遅延」「低遅延」「超低遅延」を選べるなど、プラットフォーム側でも遅延と画質・安定性のトレードオフを配信者に委ねる設計が一般化している。

スマホ配信の普及[編集]

ライブ配信が一部のマニアから一般層に広がった最大の要因はスマートフォンである。ツイキャスの開発元によると、ツイキャス開始当初は外側のカメラで何かを映す配信が多かったが、iPhone 4でインカメラが搭載されると、おしゃべりやメイクの配信が増え、女性ユーザーも増加していったという。「自撮りしながら話す」というライブ配信アプリの基本スタイルは、インカメラが生んだものと言ってよい。現在は5G回線の普及で、屋外からの高画質配信も珍しくなくなった。

歴史[編集]

黎明期(2000年代)[編集]

日本のネット生配信の源流は、2001年末に始まった音声配信の「ねとらじ」や、2002年に配布が始まったP2P型配信ソフト「PeerCast」にさかのぼる。当時は回線もPCも非力で、配信は一部のマニアの趣味だった。

2007年は世界的な転換点で、アメリカで3月に「Ustream」と「Justin.tv」が相次いでサービスを開始した。日本ではドワンゴが2007年12月25日、ひろゆきと開発者の戀塚昭彦による対談番組で「ニコニコ生放送」をスタートさせた。ニコ生は2009年12月にユーザー生放送を開始し、画面上を流れるコメント文化とともに「生主」という独自の文化圏を作り上げた。

スマホとSNSの時代(2010年代前半)[編集]

2010年2月には、モイ株式会社の「TwitCasting(ツイキャス)」が開始された。ツイキャスはUstream、Knocking Live Videoに次ぐ「世界で3番目のiPhoneでライブ配信ができるアプリ」だったとされる。同年4月にはソフトバンクの出資を受けたUstreamの日本語版がスタートし、2010年12月の宇多田ヒカルのライブ配信(約34万5千人視聴)や、2011年の東日本大震災時のテレビ番組の再配信などで一気に知名度を上げた。

2011年にはYouTubeがライブ配信機能を開始し、同年6月にはJustin.tvのゲーム部門が独立してTwitchが誕生した。Twitchは2014年にAmazonが約9億7,000万ドルで買収し、2017年に日本法人を設立している。

投げ銭アプリの台頭(2010年代後半)[編集]

2013年11月にはディー・エヌ・エー(DeNA)が「SHOWROOM」を開始した。視聴者がアバターとして画面に並び、ギフトを投げて演者を応援する仕組みは、のちの「投げ銭アプリ」の原型の一つとなった。SHOWROOMは2015年に分社化し、前田裕二が率いる独立企業となっている。

2015年には台湾で「17 Live」が誕生し(日本上陸は2017年9月)、DeNAはスマホゲーム配信アプリ「Mirrativ(ミラティブ)」を開始した。2017年1月にはDeNAの「Pococha」と、YouTubeの投げ銭機能「スーパーチャット」が登場し、ライブ配信が本格的に「稼げる」ものとして認知され始める。同時期にキズナアイを起点とするVTuberブームが起き、ホロライブやにじさんじがYouTube Liveを主戦場に急成長した。

コロナ禍と再編(2020年代)[編集]

2020年のコロナ禍で外出が制限されると、ライブ配信の利用は大きく伸び、音楽ライブや演劇のオンライン配信も一般化した。2021年3月にはTikTokが日本で投げ銭機能「TikTok LIVE Gifting」を開始し、TikTok LIVEは短期間で国内有数の投げ銭プラットフォームに成長した。

一方で淘汰も進んだ。LINEの「LINE LIVE」は2023年3月に終了し、中国の斗魚(DouYu)と三井物産の合弁による「Mildom」も2024年9月1日にサービスを終えた。2024年6月にはKADOKAWAグループへの大規模サイバー攻撃でニコニコ生放送が約2か月停止し、同年8月5日に再開している。

2025年にはミラティブが東証グロース市場に上場し、DeNAのライブ配信事業も黒字体質に転換するなど、業界は「成長期」から「成熟期」へ移りつつある。

年表[編集]

年 出来事
2001年 音声配信「ねとらじ」開始
2002年 P2P配信ソフト「PeerCast」配布開始
2007年3月 米国でUstream、Justin.tvがサービス開始
2007年12月25日 ニコニコ生放送開始(初回はひろゆきと戀塚昭彦の対談)
2010年2月 ツイキャス(TwitCasting)開始
2010年4月 Ustream日本語版開始(ソフトバンクが出資)
2011年4月 YouTubeがライブ配信機能(YouTube Live)を開始
2011年6月 Twitch開始(Justin.tvのゲーム部門が独立)
2013年11月 SHOWROOM開始(DeNA)
2014年8月 AmazonがTwitchの買収を発表(約9億7,000万ドル)
2014年9月 OPENREC.tv開始
2015年 台湾で17 Live開始/DeNAがミラティブ開始/ふわっち開始/LINE LIVE開始
2016年1月 IBMがUstreamを買収
2017年1月 Pococha開始、YouTubeが投げ銭機能「スーパーチャット」を導入
2017年9月 17LIVEが日本でサービス開始、Twitchが東京オフィスを開設
2018年 ミラティブがDeNAから独立、17LIVEがVライバー事業を開始
2019年9月 Mildom開始(斗魚と三井物産の合弁)
2021年3月 TikTok LIVEが投げ銭機能(ギフティング)を開始
2022年 モイ(ツイキャス運営)が東証グロース上場/配信サイトKick開始
2023年3月 LINE LIVEがサービス終了
2023年12月 17LIVE Groupがシンガポール取引所に上場
2024年6〜8月 サイバー攻撃でニコニコ生放送が停止、8月5日に再開
2024年9月1日 Mildomがサービス終了
2025年3月 東京・高田馬場で配信中のライバーが殺害される事件
2025年12月 ミラティブが東証グロース市場に上場

日本市場の規模[編集]

統計の難しさ[編集]

「ライブ配信市場」の規模は、調査会社によって数字がバラバラである。投げ銭アプリだけを数えるのか、YouTubeやTwitchの広告収入まで含めるのか、有料オンラインライブのチケット代まで含めるのかで、桁が変わってしまうからだ。ネット上では「投げ銭市場は3,000億円規模」といった推計も見られるが、公的な統計として確立された数字はない。そのため、以下では出典のはっきりした周辺データを並べる。

主な調査データ[編集]

  • 動画コンテンツビジネス全体:矢野経済研究所の2025年の調査では、動画編集ソフト・動画配信プラットフォーム・ライブ配信アプリ・アニメ制作の4市場を合わせた市場規模が2024年度に5,985億円(前年度比103.7%)、2025年度は6,300億円(同105.3%)と予測された。同社はライブ配信アプリ市場について、ライブコマースやVライバーによる配信の拡大が期待されるとしている。
  • 動画配信全体:デジタルコンテンツ協会(DCAJ)の『動画配信市場調査レポート2025』では、2024年の国内動画配信市場が5,710億円(前年比106%)、2029年に6,780億円になると予測されている。
  • VTuber:矢野経済研究所によると、2023年度のVTuber市場規模は800億円(前年度比153.8%)で、そのうちライブストリーミング(投げ銭など)が160億円を占めた。2025年度は1,260億円まで拡大すると予測されている。

企業の業績から見る規模感[編集]

個別企業の決算も市場の規模感を知る手がかりになる。DeNAのライブストリーミング事業(Pococha、IRIAMなど)は2024年3月期に売上収益425億円を計上し、赤字から事業利益約34億円の黒字に転換した。2026年3月期の中間期(2025年4〜9月)も売上収益約203億円、事業利益約23億円と黒字を確保している。シンガポール上場の17LIVE Groupは2025年4〜6月期の純売上が4,100万ドルで、Vライバー配信の売上が前年同期比で伸びたと報告した。ツイキャスを運営するモイも売上65億円規模に成長したと紹介されている。

配信者側の評価[編集]

GMOリサーチ&AIが2025年11〜12月に「過去1年以内に配信者として利用した人」1,845人を対象に行った「2026年 ライブ配信サービス 配信 顧客満足度ランキング」では、1位がInstagramライブ、2位がツイキャス、3位がYouTube Liveだった。投げ銭アプリよりも、SNSに付属した手軽な配信機能が配信者の満足度で上位に来ている点が興味深い。

収益モデル[編集]

投げ銭(ギフト)[編集]

ライブ配信最大の収益源が投げ銭である。視聴者はアプリ内でコインやポイントを購入し、それを「ギフト」「アイテム」に変えて配信者に贈る。ギフトは画面上で派手なエフェクトとして表示され、高額ギフトほど目立つ。配信者は受け取ったギフトに応じてダイヤやポイントを獲得し、それを現金化する。プラットフォーム側はコイン購入額と配信者への還元額の差を手数料として得る。

YouTubeの「スーパーチャット」は、コメント自体にお金を付けて目立たせる仕組みで、金額によって色と表示時間が変わる。TikTok LIVEでは視聴者がコインでギフトを贈り、配信者はダイヤモンドを受け取る。Pocochaは配信時間に応じた報酬(時間ダイヤ)がある点が特徴とされ、新人でも収入を得やすい設計になっている。

サブスクリプション・メンバーシップ[編集]

月額課金で特定の配信者を継続的に支援する仕組みも広く普及している。Twitchのサブスク、YouTubeのメンバーシップ、ツイキャスのメンバーシップなどがこれにあたり、限定スタンプや限定配信などの特典が付く。投げ銭に比べて収入が安定しやすいため、ゲーム実況者やVTuberにとって重要な収益源になっている。

広告とその他[編集]

YouTubeやTwitchでは、配信中・アーカイブの広告収入も配信者に分配される。このほか、有料チケット制のオンラインライブ(ツイキャスのプレミア配信やSHOWROOMのプレミアムライブなど)、ライブコマースでの物販、企業案件(タイアップ配信)、グッズ販売なども収益源となっている。

還元率の比較[編集]

配信者の取り分はプラットフォームによって大きく異なる。2026年時点の比較記事では、Twitchは50〜70%、YouTubeの投げ銭・メンバーシップは55〜70%程度とされる一方、2022年に始まったKickはサブスク収入の95%を配信者に還元するとうたい、話題を集めた。Kickについては、オンラインカジノ企業との関係が指摘されることもある。2025年4月には人気ストリーマーの関優太がKickとの移籍交渉の決裂を明かし、「日本の配信者をナメてる」と発言して注目された。

配信文化[編集]

ライバー[編集]

「ライバー」は、主にスマホのライブ配信アプリで活動する配信者を指す和製の呼び名である。Pococha、17LIVE、SHOWROOM、TikTok LIVEなどで雑談や歌を配信し、投げ銭で収入を得る。ランキングやイベントで上位を目指す「イベント文化」が特徴で、イベント期間中はファン(リスナー)が総力を挙げてギフトを投げる。

トップ層の金額は桁違いで、TikTok LIVEの年間ギフトランキングでは、ホストとしても活動するプリンスこうやが2023年・2024年と2年連続で1位を獲得し、2024年の受け取り額は約18億円と報じられた。一方で、大半のライバーの収入はごくわずかであり、典型的な「勝者総取り」の世界である。

ゲーム実況・ストリーマー[編集]

ゲーム実況はTwitchやYouTube Liveを中心に発展した文化で、プロゲーマーやEスポーツチーム所属の「ストリーマー」が長時間配信を行う。日本では荒野行動やPUBG MOBILEなどのスマホゲームの配信も盛んで、ミラティブはスマホ画面をそのまま配信できる手軽さで支持を集めた。人気ストリーマー同士が同じゲームをプレイする大型企画や、配信者が主催する大会はテレビ番組並みの同時接続を集めることもある。

VTuber[編集]

VTuberはアバターで配信する配信者で、日本ではカバー (企業)のホロライブ、ANYCOLORのにじさんじが二大勢力となっている。YouTubeのスーパーチャット集計では、VTuberが国内上位を独占する年も珍しくない。また、17LIVEやIRIAMなどのアプリには、事務所に所属せずにアバターで配信する「Vライバー」も多数いる。アバターなら顔出し不要で始められるため、配信への参入障壁を大きく下げた。

独特の用語[編集]

ライブ配信には独自の用語が多い。「枠」(1回の配信)、「枠を取る」(配信を開始する)、「同接」(同時接続者数)、「アーカイブ」(配信の録画)、「切り抜き」(配信の一部を編集した短い動画)、「赤スパ」(YouTubeの最高額帯スーパーチャット)、「ガチ恋」(配信者に恋愛感情を抱く視聴者)などが代表例である。

ライバー事務所[編集]

仕組み[編集]

ライバー事務所は、ライブ配信アプリで活動するライバーを所属させ、マネジメントや育成を行う会社である。一般的な芸能事務所と異なり、多くはライバーから直接手数料を取るのではなく、プラットフォーム側から「所属ライバーの売上に応じた報酬」を受け取るビジネスモデルを採っている。そのため事務所は、新人ライバーのスカウト、配信の時間設計やイベント戦略の指導、リスナーとの関係づくりのノウハウ提供などを通じて、所属ライバーの売上を伸ばすことに注力する。

業界の状況[編集]

事務所の数は非常に多く、Pococha、17LIVE、TikTok LIVEなどのプラットフォームごとに「公認事務所」「代理店」制度が設けられている。2026年版の業界マップでは100社規模の事務所が整理されるなど、市場は細分化している。大手芸能系企業がライバー関連事業を手がける例もある。一方で、契約内容や報酬の取り分をめぐるトラブル、配信ノルマの重さなどが問題として語られることもあり、事務所選びの比較サイトが大量に存在する。

VTuber事務所は、ライバー事務所とは別系統の業態として発展した。ホロライブやにじさんじのように、タレントのキャラクターIPを管理し、グッズ・ライブイベント・企業案件まで手がける総合エンタメ企業型が主流である。

主要プラットフォーム比較[編集]

サービス 運営 日本での開始 主なジャンル 主な収益手段
ニコニコ生放送 ドワンゴ 2007年 雑談、ゲーム、公式番組 プレミアム会員、ギフト、有料チャンネル
ツイキャス モイ 2010年 雑談、音楽、ゲーム アイテム、プレミア配信、メンバーシップ
YouTube Live Google 2011年 ゲーム、VTuber、公式配信 スーパーチャット、メンバーシップ、広告
Twitch Amazon 2011年(日本法人2017年) ゲーム実況 サブスク、Bits、広告
SHOWROOM SHOWROOM 2013年 アイドル、タレント ギフト、プレミアムライブ
ミラティブ ミラティブ 2015年 スマホゲーム配信、アバター配信 ギフト
ふわっち ― 2015年 雑談、外配信 アイテム
Pococha ディー・エヌ・エー 2017年 雑談 ギフト、時間報酬
17LIVE 17LIVE 2017年 雑談、Vライバー、ライブコマース ギフト
TikTok LIVE ByteDance ギフト機能は2021年 雑談、ショート動画との連動 ギフト
Kick Kick Streaming 2022年 ゲーム、雑談 サブスク(95%還元をうたう)
Mildom DouYu Japan 2019年 ゲーム実況 2024年9月終了

社会問題[編集]

迷惑系配信者[編集]

再生数や同接、投げ銭を稼ぐために、公共の場で他人を巻き込む迷惑行為をリアルタイムで配信する「迷惑系配信者」は、ライブ配信の負の側面としてたびたび報道されてきた。元迷惑系YouTuberのへずまりゅうは2020年に逮捕され大きな話題となったが、その後は奈良公園のシカの保護活動などに転じ、2025年7月の奈良市議会議員選挙で当選している。

2025年5月には、TikTokや17LIVEで路上で踊りながら配信する行為を繰り返していた「渋谷らんまる」が、横浜駅付近で軽犯罪法違反の疑いで現行犯逮捕された。警察官とのやり取りまでネタにして収益化していたと報じられている。2026年5月には、主要SNSから何度も追放されていた配信者が、配信中に自宅へ踏み込まれて逮捕される映像が拡散し、話題となった。「逮捕の瞬間まで生配信される」という状況は、ライブ配信ならではの現象と言える。

未成年の高額投げ銭[編集]

子どもが保護者のクレジットカードやキャリア決済を使って高額な投げ銭をしてしまうトラブルは、国民生活センターが繰り返し注意を呼びかけている。小学生の子どもの投げ銭で、保護者のカード明細に30万円以上の身に覚えのない請求が来たという事例も紹介されている。国民生活センターの「未成年者の消費者トラブルについての現況調査」(2025年3月)では、2023年度のインターネットゲーム関連の平均支払額が小学生約10万5千円、中学生約19万3千円、高校生約22万6千円とされ、小学生の事案の約8割でクレジットカードやキャリア決済が使われていた。

法的には、18歳未満の未成年者が親の同意なく行った契約は、民法の未成年者取消権によって取り消せる可能性がある。ただし、親が後から認めた場合や、未成年者が成年だと偽る「詐術」を用いた場合は取り消せない。なお、画面上の「成年ですか?」に「はい」を押しただけでは、ただちに詐術にはあたらないとする解説が多い。

プラットフォーム側も年齢制限を設けており、TikTokはギフティング開始時、20歳未満はギフトの購入も受け取りもできない仕様とした。現在、TikTok LIVEの配信自体も18歳以上が条件とされている。海外では中国が2022年に未成年者の投げ銭を禁止するなど、国家レベルでの規制も行われている。

配信者の安全とガチ恋問題[編集]

ライブ配信は配信者の生活圏が映り込みやすく、身元特定やストーカー被害のリスクがつきまとう。2025年3月11日には、東京・高田馬場で、ふわっちで活動していた女性ライバーが山手線一周の徒歩配信中に男に刺されて死亡する事件が起きた。報道によれば、容疑者は配信の視聴者で、ライバーに多額の金銭を貸していたとされ、殺人罪などで起訴されている。この事件は、投げ銭や金銭の貸し借りを含む配信者と視聴者の距離感の問題、屋外配信の危険性について大きな議論を呼んだ。

炎上[編集]

生配信は編集でカットできないため、失言や不適切な行為がそのまま拡散されやすい。配信の一部を切り取った「切り抜き」動画がSNSで広まり、文脈を離れて炎上するケースも多い。また、ライブ配信を利用したわいせつ行為の配信で業者が摘発されるなど、法令違反の配信が刑事事件になる例もある。

炎上とバズ[編集]

  • 2024年、KADOKAWAグループへのランサムウェア攻撃でニコニコ生放送が停止した。ドワンゴは暫定版「ニコニコ生放送(Re:仮)」を立ち上げ、その企画として2007年の伝説の初放送「生対談!!ひろゆきと戀塚のニコニコを作った人」を再配信した。のちに公開された復旧の舞台裏を記した1万字超の技術ブログも話題になった。
  • 2024年8月のMildomのサービス終了発表は、終了まで2週間足らずという急な告知だったため、SNSでは「急過ぎる」と困惑の声が上がった。Mildomは日本で初めて配信者向けの「時給制」を導入したプラットフォームとしても知られていた。
  • 2025年4月、ストリーマーの関優太がKickとの移籍交渉決裂を配信で明かし、国内の配信者の間で「プラットフォーム移籍の条件」が議論になった。

余談[編集]

  • ニコニコ生放送の記念すべき初回放送は2007年12月25日、つまりクリスマスだった。
  • Ustreamでは2011年の民主党代表選挙の配信が約57万8千人に視聴されるなど、日本では政治や報道の分野でもライブ配信が早くから使われた。
  • ツイキャスの正式名称は「TwitCasting」で、その名のとおり当初からTwitter(現X (SNS))との連携を前提にしたサービスだったとされる。ツイキャスの登録ユーザーは2015年に1,000万人、2019年に3,000万人を突破したとされる。
  • SHOWROOMでは視聴者がアバターとして画面下に並ぶため、「客席」が視覚化されている。前田裕二が路上ライブの経験から着想したという話がある。
  • Twitchは2024年2月に韓国でのサービスを終了しており、各国の通信コストの高さが理由とされた。巨大プラットフォームでも撤退はありうる業界である。
  • 「アーカイブを残さない」配信は、その場にいた人しか見られない「ライブ感」が売りになる一方、問題発言の証拠も残りにくいため、切り抜きや録画が独自に出回る原因にもなっている。

外部リンク[編集]

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