株式会社ドワンゴ
DWANGO Co., Ltd.
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ドワンゴ本社が入る歌舞伎座タワー(2013年・出典:ウィキメディア・コモンズ)
略称 ドワンゴ、DWANGO
国家 日本
種類 株式会社
市場情報 非上場(2014年まで東証一部、証券コード3715)
業種 情報・通信業(動画配信・ネットワークエンタテインメント・教育)
本社所在地 東京都中央区銀座(歌舞伎座タワー)
設立日 1997年8月6日
年齢 29周年
設立者 川上量生、ロバート・ハントレー、森栄樹
代表者 夏野剛(代表取締役社長)
資本金 1億円
上場 2003年7月 東証マザーズ上場 → 2004年9月 東証一部 → 2014年 経営統合に伴い上場廃止
所有者 KADOKAWA
主要株主 KADOKAWA(親会社・100%)
主要部門 ニコニコ事業、教育事業(N高グループ・ZEN大学)、電子書籍(BOOK☆WALKER)
主要子会社 バンタン、スパイク・チュンソフト、バーチャルキャスト、GeeXPlus、PUBLUS
関係する人物 川上量生、夏野剛、西村博之
代表作品 ニコニコ動画、ニコニコ生放送、ニコニコ超会議、dwango.jp(旧いろメロミックス)、アニメロミックス、N高等学校
別名 KADOKAWA・DWANGO(2014年の統合持株会社名)
リンク https://dwango.co.jp/
コミュニティ https://x.com/nico_nico_info


概要[編集]

ドワンゴ(DWANGO)とは、ニコニコ動画・ニコニコ生放送などの「ニコニコ」を運営する日本のIT企業である。1997年に川上量生らが設立し、着メロ・着うたで急成長したのち、2006年のニコニコ動画で日本のネット文化の一時代を作った。2014年にKADOKAWAと経営統合して現在はその完全子会社で、通信制高校「N高等学校」の運営に深く関わる教育事業の会社という顔も持つ。

詳細[編集]

社名の由来は「アメリカのDOOM対戦サービス」[編集]

「ドワンゴ」という不思議な社名は、Dial-up Wide Area Network Gaming Operationの頭文字である。もともとは1994年12月に米テキサス州ヒューストンで始まった、パソコン通信(ダイヤルアップ)経由でオンライン対戦ができるゲームサービスの名前だった。

本家DWANGOはボブ(ロバート)・ハントレーらが立ち上げ、FPSの元祖的存在『DOOM』のマルチプレイ用マッチングサービスとして知られた。開発元id Softwareのジョン・ロメロが協力し、id側が売上の20%を受け取る契約だったとされる。日本のドワンゴはこのサービスの日本展開として出発し、ハントレー本人も設立メンバーに名を連ねている。

何をしている会社か[編集]

現在のドワンゴの事業は大きく分けて三本柱になっている。ひとつめは祖業の流れをくむ「ニコニコ」関連(動画・生放送・チャンネル・静画・ニコニコ大百科・イベント)。ふたつめはN高等学校・S高等学校・R高等学校やZEN大学のシステム・カリキュラムを担う教育事業。みっつめは2025年の合併で加わった電子書籍ストア「BOOK☆WALKER」などのデジタル事業である。

子会社にはクリエイター養成スクールのバンタン、ゲーム会社のスパイク・チュンソフト、VRライブ配信のバーチャルキャストなどがあり、「ネットの会社」「ゲームの会社」「学校の会社」がひとつの傘の下に同居しているのが面白いところ。事業内容として登記上に掲げているのは「ネットワークエンタテインメントコンテンツ及びシステムの企画、開発、運用、サポート、コンサルティング」である。

KADOKAWAグループ内での立ち位置[編集]

2014年の経営統合以降、ドワンゴは出版・アニメ・ゲームを抱えるKADOKAWAグループの「デジタル担当」として位置づけられている。KADOKAWAの決算では、ニコニコを中心とする「Webサービス」セグメントと、N高グループなどを含む「教育・EdTech」セグメントの主要な担い手となっている。

社長は2019年から夏野剛。夏野はKADOKAWA本体の代表執行役社長CEOも兼ねており、親会社トップが子会社トップを兼務する珍しい体制が続いている。本社は2013年から東京・銀座の歌舞伎座タワーに入っており、「歌舞伎座の上にニコニコがある」構図がよくネタにされる。

歴史[編集]

ゲーム通信の会社として創業(1997〜1999年)[編集]

1997年4月、川上量生が有限会社ドワンゴジャパンを設立し、同年8月6日に株式会社ドワンゴが発足した。川上は京都大学工学部を出てパソコン周辺機器会社のソフトウェアジャパンに勤めていたが、同社の倒産後、関わっていた事業の引き継ぎ先を探すなかで自ら会社を立ち上げたとされる。初期の主力はオンラインゲーム向けの通信システム開発だった。

本家アメリカのDWANGOはインターネット対戦の普及に押され、1998年10月にサービスを終了する。ところが翌1999年8月、日本のドワンゴが運営元のInteractive Visual Systems社から「DWANGO」の全世界での商標・知的財産権を譲り受けた。本家が消え、日本の子分が名前ごと引き継いだ格好である。

着メロ帝国の時代(1999〜2006年)[編集]

転機は携帯電話だった。1999年11月、NTTドコモのiモード向けにゲームサイト「ドワンゴかもね」を開始し、ここから着信メロディの配信にも乗り出す。2001年6月には着メロサイト「16メロミックス」を開始。端末の和音数の進化に合わせて「40メロミックス」「いろメロミックス」と名前を変え、2006年10月に現在の「dwango.jp」となった。

着メロから着うた・着うたフル・着ボイスへとコンテンツを広げ、携帯向け音楽配信はドワンゴの稼ぎ頭になった。2003年8月にはアニメソング特化の着メロサイト「アニメロミックス」を始め、2005年7月には文化放送と組んで大型アニソンライブ「アニメロサマーライブ」を初開催している。「アニサマ」の「アニメロ」は、このサイト名から来ている。

この間、2003年7月に東証マザーズへ上場し、2004年9月には東証一部へ市場変更。2005年4月にはゲーム会社チュンソフト(現・スパイク・チュンソフト)を子会社化し、2000年にはフロム・ソフトウェアと合弁会社フロム・ネットワークスも作るなど、ゲーム業界との関係も深めていった。

ニコニコ動画の誕生(2006年〜)[編集]

2005年11月、ドワンゴは子会社ニワンゴを設立する。取締役には2ちゃんねる開設者の西村博之(ひろゆき)が名を連ね、ここから携帯向けサービスなどを経て、2006年12月12日に「ニコニコ動画(仮)」が始まった。再生中の動画にリアルタイムでコメントが右から左へ流れるという仕組みは、「同じ動画を大勢で一緒に見ている」感覚を生み、爆発的に広がった。

2007年6月には有料の「プレミアム会員」を導入。ニコニコ動画は初音ミクをはじめとするボーカロイド楽曲、「歌ってみた」「踊ってみた」「実況プレイ」、MAD動画などの文化を生み、2010年代にかけて日本の動画文化の中心地になった。のちにライブ配信のニコニコ生放送、イラストの「ニコニコ静画」、公式チャンネル、ネット百科事典のニコニコ大百科などが加わり、「ニコニコ」はひとつの経済圏に成長した。

2012年1月には携帯向け事業を会社分割してドワンゴモバイルを設立。同年4月にはネットの文化を丸ごとリアルに持ち込むイベント「ニコニコ超会議」を幕張メッセで初開催した。2015年からはゲームに特化した「闘会議」も始まっている。

KADOKAWAとの経営統合(2014年〜)[編集]

2014年5月14日、ドワンゴは出版大手KADOKAWAとの経営統合契約を締結。同年10月1日に共同持株会社「株式会社KADOKAWA・DWANGO」が設立され、ドワンゴはその完全子会社となって上場廃止となった。持株会社は2015年に「カドカワ株式会社」へ改称し、2019年のグループ再編を経て現在は「株式会社KADOKAWA」の子会社という形に落ち着いている。

「紙の老舗出版社とネットの新興企業の合体」として当時大きな話題になり、統合後は角川ドワンゴ学園の設立(N高)、ITエンジニア向け出版レーベル「アスキードワンゴ」の立ち上げ、読書記録サービス「読書メーター」運営会社の取得など、両社の資産を組み合わせた事業が次々と生まれた。

人物[編集]

川上量生[編集]

創業者の川上量生は1968年生まれ。愛媛県で生まれ大阪府で育ち、京都大学工学部を1991年に卒業した。2000年にドワンゴの代表取締役会長となり、以降は会長として経営を率いた。ニコニコ動画の「生みの親」として知られ、2011年にはスタジオジブリに「見習い」として入社したことでも話題になった(無給とされる)。

2014年の統合後はKADOKAWA・DWANGOの会長、2015年からは社長を務めたが、2019年2月にカドカワ社長を辞任。現在はKADOKAWA取締役、ドワンゴ顧問、角川ドワンゴ学園理事などを務め、教育事業にも深く関わっている。アニメ制作会社カラーの取締役でもある。

夏野剛[編集]

夏野剛はNTTドコモでiモードの立ち上げに関わった人物として知られる。ドワンゴとは2008年ごろから取締役として関わってきたとされ、2019年2月13日にドワンゴの代表取締役社長に就任した。2021年にはKADOKAWA本体の社長にも就き、以後はグループ全体を率いている。

就任当時のニコニコは会員減少と赤字に苦しんでおり、夏野体制でコスト構造の見直しが進められた。2026年時点でも同社の代表取締役社長は夏野が務めている。

歴代社長[編集]

時期 社長 備考
1997年〜2000年6月 川上量生 創業者。以後は会長
2000年6月〜 小林宏 着メロ・上場期
2012年12月〜 荒木隆司 COOから昇格。KADOKAWA統合期
2019年2月〜 夏野剛 2021年からKADOKAWA社長を兼務

ニコニコ事業[編集]

プレミアム会員の推移[編集]

ニコニコの収益の柱は月額課金の「ニコニコプレミアム」である。2007年6月の導入以来、料金は月額550円(税込)で16年間据え置かれていたが、2024年3月1日に月額790円へ初の値上げを実施した。このときは画質を落とす「エコノミーモード」の廃止や、生放送の最長放送時間延長(プレミアム会員24時間)なども同時に打ち出された。

さらに2026年8月1日には2度目の値上げが行われ、月額990円(年額プランは7,900円→9,900円)になった。同時に「有料ニコニコチャンネル」も2008年のサービス開始以来初めて価格が改定された。会社側は理由として、物価上昇、高画質化・長時間化によるデータ流通量とストレージ需要の増加、セキュリティ対策やサービス基盤維持のコスト増を挙げている。

会員数の減少[編集]

プレミアム会員数は2016〜2017年ごろの250万人台がピークだった。その後はYouTubeなど他の動画サービスとの競争の中で減少が続き、2025年3月期の決算で98.9万人と、2011年以来となる100万人割れが明らかになった。2025年12月末には95.4万人となり、1年で11.6万人減っている。

会員減少の一因として、2024年5月ごろから約9カ月にわたり一部の国際カードブランドでのクレジットカード決済が停止されたことが挙げられている。会社側は「社会情勢を鑑みたポリシー厳格化」によるカード決済停止と説明しており、これによる売上減は約2億円とされる。

ニコニコ超会議[編集]

2012年に始まったニコニコ超会議は、ネット上のカルチャーを幕張メッセに丸ごと出現させる大型イベントで、政党ブース、自衛隊の車両展示、相撲、歌舞伎とボカロのコラボ「超歌舞伎」などカオスな組み合わせが名物になっている。コロナ禍ではオンライン開催の時期もあったが、会場来場者は2025年に13万2,657人、2026年には13万8,228人と、リアル開催の集客は近年も伸びている。

将棋との縁[編集]

ドワンゴは将棋とも関係が深く、プロ棋士と将棋ソフトが対戦する「電王戦」を主催したほか、「叡王戦」を立ち上げた。叡王戦は2017年にタイトル戦へ昇格し、新聞社・通信社以外が主催する将棋タイトル戦は史上初となった。ただし2020年10月、第6期から主催は不二家に移り、ドワンゴは主催を離れている。

教育事業(N高グループ)[編集]

角川ドワンゴ学園[編集]

ドワンゴとKADOKAWAの統合が生んだ最大の新規事業が教育である。学校法人角川ドワンゴ学園が2016年4月、沖縄県うるま市に本校を置くネットの通信制高校「N高等学校」を開校。ドワンゴはオンライン授業のシステムや教材づくりを担っている。

2021年4月には茨城県つくば市に2校目の「S高等学校」、2025年4月には群馬県桐生市(旧県立桐生女子高校の跡地)に3校目の「R高等学校」が開校した。R高の「R」には「REAL」「RESPECT」「RELATION」「REVOLUTION」などの意味が込められている。中学生向けの「N中等部」もある。

生徒数3万人超の巨大校に[編集]

N高・S高の生徒数は2024年12月末時点で3万2,460名に達し、開校10年となる2026年には3校で約3.6万人規模になったと報じられている。日本の高校としては最大級の規模で、プログラミングやeスポーツ部、海外大学進学などの取り組みでも知られる。

2025年4月には、日本財団と共同で設立を進めてきたオンラインの通信制大学「ZEN大学」も開学した。KADOKAWAの2026年3月期決算では、教育・EdTechセグメント(バンタン含む)の売上高が171億6,600万円、営業利益が28億4,400万円で、生徒数の拡大が続いているとされる。ニコニコが苦戦するなか、教育事業はグループの成長分野になっている。

ドワンゴ特許訴訟(対FC2)[編集]

「サーバーが海外なら特許は及ばない?」[編集]

ドワンゴは、ニコニコ動画の「動画の上にコメントを流す」仕組みに関する特許を持っている。これと同様の機能を提供していたFC2(米国法人)などに対し、特許権侵害を訴えたのが「ドワンゴ対FC2事件」である。訴訟は2件あり、第1事件は特許第4734471号・第4695583号(コメント表示方法)、第2事件は特許第6526304号(コメント配信システム)が対象だった。

最大の争点は、FC2のサーバーが米国にあることだった。特許権はその国の中でしか効力がない「属地主義」が原則のため、「海外サーバーから配信していれば日本の特許は関係ないのでは」という点が争われた。

最高裁でドワンゴ勝訴(2025年)[編集]

第2事件の一審(東京地裁、2022年3月)は、サーバーが国外にあることを理由に侵害を否定した。しかし2023年5月26日の知財高裁大合議判決は、国外サーバーからのファイル送信と国内ユーザー端末での受信は一体と評価できるとして逆転でドワンゴ勝訴とし、差止めと損害賠償を認めた。第1事件も2022年7月の知財高裁判決を経て上告審に進んだ。

そして2025年3月3日、最高裁は両事件とも上告を棄却し、ドワンゴの勝訴が確定した。最高裁は、サーバーが国外にあるという一事をもって常に日本の特許権が及ばないわけではなく、実質的に日本国内での生産・提供と評価される場合には特許権の効力が及ぶと判断した。クラウド時代の特許保護に関するリーディングケースとして、法曹・知財業界で大きく注目された。ドワンゴは声明で、国境を跨いだ実施に対する特許権の適用範囲について「法解釈の明確化の一助を担えた」とコメントしている。

2024年のサイバー攻撃[編集]

ニコニコ全停止[編集]

2024年6月8日未明、ニコニコの各サービスで障害が発生し、大規模メンテナンスに入った。6月14日にはランサムウェアを含むサイバー攻撃であることが判明し、被害拡大を防ぐためにデータセンターのサーバー電源を物理的に切断するという異例の措置がとられた。ニコニコ動画・生放送は約2カ月にわたって止まることになる。

6月27日には、ロシア語圏を拠点とするとされるランサムウェアグループ「BlackSuit」がダークウェブ上で犯行声明を出した。身代金の支払い交渉をめぐる報道も出たが、KADOKAWA側は詳細を明らかにしていない。調査の結果、攻撃の根本原因はフィッシングなどで従業員のアカウント情報が盗まれたことと推測されている。

流出した情報[編集]

2024年8月に公表された調査結果では、合計25万4,241人分の個人情報の流出が確認された。内訳にはN中等部・N高・S高の在校生・卒業生・保護者・出願者などの一部、ドワンゴの全従業員(契約社員・派遣・アルバイト含む)、クリエイターや取引先、元従業員、面接応募者などが含まれていた。一方、クレジットカード情報は社内で保有しておらず、ニコニコユーザーのアカウント情報の流出も確認されなかったとされる。

流出データがSNSや匿名掲示板で拡散されたことを受け、ドワンゴと角川ドワンゴ学園は「ダークウェブの情報をダウンロード・拡散しないで」と呼びかけ、悪質な拡散行為には法的措置を取る方針を示した。KADOKAWAはこの件で特別損失を計上し、当初36億円と見込んだ額は、クリエイター補償やシステム復旧費用が想定を下回ったことから24億円に修正された。

「ニコニコ動画(Re:仮)」と「帰ってきたニコニコ」[編集]

停止中の6月14日、ドワンゴは仮設版「ニコニコ動画(Re:仮)」を公開した。開発チームがわずか3日で作ったとされ、2007年ごろに人気だった動画の一部をログイン不要で見られ、コメントもできるという、ある意味で「初期ニコニコの再現」だった。懐かしい動画とコメントの弾幕に、往年のユーザーが集まって大きな話題となった。6月19日には「ニコニコ生放送(Re:仮)」も公開されている。

そして8月5日、新しいシステム基盤で「帰ってきたニコニコ」として本格的にサービスを再開した。プレミアム会員や有料チャンネル会員には、2024年6月・7月分の月額料金相当の補償が行われた。

2025〜2026年の最新動向[編集]

ブックウォーカー等との合併[編集]

2025年4月1日、ドワンゴはグループ会社のブックウォーカーとKADOKAWA Connectedを吸収合併した。KADOKAWAグループのデジタル事業の主要3社とエンジニアを集約し、開発リソースを最適化するのが目的とされる。電子書籍ストア「BOOK☆WALKER」のサービス自体は従来どおり続いている。

業績はV字回復、ただし会員は減少[編集]

KADOKAWAの2026年3月期決算では、ニコニコを中心とするWebサービスセグメントの売上高が205億1,500万円(前年比13.7%増)、営業利益が21億1,700万円と、前年の9億9,800万円の営業損失から黒字転換した。サイバー攻撃で大きく落ち込んだ前年からの反動に加え、ニコニコ超会議などの大型イベントが好調だったことが要因とされる。

一方で、前述のとおりプレミアム会員数は減少が続いており、2026年8月にはプレミアム会員料金の2度目の値上げに踏み切った。「会員数は減るが、客単価とイベントで稼ぐ」構造への移行が進んでいると見ることもできる。

親会社KADOKAWAをめぐる株主の動き[編集]

2025年1月、ソニーグループがKADOKAWAの議決権の約10%を取得して筆頭株主となり、KADOKAWAとの資本業務提携が話題になった。さらに2026年には、KADOKAWA株を約15%保有するとする香港の投資ファンド、オアシス・マネジメントが夏野剛CEOの取締役解任を株主に呼びかけた。

オアシスは業績悪化や出版事業の「質より量」戦略のほか、ニコニコについて「プレミアム会員が減り続け、ユーザーが高齢化するなど年々競争力を失っている」と指摘した。2026年6月24日の定時株主総会では夏野の再任案が可決され続投が決まったが、オアシスによれば賛成率は59.68%と前年の90.26%から大きく下がった。ドワンゴ社長を兼ねる夏野への信任が揺れたことで、ニコニコの今後にも注目が集まっている。なお2026年9月時点でドワンゴの社長交代は発表されていない。

他サービスとの比較[編集]

サービス 運営 特徴
ニコニコ動画・生放送 ドワンゴ(KADOKAWAグループ) 動画上に流れるコメント、ボカロ・歌ってみた等の独自文化、月額課金中心
YouTube Google 世界最大の動画サービス。広告収益の分配でクリエイターが集まる
Twitch Amazon ゲーム配信中心。海外のライブ配信文化が強い
FC2 FC2, Inc.(米国) 動画・ライブ配信など。コメント機能をめぐりドワンゴと特許訴訟

ニコニコが「ユーザーが月額を払ってコミュニティに参加する」モデルなのに対し、YouTubeは「無料で見られ、広告収益をクリエイターに分配する」モデル。投稿者に収益が回りやすいYouTubeへ人気クリエイターが流れたことが、ニコニコの会員減少の背景としてよく語られる。ニコニコ側もクリエイター奨励プログラムなどで投稿者への還元を行っている。

炎上とバズ[編集]

  • ニコニコ動画(Re:仮):サイバー攻撃という最悪の状況下で公開された仮設版が、「2007年のニコニコが帰ってきた」とむしろバズる逆転現象が起きた。「3日で作った」という開発スピードも話題になった。
  • 値上げ:2024年・2026年の2度のプレミアム値上げはいずれも大きな反響を呼び、SNSでは会員継続をめぐる議論が起きた。会社側は物価やインフラコストの上昇を理由に説明している。
  • 個人情報の拡散:2024年の流出データを一部のSNSアカウントが拡散したことが問題となり、ドワンゴ・学園側は削除要請や法的措置で対応した。
  • 株主総会:2026年のKADOKAWA株主総会では、物言う株主がニコニコの競争力低下を解任理由に挙げたことで、ユーザーの間でも「ニコニコの今後」をめぐる議論が起きた。

余談[編集]

  • アメリカ本家のDWANGOは1998年に終了したが、日本のドワンゴが翌年に全世界の商標権を取得。「本家よりも分家のほうが大きく育った」珍しい例である。
  • 『DOOM』のマルチプレイ文化から生まれた名前が、20年後に「弾幕コメント」の会社の名前になっているというのも、ネット史的になかなかの縁といえる。
  • 大型アニソンライブ「アニメロサマーライブ(アニサマ)」の「アニメロ」は、ドワンゴの着メロサイト「アニメロミックス」に由来する。
  • ドワンゴとKADOKAWAの統合によって、ELDEN RINGで知られるフロム・ソフトウェアとドワンゴが同じグループになった。フロムとドワンゴは2000年に合弁会社を作ったこともあり、縁は統合前からあった。
  • 創業者の川上量生はスタジオジブリに「見習い」として入社した経歴を持ち、IT企業の会長がアニメスタジオで鈴木敏夫プロデューサーのもとで学ぶという異色のキャリアとして話題になった。
  • ニコニコ動画は2026年12月12日でサービス開始から20年を迎える。

外部リンク[編集]

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