| Pococha(株式会社ディー・エヌ・エー運営) Pococha | |
|---|---|
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運営会社DeNAのロゴ(出典:ウィキメディア・コモンズ) | |
| 略称 | ポコチャ、ポコ |
| 国家 | 日本 |
| 種類 | ライブ配信アプリ |
| 市場情報 | 東証プライム 2432(運営会社DeNA) |
| 業種 | インターネットサービス(ライブストリーミング) |
| 本社所在地 | 東京都渋谷区(DeNA本社) |
| 設立日 | 2017年1月 |
| 設立者 | 株式会社ディー・エヌ・エー |
| 代表者 | 岡村信悟(DeNA代表取締役社長兼CEO) |
| 上場 | 運営会社DeNAが東京証券取引所プライム市場に上場 |
| 年間売上 | 397億9000万円(DeNAライブストリーミング事業、2026年3月期、IRIAM等を含む) |
| 所有者 | 株式会社ディー・エヌ・エー |
| 主要部門 | DeNAライブストリーミング事業 |
| 関係する人物 | 水田大輔(プロデューサー)、若林正恭、平子祐希 |
| 別名 | ポコチャ |
| リンク | https://www.pococha.com/ |
概要[編集]
Pococha(ポコチャ)とは、DeNA(ディー・エヌ・エー)が2017年1月から運営しているライブ配信アプリである。一般人の「ライバー」(配信者)と「リスナー」(視聴者)がスマートフォン1台でつながる双方向型の配信サービスで、ランク制度と配信時間に応じた報酬「時間ダイヤ」を組み合わせた独自の仕組みにより、DeNAのゲーム事業に次ぐ「第2の柱」に成長した。
詳細[編集]
歴史[編集]
Pocochaは2017年1月にサービスを開始した。当時の日本のライブ配信市場には、同じDeNAから生まれたSHOWROOM(2013年開始)や、台湾発の17LIVEなどの先行サービスがあり、Pocochaは後発の立場だった。プロデューサーの水田大輔は、インターネットのサービスはプロのコンテンツから素人のコンテンツへと移っていくという見立てから、「素人の時代」に最も合うライブ配信を目指したと語っている。
2019年10月にアプリを大幅にリニューアルし、2020年には新型コロナウイルス感染症による「巣ごもり需要」で急成長した。2020年10〜12月期にはDeNAのライブストリーミング事業の売上収益が前年同期比132%増の60億円に達し、営業利益14億円と黒字化した。DeNAは当時、上期の急成長の後も緩やかな成長が続き、継続ユーザー数と課金ユーザー数が伸びていると説明している。
海外展開にも挑戦し、2020年3月にインド、2021年5月にアメリカ合衆国でサービスを開始した。しかし海外版Pocochaは2024年2月をもって終了しており、現在は日本国内が主戦場である。累計ダウンロード数は2023年6月時点で512万件、2024年3月末時点で577万件を突破したとされる。
運営体制[編集]
運営は株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)のライブストリーミング事業本部で、同事業にはVTuber型のライブ配信アプリIRIAM(2021年8月に子会社化)も含まれる。Pocochaはリリース当初から水田大輔がプロダクトオーナーを務めてきたことで知られ、水田はPocochaの設計を「国づくり」にたとえている。情報の流れを作る「社会ネットワーク」、公正な環境を守る「ガバナンス」、報酬と競争のバランスを取る「経済」の三つを整えることで、一部のトップ配信者だけでなく中間層のライバーまで報われる「ロングテール」型のサービスを目指したという。
利用の基本[編集]
リスナーはアプリ内で「コイン」を購入し、ライバーにアイテム(ギフト)を贈る。ライバーは配信の盛り上がりや配信時間に応じて「ダイヤ」を受け取り、ダイヤを現金化できる。配信はスマホ1台で縦型画面で行うのが基本で、YouTubeやTwitchのゲーム実況のような作り込まれた番組ではなく、雑談中心の「おしゃべり配信」が主流である。
DeNAによれば、アプリ内で最も多く使われるコメントは「おはよう」「ありがとう」「おかえり」「おやすみ」の順とされ、日常のあいさつを交わす「居場所」としての使われ方が色濃い。
ランク制度とダイヤの仕組み[編集]
ランク制度[編集]
Pocochaの最大の特徴がライバーのランク制度である。ランクは上からS帯・A帯・B帯・C帯・D帯・E帯に分かれ、各帯の中がさらに細かく分かれている。リスナーからのアイテムやコメントなどによって「応援ポイント」がたまり、一定期間ごとの達成度に応じてランクが上下する仕組みで、ランクが上がるほど報酬の単価が上がる。
ランク制度は何度も改定されており、新ランクの追加やメーター位置の調整などが公式のお知らせ(Pococha Report)で告知されてきた。配信者やリスナーの間では、ランクを維持・昇格させるために「ランク戦」と呼ばれる集中応援が行われることもある。
時間ダイヤ[編集]
時間ダイヤは、配信した時間に応じてランクごとに決まった額のダイヤがもらえる仕組みで、いわば「時給」にあたる。紹介サイトで引用されている目安は次のとおりで、時期や制度改定によって変わる。
| ランク帯 | 1時間あたりの時間ダイヤの目安 |
|---|---|
| S帯 | 約3,000〜5,500ダイヤ |
| A帯 | 約1,900〜2,500ダイヤ |
| B帯 | 約1,200〜1,600ダイヤ |
| C帯 | 約400〜800ダイヤ |
| D帯 | 約50〜150ダイヤ |
| E帯 | 約30ダイヤ |
時間ダイヤには1日4時間、週19時間、月75時間といった上限が設けられているとされ、長時間配信すればいくらでも増えるわけではない。つまり、同じ時間配信しても上位ランクと下位ランクで100倍近い差がつく設計になっている。
盛り上がりダイヤ(応援ダイヤ)[編集]
時間ダイヤとは別に、配信中のコメント・いいね・アイテムの数や、それを送った人数、視聴時間などから計算される「盛り上がりダイヤ」(旧称・応援ダイヤなど)がある。少数の高額課金者よりも、多くのリスナーが継続的にコメントやアイテムを送る配信ほど有利になるよう設計されているとされ、Pocochaの「つながる」路線を報酬面で支えている。
ダイヤの換金[編集]
ダイヤは1ダイヤ=1円として現金化でき、1ダイヤ=1コインでアプリ内のコインにも交換できる。現金化はアプリ内ではなくWebサイトから申請し、最低5,000ダイヤから。報酬からは所得税の源泉徴収分(10.21%)が差し引かれる。ダイヤには最終取得・使用から180日の有効期限があり、配信で得たダイヤは翌々日に反映される。
「Pocochaの還元率は100%」と紹介されることがあるが、これは「1ダイヤ=1円」という換金レートの話であり、リスナーが使ったコインの額がそのままライバーのダイヤになるという意味ではない。ダイヤは応援ポイントや配信時間などから算出されるため、他アプリのような「投げ銭の何%」という単純な還元率とは比べにくい。
ライバー事務所文化[編集]
Pocochaではフリーのライバーのほか、「事務所」(エージェンシー)に所属するライバーが多い。事務所はPocochaと契約した法人で、配信の方針づくりやランクアップの助言、イベント対策、トラブル時の相談などを行い、その対価としてPocochaから事務所向けの報酬を受け取る。紹介サイトの説明では、事務所に所属してもライバー本人のダイヤ報酬が直接減るわけではない仕組みとされ、これがPocochaで事務所所属が一般的になった理由の一つとされる。
事務所によっては、独自に「時給保証」や「最低報酬保証」を付けてライバーを募集しており、求人サイトやX (SNS)、Instagram、TikTokには「ポコチャライバー募集」の広告が多数出ている。大手エンタメ企業系の事務所やメディアもPocochaライバー向けの情報発信・募集を行っており、企業向けの公式サイト「Pococha for Business」では事務所運営のFAQも公開されている。
一方で、事務所ごとにサポートの厚さや契約条件が大きく異なり、移籍の手続きや契約期間をめぐる相談もネット上で多く見られる。ライバーにとっては「どのアプリで配信するか」だけでなく「どの事務所に入るか」も収入を左右する要素になっている。
DeNAの業績における位置づけ[編集]
DeNAはライブストリーミング事業を、ゲーム事業に次ぐ「第2の柱」と位置づけている。同事業にはPocochaのほかIRIAMなども含まれるが、売上の大半をPocochaが占めるとされる。
| 期間 | ライブストリーミング事業 売上収益 | セグメント損益 | 主なトピック |
|---|---|---|---|
| 2020年10〜12月期 | 60億円(前年同期比132%増) | 営業利益14億円 | 巣ごもり需要で急成長 |
| 2024年3月期(通期) | 425億7900万円(前期比6.2%増) | 3億3900万円の黒字(前期は5億7200万円の損失) | 国内Pococha単体のセグメント利益は41億円。海外Pocochaは2024年2月に終了 |
| 2025年3月期(通期) | — | 2億100万円の赤字 | 上期にテレビCMなどのマーケティングを実施 |
| 2026年3月期(通期) | 397億9000万円(前年度比1.9%減) | 39億8400万円の黒字 | 収益性重視の運営に転換 |
| 2027年3月期 第1四半期(2026年4〜6月) | 97億2500万円(前年同期比2.5%減) | 9億9400万円(同0.8%減) | 「Pocochaが堅調に推移」 |
2024年3月期にはライブストリーミング事業がDeNA全体の売上の約31%を占め、2021年から約1.75倍に成長したと報じられている。DeNAの岡村信悟社長は「成長投資を行いながら、黒字を確保できるようになってきた」とコメントした。2025年3月期はテレビCMなどで新規ユーザー獲得に投資したが、その後は収益性の改善を優先する方針に切り替え、2026年3月期には売上が微減する一方で利益は大きく改善した。調査会社Sensor Towerのデータでは、2023年2〜9月に国内主要ライブ配信アプリ6サービスの中で月間アクティブユーザー数が1位だったとされる。
他サービスとの比較[編集]
| 項目 | Pococha | 17LIVE | SHOWROOM | TikTok LIVE |
|---|---|---|---|---|
| 運営 | DeNA(日本) | 17LIVE(台湾発) | SHOWROOM株式会社(DeNAから分社) | ByteDance系(中国発) |
| 開始 | 2017年 | 2015年(台湾) | 2013年 | TikTokの機能として提供 |
| 報酬の軸 | 時間ダイヤ+盛り上がりダイヤ | ギフト(投げ銭)中心 | ギフト中心 | ギフト(ダイヤモンド)中心 |
| ライバー像 | 一般人の雑談配信が中心 | 一般人〜タレント、トップ層の売上が大きい | アイドル・タレント志望者が多い | ショート動画のフォロワーを持つ人が有利 |
| 特徴 | ランク制度で「時給」が出る | 高額ギフトの上限が高い | AKB48グループなどアイドルとの結び付き | 視聴者の母数が大きい |
17LIVEは台湾発のグローバルサービスで、トップライバーには月に数千万円単位のギフトが集まるなど、上位層の爆発力が大きいとされる。一方Pocochaは、ギフトが少ない配信でも時間ダイヤで一定の報酬が得られるため、「副業感覚で始めやすい」と比較されることが多い。
SHOWROOMは2013年11月にDeNAの新規事業として始まり、2015年に会社分割でSHOWROOM株式会社として独立した。つまりPocochaとSHOWROOMは、同じDeNAから生まれた「兄弟」サービスである。SHOWROOMがアイドルや芸能志望者の「仮想ライブ空間」として発展したのに対し、Pocochaは一般人の日常的なコミュニケーションに寄せたという違いがある。
TikTok LIVEは短尺動画アプリの一機能で、フォロワーを持つクリエイターが配信を始めやすい。YouTubeのライブ配信やニコニコ動画の生放送なども含め、日本のライブ配信市場は複数のサービスが並立しており、ライバーが複数アプリを掛け持ちすることも珍しくない。
炎上とバズ[編集]
テレビCM[編集]
2024年4月22日から、お笑いコンビ・オードリーの若林正恭を起用したテレビCMを全国で放送した。「この世界を、もっとフレンドリーに。」をメッセージに「つながるライブ配信」を打ち出し、CMソングはロックバンド「ねぐせ。」の書き下ろし曲で、テレビ東京のドラマ25『これから配信はじめます』の主題歌ともコラボレーションした。アルコ&ピースの平子祐希を起用したCMも制作されている。ライバーがイベントで「テレビCM出演権」を争う企画も行われ、一般ライバーがCMに登場するという話題作りも行われた。
他人のクレジットカードでの投げ銭事件[編集]
2025年4月、他人のクレジットカード情報を使ってPocochaのコイン約130万円分を不正に購入し、ライバーへの投げ銭に使ったとして、男が逮捕されたと京都新聞などが報じた。購入は数十回に分けて行われたと伝えられている。ライブ配信の投げ銭をめぐっては、Pococha以外のアプリも含めて高額課金や借金が社会問題として取り上げられることがあり、依存の問題を扱う精神科医の記事なども出ている。
18歳未満の利用制限[編集]
Pocochaは2021年1月25日から、18歳未満のユーザーによるアプリ利用を全面的に制限した。それ以前から年齢による配信機能の制限や課金上限を設けていたが、最終的にはログインも含めて利用できなくする措置に踏み切った。未成年の利用をめぐるトラブルが業界全体で問題になるなか、国内の大手ライブ配信アプリとしては踏み込んだ対応として注目された。
余談[編集]
- PocochaとSHOWROOMはどちらもDeNAの社内から生まれたサービスで、SHOWROOMの方が先輩にあたる。一つの会社が国内の代表的なライブ配信アプリを二つ生み出したことになる。
- 水田大輔によれば、Pocochaの利用者数(累計約500万人)はTwitterやYouTube(4000万〜5000万人規模)には遠く及ばないものの、PinterestやLinkedIn(1000万人規模)を引き合いに出して、Pocochaの規模感を説明している。
- 2020年6月には、地域の魅力をライバーが発信する「MY LIVE ♡ MY TOWN PROJECT」を始めるなど、配信を地域PRに活用する取り組みも行っている。
- 後発からトップに立った理由について、配信者向けのマーケティングはほとんど行わず、口コミで広がったとされる。広告はむしろリスナー向けにYouTube広告などで展開したという。