| SHOWROOM株式会社 SHOWROOM Inc. | |
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SHOWROOMのロゴ(出典:ウィキメディア・コモンズ) | |
| 略称 | SHOWROOM、ショールーム、SR |
| 国家 | 日本 |
| 種類 | 株式会社 |
| 市場情報 | 非上場 |
| 業種 | 情報・通信業(ライブ配信プラットフォーム運営・番組制作) |
| 本社所在地 | 東京都渋谷区 |
| 設立日 | 2015年8月3日 |
| 年齢 | 11周年 |
| 設立者 | 前田裕二 |
| 代表者 | 前田裕二(代表取締役社長) |
| 資本金 | 1億円(2026年3月期決算公告時点) |
| 上場 | 非上場 |
| 年間売上 | 非開示(2026年3月期 当期純利益 約1億6,900万円) |
| 主要株主 | ディー・エヌ・エー(2020年7月時点で49.8%、持分法適用会社)ほか |
| 主要部門 | ライブ配信サービス「SHOWROOM」 |
| 関係する人物 | 前田裕二、秋元康、指原莉乃 |
| 代表作品 | SHOWROOM、smash. |
| 別名 | 仮想ライブ空間 |
| リンク | https://www.showroom-live.com/ |
概要[編集]
SHOWROOM(ショールーム)とは、日本のSHOWROOM株式会社が運営する「仮想ライブ空間」型のライブ配信サービスである。2013年にディー・エヌ・エー(DeNA)の社内事業として前田裕二が立ち上げ、アイドルや芸能志望者が配信し、視聴者がアバター姿で客席に入ってギフトを投げて応援するという、「ライブ会場」をインターネット上に再現した仕組みが特徴。
詳細[編集]
誕生の経緯[編集]
SHOWROOMの発想の原点は、創業者・前田裕二の少年時代の路上弾き語り体験にあるとされる。前田は幼くして両親を失い、小学生の頃から駅前でギターを弾いて日銭を稼いでいたと自著『人生の勝算』(2017年)などで語っており、「演者と観客の間に生まれる絆や、応援されることで演者が伸びていく関係」をネット上で再現することがサービスの根幹にある。
前田は早稲田大学を卒業後、外資系金融機関(UBS証券)で勤務したのち、2013年にDeNAへ転職。同年11月25日、DeNAの新規事業としてSHOWROOMのPC版をリリースした。続いてAndroid版が2013年12月20日、iPhone版が2014年1月14日に公開されている。
一般配信の開放と分社化[編集]
サービス開始当初は、運営が認めた「公式」の演者(アイドル・芸人・ミュージシャンなど)だけが配信できる形式だった。2014年9月13日には一般の登録ユーザーにも配信機能が開放され、プロ・アマ問わず誰でも配信者(SHOWROOMでは「演者」「パフォーマー」「ルーム」と呼ぶ)になれるようになった。
2015年8月3日、DeNAは運営の自由度と事業展開のスピードを高めることを目的に、会社分割(新設分割)によってSHOWROOM事業を切り出し、SHOWROOM株式会社を設立した。設立時の資本金は1,000万円、所在地は東京都渋谷区の渋谷ヒカリエ、代表取締役社長は前田裕二。同月下旬にはソニー・ミュージックエンタテインメントが第三者割当増資を引き受ける予定であることが発表され、DeNAとソニーミュージックの合弁的な体制でスタートした。
DeNAの連結子会社から持分法適用会社へ[編集]
2019年11月、SHOWROOMは総額31億円の資金調達を実施し、電通、ニッポン放送、アカツキなど7社が出資者に名を連ねた。このとき前田は記者会見で、DeNAによる株式譲渡と増資を組み合わせた形で、年度内にDeNAの連結子会社から外れることを目指すと表明していた。
その言葉通り、2020年6月30日付でDeNAは保有するSHOWROOM株式の一部を譲渡し、同年7月1日からSHOWROOMはDeNAの持分法適用会社となった(DeNAの保有比率は49.8%と報じられた)。株式の譲渡先としてカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)、KDDI新規事業育成3号投資事業有限責任組合、SBI AI&Blockchain投資事業有限責任組合、テレビ朝日ホールディングスの4者が公表された。DeNAはこの売却に伴い約80億円の子会社株式売却益を計上したとされる。
その後、DeNAは2024年3月期第3四半期決算において、持分法で会計処理しているSHOWROOMへの投資に減損の兆候があるとして減損テストを行い、59億4,300万円の持分法による投資損失を計上した。この期のDeNAはゲーム事業などでも巨額の減損を出しており、SHOWROOM単体でもかなりの額が評価替えされた形となる。
「第二創業期」と多角化[編集]
2019年末以降、SHOWROOMは「アマチュア中心のライブ配信」に加え、「プロのコンテンツが体感できる場」をテーマに新規事業を相次いで打ち出した。AR/VR配信のプラットフォーム「SHOWSTAGE」、音声メディアなどの構想が発表され、2020年10月22日には縦型・短尺のプロ制作動画アプリ「smash.」(スマッシュ)をリリースした。smash.はKDDIとの連携が深く、auやUQ mobile、povo2.0の料金プラン・トッピングとセット販売されたことでも知られる(povo2.0の「smash.使い放題パック」は2024年に提供を終了している)。
近年は地方テレビ局や学校と組んだオーディション事業、企業向けのビジネス配信など、配信プラットフォームを「スカウトと育成のインフラ」として外部に提供する動きが目立つ。2024年には全国の地上波テレビドラマの出演者オーディションを連続開催するプレスリリースを出している。
サービスの仕組み[編集]
仮想ライブ空間とアバター[編集]
SHOWROOMの最大の特徴は、配信画面の下に「客席」があり、視聴者一人ひとりがアバターとして座っている様子が見えることである。配信画面は劇場のステージのように描かれ、前列に座るアバターほど目立つ。前田はこの形式を「スナック」や路上ライブにたとえ、演者と常連客の距離感を大事にした設計だと説明している。
アバターは無料のものに加え、イベントの報酬・抽選・有料で入手できる限定アバターがあり、アイドルグループのイベント時には衣装をモチーフにした限定アバターが配布されることもある。どのアバターで入室するかがファンのアイデンティティの一部になっており、古参ファンが古いイベント限定アバターを使い続けるといった文化もある。
コメントと「カウント」[編集]
視聴者はテキストコメントで演者と交流する。かつては1コメント=1ポイントとして扱われていたため、「1」「2」…「50」と数字を連投して演者のポイントを稼ぐ「カウント」という独特の応援文化があった。無料の星ギフトを50個ずつ10回投げる「星投げ」とセットで行われることが多く、画面が数字で埋まる光景はSHOWROOMの名物だった。
しかし2023年9月11日のシステム改定でコメントのポイント化は廃止され、カウント文化は応援手段としての意味を失った。数字を打ち込んでもポイントには反映されない。
ファンレベルとランキング[編集]
視聴時間・ギフト・コメントなどの貢献度に応じて、視聴者には演者ごとの「ファンレベル」が付与される。また、演者側には「ルームレベル」やポイントに基づくランキングがあり、上位ランクの演者はトップページで目立つ位置に表示される。ファンレベルの算定条件は2023年10月以降、ギフト制度の変更に合わせて何度か調整されている。
ギフト・課金[編集]
有料ギフトとSHOWROOMゴールド[編集]
SHOWROOMの主な収益源は、視聴者が購入する有料ギフトである。視聴者は課金通貨「SHOWROOMゴールド」(SG、単位はG)を購入し、それを使ってバルーン、花束、タワーなどの有料ギフトを演者に送る。有料ギフトは50種類以上あり、通常の配信では1Gのギフトが1ポイントに換算される。ブラウザ版では500Gが550円程度から購入でき、アプリ版は各ストアの手数料の関係で価格が異なる。未成年ユーザーには月額の課金上限(17歳以下は月2万円など)が設けられている。
ギフトで得たポイントは演者の報酬に反映される仕組みで、配信者の収入は「ファンから直接支払われる応援料」に近い。公式演者(事務所所属のタレントやアイドル)と一般演者では報酬の条件が異なるとされ、詳しい分配率は公開されていない。
無料ギフト「星」「種」の時代[編集]
2023年9月まで、SHOWROOMには視聴するだけで貯まる無料ギフトがあった。公式演者向けの「星」と一般演者向けの「種」で、いずれも5色・各色99個まで保持でき、配信を一定時間視聴すると入手できた。一人の演者から最大50個ずつ集められ、1時間あたりの取得上限もあったため、多くのルームを渡り歩いて星を集めてから推しの配信で一気に投げる「星集め」が日課になっているファンも多かった。
また、100ポイント相当の特別な無料ギフト「レインボースター」も存在し、イベント時には有料ギフトとレインボースターのみポイントが2.5倍で換算されるなど、課金と無課金の差をつける設計がとられていた。
2023年のギフト制度改定[編集]
2023年8月、SHOWROOMは大規模なシステム改定を告知し、同年9月11日午前9時から施行した。主な内容は次の通りである。
- 5色の星・種ギフトを廃止(レインボースターやペンライトなど一部の無料ギフトは継続)
- 「1コメント=1ポイント」の廃止
- 1日2回の時間帯ごとに「デイリーミッション」を導入し、達成で1日最大140G程度の無料SG(使用期限付き)を付与
- 新たな無料ギフト「キラ星」を導入(ミッション達成で500個入手、1ルームあたり各時間帯100個まで)
- 500G未満のギフトは最大10連投まで、連投数に応じて最大20%のボーナス、高額ギフトは一律1.2倍などポイント換算を再設計
- 開催中イベントの目標ポイントも改定に合わせて調整
長年の「星投げ」「カウント」文化の終了はユーザーの間で大きな話題となり、ブログやQ&Aサイトでは「無課金で応援しにくくなった」という声と、「ファンの負担軽減や演者の収入改善につながる」という見方の双方が見られた。
イベント文化[編集]
SHOWROOMでは、運営や芸能事務所・メディアが主催するイベントが常時多数開催されている。イベントは一定期間内に獲得したポイントで演者を順位づけし、上位者に雑誌掲載、グラビア撮影、テレビ・ラジオ出演、広告出演、オーディションの合格・次審査進出などの「特典」が与えられるものが多い。ファンの間では、上位争いが激しいものを俗に「ガチイベ」と呼ぶ。
イベントの報酬がメディア露出や芸能活動のチャンスに直結しているため、配信者にとってSHOWROOMは単なる投げ銭アプリではなく、「ファンの応援量を可視化して選考に使うオーディション会場」として機能している。グラビアアイドルの誌面掲載枠や、ファッションショーのランウェイモデル枠、地上波ドラマの出演枠などがイベント報酬として用意されてきた。
一方で、順位がポイント(≒課金額)で決まる構造のため、上位入りのためにファンが一度のイベントで数十万ポイント単位のギフトを投じたという体験談もインターネット上に多数投稿されている。イベント終盤の追い上げは「ラストスパート」として盛り上がる反面、ファン同士の資金力勝負になりやすいという特徴がある。
アイドルとの結びつき[編集]
AKB48グループ[編集]
SHOWROOMはサービス初期からAKB48グループと深い関係にある。AKB48グループの各メンバーは公式ルームで個人配信を行っており、握手会や劇場公演以外でファンと日常的に交流する場になった。プロデューサーの秋元康が関わるグループが多数参加していることもあり、「アイドルの個人配信といえばSHOWROOM」という時代を作った。
特に有名なのが選抜総選挙との連動企画である。第45回・第49回シングル選抜総選挙などで「選抜総選挙×SHOWROOM」イベントが開かれ、2018年の第53回シングル世界選抜総選挙では、5月24日から6月15日まで立候補メンバーがSHOWROOMでアピール配信を行った。総選挙後には国内の立候補者324人による「お礼配信」期間も設けられ、グループごとの限定アバターも配布された(BNK48・TPE48の候補者は対象外)。また「AKB48 SHOWROOM選抜」決定オーディションのように、SHOWROOMのイベント順位がシングルの参加メンバー選出に関わる企画も行われた。
坂道シリーズ[編集]
乃木坂46・欅坂46(現・櫻坂46)・けやき坂46(現・日向坂46)のオーディションでもSHOWROOMが審査過程に組み込まれた。けやき坂46の追加メンバーオーディションには「SHOWROOM部門」が設けられ、2018年の坂道合同新規メンバー募集オーディションでは、8月14日から17日にかけて候補者が個人配信を行う「SHOWROOM審査」が実施された。ただし運営は、配信内容やポイント・順位は審査の参考にするが「直接的に合否には関係ない」と明記していた。中学生以下の候補者は配信時間が20時までに制限されるなどのルールもあった。
この審査はまだ一般人である候補者の素顔や話し方がファンに初めて見られる場となり、のちにデビューしたメンバーの審査時代の配信がファンの間で語り草になることも多い。
=LOVEと指原莉乃プロデュース[編集]
2017年には、代々木アニメーション学院が主催し、指原莉乃がプロデュースする声優アイドルグループのオーディションでSHOWROOMを使った審査が行われた。ここから誕生したのが=LOVE(イコールラブ)であり、2018年に告知された姉妹グループ(のちの≠ME)のオーディションも同様に代々木アニメーション学院主催で行われた。
その他[編集]
22/7(ナナブンノニジュウニ)など他のアイドルプロジェクトのオーディションや、地下アイドル・ライブアイドルの定期配信の場としても定着している。アイドル以外にも、芸人、声優志望者、歌い手、モデル志望者、地方局のアナウンサーなど多様な演者がいる。
業績[編集]
SHOWROOM株式会社は非上場企業であり、売上高や営業利益は開示されておらず、会社法に基づく決算公告で当期純損益と貸借対照表の概要のみが公開されている。
| 決算期 | 当期純損益 | 備考 |
|---|---|---|
| 第1期(2016年3月期) | 約1億3,200万円の赤字 | |
| 第2期(2017年3月期) | 約9,900万円の赤字 | |
| 第3期(2018年3月期) | 約1億4,700万円の赤字 | |
| 第4期(2019年3月期) | 約3億1,800万円の赤字 | 赤字額が前期の2倍以上に |
| 第9期(2024年3月期) | 約1,500万円の黒字 | 純資産約8億6,700万円 |
| 第10期(2025年3月期) | 約1億5,400万円の黒字 | 純資産約10億3,700万円 |
| 第11期(2026年3月期) | 約1億6,900万円の黒字 | 純資産約12億円、資本金1億円 |
設立から数年間は赤字が続き、2019年にはビジネス誌が「メモ魔の大誤算」「経営難に喘ぐ」などと報じた。赤字の主因はアプリ開発費や広告宣伝費の増加で、アプリ自体は人気だが損益分岐点を超えられていないと分析されていた。一方、2017年上半期には日本の動画配信アプリの中で収益1位になったとも伝えられている。
2024年3月期以降は3期連続で黒字を計上しているが、繰越利益剰余金は2026年3月期時点でも約38億円のマイナスであり、過去の累積赤字を少しずつ取り戻している段階にある。
ユーザー数については、2019年12月時点で登録者数330万ユーザーと報じられた。その後の公式な登録者数は大きく報道されていない。
他サービスとの比較[編集]
| サービス | 運営 | 主な配信者層 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| SHOWROOM | SHOWROOM株式会社(DeNA持分法適用会社) | アイドル、芸能志望者、タレント | アバター客席、芸能系イベント・オーディションが豊富 |
| Pococha | ディー・エヌ・エー | 一般ライバー | 2017年開始。ランク制と時間報酬が特徴 |
| 17LIVE | 17LIVE(台湾発祥) | 一般ライバー、タレント | アジア圏で展開、ライバー事務所との連携が強い |
| YouTubeライブ | YouTuber、VTuber | スーパーチャット、アーカイブが残る | |
| ニコニコ生放送 | ドワンゴ(KADOKAWAグループ) | 生主、ゲーム実況 | コメント文化、有料チャンネル |
| Twitch | Amazon | ゲーム実況者 | ゲーム配信中心、サブスク課金 |
| TikTok LIVE | ByteDance | 一般ユーザー、インフルエンサー | 短尺動画からの導線 |
同じDeNAグループにPocochaがあることから、「アイドル・芸能系はSHOWROOM、一般ライバーはPococha」と棲み分けているとされる。他のライブ配信アプリが「一般人ライバーが配信で稼ぐ」方向に振れているのに対し、SHOWROOMは「芸能界への入口」としての性格が色濃く、事務所や番組と組んだイベントの多さが差別化要因になっている。
余談[編集]
- 配信者ごとのページは「ルーム」と呼ばれ、演者が自分の部屋(ROOM)でショーを見せるという名前の由来と重ねて語られることがある。
- 前田裕二の著書『メモの魔力』(2018年)はビジネス書としてベストセラーになり、社長自身の知名度がサービスの知名度を上回った時期がある。2019年の経営難報道の見出しに「メモ魔の大誤算」と付けられたのはこのため。
- 坂道合同オーディションのSHOWROOM審査では、配信終了間際の「最後の2分」の様子がファンの間で切り抜かれて出回るなど、審査配信そのものがコンテンツとして消費される現象が起きた。
- DeNAはSHOWROOMを持分法適用会社にした一方で、自社で別のライブ配信アプリPocochaを大きく育てており、同じ会社から生まれた2つのライブ配信サービスが別々の道を歩んでいる。
- 地方テレビ局と組んだVTuberスクール「KBC VIRTUAL SCHOOL supported by SHOWROOM」のように、VTuber育成にも関わっている。