| イ・エル 이엘(Lee El) | |
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![]() ドラマ『幸せバトル』制作発表会でのイ・エル(2023年5月)(出典:ウィキメディア・コモンズ「0523 이엘 1.png」、K-POPIT 케이팝잇、CC BY 3.0) | |
| 本名 | キム・ジヒョン(김지현) |
| 誕生日 | 1982年 |
| 出身地 | 韓国・ソウル |
| 国籍 | 韓国 |
| 学歴 | 成均館大学校 演技芸術学科 |
| ジャンル | テレビドラマ、映画、舞台、ミュージカル |
| 身長 / 体重 | 168 cm / ― kg |
| 事務所 | フリー(2026年7月、キウルカンパニーとの専属契約を終了) |
| 代表作 | 映画『哀しき獣』『インサイダーズ/内部者たち』、ドラマ『トッケビ』『私の解放日誌』『明日はきっと』 |
| 関連活動 | YouTubeチャンネル「이엘저엘(イエルジョエル)」、バラエティ番組、CM |
| その他 | 第59回百想芸術大賞 テレビ部門助演女優賞ノミネート(2023年、『私の解放日誌』) |
| リンク | Instagram(@2l_kjh) |
概要[編集]
イ・エル(이엘、1982年 - )とは、韓国の女優である。本名はキム・ジヒョン。映画『哀しき獣』『インサイダーズ/内部者たち』、ドラマ『トッケビ』の三神ハルモニ役、『私の解放日誌』の長女ヨム・ギジョン役などで知られる、韓国芸能界屈指の「シーンスティーラー」。
詳細[編集]
「キム・ジヒョン」から「イ・エル」へ[編集]
1982年、ソウル生まれ。本名はキム・ジヒョン(김지현)。キャリアの出発点は映像ではなく舞台で、2005〜2006年のミュージカル『グリース』では本名のキム・ジヒョン名義でフレンチー役を演じ、2008年にはスティーヴン・ソンドハイムのミュージカル『カンパニー』にも出演している。芸名の「イ・エル」は、同姓同名の「キム・ジヒョン」が芸能界に何人もいたことから付けたもので、「神の豊かな香り」という意味が込められているとされる。2009年、MBCの週末ドラマ『よくやった、よくやった(잘했군 잘했어)』でテレビデビュー、同年の映画『シークレット』でスクリーンデビューを果たした。
10年近い無名時代[編集]
2025年9月放送のMBC『ラジオスター』で本人が語ったところによると、中高生時代は夢について何も考えられなくなり、家出をしたこともあったという。最終的には両親の許可を得て学校を辞め、検定試験(검정고시)で高卒資格を取得。その後、父親と酒を飲んだ夜に突然「演技がしたい」と思い立ち、演技塾に通い始めた。父からは「お前の人生はお前が責任を持て」と言われたそうだ。成均館大学校で演技を学んだのち、俳優として本格的に顔が売れ始めたのは27歳になってから。それまでの約10年間は無名で、冬のある日、所持金400ウォンで自販機のハトムギ茶(율무차)を買い、その粉をかき出して食べて空腹をしのいだというエピソードまで飛び出した。
「代替不可のシーンスティーラー」[編集]
韓国メディアではしばしば「대체불가 신스틸러(代替不可のシーンスティーラー)」と形容される。主演よりも助演で強烈な爪痕を残すタイプで、ホステス、愛人、トランスジェンダー女性、秘書、AIの声、宇宙管制センターのチーフ、そして出産をつかさどる神様まで、役柄の振れ幅がとにかく広い。本人は「キャラクターごとに質感が違い、その人生をたどっていく過程こそが演技の本質」と語っている。2025年には1年で4本のドラマに出演するフル稼働ぶりを見せ、2026年7月には所属事務所との契約を終えてフリー(FA)になった。
映画で名を上げた2010年代[編集]
『哀しき獣』と『インサイダーズ』[編集]
スクリーンでの出世作は、ナ・ホンジン監督の2010年の映画『哀しき獣』(原題:황해)。ハ・ジョンウ、キム・ユンソクが主演した血まみれのノワールで、イ・エルはチュヨン役を演じた。本人いわく、この作品では「愛人」役だった。続く2012年には大ヒット時代劇『王になった男』(原題:광해, 왕이 된 남자)に出演し、同年の『ペースメーカー』ではチェ・ミンギョン役を務めている。
ブレイクのきっかけとして必ず挙げられるのが、2015年の映画『インサイダーズ/内部者たち』(原題:내부자들)。政財界とマスコミの癒着を描いた社会派ノワールで、イ・ビョンホンの相手役となる女性キャラクター、チュ・ウンヘを演じた。夜の店で働く女性という難しい役どころだったが、強烈な存在感で観客の記憶に残り、「新星」として注目を浴びた。この演技で2016年の第53回大鐘賞の助演女優賞にノミネートされている。
主演作と配信映画[編集]
2018年の映画『バラム・バラム・バラム』(原題:바람 바람 바람)ではジェニー役で主演級のポジションをつかみ、韓国メディアに「長年の端役を経てついに主役に」と報じられた。その後も2019年『幽霊の香り』(原題:귀신의 향기)、2020年のNetflix映画『ザ・コール』(原題:콜)と話題作が続く。『ザ・コール』はパク・シネ、チョン・ジョンソ共演のスリラーで、イ・エルはチョン・ジョンソ演じるヨンスクの「神母(シンオンマ)」と呼ばれる巫女役を演じ、2021年の第41回青龍映画賞で助演女優賞にノミネートされた。
2022年にはNetflix映画『モラルセンス』(原題:모럴센스)、ソル・ギョング主演のNetflix映画『夜叉 -容赦なき工作戦-』(原題:야차)でヒウォン役を担当。2024年には映画『彼女が死んだ』(原題:그녀가 죽었다)でオ・ヨンジュ役を演じた。また、チェ・ミンシク主演、イム・サンス監督の映画『幸せの国へ』(原題:행복의 나라로)にも出演しており、同作は2021年の釜山国際映画祭の開幕作として上映されている。
トッケビの三神ハルモニ[編集]
イ・エルの名前を一般の視聴者に一気に広めたのが、2016〜2017年にtvNで放送された『トッケビ』(原題:쓸쓸하고 찬란하神-도깨비)である。コン・ユ、イ・ドンウク、キム・ゴウン、ユ・インナらが出演した社会現象級のファンタジーロマンスで、イ・エルは命の誕生をつかさどる神様「三神ハルモニ(삼신할매)」を演じた。登場シーンは多くないものの、神秘的で威厳のある佇まいは強烈で、「トッケビといえば三神ハルモニ」と記憶する視聴者も少なくない。
2025年の『ラジオスター』では撮影の裏話も披露。特殊メイクに約5時間かかり、トイレに行くことすら大変だったと振り返っている。共演者からは「アバターみたい」とイジられ、スタジオが笑いに包まれた。
2026年7月には、放送10周年を記念したtvNの特別番組『함께여서 찬란하神 - 도깨비 10주년 여행(一緒だから燦爛たる神 トッケビ10周年旅行)』が放送された。コン・ユ、イ・ドンウク、キム・ゴウン、ユ・インナのメイン4人が江陵(カンヌン)に集まって同窓会旅行をする内容で、イ・エルはキム・ビョンチョル、パク・ギョンヘとともにスペシャルゲストとして参加。10年ぶりの「三神ハルモニ」の再登場はファンを大いに沸かせた。
私の解放日誌のヨム・ギジョン[編集]
キム・ジウォン、ソン・ソック、イ・ミンギと共演した2022年のJTBCドラマ『私の解放日誌』(原題:나의 해방일지)は、イ・エルのキャリアにおける最大の転機とされる。演じたのは、ソウル郊外の小さな町に暮らすヨム家三きょうだいの長女ヨム・ギジョン。弟チャンヒ(イ・ミンギ)とはいつも口げんかばかりしているのに、一緒に酒を飲み、ご飯を食べる仲でもあるという、リアルすぎる姉弟像が話題になった。
ギジョンは愛に飢えた女性で、「この冬は誰でもいいから愛する」と宣言するほどの惚れっぽさの持ち主。お見合い相手の悪口を言っていた焼肉屋で、子どもを育てるシングルファーザーのチョ・テフン(イ・ギウ)と出会い、宝くじ10枚を口実に再会を狙う……という不器用で愛すべきアプローチが視聴者の共感を呼んだ。テフンの家族の反対や妊娠騒動による行き違いを経て、二人は少しずつ関係を深めていく。
本人は『ラジオスター』で「強いキャラクターは参考にできる人物が多いので簡単だが、『私の解放日誌』のような作品は内面を深く覗かなければならず、もっと難しかった」と告白している。それまでの「強い女」のイメージとは真逆の、等身大で不完全な女性像を体現したこの役で、2022年のAPANスターアワード助演女優賞、2023年の第59回百想芸術大賞テレビ部門助演女優賞にノミネートされた。
主なドラマ出演歴[編集]
2009〜2019年[編集]
テレビドラマへの出演は非常に多い。主なものは以下の通り。
- 2009年『よくやった、よくやった』(MBC)ミンジュ役:テレビデビュー作
- 2011年『強力班』(KBS2)ユ・ヘミ役
- 2011年『王女の男』(KBS2)メヒャン役
- 2012年『乱暴なロマンス』(KBS2)ミジン役
- 2013年『7級公務員』(MBC)パク・スヨン役
- 2014年『オンマの庭』(MBC)キム・ジャギョン役:初の日日ドラマ
- 2014年『ライアーゲーム』(tvN)オ・ジョンア(ジェイミー)役
- 2014年『大丈夫、愛だ』(SBS)セラ役(カメオ)
- 2015年『離婚弁護士は恋愛中』(SBS)ハン・ミリ役
- 2015年『想像猫』(MBC every1)トッコ・スン役
- 2016年『モンスター』(MBC)オク・チェリョン役
- 2016〜2017年『トッケビ』(tvN)三神ハルモニ役
- 2017年『ブラック』(OCN)ユン・スワン役
- 2017〜2018年『花遊記』(tvN)マ秘書役
- 2018年『最高の離婚』(KBS2)チン・ユヨン役
- 2019年『悪魔が君の名前を呼ぶとき』(tvN)チ・ソヨン役
2022年以降[編集]
- 2022年『私の解放日誌』(JTBC)ヨム・ギジョン役
- 2023年『幸せバトル』(ENA、原題:행복배틀)チャン・ミホ役
- 2024年『Mr.プランクトン』(Netflix)ポン・スク(ジュリ)役:主人公ヘジョの幼なじみ。主演はウ・ドファン
- 2025年『星たちに聞いてみて』(tvN、原題:별들에게 물어봐)カン・テヒ(カン・チーフ)役
- 2025年『금쪽같은 내 스타』(ENA)コ・ヒヨン役
- 2025年『사마귀: 살인자의 외출』(SBS)キム・ナヒ役
- 2025〜2026年『明日はきっと』(JTBC、原題:경도를 기다리며)ソ・ジヨン役
- 2026年(予定)『협반』シム・チョンハ役
2025年のフル稼働[編集]
2025年のイ・エルは、まさに「出ずっぱり」の一年だった。
1月スタートのtvN『星たちに聞いてみて』は、イ・ミンホとコン・ヒョジンが共演した宇宙ステーションが舞台のロマンティックコメディ。イ・エルは地球と宇宙をつなぐMCC地上管制センターを率いる「カン・チーフ」ことカン・テヒを演じ、カリスマ上司ぶりを見せた。
夏から秋にかけて放送されたENA『금쪽같은 내 스타(かけがえのない私のスター)』では、オム・ジョンファ演じる元トップスターのポン・チョンジャと因縁を持つ悪役コ・ヒヨンを担当。25年前にポン・チョンジャを潰した張本人で、真実が明るみに出ることに怯え、怒りに任せて自滅していくキャラクターだった。メディアからは「憎いのに時々かわいそうにも見える」「代替不可の存在感」と評された。
さらにSBS『사마귀: 살인자의 외출(カマキリ:殺人者の外出)』では、主演のコ・ヒョンジョンを支える助演陣の一人としてキム・ナヒ役で出演。偶然にも『ラジオスター』で「コ・ヒョンジョン先輩とオム・ジョンファ先輩の助言が大きな力になった」と語っており、尊敬する二人の先輩と同じ年に共演を果たしたことになる。
年末の12月からはJTBC『明日はきっと』(原題:경도를 기다리며)が放送開始。パク・ソジュンとウォン・ジアンが主演を務めた大人のロマンスで、イ・エルはヒロイン・ジウの姉でアパレル企業の代表ソ・ジヨンを演じた。妹を深く思いやるジヨンは、自身の病を打ち明けたうえでギョンド(パク・ソジュン)に「ジウをつかまえてほしい」と頼む、物語の鍵を握る存在だった。
2026年の最新動向[編集]
新作『협반』で「母親役」に[編集]
2026年4月、チャン・グンソクが約3年ぶりにドラマ復帰する作品として注目された『협반(侠飯)』への出演が確定したと報じられた。原作は日本の作家・福澤徹三の小説『侠飯』で、日本では2016年に生瀬勝久主演でドラマ化されている。料理の腕が立つヤクザが、トラブルに巻き込まれた大学生を助け、その家に身を隠しながら手料理でみんなを癒していくというストーリーだ。
イ・エルが演じるのは、主人公マ・ハンサン(チャン・グンソク)が身を隠す家に暮らす「三代の母娘」の母親シム・チョンハ。韓国メディアは「43歳イ・エル、ついに『母』になる」と見出しを打ち、これまでの強烈なキャラクターとは違う一面に期待を寄せた。演出は『花より男子』などを手がけたイ・ミヌ監督で、同月には若手女優シン・ウンスの合流も報じられている。2026年上半期のクランクインを目指すと伝えられていた。
トッケビ10周年とFA宣言[編集]
2026年7月には前述の『トッケビ10周年旅行』にゲスト出演。さらに同月27日、所属事務所キウルカンパニー(키울컴퍼니)と協議のうえ専属契約を終了し、FA(フリーエージェント)になったことが報じられた。キウルカンパニーとは2024年3月に契約しており、約2年4か月での独立となる。報道では『협반』への出演は引き続き確定しているとされ、業界からは次の所属先にも注目が集まっている。
舞台・バラエティ・SNS[編集]
舞台[編集]
映像の仕事が増えてからも舞台を大切にしている。2011〜2012年にはチャン・ジン演出の演劇『リターン・トゥ・ハムレット』でソヒ役、2018年には演劇『アマデウス』でコンスタンツェ・ウェーバー役を演じた。2025年には演劇『花の秘密(꽃의 비밀)』でジャスミン役を務めたほか、毎回違う俳優が台本を初見で演じる実験的な一人芝居『ホワイト・ラビット・レッド・ラビット』にも出演している。
バラエティ[編集]
トーク力にも定評がある。MBC『ラジオスター』には2016年と2025年に出演し、JTBC『知ってるお兄さん』にも2度登場。tvN『SNL KOREA』シーズン7ではホストを務め、MBC『深夜怪談会』(2024年)などにも出演した。
YouTube「이엘저엘」とInstagram[編集]
本人のYouTubeチャンネル「이엘저엘(イエルジョエル)」(@2Leverywhere)では、飾らない素顔を発信している。2025年7月30日公開の動画では、ウエイトトレーニング、ピラティス、ジャイロトニック、バーレといった自身の運動ルーティンを紹介。ジャイロトニックでは「いま筋肉たちが『ここにいるぞ』と叫んでる」と悶絶し、バーレについては「負けず嫌いだから運動じゃなくてチャレンジみたいにやってしまう」と笑っていた。
2026年8月28日に公開された「무허가살롱(無許可サロン)」第2話では、40代の本音トークを展開。恋愛について聞かれ「もう7年もしていない」と告白し、つらいときに話を聞いてくれて寄りかかれる人が欲しい、という率直な思いを明かして話題になった。
Instagram(@2l_kjh)では、保護施設から迎えた3匹の猫、タンゴ・グァバ・マンゴーの写真を頻繁に投稿していることで知られ、愛猫家としての一面も人気。2025年10月にはデニムジャケット姿のオフショットを公開し、ファンから「いつも美しさが輝いている」とのコメントが寄せられた。X(旧Twitter)のアカウント(@2L_ibnida)も持っている。
受賞・ノミネート歴[編集]
- 2016年 第53回大鐘賞 助演女優賞ノミネート(『インサイダーズ/内部者たち』)
- 2016年 MBC演技大賞 特別企画ドラマ部門ノミネート(『モンスター』)
- 2018年 KBS演技大賞 ミニシリーズ部門優秀演技賞ノミネート(『最高の離婚』)
- 2021年 第41回青龍映画賞 助演女優賞ノミネート(『ザ・コール』)
- 2022年 APANスターアワード 助演女優賞ノミネート(『私の解放日誌』)
- 2023年 第59回百想芸術大賞 テレビ部門助演女優賞ノミネート(『私の解放日誌』)
炎上とバズ[編集]
- 同僚俳優の写真投稿騒動(2018年):2018年5月、舞台『アマデウス』で共演していた俳優キム・ジェウクの寝姿の写真をInstagramに投稿し、同日中に削除。事務所は「楽屋で撮った写真を冗談で載せたもの」と説明したが、ネット上で議論となり、一時SNSを非公開にした。
- 熱愛説(2019年):2019年6月、指輪をはめた手の写真を投稿したことなどをきっかけに、キム・ジェウクとの熱愛説が浮上。しかしキム・ジェウク側の事務所が「事実無根」と否定した。
- 「水300トン」発言(2022年):2022年6月、干ばつのさなかに大量の水を使う夏フェスについて「その水を昭陽江(ソヤンガン)に流すべき」という趣旨の投稿をし、賛否が大きく分かれた。本人は「人の考えはそれぞれ違う」と反論。この騒動をきっかけに、ネット上では「300トン=1フムッパク(흠뻑)」という謎の単位がミーム化した。
余談[編集]
- 人生の映画は『ジョーカー』(2019年)で、ホアキン・フェニックスのファンだとされる。
- 独特なあごのラインを本人は長年気にしていたが、相談した美容外科で「手術はしないほうがいい、いずれ武器になる」と言われたというエピソードがある。
- 内気な性格だが、無名時代のアルバイトで保存容器の販売をしたときは別人のように売り込み上手になったと『ラジオスター』で語っている。
- 2018年の映画『アンバーグリス(Ambergris)』では、AIの声だけで出演したこともある。
- CMでは大宇証券、現代カード、CJ「プティチェル」、セラジェム、新韓銀行などに出演してきた。
