ハ・ジョンウ
하정우 / 河正宇 / Ha Jung-woo
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2025年8月のハ・ジョンウ(出典:ウィキメディア・コモンズ、作者:이재명tv(Lee Jae-myung)、CC BY 3.0)
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2019年11月、映画『白頭山大噴火』製作報告会でのハ・ジョンウ(出典:ウィキメディア・コモンズ、PARKJAEHWAN.2019撮影、CC BY-SA 4.0)
本名 キム・ソンフン(김성훈)
誕生日 1978年3月11日
年齢 48歳
出身地 大韓民国 ソウル特別市
国籍 大韓民国
学歴 ソウル高等学校、中央大学校 演劇映画学科
ジャンル 映画・ドラマ・映画監督・絵画
活動期間 2002年 -
家族 父:キム・ヨンゴン(俳優)
弟:チャ・ヒョヌ(俳優)
身長 / 体重 184 cm / ― kg
血液型 A型
事務所 워크하우스컴퍼니(Walk House Company)
代表作 『チェイサー』『哀しき獣』『ベルリンファイル』『テロ、ライブ』『暗殺』『お嬢さん』『神と共に』シリーズ『ナルコの神』
関連活動 映画監督作『ローラーコースター』『いつか家族に』『ロビー』『上の階の人たち』
あだ名 걷는 사람(歩く人)、1億俳優
その他 出演作の累計観客数1億人超(2018年に「最年少1億俳優」)
リンク 本人Instagram(@hjw9096)


概要[編集]

ハ・ジョンウ(하정우、1978年3月11日 - )とは、韓国の俳優・映画監督・画家である。『チェイサー』の連続殺人犯役でブレイクし、『神と共に』シリーズなどで出演作の累計観客数1億人を最年少で突破した、韓国映画を代表する興行俳優である。

詳細[編集]

名優キム・ヨンゴンの長男として[編集]

1978年3月11日、ソウル生まれ。本名はキム・ソンフン(김성훈)。父は1970年代から韓国のドラマ・映画で活躍してきたベテラン俳優のキム・ヨンゴンで、俳優一家の長男にあたる。本人は4〜5歳のころから父の背中を見て俳優を夢見ていたと語っており、高校時代から演技塾に通って俳優イ・ボムスに師事した。ソウル高等学校を経て中央大学校の演劇映画学科に進学。1998年には入隊し、国軍の広報部隊で軍の広報映像に多数出演している。弟のチャ・ヒョヌも俳優として活動しており、その妻は女優のファン・ボラである。

「父の名前を借りない」ための芸名[編集]

デビュー当初は本名のキム・ソンフンで活動し、2002年のSBSシットコム『オネスト・リビング(똑바로 살아라)』でテレビデビュー、2003年の映画『マドレーヌ』で映画デビューを果たした。転機は2005年。芸名「ハ・ジョンウ」を名乗り始め、同年のインディーズ映画『許されざるもの(용서받지 못한 자)』で初主演を務める。除隊間近の兵長テジョンを演じたこの作品はカンヌ国際映画祭「ある視点」部門に招待され、韓国映画評論家協会賞の新人男優賞も受賞。七光りではなく実力で名前を売るという、本人のキャリアの出発点になった。

『チェイサー』で一夜にしてトップスターへ[編集]

2006〜2007年にはキム・ギドク監督の『絶対の愛(시간)』『ブレス』に出演し、アメリカのインディペンデント映画『Never Forever』ではヴェラ・ファーミガと共演するなど、アート系作品で地力を蓄えた。そして2008年、ナ・ホンジン監督の長編デビュー作『チェイサー』で、感情の読めない連続殺人犯チ・ヨンミンを怪演。作品は韓国で500万人超を動員する大ヒットとなり、ハ・ジョンウは「韓国映画界に怪物新人が現れた」と一気にトップスターの仲間入りを果たした。直前までドラマ『H.I.T』で正義感の強い検事役を演じていたため、ギャップに驚いた視聴者も多かった。

主演作の累計観客数1億人[編集]

その後も年に1〜2本ペースで主演作を送り出し、2018年8月、『神と共に 第二章:因と縁』が観客1000万人を突破したことで、出演作の累計観客数が1億人を超えた。40歳での達成は当時「最年少の1億俳優」と報じられ、本人は「良い監督や製作者、同僚俳優に出会えたおかげ」と周囲への感謝を口にしている。韓国の映画雑誌が選んだ「2009〜2019年の興行パワー俳優」でも1位に選ばれており、名実ともに韓国映画の看板俳優といえる存在である。

俳優としての歩み[編集]

2008〜2012年:ジャンルを選ばない快進撃[編集]

『チェイサー』の成功後、ハ・ジョンウは驚くほど幅広い役柄に挑んだ。2008年の『素晴らしい一日』では借金を返して回る憎めない元恋人、2009年の『国家代表!?』ではスキージャンプ代表選手ボブを演じ、こちらも大ヒット。2010年の『哀しき獣』では再びナ・ホンジン監督と組み、借金返済のために韓国へ密航して殺人を請け負う延辺の朝鮮族タクシー運転手グナムを演じた。極限状態の男を体当たりで演じたこの作品で、百想芸術大賞やアジア・フィルム・アワードの主演男優賞を獲得。2012年にはチェ・ミンシクと共演した『悪いやつら』、コン・ヒョジンとのラブコメ『ラブ・フィクション』と、まったく毛色の違う2作を続けてヒットさせている。

2013〜2016年:アクションから時代劇まで[編集]

2013年はリュ・スンワン監督の『ベルリンファイル』で北朝鮮の工作員ピョ・ジョンソンを、『テロ、ライブ』ではほぼ一人芝居に近い形でテロ犯と生放送で対峙するニュースキャスター、ユン・ヨンファを演じた。『テロ、ライブ』は約558万人を動員し、ほぼラジオブースだけで物語が進む作品を一人で背負える俳優であることを証明した。2014年の『群盗』では朝鮮時代の義賊トルムチ、2015年の『暗殺』では日本統治時代の殺し屋「ハワイ・ピストル」を演じ、『暗殺』は1270万人を動員する大ヒットに。2016年にはパク・チャヌク監督の『お嬢さん』で胡散臭い詐欺師・藤原伯爵を、『トンネル 闇に鎖された男』では崩落したトンネルに閉じ込められる平凡な会社員を演じ、悪役から市井の人まで自在に行き来した。

2017〜2019年:『神と共に』と1000万映画[編集]

2017年から2018年にかけては、ウェブ漫画を原作とするファンタジー大作『神と共に 第一章:罪と罰』『神と共に 第二章:因と縁』で、死者を導く冥界の使者カンニムを演じた。共演はチュ・ジフン、キム・ヒャンギ、第二章ではマ・ドンソクらで、2作連続で観客1000万人を突破する前代未聞のシリーズとなった。同時期には民主化運動を描いた『1987、ある闘いの真実』で検事チェ・ファンを演じ、キム・テリらと共演。2019年にはイ・ビョンホンとのダブル主演によるディザスター大作『白頭山大噴火』に出演し、全世界で6000万ドル超の興行収入を記録した。

2020年代:配信ドラマと実話もの[編集]

2022年には、ユン・ジョンビン監督によるNetflixシリーズ『ナルコの神』で、南米スリナムで麻薬王を追う作戦に巻き込まれる民間人カン・イングを演じ、ファン・ジョンミンと共演。この作品で韓国ドラマアワードの大賞、青龍シリーズアワードの主演男優賞などを受賞し、配信作品でも存在感を示した。2023年の『ボストン1947』では1947年のボストンマラソンに挑む選手たちを率いる孫基禎(ソン・ギジョン)を、2024年の『ハイジャック』(日本公開題『1971、ハイジャック事件』)では1971年の大韓航空機ハイジャック事件をモデルにした旅客機の副操縦士テインを演じている。

19年ぶりのテレビドラマ『建物主になる方法』[編集]

2026年3月、tvNの土日ドラマ『大韓民国で建物主になる方法(대한민국에서 건물주 되는 법)』で、2007年の『H.I.T』以来19年ぶりにテレビドラマへ復帰した。演じたのは、借金を重ねてでも建物オーナーとして生き残ろうとする「生計型の建物主」キ・スジョン。初回視聴率4.1%でスタートしたものの、中盤には2%台まで落ち込み、4月19日の最終回(全12話)は3.7%で幕を閉じた。豪華キャストのわりに数字が伸びなかったことは韓国メディアでも話題になったが、欲望に飲み込まれていく中年男の転落劇はハ・ジョンウらしい役どころだった。

映画監督として[編集]

『ローラーコースター』で監督デビュー[編集]

ハ・ジョンウは俳優業と並行して、早くから自らメガホンを取ってきた。2013年、自身の脚本による長編コメディ『ローラーコースター(롤러코스터)』で監督デビュー。東京から金浦空港へ向かう旅客機が乱気流に巻き込まれ、口の悪い韓流スターをはじめとする乗客・乗員たちのドタバタが繰り広げられる密室コメディで、ハ・ジョンウ自身は出演せず演出に専念した。

『いつか家族に』で監督・主演[編集]

2015年には、中国の作家・余華の小説『血を売る男』を原作にした『いつか家族に(허삼관)』で、監督・脚本・主演の3役を務めた。朝鮮戦争後の田舎町を舞台に、血を売って家族を養う男ホ・サムグァンと、その長男が自分の子ではないかもしれないという疑念をめぐるヒューマンドラマで、妻役はハ・ジウォンが演じた。

10年ぶりの監督復帰『ロビー』と『上の階の人たち』[編集]

2025年には監督業に10年ぶりに本格復帰し、1年で2本の監督作を公開した。4月公開の『ロビー(로비)』は、コロナ禍でゴルフを習い始めたことから着想した作品で、4兆ウォン規模の国家事業を勝ち取るため、ゴルフ接待に奔走するスタートアップ社長ユン・チャンウクを本人が演じた。パク・ヘスらが出演し、10回以上の全体本読みを重ねて会話劇のテンポを作り込んだという。12月公開の『上の階の人たち(윗집 사람들)』はスペインのセスク・ゲイ監督作品のリメイクで、騒音トラブルをきっかけに上下階の夫婦が夕食を共にする大人向けコメディ。コン・ヒョジンらと共演し、第30回釜山国際映画祭でワールドプレミアを迎えた。青少年観覧不可の制限がありながら、公開2週目から観客数が伸びる「逆走」を見せ、50万人超を動員している。

画家としての顔[編集]

ポップアートと表現主義のハイブリッド[編集]

ハ・ジョンウは画家としても知られている。大学時代に趣味で始めた絵を2007年ごろから本格的に描くようになり、2010年に初の個展を開催。以降、ソウルのほか香港やロサンゼルスなどでも個展を開いてきた。強い色彩とユニークな構図が特徴で、作風はポップアートと表現主義のハイブリッドと評され、批評家からはジャン=ミシェル・バスキアになぞらえられることもある。

「絵は自分を理性的にしてくれる」[編集]

絵を描く理由について、本人は「俳優の人生は目に見えない戦争を生きているようなもの。絵は自分を落ち着かせ、理性的にしてくれる」と語っている。撮影で役に入り込む日々の中で、キャンバスに向かう時間がバランスを取る役割を果たしているようだ。2024年にInstagramを開設した際も、最初の投稿は自分で描いた絵5点だった。

歩く人、ハ・ジョンウ[編集]

1日3万歩の「歩き礼賛者」[編集]

ハ・ジョンウを語るうえで外せないのが「歩くこと」へのこだわりである。1日平均3万歩を歩くことで知られ、2018年の著書発表会の日も、朝6時半から漢江沿いの漢南大橋〜盤浦大橋間を1万歩歩いてから会場入りしたと明かした。江南から弘大までは片道1万6000歩という独自の距離感覚を持ち、ハワイでは1日10万歩に挑戦したこともあるという。本人いわく「歩くことを楽しんでいなかったら、体重は150kgを超えていたはず」「たくさん歩くほど、そのあとのビールがおいしくなる」。

577キロの国土大行進[編集]

2011年の百想芸術大賞の授賞式で語った言葉がきっかけとなり、2012年には仲間の俳優16人とともにソウルから全羅南道の海南まで約577キロを歩く「577プロジェクト」を実施した。ハ・ジョンウは企画・出演・キャスティングまで担い、ファンへの感謝を込めた国土縦断の様子はドキュメンタリー映画としてもまとめられた。歩きの際は「40〜50分歩いたら必ず10分休む」といったマイルールを守っているという。

エッセイストとしての顔[編集]

文章も書く。2011年には絵60点ほどを収めたエッセイ集『ハ・ジョンウ、感じがある(하정우, 느낌있다)』を、2018年には歩くことと休むことをテーマにした『歩く人、ハ・ジョンウ(걷는 사람, 하정우)』を出版。後者は出版直後から増刷を重ねるヒットとなった。本人は「5年に1冊ずつ本を出すのが目標」と語っている。

私生活とSNS[編集]

デビュー21年目のInstagram開設[編集]

長らくSNSとは距離を置いていたが、2024年7月に個人のInstagramを開設。自作の絵を投稿したほか、俳優ムン・ユガンとのツーショットを「ムン・ユガン俳優と。僕の5親等の甥です」と紹介して話題になった。開設からわずか1日でフォロワー2万人を集め、本人も「計画より早かったけど、インスタ始めました」とコメント。その後もファンのリクエストに応えて足の写真を上げるなど、ゆるい投稿でファンを楽しませている。

恋人チャ・ジョンウォンとの交際公表[編集]

2026年2月、11歳年下の女優チャ・ジョンウォンとの交際が報じられ、双方の事務所が「結婚を前提に交際中だが、具体的な日程は未定」と認めた。2人は2020年に出会い、約6年交際しているとされる。報道直後、ハ・ジョンウは自身のSNSに寄せられた「結婚おめでとうございます」というコメントに「まだ早い」、「結婚しないで」には「式場に入るまでわからない」と本人が返信し、相変わらずのユーモアで注目を集めた。父キム・ヨンゴンも息子の交際を祝福している。

所属事務所[編集]

2004年から2016年まではファンタジオに所属し、2017年1月からはイ・ジョンジェ、チョン・ウソンが率いるアーティストカンパニーに移籍した。現在は워크하우스컴퍼니(Walk House Company)に所属しており、同社は2026年にシナリオ公募展を開催するなど、作品づくりにも力を入れている。

主な受賞歴[編集]

  • 2005年:韓国映画評論家協会賞 新人男優賞(『許されざるもの』)
  • 2008年:春史映画芸術賞 主演男優賞(『チェイサー』)
  • 2011年:百想芸術大賞 映画部門 最優秀演技賞、アジア・フィルム・アワード 主演男優賞(『哀しき獣』)
  • 2013年:百想芸術大賞 映画部門 最優秀演技賞(『ベルリンファイル』)、釜山映画評論家協会賞 主演男優賞(『テロ、ライブ』)
  • 2018年:第52回納税者の日 大統領表彰(模範納税者)
  • 2022年:韓国ドラマアワード 大賞(『ナルコの神』)
  • 2023年:青龍シリーズアワード 主演男優賞、アジアン・アカデミー・クリエイティブ・アワード 主演男優賞(韓国)

炎上とバズ[編集]

プロポフォール違法投与で罰金刑[編集]

2021年、整形外科でプロポフォールを違法に投与された罪で略式起訴され、のちに正式裁判に回付。同年9月、ソウル中央地裁は罰金3000万ウォンの判決を言い渡し、刑が確定した。判決額は検察の求刑より重いもので、裁判所は「罪質は軽くない」と指摘している。本人は反省の意を示し、その後も俳優・監督として活動を続けている。

「歩く人」伝説[編集]

1日3万歩の歩きっぷりは韓国で半ば伝説化しており、エッセイ『歩く人、ハ・ジョンウ』の出版以降は「歩く人」が代名詞になった。漢江沿いを朝から1万歩歩いてから記者会見に現れる、ハワイで1日10万歩に挑む――と、エピソードが出るたびに「さすがハ・ジョンウ」と話題になる。

2026年の坊主頭[編集]

2026年2月、交際公表から間もなく、ロサンゼルスでMLS開幕戦を観戦する坊主頭姿がリュ・ジュンヨルらのSNSで公開され、「誰かと思った」と話題に。これはユン・ジョンビン監督の新作映画『普通の人々(보통사람들)』(仮題)の撮影のためと報じられている。

余談[編集]

  • 『チェイサー』撮影時は約5か月間、毎晩夜8時から始まる夜間ロケが続き、睡眠障害に悩まされたと明かしている。
  • カンヌ国際映画祭には『許されざるもの』『ブレス』『チェイサー』『哀しき獣』『お嬢さん』で計5回参加している。
  • 『チェイサー』『哀しき獣』でナ・ホンジン監督、『許されざるもの』『悪いやつら』『ナルコの神』などでユン・ジョンビン監督と繰り返し組んでおり、監督たちからの信頼の厚さがうかがえる。
  • ハワイを「第二の故郷」と呼ぶほどの常連で、2026年春にもハワイ旅行の写真をSNSに投稿している。
  • 趣味として水泳・ピアノ・剣道などが挙げられることもある。

外部リンク[編集]

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