アン・ボヒョン
안보현/Ahn Bo-hyun
Ahn_Bo-hyun_220719.jpg
2022年7月のアン・ボヒョン(出典:ウィキメディア・コモンズ「Ahn Bo-hyun 220719.jpg」、撮影:K-POPIT 케이팝잇、CC BY 3.0)
誕生日 1988年5月16日
年齢 38歳
出身地 大韓民国・釜山広域市
国籍 大韓民国
学歴 釜山体育中学校(ボクシング専攻)
釜山体育高等学校(ボクシング専攻)
大慶大学 モデル科
ジャンル 俳優・モデル
活動期間 2007年(モデル)/2014年(俳優) -
家族 両親、妹
身長 / 体重 187cm cm / 83kg(2023年時点) kg
血液型 A型
事務所 AMエンターテインメント(2025年4月 - )
代表作 『梨泰院クラス』『マイネーム: 偽りと復讐』『ユミの細胞たち』『財閥×刑事』
ファンクラブ ボス
関連活動 元アマチュアボクシング選手
あだ名 コリアン・ジョーカー
その他 第46回青龍映画賞 新人男優賞(2025年)
リンク Instagram


概要[編集]

アン・ボヒョン(안보현、Ahn Bo-hyun、1988年5月16日 - )とは、大韓民国の俳優・モデルである。釜山出身の元アマチュアボクサーで、『梨泰院クラス』の悪役チャン・グンウォン役でブレイクし、『財閥×刑事』シリーズなどで主演を務めている。

詳細[編集]

「コリアン・ジョーカー」で一気に全国区[編集]

アン・ボヒョンの名前を一躍広めたのは、2020年のJTBCドラマ『梨泰院クラス』である。主人公パク・セロイ(パク・ソジュン)の人生を狂わせる外食大企業・長家(チャンガ)の長男チャン・グンウォンを演じ、そのふてぶてしさと狂気じみた表情が「コリアン・ジョーカー」と呼ばれるほどの反響を呼んだ。視聴者からは「本気で憎たらしい」「なのに目が離せない」という声が殺到し、悪役なのに放送終了後はバラエティ番組から引っ張りだこになるという、典型的な“憎まれ役ブレイク”を果たした。日本でもNetflix配信をきっかけに名前が知られるようになった。

元ボクサー→モデル→俳優という異色ルート[編集]

経歴はかなり変わり種である。中学時代にボクシングを始め、釜山体育中学校・釜山体育高等学校でボクシングを専攻。釜山代表として全国大会に出場し続け、全国大会で金メダルを獲得した実績もある。しかしケガの多さと家族の反対で高校3年でリングを降り、大慶大学モデル科に進学。2007年にソウルコレクションの舞台でモデルデビューし、兵役を経て2014年頃から俳優として活動を始めた。187cmの長身と元アスリートの体格は、刑事役・軍人役・アクション作品で今も最大の武器になっている。

悪役から主演、そして受賞俳優へ[編集]

『梨泰院クラス』以降は役柄の幅を急速に広げた。『ユミの細胞たち』では不器用で温かい恋人グ・ウン、『マイネーム: 偽りと復讐』では熱血刑事チョン・ピルドを演じ、悪役のイメージを短期間でひっくり返した。2022年の『軍検事ドーベルマン』で初のタイトルロールを務め、2024年の『財閥×刑事』では最高視聴率11.0%を記録してシリーズ化に成功。2025年には映画『悪魔が引っ越してきた』(原題:악마가 이사왔다)で第46回青龍映画賞新人男優賞を受賞し、遅咲きながら「主演が張れる俳優」の地位を固めた。

生い立ちとボクシング時代[編集]

釜山の体育エリート[編集]

1988年5月16日、釜山で生まれた。中学1年生のときにスパーリングを経験したことでボクシングにのめり込み、2年生でボクシング部に入部。その後、釜山体育中学校・釜山体育高等学校でボクシングを専攻した。韓国では体育中・体育高は各地域の有望アスリートが集まる学校であり、いわゆる「スポーツ推薦エリート」のコースである。

少年体典(全国少年体育大会)の選抜戦を勝ち抜いて代表選手となり、釜山広域市代表として少年体典・全国体典の選抜から漏れたことはなかったとされる。会長杯全国ボクシング大会では-69kg級で金メダルを獲得した。スタイルはサウスポーで、長いリーチを生かしたアウトボクサー型だったという。

オリンピックの夢を諦めて[編集]

本人の夢はオリンピックのメダルだったが、度重なるケガと家族の反対もあり、高校3年生でボクシングを辞めた。目標を失ったところからモデル科への進学を選んだのが、のちの俳優人生の分岐点となった。

ボクシング経験は今も随所で顔を出す。tvNのバラエティ『バックパッカー』では「ケンカはほとんどしたことがない」「ボクシングをやっていたからこそ拳は使わない」と語り、元格闘家らしい自制心を見せている。また2016年にはドラマ撮影中に共演者の勧めでチャリティー格闘技大会「AFCエンジェルスファイティング」に出場し、ベトナム人俳優を相手に1ラウンド1分49秒で勝利。収益は難病の子どもたちの支援に充てられた。

モデルデビューと兵役[編集]

大慶大学モデル科に進学したアン・ボヒョンは、モデルキャンプでキム・ウビンと出会う。以後、二人は長年の親友として知られるようになり、2007年にはソウルコレクションの舞台でモデルとしてデビューした。モデル活動は2016年頃まで続けている。

2008年には現役で入隊し、陸軍本部の儀仗隊で服務して兵長で満期除隊した。儀仗隊の一員として、2009年の盧武鉉元大統領の安葬式にも参加している。のちに軍人役や軍検事役を演じた際には、実際の軍生活の経験が演技を楽にしてくれたと語っている。

除隊後の2011年、FNエンターテインメントと契約。ここから約14年にわたり同社に所属し、2025年3月末の契約満了をもって、同年4月に親友キム・ウビンも所属するAMエンターテインメントへ移籍した。

俳優としての経歴[編集]

下積み時代(2014年〜2019年)[編集]

2014年のKBS2『ゴールデンクロス』などで俳優活動を開始し、2016年の大ヒットドラマ『太陽の末裔』ではイム・グァンナム役で出演した。同年には映画『ヒヤ』でスクリーンデビューを果たし、ファンの間ではこの公開日が「デビュー日」として祝われている。

その後も『水曜日午後3時30分』『隠れんぼ』、ウェブドラマ『トッコ リワインド〜復讐の毒鼓〜』(ピョ・テジン役)、中国ドラマ『封神演義』など、ジャンルも国もばらばらな現場で経験を積んだ。2019年のtvN『彼女の私生活』では、ナム・ウンギ役のために体重を8kg増やして臨み、初の主要キャストとして存在感を示した。

ブレイク(2020年)[編集]

2020年1月から放送されたJTBC『梨泰院クラス』のチャン・グンウォン役で大ブレイク。同作でパク・セロイを演じたパク・ソジュン、チョ・イソ役のキム・ダミ、父チャン・デヒ役のユ・ジェミョンらとともに作品を牽引し、2020年の百想芸術大賞テレビ部門新人演技賞にノミネートされた。

ブレイク直後は『私は一人で暮らす』『ランニングマン』『ペク・ジョンウォンの路地裏食堂』『知ってるお兄さん』などバラエティにも次々出演。同年10月からはMBC『カイロス〜運命を変える1分〜』でソ・ドギュンを演じ、2020年MBC演技大賞で新人賞を受賞した。

役の幅を広げた2021年〜2023年[編集]

2021年9月からtvN・TVINGで放送された『ユミの細胞たち』では、キム・ゴウン演じるユミの恋人で、ゲーム開発者のグ・ウンを演じた。同年10月にはNetflixの『マイネーム: 偽りと復讐』で、ハン・ソヒ演じる潜入捜査官の相棒となる麻薬捜査隊の刑事チョン・ピルドを好演。この2作で2022年のAPANスターアワーズOTT部門男性優秀演技賞を受賞した。『マイネーム』の刑事役がきっかけで、2021年11月には南海海洋警察署から名誉海洋警察官にも委嘱されている。

2022年にはtvN『軍検事ドーベルマン』で初のタイトルロールとなる軍検事ド・ベマンを演じた。日本での放送に合わせたインタビューでは、初主演の重圧を感じつつも、役との共通点について「僕も簡単にはあきらめないタイプ」と語っている。2023年にはtvN『この生もよろしくお願いします』(原題:이번 생도 잘 부탁해)でムン・ソハ役、年末公開の映画『ノリャン 死の海』では李舜臣の息子イ・フェ役を演じた。

財閥×刑事と青龍新人賞(2024年〜2025年)[編集]

2024年1月からSBSで放送された『財閥×刑事』では、財閥3世でありながら刑事になるチン・イスを演じ、パク・ジヒョン演じる強力班チーム長イ・ガンヒョンとのコンビで人気を集めた。同作は最高視聴率11.0%を記録し、のちのシーズン2制作につながった。役作りのためにヨットの操縦免許を実際に取得したとされる。同年には映画『ベテラン2』にも出演している。

2025年8月13日公開の映画『悪魔が引っ越してきた』では、明け方になると悪魔に変わる女性ソンジ(イム・ユナ)を見守ることになる無職の青年ギルグを演じた。それまでの強烈なイメージとは真逆の、不器用だが温かい隣人役が評価され、同年11月19日にソウル・汝矣島のKBSホールで開かれた第46回青龍映画賞で新人男優賞を受賞。受賞スピーチでは「まったく予想していなかった」と驚きながら共演者や監督に感謝し、家族への言葉では声を詰まらせた。デビューから約10年越しの「新人賞」である。

2026年の活動[編集]

スプリング・フィーバー[編集]

2026年1月から2月10日まで、tvNの月火ドラマ『スプリング・フィーバー』(原題:스프링 피버、全12話)でイ・ジュビンとダブル主演を務めた。演じたのは田舎町シンス邑に暮らすソン・ジェギュ。役のために筋肉を5kg増量したとされる。最終回は全国平均5.7%・瞬間最高6.9%と自己最高視聴率で有終の美を飾り、海外ではPrime Videoのテレビ番組ランキングで5週連続トップ10入り、47か国でトップ10にランクインした。話題性ランキングでも出演者部門で2位に入っている。

財閥×刑事 シーズン2[編集]

2026年8月7日からはSBS金土ドラマ『財閥×刑事 シーズン2』(全14話)で再びチン・イスを演じている。新たな相棒チュ・ヘラ役はチョン・ウンチェ。初回視聴率は6.1%で、前作の最高視聴率には届いていないものの、韓国メディアからは「傲慢で自己中心的なキャラクターを憎めない魅力に変えている」「アン・ボヒョンという確実な武器」と演技面を高く評価されている。

初の時代劇主演『神の珠』[編集]

次回作はJTBCの時代劇『神の珠』(原題:신의 구슬)。1258年の高麗を舞台に、モンゴルとの30年にわたる戦争のなかで護国の聖物・観音宝珠を運ぶ護送隊を描く作品で、アン・ボヒョンは王室親衛隊・牽龍軍出身の若き将軍で護送隊の特任指揮官ペク・ギョルを演じる。共演はイ・ソンミン、スヒョン、ハ・ユンギョン、ユン・ギュンサン。2026年4月には第9回カンヌ国際シリーズフェスティバルのランデヴー部門に招待され、スヒョンとともに現地入りした。韓国では2026年12月の放送開始予定で、配信はクーパンプレイ、海外ではPrime Videoで公開予定とされる。アン・ボヒョンにとってはデビュー後初の時代劇主演となる。

日本での活動[編集]

日本では『梨泰院クラス』のNetflix配信を機に人気が広がり、2021年9月には講談社から写真集『Ahn Bohyun Unbearable Moment』が発売された。「韓国ライジングスター」シリーズの第4弾で、キャンプやオフロード、ヨットハーバーでの撮影に加え、元ボクサーらしい引き締まった肉体も見どころとされた。

2022年には居酒屋チェーン「庄や」の50周年記念ドラマ『いつでも帰ってこれる場所』で日本作品に初出演し、トリンドル玲奈と共演。都内の会見では、『梨泰院クラス』の日本版リメイク『六本木クラス』をNetflixで見たこと、梨泰院がどう描かれているか気になって実際に六本木を訪れたことを明かしている。

2024年5月11日には、デビュー後初のアジアファンミーティングツアー「Hello」の日本公演を東京・江戸川区総合文化センターで開催。トークのほか歌やクイズ、ゲームでファンと交流した。日本公式サイトや日本向けXアカウントも運営されている。

人物[編集]

体づくりとストイックさ[編集]

身長187cm。役に合わせた体重管理で知られ、『彼女の私生活』では8kg増量、『スプリング・フィーバー』では筋肉を5kg増やした。普段から鶏むね肉を1日に何個も食べて体重を管理しているとされる。『マイネーム』でアクションをこなした際も、元アスリートの身体能力がたびたび話題になった。

料理とアウトドア[編集]

2022年からはtvN『バックパッカー』にペク・ジョンウォンらとレギュラー出演し、2024年のシーズン2にも参加。出張料理の現場で黙々と働く姿から「厨房の陽射し」と呼ばれた。キャンプなどアウトドア好きとしても知られ、写真集でもそのテーマが採用されている。『財閥×刑事』ではペク・ジョンウォンを自ら出演交渉したとされる。

YouTubeとSNS[編集]

2019年に個人YouTubeチャンネル「ブラボヒョン(브라보현)」を開設。2020年4月には登録者23万人を突破してシルバー再生ボタンを受け取り、Instagramで繰り返し感謝を伝えたうえで「シルバーに100万まで」と次の目標を掲げた。Instagram(@bohyunahn)では作品の告知や撮影現場の様子を発信している。

親友キム・ウビン[編集]

大慶大学モデル科時代に出会ったキム・ウビンとは長年の親友。MBC『ラジオスター』では、キム・ウビンを「俳優人生で最も大切な人」と語った。2025年12月、キム・ウビンとシン・ミナの結婚式に出席した際には、新郎新婦を見つめながら眼鏡を外して涙を拭う姿が拡散され、がんを乗り越えた親友の門出に感極まったと報じられた。2025年4月からは同じ事務所の所属でもある。

私生活[編集]

2023年8月3日、BLACKPINKのジスとの交際を所属事務所が認めた。トップアイドルと人気俳優のカップルとして大きな話題になったが、同年10月、多忙なスケジュールなどを理由に破局したことが報じられ、双方の事務所も別れを認めている。交際期間は約2〜3か月とされる。

社会貢献では、2022年5月28日の世界月経デーに合わせ、G-Foundationを通じて生理用品528箱を寄付した。2026年10月時点で結婚は報じられていない。

受賞歴[編集]

年 賞 部門 対象作品 結果
2020年 百想芸術大賞 テレビ部門 新人演技賞 梨泰院クラス ノミネート
2020年 MBC演技大賞 新人賞 カイロス 受賞
2020年 MBC芸能大賞 新人賞(バラエティ部門) 私は一人で暮らす ノミネート
2020年 アジア・アーティスト・アワード ベストエモーティブ賞ほか - 受賞
2022年 APANスターアワーズ OTT部門 男性優秀演技賞 マイネーム、ユミの細胞たち 受賞
2022年 青龍シリーズアワード 助演男優賞 マイネーム ノミネート
2025年 青龍映画賞 新人男優賞 悪魔が引っ越してきた 受賞

炎上とバズ[編集]

  • YouTube購読リスト騒動(2021年) - 2021年7月、個人チャンネル「ブラボヒョン」の購読リストに物議を醸すYouTuberのチャンネルが含まれているとネットで拡散され、批判を浴びた。本人は7月20日、2020年下半期からはマネージャーがチャンネル運営を担っていたと説明しつつ、「チャンネルをきちんと管理できなかったのは弁解の余地なく自分の責任」と謝罪。出演予定だった『ユミの細胞たち』の降板を求める声まで出たが、謝罪後むしろ登録者が1,000人以上増えたとも報じられた。
  • ジスとの熱愛報道(2023年) - BLACKPINKのジスとの交際認定は国内外で大きく報じられ、わずか約2か月後の破局報道も含めて世界的なニュースとなった。
  • 「態度論争」動画(2025年) - キム・ウビンの結婚式で一人だけ涙を拭う姿を切り取った動画が「アン・ボヒョン態度論争」という釣りタイトルで拡散。実際は親友の門出に感極まっていただけで、ネットでは「感受性豊かで優しい」と好意的な反応が大半だった。

余談[編集]

  • 『梨泰院クラス』の日本版『六本木クラス』をNetflixで視聴し、わざわざ六本木を見に行ったと明かしている。
  • 『財閥×刑事』で演じたチン・イスの“タンフル頭”を作るためにスプレーを大量に使い、髪のダメージに悩まされたとされる。
  • 中学時代、のちに格闘家・タレントとなる双子のチョ・ジュンホ/チョ・ジュンヒョンと洗濯機をめぐって揉めた、という釜山体育中らしいエピソードがあるとされる。
  • ファンダム名は「ボス」。日本のファンミーティングのタイトル「Hello」には「デビュー後はじめて直接あいさつする場」という意味が込められていた。
  • 『神の珠』の予告映像では「13世紀初め、世界帝国モンゴルが高麗を侵略した」というナレーションも担当している。

外部リンク[編集]

💬 みんなの声

この記事を読んだ人が、ひとことつぶやく場所です。