| イ・ジョンジェ 이정재(李政宰、Lee Jung-jae) | |
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![]() イ・ジョンジェ(2021年3月、ソウル・汝矣島のイベントにて。撮影:사진기자머길、出典:ウィキメディア・コモンズ、CC BY 3.0) | |
| 本名 | イ・ジョンジェ(이정재) |
| 誕生日 | 1972年12月15日 |
| 年齢 | 53歳 |
| 出身地 | 大韓民国 ソウル特別市 |
| 国籍 | 大韓民国 |
| 学歴 | 現代高等学校 卒業、東国大学校 大学院 演劇映画学科 修士課程修了(2008年) |
| ジャンル | 映画、テレビドラマ、配信ドラマ |
| 活動期間 | 1993年 - |
| 事務所 | アーティストカンパニー(共同代表)/CAA(米国でのエージェント) |
| 代表作 | 『イカゲーム』(ソン・ギフン役)、『新しき世界』、『観相師』、『10人の泥棒たち』、『暗殺』、『イルマーレ』、『ハント』(監督兼任) |
| 関連活動 | 映画監督(『ハント』)、実業家 |
| その他 | 2022年プライムタイム・エミー賞 ドラマシリーズ部門主演男優賞 |
| リンク | Instagram(@from_jjlee) |
概要[編集]
イ・ジョンジェ(이정재、Lee Jung-jae、1972年12月15日 - )とは、韓国の俳優・映画監督である。Netflix『イカゲーム』の主人公ソン・ギフン(456番)役で、アジア出身の俳優として初めてエミー賞ドラマシリーズ部門主演男優賞を受賞した。
詳細[編集]
「イカゲームの456番」の中の人[編集]
『イカゲーム』を見て「あのダメおじさん主人公、誰?」と検索した人の答えがこの人。2021年9月配信のシーズン1で、借金まみれ・ギャンブル狂い・母親のすねかじりという見事なまでのダメ人間、ソン・ギフンを演じた。ところが韓国の視聴者にとってイ・ジョンジェといえば、90年代からずっと「スーツの似合うカリスマ二枚目」の代名詞。監督ファン・ドンヒョクは、まさにそのカリスマ性を「壊す」ためにキャスティングしたと語られており、ボサボサ頭にジャージ姿でクシャっと笑うギフンは、韓国のファンにとってもかなりの衝撃だった。
30年選手のトップスター[編集]
1993年のドラマデビューから数えると芸歴は30年超。90年代には青春スター、2000年代には恋愛映画の王子様、2010年代には韓国映画のノワールと時代劇の「顔」として、時代ごとに違う役柄で第一線に立ち続けてきた。1999年には『太陽はない』で青龍映画賞の主演男優賞を当時最年少で受賞しており、「イカゲームで急に売れた人」ではなく、韓国国内ではとっくに超大物だったというのがポイントである。
俳優・監督・実業家の三刀流[編集]
俳優業だけでなく、2022年には自ら脚本・主演も兼ねたスパイ映画『ハント』で長編監督デビュー。さらに親友の俳優チョン・ウソンと芸能事務所「アーティストカンパニー」を共同設立して代表を務め、若い頃にはインテリアを学んだ経験を生かしてイタリアンレストランを経営するなど、ビジネス面でもかなりの手腕を見せている。韓国芸能界では「俳優兼CEO」の先駆け的存在といえる。
生い立ちとデビュー[編集]
ソウル特別市出身。高校卒業後、ソウル・狎鴎亭(アックジョン)のカフェで働いていたところをデザイナーのハ・ヨンスにスカウトされ、ファッションモデルとして芸能界入りした。いわゆる「街でスカウトされた系」の王道ルートである。
モデル活動から俳優へ転身し、1993年のドラマ『恐竜先生』でテレビデビュー。1994年にはキャンパスドラマ『感じ(フィーリング)』で一気にお茶の間の知名度を獲得し、同年の映画『若い男』では新人賞を4つ獲得する好スタートを切った。
ブレイクを決定づけたのが1995年のSBSドラマ『砂時計』。韓国ドラマ史に残る超高視聴率作品で、ヒロインを無言で守り抜くボディガードのペク・ジェヒ役を演じた。当初は脇役だったが、人気が爆発して出番が大幅に増やされたという伝説がある。セリフは少ないのに視線と佇まいだけで女性ファンを虜にし、「国民的イケメン」の座に駆け上がった。のちにBLACKPINKのジェニーの名前がこの役名に由来するという話題が出たこともある。
その後、兵役を経て一時は人気が落ち着いたが、1998年の映画『情事 an affair』で年上の女性と恋に落ちる青年を演じて演技派として再評価され、翌1999年の『太陽はない』で青龍映画賞と韓国映画評論家協会賞の主演男優賞をダブル受賞。この『太陽はない』で共演したチョン・ウソンとは、ここから30年近い大親友関係が始まる。
2008年には東国大学校大学院の演劇映画学科で修士号を取得しており、学業面でも地道に積み上げている。
映画俳優としての歩み[編集]
2000年代:恋愛映画とブロックバスター[編集]
2000年の『イルマーレ』では、時を超えて手紙をやり取りする建築家ハン・ソンヒョンを演じた。静かな純愛映画としてカルト的な人気を集め、2006年にはキアヌ・リーブスとサンドラ・ブロック主演でハリウッドリメイク(『イルマーレ』)されている。2001年の『ラスト・プレゼント』ではイ・ヨンエと夫婦役で共演し、2003年のコメディ『オー!ブラザーズ』は観客動員300万人を超えるヒットとなった。2005年には大作アクション『タイフーン』に出演した。
2010年代前半:ノワールと群像劇の顔に[編集]
2010年のイム・サンス監督作『ハウスメイド』ではチョン・ドヨンと共演し、富裕層の当主フンという冷酷な役柄に挑戦。同作はカンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品された。
2012年の『10人の泥棒たち』(チェ・ドンフン監督)では、香港・マカオを舞台にダイヤ強奪を企てる泥棒チームのリーダー格「ポパイ」を演じた。キム・ヘス、チョン・ジヒョンらオールスターキャストの群像劇で、韓国映画の歴代興行記録上位に食い込む大ヒット作となった。
『新しき世界』と『観相師』の2013年[編集]
2013年はキャリア屈指の当たり年。パク・フンジョン監督のノワール『新しき世界』では、巨大犯罪組織「ゴールドムーン」に潜入した警察官イ・ジャソンを演じた。警察と組織の板挟みで追い詰められていく潜入捜査官の葛藤を、ファン・ジョンミン、チェ・ミンシクという怪物級の共演者を相手に演じ切り、韓国ノワールの金字塔として今もファンが多い。
同年の時代劇『観相師』では、王位を狙う首陽大君(スヤンデグン)役。主演のソン・ガンホ演じる人相見に向かって放つ「私が王になる相か?」というセリフと、遅れて画面に現れる圧倒的な登場シーンは韓国ネットで大ネタ化し、今でもパロディが量産され続けている。この役で第50回百想芸術大賞(2014年)の映画部門助演男優賞を受賞した。
2015年以降:大作の常連へ[編集]
2015年の『暗殺』では、独立運動家でありながら日本側に通じる二重スパイのヨム・ソクチンを演じ、チェ・ドンフン監督、チョン・ジヒョンと再タッグ。2016年の『オペレーション・クロマイト』では朝鮮戦争の仁川上陸作戦を背景に、リーアム・ニーソンと共演した。2017年の『神と共に 第一章:罪と罰』では閻魔大王役で特別出演し、短い出番ながら強烈なインパクトを残した。2019年のオカルト映画『サバハ』、2020年の『ただ悪より救いたまえ』では、『新しき世界』以来となるファン・ジョンミンとの共演が話題となった。
ドラマでは2019年のJTBC『補佐官』で約10年ぶりにテレビドラマへ復帰し、政界でのし上がろうとする国会議員補佐官チャン・テジュンを演じた。
『イカゲーム』と世界的ブレイク[編集]
シーズン1(2021年)[編集]
2021年9月、Netflixで配信が始まった『イカゲーム』は、多額の借金を抱えた456人が巨額の賞金をかけて子どもの遊びで命がけのゲームに挑むサバイバルドラマ。イ・ジョンジェはその参加番号456番、ソン・ギフンを演じた。共演はイ・ビョンホン、ウィ・ハジュン、コン・ユ、イ・ユミ、パク・ヘス、チョン・ホヨン、オ・ヨンスら。作品は配信直後から世界中で再生ランキングの首位を独走し、韓国ドラマの歴史を塗り替える現象となった。
ギフンは弱くてだらしないが、土壇場で人間性を捨てきれないお人好し。序盤の情けなさと、仲間を失うたびに表情が変わっていく後半とのギャップが、世界中の視聴者の心をつかんだ。90年代から活躍してきた韓流スターが、50歳を目前に世界的な知名度を手にした格好である。
賞レースを総なめ[編集]
2022年2月の全米映画俳優組合賞(SAG賞)でドラマシリーズ部門の男優賞を受賞し、同年9月の第74回プライムタイム・エミー賞ではドラマシリーズ部門主演男優賞を受賞。非英語作品での同賞受賞、アジア出身男性での受賞はともに史上初だった。ゴールデングローブ賞、クリティクス・チョイス・テレビジョン・アワード、ゴッサム賞でもノミネートされ、アジア出身の男性俳優として主要賞で個人ノミネートを重ねた初のケースとされる。同年12月には韓国政府から金冠文化勲章を授与されている。
シーズン2・3(2024〜2025年)[編集]
続編のシーズン2は2024年12月26日、完結編となるシーズン3は2025年6月に配信された。シーズン2のギフンは、優勝賞金を手にしながらもゲームを終わらせるため再び自ら島へ乗り込む「復讐者」として描かれ、シーズン1とはまるで別人のような険しい表情を見せた。
シーズン3の最終盤では、ギフンが自らの命と引き換えにある参加者を生かす選択をして物語が幕を閉じる。この結末は賛否を呼び、イ・ジョンジェ本人も海外メディアのインタビューで、脚本を読んだ当初は少し驚いたと率直に語っている。シーズン2・3は批評面では賛否が分かれたものの、明るいダメ男から闇を背負った男へと振れ幅の大きい演技そのものは評価された。
ハリウッドと『アコライト』[編集]
『イカゲーム』のヒットを受け、2022年2月には米大手エージェンシーCAAと契約。同年9月には『スター・ウォーズ』シリーズのDisney+ドラマ『スター・ウォーズ:アコライト』の主演に起用されたことが発表された。
2024年6月に配信が始まった同作で演じたのは、ジェダイ・マスターのソル。自身初の英語での主演作で、英語のセリフとライトセーバー・アクションに挑んだ。作品自体は1シーズンで打ち切りが決まったものの、「韓国人俳優がスター・ウォーズでジェダイを演じる」という事実だけでも大きなニュースとなった。2024年12月には米人気トーク番組『ザ・トゥナイト・ショー・スターリング・ジミー・ファロン』にもゲスト出演している。
監督デビュー作『ハント』[編集]
2022年公開の『ハント』は、イ・ジョンジェが監督・脚本・主演を兼ねた長編監督デビュー作。1980年代の軍事政権下を舞台に、国家安全企画部の要員パク・ピョンホ(イ・ジョンジェ)とキム・ジョンド(チョン・ウソン)が、組織内に潜む北朝鮮のスパイ「トンニム」を追ううち互いを疑い合っていくスパイ・アクションである。
企画は2017年ごろ『南山』のタイトルで始まり、脚本の準備に約4年を費やした。盟友チョン・ウソンには出演を4回断られたという逸話があり、2人のスクリーン共演は『太陽はない』以来23年ぶりとなった。撮影は2021年5月から11月にかけて行われた。
2022年5月、第75回カンヌ国際映画祭のミッドナイト・スクリーニング部門でワールドプレミア上映され、約7分間のスタンディングオベーションを受けた。韓国では同年8月10日に公開され、観客動員は約435万人。2022年の韓国映画の興行ランキングで4位に入り、イ・ジョンジェは青龍映画賞の新人監督賞を受賞した。「イカゲームの人が監督まで成功させた」と、俳優としての評価にさらなる箔をつけた一作である。
2025〜2026年の近況[編集]
tvN『Nice to Not Meet You』(2025年)[編集]
2025年11月3日から12月30日まで、TvNの月火ドラマ『얄미운 사랑』(英題:Nice to Not Meet You、全16話)に主演。演じたのは、一度は忘れられかけたものの「正義の刑事」役で再ブレイクした俳優イム・ヒョンジュンという役どころで、政治部から芸能部に飛ばされた記者役のイム・ジヨンとのラブコメディだった。『イカゲーム』の重さから一転した軽快なコメディ演技が話題となり、全国平均視聴率は4%台で同時間帯の上位を維持した。韓国ではTVINGなどで、海外ではAmazon Prime Videoで配信された。
TikTokでのQ&A(2026年9月)[編集]
2026年9月3日から10日にかけて、TikTokで世界のファンからの質問に答えるQ&Aイベントを実施。1万1,000件以上の質問が寄せられ、関連コンテンツの累計再生数は1,350万回を超えたと報じられた。この中で「数週間以内に公開できるプロジェクトがあるが、まだ秘密」と次回作の存在をほのめかしたほか、悪役については「機会があれば挑戦してみたい」、まだやっていないジャンルとして「テンポの速い緻密なスリラー」を挙げ、最近は建築に加えて料理にも興味があると語っている。
SNSとファンとの交流[編集]
長らくSNSをやらない俳優として知られていたが、『イカゲーム』が世界的にバズった直後の2021年10月2日にInstagramアカウント(@from_jjlee)を開設。スーツ姿の写真に「こうやるのかな…」という初々しいキャプションを添えた初投稿が話題となり、開設からわずかな期間でフォロワー数が数百万人規模に膨れ上がった。現在も作品の告知や授賞式・海外イベントでの姿を投稿している。
実業家としての顔[編集]
- 映画『イルマーレ』にちなんだ名前の高級イタリアンレストランをソウルで展開し、インテリアを学んだ経験から店舗の内装も自ら手がけたとされる。
- 2008年に不動産開発会社を設立するなど、早くから俳優業以外の事業にも取り組んできた。
- 2016年5月、チョン・ウソンと芸能事務所「アーティストカンパニー」を共同設立し、2人で共同代表を務める。
- 2021年11月にはグッチのグローバルアンバサダーに選ばれた。
炎上とバズ[編集]
- 『観相師』の「私が王になる相か?」は、公開から10年以上たった今もネットミームとして現役。本人がバラエティなどでこのセリフを再現するたびに盛り上がる。
- 『イカゲーム』のヒット後、本人が大株主となった上場企業ワイダープラネット(のちにアーティストユナイテッドへ社名変更)の株価が急騰し、「イ・ジョンジェ関連株」として注目された。2023年11月には、高校の同窓生である政治家ハン・ドンフン氏との食事写真が拡散され、同社の株が「政治テーマ株」と呼ばれる騒ぎになった。2024年12月には同社をめぐるインサイダー取引疑惑が報じられたが、本人は2025年1月の取材で、ハン氏とは同窓生として食事をした程度の関係だと説明し、自身は調査対象ではないと述べている。
- 若手時代の1999年と2002年に飲酒運転で運転免許取り消し処分を受けたことが報じられており、現在でも過去の不祥事として言及されることがある。
余談[編集]
- 『イルマーレ』のハリウッドリメイク版は、キアヌ・リーブス&サンドラ・ブロック主演の『イルマーレ』(2006年)。オリジナル版の主演がイ・ジョンジェとチョン・ジヒョンである。
- 現代美術の熱心なコレクターとしても知られ、2011〜2012年には国立現代美術館の名誉大使を務めた。2012年には現代美術の国際展ドクメンタで上映された映像作品『El Fin del Mundo』にも出演している。
- 2022年3月には韓国の山火事被災者支援のため1億ウォンを寄付した。
- 2008年には母校・東国大学校の劇場で舞台『水の中のハムレット』に出演するなど、演劇にも挑戦している。
- 同じ『イカゲーム』のキャストであるイ・ビョンホンとは、ともに90年代から第一線に立つ同世代のトップスターで、作中では対立する立場を演じた。
