| ナインパズル 나인 퍼즐 / Nine Puzzles | |
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![]() 主人公ユン・イナを演じたキム・ダミ(2024年4月、本作の撮影期間中に空港で撮影。出典:Wikimedia Commons「20240410 Kim Da-mi (김다미).jpg」、撮影:K-POPIT 케이팝잇、CC BY 3.0) | |
![]() 刑事キム・ハンセムを演じたソン・ソック(2021年11月。出典:Wikimedia Commons「Son Suk-ku 211123.png」、Marie Claire Korea、CC BY 3.0) | |
| ジャンル | ミステリー / 犯罪スリラー / 刑事ドラマ |
| 放送シーズン | シーズン1 |
| 放送期間 | 2025年5月21日 - 2025年6月4日 |
| 放送時間 | 水曜日公開(初回6話一挙、2週目3話、最終週2話) |
| 話数 | 全11話 |
| 放送国家 | 韓国 |
| 言語 | 韓国語 |
| 配信 | Disney+(日本では「スター」ブランドで独占配信)/Hulu(米国) |
| 制作 | |
| 演出 | ユン・ジョンビン、キム・ジョンホ |
| 制作 | 映画社月光(ムーンライトフィルム)、カカオエンターテインメント |
| 脚本 | イ・ウンミ |
| 出演者 |
キム・ダミ ソン・ソック キム・ソンギュン ヒョン・ボンシク パク・ギュヨン ノ・ジェウォン |
| その他 | |
| 原作 | なし(オリジナル脚本) |
| 制作費 | 約300億ウォンとされる |
概要[編集]
ナインパズル(나인 퍼즐、英題:Nine Puzzles)とは、2025年5月から6月にかけてDisney+で配信された全11話の韓国ドラマである。10年前の殺人事件の唯一の目撃者で天才プロファイラーとなったユン・イナ(キム・ダミ)と、彼女をいまも容疑者と疑う刑事キム・ハンセム(ソン・ソック)が、謎のパズルピースが残される連続殺人を追う本格ミステリーである。
詳細[編集]
どんな話?[編集]
キャッチコピーは「パズルが届くと、誰かが死ぬ」。10年前、ユン・イナは叔父であり元ハンガン警察署長だったユン・ドンフンが殺害される現場に居合わせた。現場には謎めいたパズルのピースが残されていたが、事件は未解決のまま。当時イナを疑っていたのが若手刑事のキム・ハンセムだった。
それから10年。イナはソウル警察庁の犯罪分析官(プロファイラー)、ハンセムはハンガン警察署強力班の刑事になっている。そこへ再び、パズルピースを残す殺人事件が起き始める。「被害者と目撃者」「容疑者と刑事」という最悪の関係から始まった2人が、疑い合いながらバディを組み、事件の全体像というパズルを組み上げていく、というのが本作の骨格だ。
監督はあのユン・ジョンビン[編集]
演出を担当したのは、『悪いやつら』(2012年)、『群盗』(2014年)、『工作 黒金星と呼ばれた男』(2018年)、Netflixシリーズ『ナルコの神』(2022年)などで知られるユン・ジョンビン監督。骨太な男くさいノワールの名手として知られる人物で、これまでほぼ自分で脚本を書いてきたが、本作は初めて他人の脚本(イ・ウンミ作)を演出した作品であり、初めて女性が主人公の作品でもあると韓国メディアは報じている。
監督自身は「初めて脚本を手にした時、11話までどんでん返しが続く予測不可能な展開にひかれた」と語っており、脚本を読みながら「この人が犯人か…いや違うのか?」と視聴者のように振り回されたことが、そのまま演出プランになったという。
配信形式[編集]
2025年5月21日に第1〜6話を一挙公開し、5月28日に第7〜9話、6月4日に第10〜11話を公開する3週構成。日本ではディズニープラスの「スター」で独占配信され、アメリカではHuluで配信された。ミステリーという作品の性質上、ネタバレ防止のため韓国では事前のマスコミ試写会が取りやめになったと報じられている。
登場人物とキャスト[編集]
主人公コンビ[編集]
- ユン・イナ(演:キム・ダミ)
- ソウル警察庁科学捜査課の犯罪分析官。10年前の叔父殺害事件の唯一の目撃者で、莫大な財産の相続者でもある。天才的な分析力を持つ一方、子どものような話し方や振る舞いが特徴。ネクタイを締めたマニッシュなファッションも話題になった。
- キム・ハンセム(演:ソン・ソック)
- ハンガン警察署強力2班の刑事。ミステリー小説好き。10年前からイナを疑い続けている。首に大きなタトゥー、ニット帽(ビーニー)という、およそ刑事らしくないビジュアルで登場する。
警察の面々[編集]
- ヤン・ジョンホ(演:キム・ソンギュン) - 強力2班の班長。児童養護施設でボランティアをしている。
- チェ・サン(演:ヒョン・ボンシク) - 強力2班の刑事。防犯カメラなど映像照合の担当。
- ノ・スグァン(演:クァク・ジャヒョン) - 強力2班の刑事。
- テ・ドンス(演:チョン・マンシク) - ソウル警察庁の広域捜査隊長。
事件をとりまく人々[編集]
- ユン・ドンフン(演:チ・ジニ) - イナの叔父。元ハンガン警察署長で、10年前に殺害された。
- イ・スンジュ(演:パク・ギュヨン) - 精神健康医学科(精神科)クリニックの院長。
- ファン・インチャン(演:ノ・ジェウォン) - 同じクリニックの院長。
- キム・ムリョン(演:キム・ウンス) - 元区長で、国土交通部長官、国会議員を歴任した政治家。
このほか、イ・ソンミン、ファン・ジョンミン、パク・ソンウン、イ・ヒジュンらが特別出演している。ファン・ジョンミンは『工作』『ナルコの神』、イ・ソンミンは『工作』で、それぞれユン・ジョンビン監督作品に出演してきた顔ぶれだ。
製作[編集]
企画とキャスティング[編集]
『ナルコの神』を撮り終えたユン・ジョンビン監督は、配信シリーズの制作の大変さに疲れていたが、本作の脚本を読んで心を動かされ演出を決めたとされる。制作は映画社月光(ムーンライトフィルム)とカカオエンターテインメント。制作費は約300億ウォンと報じられている。
キャスティングについて監督は、キム・ダミなら風変わりなキャラクターを「憎めず、愛らしく」表現できると考えたと説明。ソン・ソックはジャンルものの演技に挑戦したかったと語っている。
撮影[編集]
撮影は2024年1月2日から7月7日まで行われたとされる。2024年にシンガポールのマリーナベイ・サンズで開かれた「ディズニー・コンテンツ・ショーケース APAC 2024」で主要キャストと監督がお披露目された。この場でソン・ソックは、6〜7か月にわたる撮影期間中の体重維持が課題だったと明かし、「現場も楽しくて気持ちも楽なので、ちょっと太ってしまいました」と冗談めかして語った。その結果、制作側が現場の軽食をナッツ類に切り替えたという。
製作発表会[編集]
2025年5月14日、ソウル・東大門のJWマリオットで製作発表会が開かれ、ユン・ジョンビン監督、キム・ダミ、ソン・ソック、キム・ソンギュン、ヒョン・ボンシクが出席した。キム・ソンギュンは撮影現場で「ごはん時が一番楽しかった」とケータリングの美味しさを挙げ、ヒョン・ボンシクは「彼ら3人を見物する楽しさがありました」と語っている。
演出の特徴[編集]
「ミステリー小説」ではなく「ミステリー漫画」[編集]
ユン・ジョンビン監督は本作のトーンを、重厚なノワール寄りの「ミステリー小説」ではなく、もっと軽やかでとぼけた味のある「ミステリー漫画」として設計したと語っている。リアリズム重視だった過去作とは違い、象徴的で漫画的、ミザンセーヌ(画面構成)を強調した語り口を試す「新しい実験の場」だったという。
その考え方はキャラクターデザインにも表れている。ハンセムのビーニーやタトゥーは、イナの漫画的なトーンと世界観を合わせるための意図的な選択だった。劇中の警察の装備や雰囲気も、1970〜80年代のアメリカの刑事ドラマ風にしつらえられているとファンの間で指摘されている。
「心が子どものまま」の主人公[編集]
監督はイナを、10年前のトラウマ的な事件以来、感情の成長が止まってしまった人物として作り上げた。見た目は大人なのに中身は幼い、という意味で「ボス・ベイビー」にたとえている。自分が集中する対象以外はすべて「ブラックアウト」してしまう人物、というのが監督の説明だ。
犯人が二転三転する構成[編集]
監督は自らを「すぐ騙されるタイプの視聴者」だと言い、「あ、この人が犯人だ!…あれ、違う?」という感覚を視聴者に味わわせるよう、疑いの矛先を次々と移していく演出を意識したという。日本のメディアでも「これ……全員犯人なんじゃ!?」と思わせる展開が見どころとして紹介された。
キム・ダミの「子ども口調」論争[編集]
本作で最も賛否が分かれたのが、キム・ダミ演じるイナの独特な話し方だ。早口で独自のリズムを持つ子どもっぽい口調に対し、「重い犯罪ドラマのプロファイラーには合わない」という声も出た。
キム・ダミは韓国メディアのインタビューで「天才的な知能を見せたかった。早口で、彼女だけのリズムで話すことが狙いだった」と説明。セリフ量が多いため、リズムと手の動きに特に気を配ったという。「見慣れない感じを与えるだろうし、視聴者が物語に入り込めるか心配もしたが、監督と徹底的に話し合ったので自信があった」とも語っている。普段は即興と準備が半々という彼女が、今回は7割を事前の計画に充てたそうだ。
共演のソン・ソックについては、疑いから相棒へと変わっていく10年越しの関係性を一緒に話し合える環境を作ってくれたと感謝を述べている。
反響と記録[編集]
配信直後のランキング[編集]
第1〜6話の公開から2日後の2025年5月23日時点で、Disney+のテレビ番組ランキングで韓国1位、台湾2位、日本5位、シンガポール6位を記録。韓国国内のOTT検索プラットフォーム「キノライツ」のトレンドランキングでも1位になった。
ディズニープラスの年間トップへ[編集]
公開から9日で、2025年にDisney+で最も視聴された韓国オリジナル作品となったと発表され、公開初週の視聴時間は韓国作品としてムービングに次ぐ2位と報じられた。さらに2025年末にウォルト・ディズニー・カンパニーが発表した年間視聴記録では、アジア太平洋地域で最も視聴されたDisney+の作品に選ばれている。
当時のDisney+韓国は加入者数でNetflixなどに大きく水をあけられ、期待作の配信延期も重なって苦戦していると報じられていた。そうした中での大ヒットは、カジノや『ムービング』に続く「Disney+の韓国ドラマ」の存在感を改めて示す形になった。
評価[編集]
俳優陣の豪華さと演技力、第9話あたりまでの緊張感あるミステリー、独特の映像美が高く評価された。米Rotten Tomatoesでは批評家5人の評価で支持率100%とされる。一方で、最終盤の第10〜11話については、説得力や伏線回収が物足りないという厳しい声も韓国のネット上では少なくなかった。
受賞[編集]
「グローバルOTTアワード2025」でベストOTTオリジナル部門を受賞した。
主演2人のこれまで[編集]
キム・ダミ[編集]
キム・ダミは映画『魔女』(2018年)の主演で一躍注目を集め、ドラマ『梨泰院クラス』(2020年)のチョ・イソ役でブレイク。『その年、私たちは』(2021年)でも主演を務めた。本作は、それまでのイメージとはまた違う「子どものような天才プロファイラー」という変化球の役どころとなった。
ソン・ソック[編集]
ソン・ソックは『D.P. -脱走兵追跡官-』のイム・ジソプ大尉役、『私の解放日誌』のク氏役、映画『犯罪都市』シリーズ第2作の悪役カン・ヘサンなどで人気を確立した俳優。チェ・ミンシクと共演したDisney+の『カジノ』に続くDisney+シリーズ出演となった。
ユン・ジョンビン組の系譜[編集]
ユン・ジョンビン監督はハ・ジョンウと『悪いやつら』『群盗』『ナルコの神』などで繰り返し組み、『悪いやつら』ではチェ・ミンシク、『工作』『ナルコの神』ではファン・ジョンミンを起用してきた。男たちの群像劇を撮り続けてきた監督が、女性主人公の本格ミステリーに挑んだという点でも、本作は韓国映画ファンから注目された。
余談[編集]
- 『D.P. -脱走兵追跡官-』でも共演したソン・ソックとキム・ソンギュンが再び同じ作品に並んでおり、「D.P.組の再会」とも言われた。キム・ソンギュンは『ムービング』『応答せよ1988』などでも知られる。
- イナが着こなすネクタイ姿のマニッシュなファッションや小物は、日本の女性誌でも取り上げられた。
- ナムウィキなどでは、劇中に登場するタワーマンションのモチーフが釜山・海雲台の超高層マンションだと指摘されている(CGで加工されているとされる)。
- 連続殺人の背景にある設定については、実際に韓国で起きた再開発をめぐる事件がモチーフではないかという推測もファンの間で語られているが、制作側が明言したものではない。
- 韓国の刑事スリラーといえば『殺人の追憶』や『チェイサー』のような重厚な作品が有名だが、本作はユーモアと漫画的な演出を前面に出した点で、それらとは対照的な仕上がりになっている。
外部リンク[編集]
- ディズニープラス 公式サイト(「ナインパズル」作品ページ)
- Disney+ Korea 公式X(@DisneyPlusKR)

