| ムービング 무빙 / Moving | |
|---|---|
| ジャンル | スーパーヒーロー / アクション / 青春 |
| 放送シーズン | シーズン1 |
| 放送期間 | 2023年8月9日 - 2023年9月20日 |
| 話数 | 全20話 |
| 放送国家 | 韓国 |
| 言語 | 韓国語 |
| 配信 | Disney+(日本・韓国ほか)/Hulu(米国) |
| 制作 | |
| 演出 | パク・インジェ |
| 制作 | スタジオ&NEW |
| 脚本 | カンフル(강풀) |
| 出演者 | リュ・スンリョン、ハン・ヒョジュ、チョ・インソン、チャ・テヒョン、リュ・スンボム、キム・ソンギュン、イ・ジョンハ、コ・ユンジョン、キム・ドフン |
| その他 | |
| 原作 | カンフルのウェブトゥーン『ムービング』 |
| 制作費 | 約650億ウォン |
概要[編集]
『ムービング』(原題:무빙)は、2023年にDisney+で配信された韓国のスーパーヒーロードラマ。超能力を隠して生きる元情報機関エージェントの親世代と、その能力を受け継いだ高校生の子世代、二つの時間軸で「能力者家族」の物語を描く大作である。原作は国民的ウェブトゥーン作家カンフルの同名作品で、脚本もカンフル本人が担当した。
制作費約650億ウォン(当時の韓国ドラマ史上最大級)を投じた全20話で、Disney+の韓国オリジナルとして歴代最大のヒットを記録。「Disney+を契約させたドラマ」と呼ばれ、青龍シリーズアワードでは大賞を含む主要部門を総なめにしたらしい。
あらすじ[編集]
高校3年生のキム・ボンソクは、感情が高ぶると体が浮いてしまう「飛行能力」を母に隠されながら育った。同じ高校に転校してきたチャン・ヒスは、驚異的な回復力と身体能力の持ち主。2人はお互いの「普通じゃなさ」に気づきながら、淡い恋を育てていく。
一方その頃、能力者の子どもたちを観察する謎の存在と、各国の能力者を始末して回る正体不明の暗殺者が動き出す。物語の後半は時間軸を遡り、ボンソクの父キム・ドゥシク(伝説の飛行エージェント)と母イ・ミヒョン(五感が超発達した元情報員)、ヒスの父チャン・ジュウォン(不死身の回復力を持つ元ヤクザ)ら親世代が、国家に利用され、愛し、逃げてきた歴史が明かされる。親の代の因縁は、やがて子どもたちの世代の戦いとして帰ってくる。
主な登場人物[編集]
- キム・ボンソク(演:イ・ジョンハ):浮いてしまう高校生。優しさが取り柄で、リュックに砂袋を詰めて通学している。
- チャン・ヒス(演:コ・ユンジョン):規格外の身体能力と回復力を持つ転校生。明るさの裏に父との二人暮らしの苦労を抱える。
- イ・ガンフン(演:キム・ドフン):学級委員長。怪力と俊足の能力を隠す優等生で、子世代のもう一人の鍵。
- キム・ドゥシク(演:チョ・インソン):空を飛ぶ伝説の工作員。コードネーム「ムンサン」。
- イ・ミヒョン(演:ハン・ヒョジュ):元エージェントでボンソクの母。とんかつ屋を営みながら息子を守り続ける本作の心臓。
- チャン・ジュウォン(演:リュ・スンリョン):切られても撃たれても再生する「怪物」。娘ヒスのために生きる父の物語が涙腺を破壊する。「ジュウォン編」は単体で神話級と名高い。
- チョン・ゲドク(演:チャ・テヒョン):電気を操る能力者。飄々とした佇まいで物語中盤の空気を変える存在。
- フランク(演:リュ・スンボム):米国から送り込まれた陽気で不気味な暗殺者。
作品の特徴と評価[編集]
「韓国型ヒーローもの」と呼ばれる本作の核は、能力バトルではなく「親が子を守る話」である点にある。能力は祝福ではなく、国家に利用され、隠して生きるしかない呪いとして描かれ、親世代は子に同じ人生を歩ませないために必死で「普通」を演じる。ヒーロー物の皮をかぶった家族ドラマという構造が、マーベル的な世界観に食傷気味だった視聴者に刺さったと評されるらしい。
20話という長尺を活かし、主要キャラクターほぼ全員に「一人一編」のオリジンエピソードを与える構成も特徴で、特にリュ・スンリョンの「ジュウォン編」、ハン・ヒョジュとチョ・インソンの「ロマンス編」は単独の映画級と絶賛された。アクションはワイヤーと実写中心で、飛行シーンの浮遊感の表現は韓国ドラマのVFX水準を一段引き上げたと言われる。
記録と受賞[編集]
配信開始と同時に韓国・日本ほかアジア各国のDisney+で視聴1位を記録し、米国Huluでも韓国ドラマとして異例のヒット。「ムービングを見るためにDisney+に入った」という加入者を量産し、低迷していたDisney+の韓国コンテンツ戦略を一作で立て直したとまで言われた。2023年の青龍シリーズアワードでは大賞(ドラマ部門)、主演男優賞・新人賞など主要部門を制覇。各メディアの年間ベストドラマ選出の常連になった。
日本での反響[編集]
日本ではDisney+「スター」枠の韓国オリジナルとして配信され、週間ランキング1位を長期間キープ。「韓国ドラマ=Netflix」という図式を崩した最初の大型タイトルになった。イ・ジョンハとコ・ユンジョンの初々しい高校生パートが「青春ドラマとして満点」と評される一方、親世代パートで号泣したという感想が圧倒的多数で、「子の回で笑い、親の回で泣く」が定番の視聴体験として共有されたらしい。コ・ユンジョンは本作で日本での知名度が爆発し、以降の出演作が軒並み注目されるようになった。
炎上とバズ[編集]
- 全20話・毎週小出し配信という形式に「一気見させてくれ」という不満が世界中で噴出したが、結果的に毎週の考察・感想祭りが盛り上がり、話題の持続に成功した。
- 北朝鮮の能力者エージェントの描写をめぐり、一部で政治的解釈の議論が起きたが、「イデオロギーより家族」という着地が概ね好意的に受け止められた。
- シーズン2の制作が公式に予告されており、続報が出るたびにSNSのトレンドに入る状態が続いている。
余談[編集]
- 原作ウェブトゥーンは2015年連載。カンフル作品の世界観は相互につながっており、本作は「カンフル・ユニバース」の中核に位置づけられる。
- リュ・スンリョンは本作のアクションの大半を自分でこなし、「50代でこの運動量は超能力」とネタにされた。
- ハン・ヒョジュのとんかつ屋のシーンは聖地巡礼スポット化し、ロケ地のとんかつ店には放送後行列ができたという。
- イ・ジョンハは俳優業のかたわら歌手活動の経歴もあり、劇中の柔らかい声のナレーションが「反則級に優しい」と話題になった。
- 砂袋入りリュックは「浮かないための重り」という設定で、グッズ化を望む声が殺到したらしい。
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- Disney+公式作品ページ「ムービング」
- カンフル原作ウェブトゥーン(KAKAO WEBTOON)