| 有限会社ハマジム HMJM | |
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アップリンク渋谷(2014年12月に『劇場版 テレクラキャノンボール2013』を二本立て上映した映画館。会社の写真ではない) | |
| 略称 | ハマジム、HMJM |
| 国家 | 日本 |
| 種類 | 有限会社 |
| 業種 | アダルトビデオ制作・販売、映画製作・配給、音楽ソフト制作 |
| 本社所在地 | 東京都渋谷区 |
| 設立日 | 2003年5月 |
| 設立者 | カンパニー松尾、浜田一喜 |
| 代表者 | 浜田一喜 |
| 関係する人物 | カンパニー松尾 |
| 代表作品 | テレクラキャノンボール、私を女優にしてください AGAIN |
概要[編集]
ハマジム(HMJM)とは、AV監督のカンパニー松尾が所属する日本のアダルトビデオメーカーである。正式社名は有限会社ハマジムで、2003年5月に設立された。代表はスチールカメラマンの浜田一喜。AVの制作・販売のほか、写真撮影、アダルトサイトの運営、音楽レーベル「HMJM Records」、ドキュメンタリー映画の製作・配給も手がける。『劇場版 テレクラキャノンボール2013』のヒットで、AVファン以外にも名前が知られるようになった。
詳細[編集]
社名と事業内容[編集]
社名は、代表の浜田一喜が営んでいた「浜田写真事務所」の略称「ハマジム」をそのまま登記したものである。ローマ字表記の「hamajim」や、子音を抜き出した「HMJM」も用いられる。
主な事業は、カンパニー松尾らの監督作品を中心としたAVの制作・発売である。あわせて、スチール写真の撮影、自社アダルトサイト「PORNOGRAPH(pornograph.tv)」や読み物サイト「PGbyHMJM」の運営、音楽DVD・CDの制作も行ってきた。主なレーベルには「NON FICTION」「pornograph.tv」がある。
作風の中心は、監督自身が撮影し、出演もする「ハメ撮り」と、出演女優の素顔や表情を追う「ドキュメントAV」である。カンパニー松尾のほかにタートル今田や松江哲明によるドキュメンタリー色の強い作品も扱い、映像作家の作品を出すメーカーとしての性格も持っている。所在地は東京都渋谷区で、日本映画データベース(JFDB)にも映画製作・配給会社として登録されている。
設立の経緯[編集]
カンパニー松尾は1988年にV&Rプランニングで監督デビューした。同社は安達かおるが率いたドキュメント系のメーカーで、松尾は1991年に『実録素人ドキュメント 私を女優にして下さい』を発表し、シリーズ化している。1995年5月に同社を退社してフリーとなり、主にレンタル向けのAVを撮っていた。
その後、セル(販売専用)ビデオメーカーが掲げていた「お客さんの声を聞いて作っています」という言葉に刺激を受け、自分たちで作品を作って直接売る場として、2003年5月に浜田一喜とハマジムを設立した。松尾はハマジムの社員監督として、定期的に新作を出すようになった。
設立当初は、パッケージを紙ジャケット仕様にするなど独自の売り方を試みたが、これは商業的に失敗し、会社は一時休止状態に陥った。
躍進とシリーズ作品[編集]
転機となったのは、2006年発売の『僕の彼女を紹介します まり子 Gカップ』である。本番シーンを前面に打ち出した構成で大ヒットとなり、メーカーの経営を立て直した。続編の『まり子 ファイナル』は、業界イベント「AVグランプリ2008」でナンパ・素人部門賞を受賞した。
2007年には、V&Rプランニング時代の代表シリーズを引き継ぐ形で『私を女優にしてください AGAIN』が始まった。ほかに、松尾がV&R時代から撮り続ける『恥ずかしいカラダ』、『世界弾丸ハメドラー』『面接ドキュメント』『通りすがりのAV女優』などのシリーズがある。NON FICTIONレーベルでは、在日コリアンを題材にした『韓朝中 在日ドキュメント アイデンティティ』や、アテネ五輪の時期に撮った『アテネマラトン』など、AVの枠に収まらない題材も扱った。
キャノンボール・シリーズ[編集]
「テレクラキャノンボール」は、複数のAV監督が車やバイクで目的地を目指しながら、道中でテレクラやナンパで出会った女性と撮影できた成果をポイントで競うシリーズである。旅とレースの要素が強く、ロードムービーに近い企画として知られる。カンパニー松尾がハマジム設立前に始めた企画で、1999年の第3作(二部作)まではバクシーシ山下らが参加していたが、売上は伸びず、一時中断していた。
2009年、ハマジムがAVの展示即売イベント「AV OPEN」の出品作として、約10年ぶりに『テレクラキャノンボール2009』を制作した。参加者は松尾、バクシーシ山下、ビーバップみのる、ミスターX、アキヒトで、元h.m.pプロデューサーの平沢大輔が審判部長を務めた。同作はAVグランプリ2009でプレス賞を受賞し、雑誌『ビデオ・ザ・ワールド』の2008年下半期ベストでも1位に選ばれた。
続く『テレクラキャノンボール2013』では、松尾、バクシーシ山下、ビーバップみのる、タートル今田、梁井一、嵐山みちるの6人が北海道まで走った。本編は約10時間あり、裏版の『裏テレクラキャノンボール2013』も出た。この作品が、のちの劇場版の素材になった。
劇場版とアイドル・音楽ドキュメンタリー[編集]
『テレクラキャノンボール2013』を132分に再編集した『劇場版 テレクラキャノンボール2013』は、2014年2月15日から渋谷のオーディトリウム渋谷で、6日間限定のレイトショーとして公開された。口コミで話題が広がり、その後は全国のミニシアターで順次上映された。2014年末までに約1万人を動員したとされ、同年12月には渋谷のアップリンクで、次作との二本立て上映も行われた。DVD・Blu-rayの2枚組ソフトも発売されている。
この手法をアイドルのドキュメンタリーに応用したのが『劇場版 BiSキャノンボール2014』である。2014年7月に解散したアイドルグループBiSの解散ライブ前後の3日間を、テレクラキャノンボール2013の監督6人がメンバー1人ずつに付いて撮影した。2015年2月7日にスペースシャワーネットワークの配給で公開され、上映時間は120分。テレビ版の『SSTV版 BiSキャノンボール2014』もある。
以降、BiSのマネージャーだった渡辺淳之介の事務所WACKとの協業が続いた。再始動したBiSの合宿オーディションを追った『劇場版 BiS誕生の詩』(カンパニー松尾監督、2017年1月28日公開、SPACE SHOWER FILMS配給)を経て、『劇場版 アイドルキャノンボール2017』が2018年2月3日に日活の配給で公開された。後者は、BiS・BiSH・GANG PARADEを擁するWACKの合同オーディション合宿を舞台に、AV監督や映像作家が裏側で撮影を競うドキュメンタリーで、上映時間は135分。共同監督にはタートル今田(今田哲史名義)らが加わった。当時のBiSHにはアイナ・ジ・エンドらが在籍していた。
ハマジムは音楽ドキュメンタリーの製作・配給も行っている。2016年5月21日に公開された岩淵弘樹監督の『モッシュピット』は、2015年11月に恵比寿LIQUIDROOMで開かれたフリーパーティーを17台のカメラで記録した作品で、Have a Nice Day!などが出演し、ハマジムが製作・配給した。カンパニー松尾も『劇場版 どついたるねんライブ』(2015年)や『劇場版 其ノ灯、暮ラシ』(2017年)、GEZANを追った『Tribe Called Discord: Documentary of GEZAN』(2019年)などでプロデュースを担当している。
HMJM Records[編集]
HMJM Recordsは、ハマジムを母体とする音楽レーベルである。2005年12月、シンガーソングライター豊田道倫の映像集DVDの発売から活動を始めた。2006年6月には、豊田のソロユニット、パラダイス・ガラージの大阪インディー時代の未発表曲を集めたCD『グッバイ大阪』を、同年7月には川本真琴の新ユニット、タイガーフェイクファのデビューシングルを発売した。2015年2月には、豊田の『奇跡の夜遊び』を再発したほか、『劇場版 テレクラキャノンボール2013』で主題歌・挿入歌を担当したバンド、Weekday Sleepersの作品を初めて出した。
2016年以降の動向[編集]
2016年8月、ハマジムは経営状況の悪化を理由に、所属監督のタートル今田と、PGbyHMJMの編集長で『モッシュピット』の監督でもあった岩淵弘樹との契約を終えた。このことはタートル今田の引退インタビューなどで報じられた。タートル今田はその後、本名の今田哲史名義でドキュメンタリー映画を撮っており、ミャンマーの格闘技ラウェイを題材にした『迷子になった拳』(2021年)などがある。今田名義の作品としては、それ以前に『熊笹の遺言』(2004年)もある。
その後もハマジムは、カンパニー松尾の監督作を中心にAVのリリースを続けた。2020年5月には、新型コロナウイルスの最初の緊急事態宣言下で、会議はリモート、ナンパはSNSなどオンラインのみ、対面時は距離を保つというルールを設けた『おうちでキャノンボール2020』を2日間で撮影した。これを再編集した『劇場版 おうちでキャノンボール2020』(カンパニー松尾監督、109分、R15+)は、ハマジムの配給で2022年3月26日から新宿K's cinemaで1週間限定公開された。シリーズで初めて劇場公開をAV版より先にした作品であり、男女を問わず参加者を募る形も初めて取り入れた。
主な作品[編集]
キャノンボール関連作品[編集]
| 年 | 作品名 | 形態 | 主な参加者・監督 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 2009 | テレクラキャノンボール2009 | AV | カンパニー松尾、バクシーシ山下、ビーバップみのる、ミスターX、アキヒト | AVグランプリ2009プレス賞。約10年ぶりの復活作 |
| 2013 | テレクラキャノンボール2013 | AV | カンパニー松尾、バクシーシ山下、ビーバップみのる、タートル今田、梁井一、嵐山みちる | 本編約10時間。裏版あり |
| 2014 | 劇場版 テレクラキャノンボール2013 | 映画 | カンパニー松尾(監督) | 2014年2月15日公開、132分。オーディトリウム渋谷から全国へ |
| 2015 | 劇場版 BiSキャノンボール2014 | 映画 | カンパニー松尾(監督)ほかAV監督6人 | 2015年2月7日公開、120分。スペースシャワーネットワーク配給 |
| 2018 | 劇場版 アイドルキャノンボール2017 | 映画 | カンパニー松尾(監督)、今田哲史ほか | 2018年2月3日公開、135分。日活配給 |
| 2022 | 劇場版 おうちでキャノンボール2020 | 映画 | カンパニー松尾(監督)、バクシーシ山下、梁井一、嵐山みちるほか | 2022年3月26日公開、109分。ハマジム配給 |
その他の主な作品・シリーズ[編集]
| 年 | 作品・シリーズ名 | 分野 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 2006 | 僕の彼女を紹介します まり子 Gカップ | AV | 大ヒットし、経営の立て直しにつながった |
| ― | まり子 ファイナル | AV | AVグランプリ2008 ナンパ・素人部門賞 |
| 2007〜 | 私を女優にしてください AGAIN | AVシリーズ | V&Rプランニング時代のシリーズを継承 |
| ― | 恥ずかしいカラダ | AVシリーズ | 松尾がV&R時代に始めた人気シリーズ |
| 2016 | モッシュピット | 映画 | 岩淵弘樹監督。ハマジム製作・配給 |
| 2017 | 劇場版 BiS誕生の詩 | 映画 | カンパニー松尾監督。SPACE SHOWER FILMS配給 |
| 2005〜 | HMJM Records | 音楽 | 豊田道倫、タイガーフェイクファ、Weekday Sleepersなど |
余談[編集]
- 2015年7月には、劇場版テレクラキャノンボールにちなむ「テレキャノTシャツ」、マスコット「ハマジムくん」と松尾の座右の銘「Sex, Curry & Rock'n Roll」を描いたTシャツなど、3種類のオリジナルTシャツを受注生産で発売した。
- キャノンボール・シリーズの審判部長を務める平沢大輔は元h.m.pのプロデューサーで、h.m.pからはシリーズ旧作をまとめた『テレクラキャノンボール BEST 8時間』も出ている。
- 『劇場版 BiSキャノンボール2014』は、メンバーには「普通のドキュメンタリーを撮る」と伝えたうえで撮影を始めたことでも話題になった。
- 2014年12月20日から26日までは、渋谷アップリンクで『劇場版 テレクラキャノンボール2013』と『SSTV版 BiSキャノンボール2014』の二本立て上映が行われた。