松江哲明

松江哲明
Tetsuaki Matsue
ファイル:松江哲明.jpg
誕生日 1977年
出身地 東京都立川市
職業 映画監督、ドキュメンタリー監督
活動期間 1999年 -
代表的な実績 『あんにょんキムチ』『ライブテープ』『山田孝之の東京都北区赤羽』


概要[編集]

松江哲明(まつえ てつあき、1977年 - )は、東京都立川市出身の映画監督・ドキュメンタリー監督。自身のルーツや童貞、音楽、俳優の素顔など“境界線上”の題材を私的な視点で撮り続ける作家で、テレビドラマ『山田孝之の東京都北区赤羽』の演出でも広く知られる。一方で過去作をめぐる重大な問題が報じられ、評価が大きく揺れた監督でもある。

来歴[編集]

1977年、在日韓国・朝鮮人の両親のもとに生まれる。当時の姓は柳で、1983年に家族とともに日本国籍を取得し松江姓となった。この自身のルーツを見つめた日本映画学校の卒業制作『あんにょんキムチ』(1999年)で、山形国際ドキュメンタリー映画祭アジア千波万波特別賞などを受賞し鮮烈にデビューする。

その後『カレーライスの女たち』(2006年)、童貞青年の日常を描いた『童貞。をプロデュース』(2007年)を発表。1カット撮影にこだわった音楽ドキュメンタリー『ライブテープ』(2009年、主演:前野健太)が第22回東京国際映画祭「日本映画・ある視点部門」作品賞を受賞し、高次脳機能障害を負った演奏家GOMAを描いた『フラッシュバックメモリーズ 3D』(2012年)も東京国際映画祭コンペ観客賞に輝いた。ドキュメンタリーの手法をフィクションに持ち込む独特のスタイルで、映画祭の常連となる。

山田孝之シリーズ[編集]

松江の名を一般層にまで広めたのが、俳優・山田孝之を被写体にした一連のテレビ作品である。山下敦弘と共同演出した『山田孝之の東京都北区赤羽』(2015年、テレビ東京)は、俳優のリアルとフィクションの境界を溶かす構成が大反響を呼び、東京ドラマアウォード2015の演出賞を受賞。続く『山田孝之のカンヌ映画祭』(2017年)でも、ドキュメンタリーとも演技ともつかない“虚実皮膜”の面白さで話題をさらった。テレビ東京の『その「おこだわり」、私にもくれよ!!』なども手がけている。

童貞。をプロデュースをめぐる問題[編集]

代表作のひとつ『童貞。をプロデュース』をめぐっては、深刻な問題が後年明るみに出た。2017年8月25日、池袋シネマ・ロサでの10周年記念上映後の舞台挨拶で、出演者が舞台上から「作品内で行われた性行為が強要だった」と強く訴え、以降の上映が中止となる。松江と配給会社の社長は当初「事実無根」とする声明を出した。

しかし2019年12月、訴えていた出演者へのインタビュー記事が公開されて問題は再燃。同月、配給のSPOTTED PRODUCTIONSは当初の声明から一転して事実を認める謝罪文を公式サイトに掲載した(のちに削除され、2020年1月に配給社長単独名義で経緯報告とお詫びが出されている)。一連の経緯はAV出演強要問題への社会的関心が高まる時期と重なり、ドキュメンタリーにおける「撮る者と撮られる者」の倫理を問う事例として広く議論された。

余談[編集]

  • 対談集『童貞をプロファイル』では、峯田和伸やカンパニー松尾、山下敦弘、大槻ケンヂら多彩な相手と語り合っている。AVのドキュメンタリストカンパニー松尾との対話は、ハメ撮りとドキュメンタリーの近さを感じさせる組み合わせだ。
  • 『ほんとにあった! 呪いのビデオ』シリーズの演出・構成を手がけていた時期もあり、ホラー映像の世界にも足跡を残している。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]