| チョン・ヨビン 전여빈(Jeon Yeo-been) | |
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![]() 2024年11月のチョン・ヨビン(出典:Wikimedia Commons、TV10の映像より、CC BY 3.0) | |
| 誕生日 | 1989年7月26日 |
| 年齢 | 37歳 |
| 出身地 | 大韓民国 江原道 江陵市 |
| 国籍 | 大韓民国 |
| 学歴 | 東徳女子大学校 放送芸能科 卒業 |
| ジャンル | 映画、テレビドラマ、配信ドラマ |
| 活動期間 | 2015年 - |
| 事務所 | マネジメントmmm(2021年 -) |
| 代表作 | 『罪深き少女』『ヴィンチェンツォ』『楽園の夜』『クモの巣』『いつかの君に』『ハルビン』『優しい女プ・セミ』 |
| その他 | 第44回青龍映画賞 助演女優賞(『クモの巣』)、2017年釜山国際映画祭「今年の俳優賞」 |
| リンク | https://www.instagram.com/jeon.yeobeen/ |
概要[編集]
チョン・ヨビンとは、インディ映画『罪深き少女』で一気に注目を集め、ドラマ『ヴィンチェンツォ』のホン・チャヨン役でお茶の間にも顔が知られるようになった、江陵出身の韓国の女優である。2023年には『クモの巣』で青龍映画賞助演女優賞を受賞した。
詳細[編集]
医者志望から一転、俳優の道へ[編集]
1989年7月26日、江原道江陵市に生まれた。もともとの夢は医者で、江陵の高校に進んだあとも医学部を目指していたが、大学受験に失敗して大きな挫折を味わう。そのどん底の時期に心を救ってくれたのが映画『いまを生きる』と詩集だったといい、「こういう映画を作る人なら、誰かの心を動かせるはずだ」と考えるようになったのが、映画の世界を志すきっかけになった。
演技を学ぶためにソウルの演技学院へ通いたいと家族を説得するのに、まるまる1か月かかったというエピソードもある。その後、東徳女子大学校の放送芸能科に合格。大学時代はさまざまな創作活動に関わりながら、本格的に俳優の道を固めていった。
下積みは「大学路のスタッフ」[編集]
大学在学中の2009年、学内ミュージカル『ルナティック』で認知症のおばあさん役を演じたのが本人にとっての原点。本人もこの役を特別な経験として語っている。卒業後はすぐに俳優の仕事が来たわけではなく、ソウル・大学路(テハンノ)でミュージカルや演劇の制作スタッフとして働き、助演出やチケット業務までこなしていた。
転機は意外なところから来た。写真家である兄が撮ったプロフィール写真をSNSに載せたところ、それを見た映画関係者からオーディションの声がかかったのである。いわば「SNSで見つかった女優」の走りのような存在だ。
「29歳までにダメなら辞める」[編集]
本人は、29歳までに芽が出なければ俳優をやめるつもりだったと明かしている。2015年に『背徳の王宮』の端役で映画デビューし、2016年の『密偵』では妓生役、さらにムン・ソリが監督・主演を務めた『女優は今日も』にも顔を出すなど、端役や短編映画、ミュージックビデオで地道に経験を重ねた。
そして「これが最後のチャンス」という覚悟で挑んだのが、キム・ウィソク監督の長編『罪深き少女』だった。この1本が彼女の人生をまるごと変えることになる。
『罪深き少女』での大ブレイク[編集]
『罪深き少女』(2017年)は、親友の失踪をきっかけに周囲から疑いの目を向けられる女子高生ヨンヒを主人公にしたミステリードラマ。チョン・ヨビンはこのタイトルロール級の主役ヨンヒを演じた。
2017年10月の釜山国際映画祭で初上映されると、作品はニューカレンツ賞を受賞し、チョン・ヨビン自身も「今年の俳優賞」を獲得。無名に近い新人が、いきなり映画祭の顔になった瞬間だった。2018年9月の一般公開後も評価は続き、韓国映画界の新人賞を総なめにしていく。釜日映画賞、釜山映画評論家協会賞、シネ21映画賞などで新人女優賞を受け、第56回大鐘賞でも新人女優賞に輝いた。
「29歳で辞める」と決めていた彼女にとって、まさにギリギリで掴んだ逆転劇。2018年7月にはJ,WIDEカンパニーと専属契約を結び、メジャー作品への道が一気に開けた。
ドラマ女優としての飛躍[編集]
『恋愛体質』でドラマ初主演[編集]
ドラマでは2017年にOCN『君を守りたい〜SAVE ME〜』に出演したのが初期の代表作。本格的な主演は2019年のJTBC『恋愛体質〜30歳になれば大丈夫』で、チョン・ウヒ、ハン・ジウンと共に30歳を目前にした3人の女友達を演じた。チョン・ヨビンが演じたのはドキュメンタリー監督のイ・ウンジョン。淡々とした語り口の中に深い喪失感を抱えた役で、「インディ映画の女優」から「ドラマでも見たい女優」へと評価を広げた。
『ヴィンチェンツォ』のホン・チャヨン[編集]
一般視聴者に名前を決定的に知らしめたのが、2021年のtvNドラマ『ヴィンチェンツォ』。ソン・ジュンギ演じるイタリア・マフィアの顧問弁護士ヴィンチェンツォ・カサノと手を組む弁護士ホン・チャヨンを演じた。最初は大手法律事務所側の「勝つためなら何でもする」弁護士として登場し、父の死をきっかけにヴィンチェンツォと共闘して巨大企業バベルに立ち向かう。
コミカルな掛け合いからシリアスな復讐劇まで振り幅の大きい役で、ハイテンションな演技が話題に。テギョン、ユ・ジェミョンら共演陣との掛け合いも人気を集め、同年はアジア・アーティスト・アワードで女優部門のベストアーティスト賞、青龍映画賞で人気スター賞を受賞した。
Netflixで主演作を連発[編集]
2022年にはNetflixシリーズ『グリッチ -青い閃光の記憶-』でホン・ジヒョを演じ、ナナとのバディ感あふれるSFミステリーに挑戦。2023年9月配信の『いつかの君に』では、台湾ドラマ『想見你』のリメイクで、亡き恋人を想う2023年のハン・ジュニと、1998年の高校生クォン・ミンジュの一人二役を担当した。共演はアン・ヒョソプ。時代も人格も違う2人を演じ分ける難役で、主演女優としての地力を見せた。
映画での快進撃[編集]
『楽園の夜』[編集]
映画では、パク・フンジョン監督のノワール『楽園の夜』でヒロインのジェヨンを演じた。2020年のヴェネツィア国際映画祭に招待されたのち、2021年4月にNetflixで世界配信。済州島を舞台にした乾いた空気感の中で、死を身近に感じながら生きる女性を体現し、海外の映画ファンにも存在を知られるきっかけとなった。
『クモの巣』で青龍助演女優賞[編集]
2023年のキム・ジウン監督作『クモの巣』は、1970年代を舞台に、完成した映画のラストだけを撮り直せば傑作になると信じ込む監督キム・ヨル(ソン・ガンホ)が、検閲や俳優たちの混乱の中で撮影を強行するブラックコメディ。チョン・ヨビンは製作会社「シンソン映画」の後継者で、撮り直しを後押しするシン・ミドを演じた。作品は同年5月の第76回カンヌ国際映画祭で非コンペティション部門に選ばれている。
インタビューではキム・ジウン監督について、静かだが一切妥協せず、何度もテイクを重ねさせてくれる監督だと語り、ソン・ガンホとの共演は最初は緊張したと振り返っている。この役で2023年11月の第44回青龍映画賞助演女優賞、春史映画賞の助演女優賞を受賞した。
『ハルビン』と『黒い修道女』[編集]
2024年12月公開のウ・ミンホ監督作『ハルビン』では、ヒョンビン演じる安重根ら独立運動家を支えるコン夫人を演じた。パク・ジョンミン、イ・ドンウクらと並ぶ助演陣の一角として評価されている。
2025年1月公開の『鬼胎(クィテ) 黒い修道女』では、ソン・ヘギョと共演。悪魔に取り憑かれた少年を救おうとするシスター・ユニアに興味を抱き、協力していくシスター・ミカエラを演じた。『プリースト 悪魔を葬る者』の世界観を受け継ぐスピンオフ作品で、この演技でゴールデン撮影賞の主演女優賞を受け、百想芸術大賞の助演女優賞にもノミネートされた。
2025年、主演ドラマ2本同時進行[編集]
2025年はドラマでも主演作が続いた。6月スタートのSBS『私たちの映画』では、次がない映画監督イ・ジェハ(ナムグン・ミン)と恋に落ちる、余命わずかな女優イ・ダウムを演じた。撮影終了時に「いい企画やパートナーが必要なら、私を思い出してほしい」とナムグン・ミンと約束を交わしたことを明かし、彼が監督として映画を作る際には出演する「口約束」が成立していると話題になった。この作品で同年のSBS演技大賞では優秀演技賞を受賞し、「もっと真心のこもった演技をしなさいという意味の賞だと受け止めて精進したい」と語った。
続いて10月からはGenie TVオリジナル・ENA放送の『優しい女プ・セミ』に主演。虐待を受けて育ち、財閥会長のボディーガードから契約結婚を経て、田舎町の幼稚園教諭「プ・セミ」として身を隠すキム・ヨンランを演じた。2025年11月4日放送の最終回は全国視聴率7.1%で自己最高を更新し、ENA歴代ドラマで2位の数字を記録。日本ではU-NEXTで独占配信された。
驚くべきは、この2作の撮影時期が2〜3週間ほど重なっていたこと。役柄に合わせて夏の撮影中に体重を急いで調整したとも語っている。インタビューでは「撮影現場にいる時間が大好き。好きなことをしているというだけで十分な理由になる」と話し、仕事への愛情をのぞかせた。2026年には同作で第2回Dアワーズのインパクト賞を受けている。
次回作『혹하는 로맨스』[編集]
2026年5月には、ENAの新ドラマ『혹하는 로맨스』(英題:Tempting Romance)への出演が発表された。視聴率最下位の放送局を立て直そうとする中で、早期更年期に悩むスターアンカーと因縁のある構成作家が、枯れていた恋愛感情を呼び覚ましていくラブストーリー。チョン・ヨビンが演じるのは、YCB報道局の構成作家ソ・ヘユン。10年以上いくつもの放送局を渡り歩き、視聴率に執着する「サンマイ(三流)作家」というあだ名の持ち主ながら、責任感と生活力、義理堅さを持つ人物で、看板アンカーのナ・イジュン役はチョン・ギョンホが務める。放送は2027年上半期の予定と報じられている。
Instagramでの発信[編集]
本人のInstagramアカウントは「@jeon.yeobeen」。作品の告知だけでなく、何気ない日常の写真もよく投稿しており、その一枚一枚が韓国のエンタメメディアで記事になるほど注目度が高い。
2026年9月には、地元・江陵の海辺で撮った写真を投稿。波と灯台、青空が一つにつながる風景の中で、額を軽く手で隠しながら遠くを見つめる姿を公開し、ゆったりとした休息のひとときを伝えた。同じ時期にはニューヨークの夜の街を散歩する写真もアップしており、白い半袖シャツにジーンズというラフな格好で、ビルの灯りを背景にリラックスした笑顔を見せている。ほかにも森の小道を散歩する写真や、緑に囲まれた空間でのセルフィーなど、落ち着いたトーンの投稿が多いのが特徴だ。
受賞歴(主なもの)[編集]
- 2017年:釜山国際映画祭 今年の俳優賞(『罪深き少女』)、ソウル独立映画祭 独立スター賞
- 2018〜2019年:釜日映画賞・釜山映画評論家協会賞・シネ21映画賞などで新人女優賞(『罪深き少女』)
- 第56回大鐘賞:新人女優賞(『罪深き少女』)
- 2021年:アジア・アーティスト・アワード ベストアーティスト賞(女優)、青龍映画賞 人気スター賞
- 2023年:第44回青龍映画賞 助演女優賞(『クモの巣』)、春史映画賞 助演女優賞
- 2025年:ゴールデン撮影賞 主演女優賞(『黒い修道女』)、SBS演技大賞 優秀演技賞(『私たちの映画』)
- 2026年:第2回Dアワーズ インパクト賞(『優しい女プ・セミ』)
主な出演作[編集]
映画[編集]
- 『背徳の王宮』(2015年) - 端役
- 『密偵』(2016年) - 妓生役
- 『女優は今日も』(2017年)
- 『罪深き少女』(2017年) - ヨンヒ役
- 『世宗大王 星を追う者たち』(2019年) - サイム役
- 『シークレット・ジョブ』(2020年) - キム・ヘギョン役
- 『楽園の夜』(2020年) - ジェヨン役
- 『외계+인』第1部(2022年) - 特別出演
- 『クモの巣』(2023年) - シン・ミド役
- 『ハルビン』(2024年) - コン夫人役
- 『鬼胎(クィテ) 黒い修道女』(2025年) - シスター・ミカエラ役
ドラマ[編集]
- 『君を守りたい〜SAVE ME〜』(2017年、OCN)
- 『恋愛体質〜30歳になれば大丈夫』(2019年、JTBC) - イ・ウンジョン役
- 『ヴィンチェンツォ』(2021年、tvN) - ホン・チャヨン役
- 『グリッチ -青い閃光の記憶-』(2022年、Netflix) - ホン・ジヒョ役
- 『いつかの君に』(2023年、Netflix) - ハン・ジュニ/クォン・ミンジュ役
- 『私たちの映画』(2025年、SBS) - イ・ダウム役
- 『優しい女プ・セミ』(2025年、Genie TV/ENA) - キム・ヨンラン/プ・セミ役
- 『혹하는 로맨스』(2027年予定、ENA) - ソ・ヘユン役
炎上とバズ[編集]
- 2023年の第44回青龍映画賞で助演女優賞を受けた際のスピーチがSNSで拡散された。舞台挨拶で何度も口にしていた「중꺾그마(大事なのは、折れてもとにかくやる心)」という言葉や、『クモの巣』の台詞「自分を信じることが才能だ」に触れ、「他人を信じる心は美しいけれど、自分を信じるのは難しかった。この台詞を聞いて、自分にもそういう力が欲しいと思った」と語り、多くの共感を呼んだ。
余談[編集]
- 大学時代、母が「キムチ冷蔵庫が欲しい」と言っていたため、それを狙って江陵方言大会に出場。見事大賞を取ったものの、賞品はノートパソコンで、母は少し残念がったという。
- 2022年の釜山国際映画祭では、リュ・ジュンヨルと共に開幕式の司会を務めた。
- 2024年11月には、前年の受賞者として青龍映画賞のハンドプリンティング行事に参加している。
- シネ21からは2016年に「ライジングスター」として、2024年には「韓国映画NEXT 50」の一人として選ばれている。
- ドラマでは「一人二役」を何度も経験しており、『いつかの君に』『優しい女プ・セミ』ではいずれも別人格・別名義を行き来する役どころを演じた。
- 2026年にはファッション誌『L'OFFICIEL』秋冬号の表紙を飾ったと報じられている。
外部リンク[編集]
- チョン・ヨビン公式Instagram(@jeon.yeobeen)
- 所属事務所:マネジメントmmm
