ヴィンチェンツォ


ヴィンチェンツォ
빈센조 / Vincenzo
ジャンル ブラックコメディ / 犯罪 / リーガルドラマ
放送期間 2021年2月20日 - 2021年5月2日
放送時間 毎週土・日曜
話数 全20話
放送国家 韓国
言語 韓国語
放送局 tvN
配信 Netflix
制作
演出 キム・ヒウォン
制作 スタジオドラゴン
脚本 パク・ジェボム
出演者 ソン・ジュンギ、チョン・ヨビン、オク・テギョン、ユ・ジェミョン、キム・ヨジン
その他
制作費 約200億ウォン

概要[編集]

ヴィンチェンツォ』(原題:빈센조)は、2021年にtvNで放送されNetflixで全世界配信された韓国のブラックコメディ×リーガルドラマ。イタリアのマフィアで顧問弁護士(コンシリエーレ)を務めた韓国系イタリア人ヴィンチェンツォ・カサノが、ソウルの雑居ビル「クムガプラザ」を舞台に、巨悪バベルグループを「悪のやり方」で叩き潰していく物語である。

「悪は悪で裁く」を掲げるダークヒーローものでありながら、クムガプラザの住人たちによる人情コメディが同居する振れ幅が持ち味で、最終回は最高視聴率14.6%を記録。太陽の末裔財閥家の末息子のソン・ジュンギが、軍人でも財閥でもなくマフィアになった作品として、彼の代表作リストに必ず挙がる一本らしい。

あらすじ[編集]

幼くしてイタリアに養子に出されたパク・ジュヒョンは、マフィア「カサノファミリー」の顧問弁護士ヴィンチェンツォ・カサノとして冷徹に生きてきた。ボスの死後、後継者争いから命を狙われた彼は、かつて金塊を隠したソウルのクムガプラザを回収するため帰国する。

ところがプラザの地下金庫の上には、立ち退きを拒む個性豊かすぎる住人たち(テコンドー道場、洗濯屋、スナック、ピアノ教室、寺まである)が居座っており、さらにプラザ自体が巨大企業バベルグループの再開発の標的になっていた。金塊のために住人を守るはめになったヴィンチェンツォは、バベルの裏に潜む真の支配者と、その代理人である悪徳法律事務所ウサン相手に、合法と非合法のあいだを縫う反撃を開始する。

主な登場人物[編集]

  • ヴィンチェンツォ・カサノ(演:ソン・ジュンギ):マフィアのコンシリエーレ。スーツとライターの所作だけで画面が持つ男。鳩に懐かれる。
  • ホン・チャヨン(演:チョン・ヨビン):ウサン出身の弁護士。父の死を機にヴィンチェンツォと組み、バベルへの復讐に身を投じる。ハイテンションな演技が癖になると評判。
  • チャン・ジュヌ/チャン・ハンソク(演:オク・テギョン):序盤は人懐っこいインターンだが、その正体はバベルの真のボス。2PMメンバーによる「爽やか顔のサイコパス」が世界を震撼させた。
  • チャン・ハンソ(演:クァク・ドンヨン):バベルの表向きの会長。兄に怯えながら、次第にヴィンチェンツォの「弟分」と化していく愛されキャラ。
  • チェ・ミョンヒ(演:キム・ヨジン):ウサンの実力者で本作屈指の悪女。ゴルフスイングしながら悪事を企む。
  • クムガプラザの住人たち:序盤はヴィンチェンツォの邪魔者、終盤は最強の私設軍団。「カサノファミリー韓国支部」と呼ばれる活躍を見せる。

作風と評価[編集]

本作の魅力は「トーンの乱高下を確信犯でやる」ところにある。前半はクムガプラザ住人とのコントのようなギャグ、後半は放火・粛清・自白強要まで踏み込むダークさで、視聴者は笑った3分後に凍りつくジェットコースターを味わうことになる。財閥・検察・メディア・ロファーム(法律事務所)の癒着という韓国社会派ドラマの定番構図を、「制度では裁けないなら悪で裁く」という快楽に振り切った点が新しかったと評されるらしい。

ソン・ジュンギのスタイリッシュなスーツ姿は「歩く画集」と話題になり、劇中で多用されるイタリア語のセリフや「カサノ」コールも含めてミーム化。Netflix経由でアジア・中東・南米でも大ヒットし、海外ファンダムの厚さでは韓国ドラマ屈指の作品になった。

名場面[編集]

  • ジッポーライターの火を消して立ち去る「処刑予告」の所作。
  • クムガプラザ住人総出のゲリラ戦術でバベルの手先を撃退する一連の集団戦。
  • 悪役2人への最終回の制裁は「韓国ドラマ史上最も容赦ないフィナーレ」とたびたび紹介される。地上波では絶対にできない結末らしい。
  • 鳩のインジャギ(劇中でヴィンチェンツォに懐く鳩)はファンの間で公式マスコット扱いされている。

炎上とバズ[編集]

  • 劇中に登場した中国ブランドのビビンバPPL(商品配置広告)が「韓国文化の象徴に中国製品を出すのか」と大炎上し、制作側が謝罪して以降のPPL運用が見直される契機になった。
  • オク・テギョンの悪役演技が強烈すぎて、放送中は本人のSNSにまで「怖い」のコメントが殺到。本人は「人生で一番楽しい役だった」と上機嫌だったらしい。
  • 「悪を悪で裁く」結末をめぐっては、爽快とする派と「私的制裁の美化では」とする派で論争が起き、各国メディアの批評でも賛否が分かれた。

日本での反響[編集]

日本ではNetflix配信で長期間トップ10入りし、「ソン・ジュンギ沼」への入り口として機能した。愛の不時着梨泰院クラスで韓国ドラマに入門した層が、次の一本として勧められる定番になっている。クムガプラザの住人たちの人情喜劇パートが「昭和の下町ドラマみたい」と親しまれた一方、終盤の容赦ない制裁劇とのギャップに驚く声も多かったらしい。

余談[編集]

  • イタリアロケ風のオープニングは実際には韓国国内とCGの合わせ技。コロナ禍の制作制約の中であの画作りを実現したことが業界内で話題になった。
  • ヴィンチェンツォの愛車や腕時計、ライターは放送当時すべて特定され、関連検索が急増した。
  • 脚本のパク・ジェボムは『熱血司祭』でも「聖と俗のブラックコメディ」を得意としており、本作はその進化形と位置づけられている。
  • チョン・ヨビンは本作が初の本格主演級ドラマで、振り切った演技が「新世代の発見」と絶賛された。
  • クァク・ドンヨン演じるハンソの「兄離れ」成長譚は、視聴者投票の「守りたいキャラランキング」常連だった。
  • 最終話のラストカットまで「ヴィンチェンツォは正義の味方ではない」ことを徹底しており、ヒーローものの文法をあえて裏切る幕引きが批評家に高く評価された。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

  • tvN公式サイト「ヴィンチェンツォ」
  • Netflix公式作品ページ