| キム・ソンギュ 김성규 / Kim Sung-kyu | |
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![]() 2022年7月、映画『ハンサン ―龍の出現―』公開時のキム・ソンギュ(出典:Wikimedia Commons、提供:ロッテエンターテインメント、CC BY 3.0) | |
| 本名 | キム・ソンギュ(김성규) |
| 誕生日 | 1986年1月6日 |
| 年齢 | 40歳 |
| 出身地 | 大韓民国 京畿道水原市 |
| 国籍 | 大韓民国 |
| 学歴 | 大真大学校 演技専攻(中退とする資料もある) |
| ジャンル | 映画・ドラマ・演劇 |
| 活動期間 | 2011年 - |
| 身長 / 体重 | 174 cm / ― kg |
| 血液型 | AB型 |
| 事務所 | カンパニーオン(컴퍼니온) |
| 代表作 | 『犯罪都市』『悪人伝』『キングダム』『ハンサン ―龍の出現―』『ノリャン ―死の海―』『パチンコ』シーズン2『キム部長』 |
| 関連活動 | 舞台俳優(大学路の小劇場出身) |
| あだ名 | 「メソッド俳優」(カン・ユンソン監督による) |
概要[編集]
キム・ソンギュ(김성규、1986年1月6日 - )とは、韓国の俳優である。大学路の小劇場から映画『犯罪都市』の悪役ヤン・テでブレイクし、Netflix『キングダム』の虎狩りの名手ヨンシン、カンヌに招待された『悪人伝』の連続殺人鬼で一気に名を上げた「顔を変える」演技派。
詳細[編集]
ダンス部からバックダンサー志望、そして演劇へ[編集]
京畿道水原市の出身。高校時代はダンス部に3年間所属し、本気でバックダンサーを目指していたこともあるという。転機になったのは、ダンス部の先輩が出演したミュージカルを観に行ったことで、舞台の上で生きる人の姿に惹かれて演技の道へ進んだと語られている。
大学は大真大学校で演技を学んだ(中退とする資料もある)。兵役は陸軍で終えている。2011年に演劇『12人の怒れる男』の陪審員8号役で初舞台を踏み、同年には短編映画『Nineteen Ninety Nine』にも出演した。本格的に演劇一本で生きると決めたのは2013年、27歳のころだったとされ、いわゆる「遅咲き」組である。
大学路で過ごした「アルバイトの5年間」[編集]
2013年以降はソウル・大学路の小劇場を拠点に、創作劇や古典の翻案作品に出演した。『Ctrl A』(2013年)、『古い未来』(2015〜2016年)、『プラナリア』(2016〜2017年)などが代表的な舞台で、『プラナリア』は密陽夏公演芸術祭にも招かれている。
舞台だけでは食べていけず、この時期はアルバイトを掛け持ちしていた。デパートの食品売り場での試食販売、ハンバーガー店、弁当工場での盛り付け、家具の運搬、舞台セットの設営など、職歴はかなり多彩。デパートの試食販売では接客の腕を褒められたというエピソードもあり、「怖い顔の悪役」のイメージとのギャップでファンに好んで語られる。
端役から始まったスクリーンでのキャリア[編集]
映画の世界には端役から入った。2014年の『技術者たち』では刑事チームの一員、2016年の『トンネル 闇に鎖された男』では市民団体のメンバー3という、クレジットの端に名前が載る程度の役だった。
状況が一変したのが2017年。マ・ドンソク主演の『犯罪都市』で、朝鮮族ギャングのボス、チャン・チェンの片腕ヤン・テに抜擢される。台詞は多くないものの、異様な目つきと痩せこけた佇まいで観客に強烈な印象を残し、第54回百想芸術大賞の映画部門新人演技賞にノミネートされた。ここから「あの悪役は誰?」と名前が検索されるようになる。
出世作でたどるキム・ソンギュ[編集]
『犯罪都市』(2017年):眉を剃った「飢えた男」[編集]
ヤン・テ役のために、キム・ソンギュは眉を剃り落とし、さらに5kg以上の減量を行った。狙ったのは「常に腹を空かせているような、げっそりした顔」。減量の方法は、とにかくよく歩くことと、サウナに通うことだったという。
映画は韓国で大ヒットし、マ・ドンソク演じる刑事マ・ソクトの「怪物刑事」シリーズの起点となった。ヤン・テはチャン・チェンの左腕として寡黙に暴れ回る武闘派で、主演陣に負けない不気味さが話題を呼んだ。続く2018年の『探偵なふたり:リターンズ』ではイ・デヒョン役を演じ、コメディ寄りの作品でも存在感を見せた。
『悪人伝』(2019年):初主演でいきなりカンヌ[編集]
イ・ウォンテ監督の『悪人伝』では、マ・ドンソク演じるヤクザの組長、キム・ムヨル演じる刑事と三つ巴になる連続殺人鬼「K」ことカン・ギョンホを演じた。実質的な初の主要キャスティングで、体重を56kgまで落として撮影に臨んだ。
本人はKについて「生きたいという欲求や死への恐怖のような、人が基本的に持っている感情がない人物だと考えた」と語り、あえて輪郭をぼかすことで緊張感を生もうとしたという。作品は第72回カンヌ国際映画祭のミッドナイト・スクリーニング部門に招待され、2019年5月にカンヌで上映された。それまで「映画祭というものに行ったことがなく、釜山映画祭にすら行ったことがなかった」という本人にとって、人生初の映画祭がカンヌだった。
この役で2021年の黄金撮影賞(ゴールデン・シネマトグラフィー・アワード)新人男優賞を受賞。2020年の大鐘賞では助演男優賞にノミネートされた。
『キングダム』(2019〜2020年):虎狩りの名手ヨンシン[編集]
世界的なヒットとなったNetflixオリジナル『キングダム』では、謎多き男ヨンシンを演じた。ヨンシンは虎狩りの精鋭部隊出身で、作中屈指の銃の名手。チュ・ジフン演じる世子イ・チャンに同行し、ゾンビ化した死者たちとの戦いで頼れる戦力になる。
ぶっきらぼうで冷たく見えるが、実は人を見捨てられない男で、飢えた患者たちのために取った「ある選択」が疫病拡大の引き金になってしまうという、物語の根幹に関わる役どころでもある。故郷の村を襲った悲劇と、その元凶への復讐心がシーズン2で掘り下げられた。
本人はインタビューで「キングダムのシリーズで長く生き残りたい」と語るほど作品への愛着を見せている。最初の台本読み合わせの前夜は緊張で眠れなかったが、共演者たちが先に声をかけて食事に誘ってくれたことで少しずつ馴染んでいったという。「みすぼらしくて小柄だけれど、動きが速くてアクションが上手いところを好きになってもらえたのでは」と、ヨンシン人気の理由を分析している。
時代劇と海外作品[編集]
『ハンサン ―龍の出現―』『ノリャン ―死の海―』:降倭の兵士ジュンサ[編集]
キム・ハンミン監督の「李舜臣3部作」のうち、2022年の『ハンサン ―龍の出現―』と2023年の『ノリャン ―死の海―』に連続出演。日本軍から朝鮮側に投降した兵士(降倭)ジュンサを演じた。
ジュンサは脚本上も劇中でも過去が細かく語られない人物で、本人は「台本でも映画でも、自分のキャラクターの物語は具体的に多くは描かれない」と語ったうえで、表情と佇まいで背景を感じさせる役作りに取り組んだ。役のために頭を剃り、衣装合わせではカツラも着用している。『ハンサン』で李舜臣を演じたパク・ヘイルについては「一言、一つの仕草に重みがある」と敬意を示した。
『ノリャン』では李舜臣役がキム・ユンソクに交代し、キム・ソンギュは「想像していたのとはまた違う緊張感があった」と振り返っている。「いつか李舜臣を演じてみたいか」という質問には即座に首を振り、「今のところは“畏れ多い”という思いしかない」と答えた。
『パチンコ』シーズン2(2024年)[編集]
Apple TV+のドラマ『パチンコ』シーズン2には、新キャラクターのキム・チャンホ役で出演した。ユン・ヨジョンらが出演する大河ドラマで、チャンホはキョンヒ(チョン・ウンチェ)との関係が物語後半の鍵を握る人物として描かれる。
キャスティングは長丁場で、オーディション映像を3回ほど送り、Zoomでのオーディションも経たという。本人は「演技的に自信を失っていた時期だったので、受かるとはあまり期待していなかった」と打ち明けている。
ドラマでの幅[編集]
悪役から一転、メロドラマのピアニストへ[編集]
2020年のtvN『반의 반(英題:A Piece of Your Mind)』では、チョン・ヘイン、チェ・スビンらと共演し、カン・イヌク役で初めて本格的なメロドラマに挑んだ。ピアニストという設定のため、ピアノ未経験から2か月間練習を積んで撮影に入ったとされる。
この作品のために、それまでトレードマークだった長髪をばっさり切った。本人は「切った瞬間はすっきりしたけど、鏡を見たら自信がなくなった。髪のおかげでキャラクターが独特に見えていた気がして、普通の人になってしまったんじゃないかと照れくさかった」と語っている。
クーパンプレイ、TVING、SBSと続く出演作[編集]
2021年のクーパンプレイ『어느 날(英題:One Ordinary Day)』では、キム・スヒョン演じる大学生が収監される刑務所の囚人ド・ジテを演じた。2022年のTVINGオリジナル『돼지의 왕(英題:The King of Pigs)』では、学生時代のいじめの記憶を抱える刑事チョン・ジョンソク役で主演格を務めている。
2023年のSBS『悪鬼』(主演:キム・テリ)では第1話にイ・オッキュ役で特別出演した。主役級の作品が続くなかでも、こうした短い出番を引き受けるフットワークの軽さを見せている。
2025〜2026年の動向[編集]
新事務所と『模範タクシー3』の5番目の悪役[編集]
2025年6月、カンパニーオン(컴퍼니온)と専属契約を結んだとされる。
同年末から放送されたSBS『模範タクシー3』では、イ・ジェフン演じるキム・ドギの前に立ちはだかる5番目の悪役として登場。犯罪を「セッティングして売る」組織「サムフンド・ヴィランズ」を率いるコ・ソンヒョクを演じた。2026年1月3日放送の第14話では、代金を払えない客を平然と殺害する場面などで視聴者を震え上がらせている。
演劇『秘密通路:INTERVAL』で大学路に帰還[編集]
2026年2月13日から5月3日まで、ソウル・大学路のNOLシアター中劇場で上演された演劇『秘密通路:INTERVAL(비밀통로)』に出演。日本の劇作家・前川知大の『抜け穴の会議室』を原作に、ミン・セロムが演出した二人芝居で、キム・ソンギュは主人公の一人ドンジェをキム・ソンホ、ヤン・ギョンウォンとのトリプルキャストで演じた。記憶をなくした二人が見知らぬ空間で出会い、記憶の綴じられた本を通して生と死、輪廻を見つめる物語で、小劇場出身のキム・ソンギュにとっては「原点回帰」とも言える舞台である。
『キム部長』のカン・ソン[編集]
2026年6月26日から7月25日まで放送されたSBS金土ドラマ『キム部長』では、ソ・ジソプ演じる主人公キム部長と激しくぶつかるカン・ソン役を演じた。第5話では刃物を使った壮絶な死闘の末、カン・ソンの兄の死が北朝鮮高官リ・ウンリョンの裏切りによるものだったと明かされ、その絶望を表情だけで伝える演技が称賛された。同話の視聴率は首都圏21%、全国20.5%、瞬間最高23.1%を記録し、作品はSBS金土ドラマ歴代3位級のヒットになったと報じられている。
終映時には「カン・ソンという人物を演じられて感謝の時間だった」「最後までカン・ソンを応援し、愛してくれた視聴者の皆さんに心から感謝する」とコメントした。
『ムービング』シーズン2に合流[編集]
Disney+の大ヒット超能力ドラマ『ムービング』のシーズン2に新キャストとして合流することが発表された。2026年5月18日にクランクインした同作には、リュ・スンリョン、ハン・ヒョジュらシーズン1組に加え、ソル・ギョング、イ・ヒジュン、リュ・ヘヨン、ノ・ユンソらとともに名を連ねている。役柄の詳細や配信時期は2026年10月時点で公表されていない。
演技スタイル[編集]
「顔を変える」俳優[編集]
キム・ソンギュの最大の特徴は、作品ごとに見た目がまるで変わることである。眉を剃った『犯罪都市』、56kgまで絞った『悪人伝』、長髪にボロをまとった『キングダム』、坊主頭の『ハンサン』、短髪の好青年に寄せた『반의 반』と、同じ人だと気づかれないことも多い。ネットでは作品ごとのビフォーアフター比較がたびたび話題になる。
役を調べ尽くす「メソッド俳優」[編集]
『犯罪都市』のカン・ユンソン監督は、役柄を徹底的に研究する彼を「メソッド俳優」と呼んだ。本人は「強いキャラクターにも脆さや秘密がある」と語り、悪役ばかりのイメージで型にはまることへの不安はあまりないとしている。
素顔は「心配性で気弱」[編集]
画面の中の凄みとは裏腹に、本人は自分の性格を「心配性で、穏やかで、気が小さい」と表現している。理想の社会を問われた際には「お腹を空かせた人がいなくなり、みんなが苦労せずに暮らせる社会」と答え、困ったときに助け合える関係の大切さを語った。
余談[編集]
- 学生時代は100m走で12〜13秒台を出す俊足だったとされる。趣味もランニング、テニス、自転車、ボクシングと体を動かすものが多い。
- 『悪人伝』のオファー連絡は、スペインのサンティアゴ巡礼路を歩いている最中に届いたとされ、予定していた旅程を約1か月に短縮して帰国したという。
- 見た目に似合わず甘党で、マカロンやケーキが好物。一方で酒はあまり強くなく、飲むならキンキンに冷えた生ビール派とされる。
- 猫を2匹飼っており、名前はフランスの俳優ドニ・ラヴァンにちなんでいるとされる。
- 次回作に備える体づくりとして、山歩きや散歩を日課にしていると語ったことがある。
- 同じ韓国語名の美術スタッフが映画データベースで混同されることがあり、検索するときは「俳優」を付けるのが無難。
