| 松岡禎丞 Yoshitsugu Matsuoka | |
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![]() 2022年4月、HoneyWorksの配信番組に出演した松岡(出典:ウィキメディア・コモンズ、HoneyWorks OFFICIAL、CC BY 3.0) | |
| 本名 | 松岡禎丞(まつおか よしつぐ/本名で活動) |
| 誕生日 | 1986年9月17日 |
| 年齢 | 40歳 |
| 出身地 | 北海道帯広市(小学2年から高校卒業まで池田町で育つ) |
| 国籍 | 日本 |
| 学歴 | 代々木アニメーション学院卒業、日本ナレーション演技研究所 |
| ジャンル | 声優 |
| 活動期間 | 2009年 - |
| 家族 | 4人兄妹の長男 |
| 事務所 | アイムエンタープライズ |
| 代表作 | 『ソードアート・オンライン』キリト、『鬼滅の刃』嘴平伊之助、『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』ベル・クラネル、『五等分の花嫁』上杉風太郎、『東京リベンジャーズ』三ツ谷隆、『食戟のソーマ』幸平創真 |
| 関連活動 | ラジオ『ノーラジオ・ノーライフ』『松岡ハンバーグ』『豚のラジオは加熱しろ』ほか |
| その他 | 2009年『東のエデン』でデビュー/第6回声優アワード新人男優賞/第10回声優アワード主演男優賞/2019年ギネス世界記録認定 |
| リンク | アイムエンタープライズ |
概要[編集]
松岡禎丞(まつおか よしつぐ)とは、北海道帯広市出身、アイムエンタープライズ所属の男性声優である。『ソードアート・オンライン』のキリト、『鬼滅の刃』の嘴平伊之助などで知られ、2010年代以降の「主人公声優」を代表する1人。ギネス世界記録保持者でもある。
詳細[編集]
十勝の自動車少年、石田彰に撃ち抜かれる[編集]
1986年9月17日、北海道帯広市に生まれる。小学2年生のときに十勝地方の池田町へ引っ越し、高校卒業までをそこで過ごした。4人兄妹の長男で、珍しい「禎丞」という名前は祖父が付けたもの。「天に仕える者」という意味が込められているとされ、芸名ではなく本名である。少年時代の夢は声優ではなく自動車整備士。『イニシャルD』をきっかけにクルマにハマり、高校3年の秋まで本気で整備士を目指していた。転機は15歳ごろ。友人に勧められて見た『新世紀エヴァンゲリオン』の渚カヲルと、ゲーム『テイルズ オブ エターニア』のリッド・ハーシェルが同じ人――石田彰――だと知り、まったく違うキャラクターを演じ分ける芝居に衝撃を受けた。「声優」という職業を意識したのはここからである。
新聞奨学生で上京、2009年デビュー[編集]
声優を目指すと決めたものの、道内で学校を探すと「東京に出ないと厳しい」と言われてしまう。そこで上京し、新聞奨学生として新聞配達をしながら代々木アニメーション学院に通って卒業。同時期に日本ナレーション演技研究所にも入所して腕を磨いた。2009年、オーディションを経てアイムエンタープライズへの所属が決まり、同年のテレビアニメ『東のエデン』AKX20000役でデビューを果たす。北海道から裸一貫で出てきて、デビューまでの道のりを自分の稼ぎで切り開いたタイプの苦労人である。
『神様のメモ帳』で初主演、先輩の苦言[編集]
2011年、テレビアニメ『神様のメモ帳』の藤島鳴海役で初主演。この作品で第6回声優アワード新人男優賞を受賞し、一気に名前が知られるようになった。ただし現場は甘くなかった。共演した先輩の松風雅也からは「お前の演技は誰でもできる」と厳しい言葉を投げかけられたという。松岡はこの松風を尊敬する先輩として挙げており、のちに演技を認めてもらえたというエピソードとセットで語られることが多い。デビュー直後に鼻っ柱を折られた経験が、その後の「役に全身でぶつかる」芝居の原点になったとも言える。
キリト――「ナイーブな第一声」で掴んだ代表作[編集]
2012年に放送が始まった『ソードアート・オンライン』(SAO)で主人公キリト(桐ヶ谷和人)を担当し、ブレイクを果たす。キリト役のオーディションでは、監督の伊藤智彦が松岡の「ナイーブな第一声」を聞いて直感で選んだとされる。最強クラスの剣士でありながら、どこか繊細で人付き合いが不器用な少年というキリト像に、松岡の声質がハマった形だ。
ヒロイン・アスナ役の戸松遥とは長年コンビを組んでおり、劇場版公開時のインタビューでは「戸松さんは外見がアスナに似てますよね(笑)」と冗談めかしつつ、第1期ではアスナとの「結婚」シーンなどの演じ方を戸松に相談していたと明かしている。役作りについては「どんな役でも私情は入れない」「相手との受け答えを念頭に置く」といった姿勢を語っており、キャラクターと一体化していくタイプの役者であることがうかがえる。
SAOシリーズは劇場版『オーディナル・スケール』、『アリシゼーション』編、『プログレッシブ』劇場版、スピンオフ『ガンゲイル・オンラインII』(2024年)まで長く続き、キリトは松岡のキャリアそのものと言っていい存在になった。アニメ!アニメ!が2025年の誕生日に合わせて実施した「好きなキャラクター」読者アンケートでも、キリトは約3割の支持で8年連続1位を獲得している。2016年には第10回声優アワードで主演男優賞を受賞したが、その際には「手が震えて仕方がない」と緊張を隠さなかった。
伊之助――過呼吸寸前の「猪突猛進」[編集]
2019年からの『鬼滅の刃』では、猪の頭皮を被った野生児・嘴平伊之助を担当。キリトとは真逆の、叫んで暴れて突っ走るキャラクターで、松岡の振り幅を世間に知らしめた役である。
本人いわく、最初は伊之助の圧倒的なパワーに「振り落とされそう」だったという。しかし藤の花の家紋の家のシーンで、暴れ馬を手なずけるような感覚でキャラクターを掴めたと振り返っている。被り物で表情が見えないため、声だけで感情を伝えなければならない難しさもあった。
那田蜘蛛山の戦闘シーンでは、戦いの合間に息を整えるのに必死で「本気で過呼吸になるかと思った」とのこと。共演の花江夏樹も、伊之助が首を締められる場面で松岡が息を止めすぎて過呼吸になりかけていたと証言している。一方で喉はよほど酷使しない限り翌日には回復するタイプだそうで、伊之助を演じるときは翌日のことを考えずに全力を出していたという。我妻善逸役の下野紘の芝居については「僕には絶対できないお芝居」と最大級の賛辞を送り、刺激を受けて負けじと挑んだと語っている。
2020年の劇場版『無限列車編』を経て、2025年には『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』にも出演。2026年3月のAnimeJapan 2026では、花江夏樹・鬼頭明里・下野紘とともに『鬼滅の刃』ステージに登壇した。前述の読者アンケートでも伊之助は3年連続2位で、「マスク越しでも感情が伝わる」と評価されている。
主人公も怪演もこなす主な役[編集]
キリトと伊之助の陰に隠れがちだが、松岡の出演作は主役・準主役級だけでも膨大である。
- ベル・クラネル(『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』2015年 - ):まっすぐ成長していく少年主人公。2025年のアンケートでは前年14位タイから3位へ急上昇した。
- 幸平創真(『食戟のソーマ』2015年 - 2020年):料理バトルの主人公。趣味に「創作料理」を挙げる松岡にはぴったりの役。
- ペテルギウス・ロマネコンティ(『Re:ゼロから始める異世界生活』):「脳が震える」で知られる狂気の大罪司教。主人公とは正反対の怪演で、ファンの間でいまも語り草になっている。
- 上杉風太郎(『五等分の花嫁』):五つ子の家庭教師となる貧乏秀才。
- 三ツ谷隆(『東京リベンジャーズ』):東京卍會の弐番隊隊長。
- 宇佐美上等兵(『ゴールデンカムイ』):第七師団の中でも特に危うい人物として人気の高いキャラクター。
- そのほか『弱虫ペダル』青八木一、『ブルーロック』雷市陣吾、『BLEACH』千年血戦篇のエス・ノト、『リコリス・リコイル』真島、『TRIGUN STAMPEDE』(トライガン)のヴァッシュ・ザ・スタンピード、『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』ダニエル・ハルパー、『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』福城聖など。
2023年には『豚のレバーは加熱しろ』で、なんと異世界に転生した「豚」そのものを演じる主人公役まで務めた。ヒーローから狂人、果ては豚まで、とにかく役の幅が異様に広いのが松岡の持ち味である。
現場で語り継がれるエピソード[編集]
「松岡さんのマネしないでくれる?」[編集]
松岡といえば、語尾をクッと上げる独特のツッコミ。あるとき、これを真似した新人声優が音響監督から「松岡さんのマネしないでくれる?」と注意されたという話がある。それだけ「松岡節」が業界内で一つの型として認知されている証拠と言える。
ジョジョでのリテイク地獄[編集]
『ジョジョの奇妙な冒険』の収録では、音響監督の岩浪美和からセリフについて厳しく指導され、何度もリテイクを重ねたという。キリトで頂点に立った後も、現場ではしっかりしごかれているのである。
デビルズラインで咳き込む[編集]
『デビルズライン』の収録では、喉を絞るような発声で咳き込むほど役に入り込み、共演者の木村良平を感心させた。伊之助の過呼吸といい、「声が出なくなるギリギリまでやる」のが松岡流である。
現場の相棒は炭酸[編集]
アフレコ現場では炭酸飲料を愛飲していることでも知られる。甘いものは苦手で辛いもの好き、好物はハンバーグ、好きな色は青。趣味として歌唱、創作料理、スノーボード、ジョギング、散歩を挙げており、音楽ではUVERworldのファンを公言している。
ラジオと「天然」キャラ[編集]
本人は「トークが苦手」「人見知りで女性と話すのが苦手」と公言しているが、ラジオでは不思議と愛される存在になっている。
『ノーゲーム・ノーライフ』で兄妹役を務めた茅野愛衣との番組『ノーラジオ・ノーライフ』は、2015年の第1回アニラジアワードで最優秀ラジオ大賞と復活希望ラジオ賞を受賞。番組終了後も「また聴きたい」という声が根強かった。2018年4月16日には、自身初の冠番組『松岡ハンバーグ』が音泉で配信開始。好物のハンバーグを番組名にするあたりも実に松岡らしい。2023年10月からは『豚のレバーは加熱しろ』の公式ラジオ『豚のラジオは加熱しろ』で、ジェス役の楠木ともりとパーソナリティを務めた。
ニッポン放送の吉田尚記アナウンサーは、松岡を「超がつくほどの天然」「愛されキャラの代表格」と評している。真剣な役者モードとのギャップこそ、ファンが松岡を推す理由の一つだろう。
ゲーマー松岡:グランツーリスモとFF14[編集]
自動車好きが高じて、レースゲーム『グランツーリスモ』シリーズを25年以上プレイしているヘビーユーザー。その縁もあってか、2023年の実写映画『グランツーリスモ』では主人公ヤン・マーデンボロー(演:アーチー・マデクウィ)の日本語吹き替えを担当した。これだけクルマ好きなのに、自動車の運転免許は持っていないというのが最大のオチである。
オンラインゲーム『ファイナルファンタジーXIV』もプレイしており、配信で出演への希望を語っていたところ、制作チームが本当に起用。拡張パッチ6.0「暁月のフィナーレ」でヘルメスとアモンを演じた。プロデューサー兼ディレクターの吉田直樹は、その演技に鳥肌が立ったと語っている。「好き」がそのまま仕事につながった幸運な例である。
さらに2019年6月3日には、スマホゲーム『メモリア・フレーゼ』に提供したセリフ数が1万175ワードに達し、「一人の声優によりモバイルゲームに提供されたセリフの最多数」としてギネス世界記録に認定された。声優としてはかなり珍しい「世界記録保持者」の肩書きを持つ。
声優仲間との関係[編集]
同じ2009年デビューの島﨑信長とは親友として知られ、島﨑の結婚の際には婚姻届の保証人を引き受けた。『ダイヤのA』などで共演する機会も多い。『弱虫ペダル』で共演した柿原徹也とは一緒にロードバイクを買いに行った仲で、前野智昭とは「智さん」「禎丞」と呼び合い、前野からは「業界の弟」のように思われている。ほかに杉田智和、内田雄馬、斉藤壮馬らとも仲が良く、後輩の天﨑滉平や鈴木崚汰からは慕われているという。
同じアイムエンタープライズの大西沙織とも『ダンまち』(ベルとアイズ)をはじめ共演が多く、ファンの間では二人のコンビが「さおつぐ」と呼ばれている。2025年12月24日には、大西のInstagramライブ配信に岡咲美保とともに同席した。
2026年の最新出演[編集]
2026年も出演ラッシュは止まらない。主な作品は以下の通り。
- 『TRIGUN STARGAZE』(2026年1月10日放送開始、テレ東系):ヴァッシュ・ザ・スタンピード役を続投。前作『STAMPEDE』の続編。
- 『ハイスクール!奇面組』(2026年1月、フジテレビ「ノイタミナ」枠):令和版リメイクで出瀬潔役。キャスト発表時には、大人数で賑やかな収録現場について「何でもやってOK!」という空気だと語った。
- 『ゴールデンカムイ』最終章:宇佐美上等兵役。2025年には劇場先行版「札幌ビール工場編」も公開された。
- 『魔法騎士レイアース(2026年新作アニメ):フェリオ役。
- 『東京リベンジャーズ 三天戦争編』(2026年10月2日放送開始、MBS・TBS系「アニメイズム」枠、ディズニープラス独占配信):三ツ谷隆役。
- 『夜桜さんちの大作戦』第2期:夜桜嫌五役。AnimeJapan 2026でもステージに登壇した。
- 『ダイヤのA act2 Second Season:金丸信二役。
- 『転生したらスライムだった件』第4期(マサユキ)、『Fate/strange Fake』(フラット・エスカルドス)、『幻想水滸伝』(シード)、『異世界でチート能力を手にした俺は、現実世界をも無双する』TVSP(天上優夜)など。
- 映画『どこよりも遠い場所にいる君へ』(須加ヨシキ)、WEBアニメ『超かぐや姫!』(駒沢乃依、Netflix)。
2025年にも『ガチアクタ』ザンカ、『ウィッチウォッチ』清宮天流、『盾の勇者の成り上がり』Season4の天木錬、『炎炎ノ消防隊 参ノ章』ヨナなど話題作に多数出演しており、40歳を迎えた2026年も第一線を走り続けている。
炎上とバズ[編集]
大きな炎上騒動は報じられていない。話題になるのはもっぱら芝居の熱量のほうである。『ファイナルファンタジーXIV』のヘルメス役では、開発トップの吉田直樹が「鳥肌が立った」と語るほどの評価を受け、ゲームファン以外にも名前が届くきっかけになった。また、伊之助の収録で過呼吸になりかけた話は共演の花江夏樹が明かしたことで広まり、「全力すぎる松岡」を象徴するエピソードとしてファンの間で定番になっている。
余談[編集]
- 声優を志すきっかけとなった石田彰とは、のちに同じ業界で活躍する立場になった。
- 自動車整備士を目指していたほどのクルマ好きだが、運転免許は持っていない。
- 『食戟のソーマ』の幸平創真を演じた一方、本人の趣味も創作料理である。
- 冠ラジオ『松岡ハンバーグ』のタイトルは好物から来ており、好きな色の青と並んでプロフィールでもおなじみ。
- ファン投票ではキリトが8年連続1位、伊之助が3年連続2位と、上位2役の牙城はなかなか崩れない。
