| 偶然見つけたハル 어쩌다 발견한 하루 / Extraordinary You | |
|---|---|
![]() 2019年MBC演技大賞に出席したキム・ヘユン、ロウン、イ・ジェウクら出演者(2019年12月30日撮影・出典:Wikimedia Commons/CC BY 3.0) | |
| 略称 | ハル |
| ジャンル | ファンタジー、ロマンス、学園、メタフィクション |
| 放送シーズン | 2019年10月2日 - 11月21日 |
| 放送時間 | 水・木 21時(韓国時間) |
| 話数 | 全32話(35分×2話を1回で放送) |
| 放送国家 | 大韓民国 |
| 言語 | 韓国語 |
| 放送局 | MBC |
| 平均視聴率 | 平均 3.2% / 最高 4.1%(ニールセン・コリア全国) |
| 制作 | |
| 演出 | キム・サンヒョプ |
| 制作 | MBCドラマ制作本部、ライモンレイン |
| 脚本 | イン・ジヘ、ソン・ハヨン |
| 出演者 | キム・ヘユン、ロウン、イ・ジェウク、イ・ナウン、チョン・ゴンジュ、キム・ヨンデ、イ・テリ ほか |
| その他 | |
| 原作 | ウェブトゥーン「偶然見つけた7月」(ムリュイ作) |
| オープニング曲 | 「Walk This Sky」 |
概要[編集]
偶然見つけたハル(原題:어쩌다 발견한 하루、英題:Extraordinary You)は、2019年10月2日から11月21日までMBCで放送された韓国ドラマ。全32話(35分×2話を1回の放送枠で放送)。「自分たちは漫画の中の登場人物だった」と気づいたヒロインが、定められた運命に抗おうとするメタフィクション設定の学園ファンタジーロマンスで、SNSを中心にカルト的な人気を獲得した。
主演はSKYキャッスルでブレイクしたキム・ヘユン、当時ボーイズグループSF9のメンバーだったロウン、本作が初主演級の役どころとなったイ・ジェウク。原作はDaumウェブトゥーンで連載されたウェブトゥーン「偶然見つけた7月」で、日本ではピッコマで同名の日本語版が配信されている。視聴率は振るわなかったものの若い世代を中心にネットで話題を呼び、2019年MBC演技大賞では「今年のドラマ賞」を受賞した。
あらすじ[編集]
財閥の子女が通う名門スリ高校に通う2年生ウン・ダノ(キム・ヘユン)は、明るく優しい人気者。学校のイケメン御曹司ペク・ギョン(イ・ジェウク)とは婚約関係にある。ところがダノは、自分の意思とは関係なく行動が決められたり、時間が飛んだりする奇妙な現象に気づき始める。
図書館で見つけた漫画『秘密』——そこに描かれていたのは、自分やギョン、クラスメイトたちの姿そのものだった。自分たちは漫画の登場人物であり、しかも自分は主役ではなく、心臓に病を抱え、婚約者には疎まれたまま短い命を終える運命を背負った脇役にすぎないと知ったダノ。同じくエキストラだった出席番号13番の名前のない男子生徒(ロウン)と出会い、彼に「ハル(一日)」と名付け、漫画の筋書きに逆らって自分たちの意思で生きようとする。
やがて物語は、漫画『秘密』を描いた"作家"が以前に手がけた高麗時代の時代劇漫画『能所花(ヌンソファ)』の世界ともつながっていく。登場人物たちは別の作品の中でも出会っていたのか、そして筋書きに抗った代償は何なのか——という謎が、後半の大きな軸になる。
詳細[編集]
原作ウェブトゥーン[編集]
原作は、作家ムリュイ(muryu)がDaumウェブトゥーンで2018年1月18日から2019年9月19日まで連載した「어쩌다 발견한 7월(偶然見つけた7月)」。ドラマの放送は原作の連載完結直後にあたる。日本ではピッコマで「偶然見つけた7月」として配信され、日本語版では主人公の名前が九条桜にローカライズされている。
ドラマ化にあたっては、原作の「7月」が「ハル(하루=一日)」に置き換えられた。主人公が名前のない少年に「ハル」と名付けるエピソードがタイトルにも反映されており、韓国語の題名「어쩌다 발견한 하루」は「偶然見つけた一日」とも「偶然見つけたハル」とも読める二重の意味を持つ。
「ステージ」と「シャドウ」[編集]
本作最大の魅力は、「ステージ(漫画の本筋)」と「シャドウ(描かれていない時間)」という二層構造の世界観にある。作者が描いている間は物語通りに動かされ、描かれていない時間だけ自我を取り戻せる——というルールが、切なくも甘い恋を生み出す。「定められた運命に抗う」というテーマが、思春期の自己探しとも重なり多くの若者の共感を呼んだ。
ステージの場面では登場人物たちが少女漫画らしい大げさな台詞を口にし、シャドウに入ると素の表情に戻る。この落差をコミカルに見せつつ、筋書きに逆らうたびに「作家」による修正が入るという緊張感が、ラブコメとファンタジーとサスペンスを同時に成立させている。
劇中漫画『秘密』と『能所花』[編集]
ダノたちが生きる世界は、漫画『秘密』の中。『秘密』の本来のヒロインはヨ・ジュダ(イ・ナウン)で、ペク・ギョンらが所属する名門グループ「A3」の御曹司たちとの恋が物語の中心になっている。ダノはその中で"ヒロインを引き立てる脇役"にすぎない。
物語の後半では、同じ作家の前作である時代劇漫画『能所花』が登場する。ダノ、ハル、ギョンらは『能所花』の中でもそれぞれ役を与えられていた存在であり、作品をまたいだ因縁が明らかになっていく。学園ものから時代劇へと舞台が切り替わる構成は、韓国ドラマとしても珍しい仕掛けとして注目された。
制作[編集]
演出はMBCのキム・サンヒョプ、脚本はイン・ジヘとソン・ハヨン。制作はMBCのドラマ制作部門と制作会社ライモンレイン(래몽래인)が担当した。キャスティングには約3か月がかけられ、主要キャストには当時まだ主演経験の少ない若手俳優が起用された。
放送は水・木曜21時の枠で、1回の放送時間を35分ずつ2話に分ける形式をとったため、話数は全32話となっている(実質的には16回の放送)。
登場人物とキャスト[編集]
- ウン・ダノ:キム・ヘユン
- スリ高校2年生。漫画『秘密』の脇役で、心臓に持病を抱える。自分が漫画の登場人物だと気づき、運命を書き換えようとする。
- ハル(出席番号13番):ロウン
- 『秘密』の中で名前すら与えられていなかったエキストラの男子生徒。ダノに名前をもらったことで自我に目覚める。
- ペク・ギョン:イ・ジェウク
- ダノの婚約者で、A3のメンバー。ぶっきらぼうで冷たい態度をとるが、複雑な家庭の事情を抱えている。
- ヨ・ジュダ:イ・ナウン
- 漫画『秘密』の本来のヒロイン。苦しい家庭環境にありながら、A3のメンバーたちから想いを寄せられる。
- イ・ドファ:チョン・ゴンジュ
- A3のメンバー。音楽の才能があり、ジュダに想いを寄せる。
- オ・ナムジュ:キム・ヨンデ
- A3のリーダーで財閥の御曹司。『秘密』の男性主人公にあたる。
- チン・ミチェ:イ・テリ
- 学校の食堂で働く謎の人物。漫画の世界の仕組みに詳しい。
- そのほか:ペ・ヒョンソン(ペク・ギョンの異母兄ペク・ジュニョン役)、オム・ヒョソプ(ダノの父ウン・ムヨン役)、チェ・ジノ(ギョンの父ペク・デソン役)、ユン・ジョンフン(心臓外科医イ・ジョファ役)ほか。
音楽(OST)[編集]
オープニングテーマはパク・セジュンとウ・ジフンによる「Walk This Sky」。OSTアルバムは2019年11月20日に3枚組で発売され、ガールズグループAPRIL、ボーイズグループVERIVERY、Stray Kids、チョン・セウン、エピトンプロジェクトらが楽曲を提供した。2019年MBC演技大賞では、本作の挿入歌としてAPRILの「Feeling」がステージで披露されている。
視聴率と評価[編集]
ニールセン・コリア調べの全国視聴率は平均3.2%、最高4.1%(第10話・第14話)、最低2.2%(第3話)で、地上波の水木ドラマとしては振るわなかった。一方で、YouTubeなどネット上での切り抜き動画の再生やSNSでの話題量は大きく、テレビの本放送をあまり見ない10〜20代の視聴者に強く支持された。韓国の評論家からは、テレビ視聴者の高齢化が進むなかで「若い世代との疎通に成功した作品」と評価されている。
受賞[編集]
| 年 | 賞 | 部門 | 受賞者・作品 |
|---|---|---|---|
| 2019年 | MBC演技大賞 | 今年のドラマ賞 | 偶然見つけたハル |
| 新人賞(男性) | ロウン、イ・ジェウク、チョン・ゴンジュ | ||
| 新人賞(女性)/1分カップル賞 | キム・ヘユン、イ・ナウン(新人賞)/ロウン・キム・ヘユン・イ・ジェウク(カップル賞) | ||
| グリメ賞 | 新人演技賞 | ロウン | |
| 2020年 | ソウル国際ドラマアワード | 優秀韓国ドラマ賞 | 偶然見つけたハル |
このほか、百想芸術大賞(2020年)のテレビ部門新人演技賞にもノミネートされた。
キャストのその後[編集]
本作は出演者の多くにとって飛躍のきっかけとなった。キム・ヘユンは2024年の主演作『ソンジェ背負って走れ』が大ヒットし、その人気を受けて2024年6月には本作がMBCの系列チャンネルで再放送された。ロウンは2022年の主演ドラマ『明日』の放送に合わせ、同年3月から本作がMBCで再放送されている。イ・ジェウクは本作の後、tvN『還魂』(2022年)で主演を務め、若手主演俳優の一人として定着した。
余談[編集]
- 原作は人気ウェブ漫画「偶然見つけた七月」で、漫画の中の漫画という入れ子構造が映像でも巧みに再現されている。
- ロウン演じる「ハル」の純粋でひたむきな姿は「キュンキュンが止まらない」と話題になり、いわゆる「胸キュン韓ドラ」の名作として語り継がれている。
- 2019年MBC演技大賞では、ロウン・キム・ヘユン・イ・ジェウクの3人がそろって「1分カップル賞」を受賞した。ドラマの三角関係を演じた3人がそのまま一緒に表彰された形になる。
- 2019年は同じく現実離れした設定の『ホテルデルーナ』なども話題になった年で、本作は"ファンタジー×ロマンス"ブームの中でも特に若い視聴者に刺さった作品とされる。
- OSTにはStray Kidsも参加しており、K-POPファンから作品を知ったという視聴者も多い。
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- MBC公式サイト「偶然見つけたハル」
