涙の女王

涙の女王
ジャンル ロマンスドラマ / サスペンス
放送期間 2024年3月9日 - 2024年4月28日
放送国家 韓国
制作
脚本 パク・ジウン
出演者 キム・スヒョンキム・ジウォンクァク・ドンヨン
その他


概要[編集]

『涙の女王』(なみだのじょおう、원제:눈물의 여왕)は、2024年3月9日よりtvN・Netflixで放送・配信された韓国のロマンスドラマ。脚本は『太陽の末裔』『愛の不時着』などの名作を手がけたパク・ジウンが担当し、主演にキム・スヒョンキム・ジウォンを迎えた。財閥令嬢と庶民出身弁護士の夫婦が、余命宣告という試練をきっかけに本当の愛を取り戻す物語で、tvNドラマ史上最高視聴率24.9%を記録した。

日本でもNetflixランキング上位に長期間ランクインし、毎週末Xがネタバレだらけになる状況が続いた。「ヘインが死ぬな」が毎週のXトレンドに入り続け、視聴者の壮絶なリアルタイム実況が社会現象化。放送後にはBaeksang Arts Awards 2024で大賞を受賞するなど、2024年の韓国ドラマを代表する作品となった。

パク・ジウンが手がけた財閥×ラブストーリーは毎回鉄板で、今回も財閥令嬢と庶民出身夫という設定がベースになっている。しかし以前の作品と違うのは「最初から夫婦」という点で、「別れた二人が再会する」でも「初めて出会う」でもなく、すでに冷え切った夫婦関係から物語が動き出す構成が視聴者の想定を上回る展開を生み出した。「離婚しようと思っていた男が、妻の余命を知ってからどう変わるか」というキャッチーな構造が世界中の視聴者を一気に引き込んだらしい。

あらすじ[編集]

舞台は韓国最大手の流通財閥「クイーンズ百貨店」グループ。代表取締役ホン・ヘイン(キム・ジウォン)は、冷酷で完璧主義の財閥3代目令嬢で、社内では「氷の女王」と呼ばれていた。その夫で副社長のペク・ヒョヌ(キム・スヒョン)は、農村出身でありながら実力でのし上がった人物。外見は「凡庸なコネ採用」っぽく見えるが、実は頭脳明晰で義理堅い誠実な男だった。

結婚3年目にして二人の関係はすっかり冷え切っており、ヒョヌは密かに離婚を考えていた。そんな折、ヘインが末期脳腫瘍で余命3ヶ月であることが発覚。離婚届を握りしめていたヒョヌは、この事実を知って一転、献身的な伴侶として再び寄り添うことを決意する。二人はドイツへの「最後の旅行」を敢行し、旅の中で過去の出会いが少しずつ蘇っていく。

財閥内の後継者争いと陰謀、腹黒い悪役の暗躍、過去と現在のフラッシュバック——複数の要素が絡み合いながら進む物語は「伏線の回収がえぐすぎる」と視聴者から絶賛された。各話のラストが毎回「え、そういうことか!?」という衝撃で終わるため、「次回まで待てない」と視聴者を引きずり込む構成になっていた。脚本のパク・ジウンが最も力を入れたのは「二人が出会った最初の日の描写」で、終盤にその場面に戻ったとき、多くの視聴者が号泣したと言われている。

キャスト[編集]

ペク・ヒョヌ(キム・スヒョン
農村出身でありながらクイーンズ百貨店グループ副社長を務める男。飄々としているが実は天才的な洞察力を持ち、財閥家でも一目置かれる存在。離婚を考えていたのに最後まで妻を愛し続けた、ある意味最高の夫。本来はヘインに愛されるために奔走する役だが、視聴者からは「こういう夫いる?」「現実にいたら結婚したい」という感想が世界規模で溢れた。
ホン・ヘイン(キム・ジウォン
クイーンズ百貨店グループ代表取締役で、財閥3代目令嬢。外見は「氷の女王」だが、内心ではヒョヌへの愛情を持て余している。余命宣告を受けてから少しずつ人間らしさを取り戻していく。キム・ジウォンの演技については「目の演技だけで全部語っている」という絶賛が相次いだ。
ホン・スチョル(クァク・ドンヨン
ヘインの弟。財閥後継者争いに巻き込まれるが、コメディリリーフとしても大活躍。視聴者からは「本作で一番輝いていたかもしれないキャラ」と評されることも多く、クァク・ドンヨン自身の演技力の高さが再確認された回でもある。
グ・スルレ(キム・ジヨン)
ヘインの母で、グループの実権を握るやり手ビジネスウーマン。表向きは娘を愛しているが、財閥としての体面を最優先にする冷酷な側面も。ドラマのキーパーソンとして重要な位置を占めている。
ジン・ヒョン(パク・ソンフン)
ヒョヌの兄。家族の中での重要な位置を占めており、ヒョヌとの関係が後半の物語を大きく動かす。

制作・スタッフ[編集]

脚本のパク・ジウンは韓国ドラマ界を代表する女性脚本家で、代表作に『太陽の末裔』(2016)、『愛の不時着』(2019-2020)などがある。本作は自身の最高視聴率作品となった。パク・ジウンが本作のインタビューで語ったのは「夫婦愛を描きたかった。出会いや設定よりも、ともに歩んできた時間の重さを描くことに挑戦した」という言葉だった。

演出のキム・ヒウォンとジュ・ドヨンは映像美にこだわり、ドイツ(バイエルン州・ノイシュバンシュタイン城周辺)での実地ロケを敢行。欧州ロケの映像クオリティが視聴者から「映画みたいな画質」と絶賛された。キム・ジウォンの衣装・メイク・ヘアスタイルは回を追うごとに変化しており、視聴者の間でヘインのファッションまとめアカウントがSNS上に多数誕生した。

受賞・記録[編集]

  • tvNドラマ最高視聴率:24.9%(最終話、2024年4月28日)。それまでの記録は愛の不時着の21.7%だったが、本作が大幅に更新した。
  • Baeksang Arts Awards 2024 大賞(Drama部門)受賞
  • キム・スヒョン:Baeksang 2024 最優秀男優賞(ドラマ部門)受賞
  • Netflixの非英語圏コンテンツ週間視聴ランキングで10週以上連続首位を維持
  • 2024年Netflixのグローバル年間ビューイング数で非英語作品トップ10入り
  • 2024年上半期の韓国ドラマランキング(日本)でも圧倒的1位を記録

日本での反応[編集]

日本での人気も非常に高く、Netflixジャパンのランキングで長期間トップ5に入り続けた。毎週土曜の夜に新エピソードが公開されるとXのトレンドに関連ワードが大量にランクインし、日本の視聴者のリアルタイム実況ツイートが韓国語ツイートと混じり合う光景が毎週繰り広げられた。

特に注目されたのが「エモすぎる場面集」の切り抜き動画で、公式・非公式合わせて大量のクリップがYouTube・X・TikTokで拡散。「予告だけで泣いてしまった」「昼休みにスマホで見て泣き崩れた」という報告が毎週SNSに溢れた。

炎上とバズ[編集]

  • 「ヘインが死ぬな」毎週トレンド入り:ヘインが危機に瀕する場面のたびにXで「ヘインが死ぬな(원문:헤인아 죽지마)」がトレンド入り。日本語版でも「泣かせに来てる」「心臓に悪い」というコメントが殺到し、深夜のSNSが号泣報告で埋め尽くされた。
  • エンディング賛否論争:最終2話で展開が一気に加速したことで「詰め込みすぎ」「ご都合主義」という批判と、「ちゃんとハッピーエンドでよかった」という擁護論が真っ二つに分かれた。パク・ジウン脚本作品は結末で必ず議論になるらしい。
  • キャスティング発表時の反発と大逆転:主演発表直後、「この二人の共演はマンネリでは?」という声が一部から上がった。2011年の「最高の愛」以来13年ぶりの共演ということで「新鮮さがない」という意見もあったが、放送開始後3話で「この二人以外考えられない」に変わった。
  • ドイツ旅行ブームへの影響:本作放送後、韓国からドイツへの旅行者数が急増したと報道。観光局も「涙の女王効果」を公式に言及し、ノイシュバンシュタイン城は「涙の女王の城」として旅行先に浮上した。
  • 「最後の手段」告白シーンのバズ:ヒョヌが「君は僕の最後の手段だ」と告白するシーンの映像が世界中でシェアされ、字幕なしでも「泣ける」と評された。数千万回再生に達したとも報告されている。
  • 財閥令嬢キャラへの「共感できない」批判:ヘインのキャラクターに「完璧で近寄りがたいため感情移入できない」という意見もあったが、「それが狙い。人間らしさを取り戻す過程が見どころ」という擁護論で反論された。

余談[編集]

  • 主題歌「Love, Maybe」はSpotifyのK-POPチャートで首位を獲得。ドラマの重要シーンに合わせて特別に制作された楽曲で、歌詞が本編のストーリーと完全にリンクしていると話題になった。
  • キム・スヒョンは「体重管理がつらかった」と語っており、撮影後半は「走るシーンが死ぬほどきつかった」と明かしている。アクションシーンは少ないドラマだが、感情の消耗が肉体的疲労に繋がっていたという。
  • キム・ジウォンはインタビューで「財閥令嬢の役は今回で最後にしようと思っていた」と発言。「令嬢の鎧を着ているうちに令嬢の気持ちが分かってきた」とも語って、この発言がちょっと怖いとファンの間で笑いを誘った。
  • キム・スヒョンがノイシュバンシュタイン城前で撮ったオフショットをInstagramに投稿したところ、コメント欄が「왕자님(王子様)」で埋め尽くされた。
  • 日本では本作放送中に韓国語学習アプリへの問い合わせが急増。「涙の女王きっかけで韓国語を勉強し始めた」という人が続出した。
  • 視聴率が一時的に落ちた回(第8話)が実は「一番伏線だらけだった回」と後に証明された。「あの回つまらなかったんじゃなくて、伏線回収のための布石だった」という発見がSNSで話題になった。
  • クァク・ドンヨンは「コメディの要素が多いとは聞いていなかった」と語っており、「思ったよりウケを狙う役だった」と笑っていた。ヘインの弟役を演じながら本作で新たなコメディ的魅力を開花させた。
  • 本作の成功後、パク・ジウン脚本の次回作への期待が爆上がり。「次は何を書くの?」という質問に「まだ休ませてください」と答えたインタビューが拡散し、ファンが「ゆっくり休んで」「でも早く次が見たい」と矛盾したコメントを残した。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]