パク・ヘジュン
박해준/Park Hae-joon
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SBSラジオに出演したパク・ヘジュン(2022年3月、出典:ウィキメディア・コモンズ、SBS Radio、CC BY 3.0)
本名 パク・サンウ(박상우)
誕生日 1976年6月14日
年齢 50歳
出身地 大韓民国・釜山広域市
国籍 大韓民国
学歴 韓国芸術総合学校 演劇院
ジャンル 映画、テレビドラマ、舞台
活動期間 2005年〜(舞台)、2012年〜(映画・ドラマ)
家族 妻:舞台女優オ・ユジン(2011年結婚)、息子2人
事務所 PLEOエンターテインメント
代表作 『ミセン -未生-』『毒戦 BELIEVER』『夫婦の世界』『ソウルの春』『おつかれさま』『野党』『HUMINT』
あだ名 国民の不倫男、国民の父
その他 2020年 APANスターアワーズ ミニシリーズ部門男性優秀演技賞


概要[編集]

パク・ヘジュン(박해준、Park Hae-joon、1976年6月14日 - )とは、韓国の俳優である。『夫婦の世界』の不倫夫イ・テオで「国民の不倫男」と呼ばれ、5年後の『おつかれさま』では一途な夫ヤン・グァンシクで「国民の父」に大逆転した、振れ幅の鬼。

詳細[編集]

釜山から上京した演劇青年[編集]

1976年6月14日、釜山広域市生まれ。本名はパク・サンウ(박상우)。高校を出て上京し、韓国芸術総合学校の演劇院に2期生として入学した。ところが本人いわく、周りの同期に比べて準備不足のまま入ってしまったため劣等感が強く、授業をサボりがちになって学業警告を受け、最終的には教授の勧めで退学している。兵役を終えた2000年に入試を受け直して再入学し、改めて演技を学び直したという、わりと遠回りな青春を送っている。同校1期のイ・ソンギュンらとは、学生時代にバスケットボールをしながら仲良くなった仲として知られる。

長い長い舞台時代[編集]

プロとしての出発点は舞台。2005年、芸術の殿堂で上演された『アガメムノン』でデビューし、その後『その時、星が降り注いだ』(2007年)、キャバレー劇『モンスター』(2009年)、『あの頃、メイン州で』(原題『Almost, Maine』、2010〜2011年)、『ワン・ファイン・デイ』(2015〜2016年)など、小劇場を中心に実験的な作品へ出続けた。2020年のVOGUE KOREAのインタビューでは「演劇がターニングポイントになった」と振り返っている。映像に出るようになったのは30代後半からで、名誉やお金への欲はあまりない、気取らずに生きたいと語るタイプの人である。

芸名「パク・ヘジュン」での再出発[編集]

2012年、映画『火車 HELPLESS』で金貸しの男を演じて映画デビュー。この頃から芸名「パク・ヘジュン」を名乗り、テレビドラマにも進出した。2014年にはtvNの大ヒットドラマ『ミセン -未生-』で、営業3チームのチョン・グァヌン課長を演じ、会社員の視聴者から「いるいる、こういう課長」と共感を集めて一気に顔が売れた。同じ年には『ドクター異邦人』にも出演し、以降は映画とドラマを行き来する「どこにでも出てくる実力派」の地位を固めていく。

主な出演作[編集]

映画[編集]

  • 2012年『火車 HELPLESS』:金貸し役(映画デビュー)
  • 2013年『ファイ 悪魔に育てられた少年』:ボムス役
  • 2014年『ジェノム・ハザード』:クロサキ役
  • 2015年『探偵なふたり』:ジュンス役/『4等』:グァンス役(主演級)
  • 2016年『ミッシング 消えた女』:パク・ヒョニク役
  • 2017年『ハート・ブラックンド』:トン・ソンシク役
  • 2018年『毒戦 BELIEVER』:ソンチャン役
  • 2019年『チョ・ピルホ 夜明けの怒り』:クォン・テジュ役/『ブリング・ミー・ホーム 尋ね人』:ミョングク役/『ユ・ヨルの音楽アルバム』:ジョンウ役
  • 2021年『8番目の夜』:ホテ役
  • 2022年『非常宣言』:テス役/『ベイビー・ブローカー』(是枝裕和監督):特別出演
  • 2023年『ソウルの春』:ノ・テゴン役
  • 2025年『野党』:麻薬捜査班の刑事オ・サンジェ役
  • 2026年『HUMINT』:ウラジオストク総領事ファン・チソン役

テレビドラマ・配信[編集]

  • 2012年『ジョンウチ』
  • 2014年『ドクター異邦人』:チャ・ジンス役/『ミセン -未生-』:チョン・グァヌン課長役
  • 2015年『私の美しい花嫁』:パク・ヒョンシク役
  • 2016年『ウォンテッド』:ソン・ジョンホ役
  • 2018年『マイ・ディア・ミスター』:僧侶キョムドク役
  • 2019年『アスダル年代記』:ムベク役
  • 2020年『夫婦の世界』:イ・テオ役
  • 2022年『まだ最善を尽くしていない』:ナム・グムピル役
  • 2023年『アスダル年代記 アラムンの剣』:ムベク役
  • 2024年『ザ・8ショー』:6階の参加者役
  • 2025年『おつかれさま』:ヤン・グァンシク(中年期以降)役
  • 2025年『北極星』:次期大統領候補チャン・ジュニク役
  • 2026年『誰もが自分の無価値さと戦っている』:ファン・ジンマン役

『夫婦の世界』と「国民の不倫男」[編集]

パク・ヘジュンの名前を韓国中に叩き込んだのが、2020年にJTBCで放送された『夫婦の世界』である。英BBCドラマ『Doctor Foster』のリメイクで、医師チ・ソヌ(キム・ヒエ)の夫で映画監督のイ・テオを演じた。テオは若い愛人ヨ・ダギョン(ハン・ソヒ)との不倫がバレたあとも開き直り続ける男で、その最終回は全国視聴率28.371%を記録。当時の韓国ケーブル(非地上波)ドラマの歴代最高視聴率となった。

劇中のセリフ「愛に落ちたのは罪じゃないだろ(사랑에 빠진 게 죄는 아니잖아)」は略して「サッパジョア」と呼ばれ、ネットミーム化。おかげで本人は「国民の不倫男」という不名誉すぎる異名をもらい、街でも「ドラマでは憎かったけど実物は違うね」と声をかけられるようになったという。

本人はVOGUE KOREAのインタビューで、テオを「自分の感情には正直であろうとするのに、社会的にはとても保守的。矛盾と二面性を抱えた、11〜12歳くらいで成長が止まったような人間」と分析し、役を理解するまで時間がかかったと明かしている。突然の大注目については「初めての経験で少し戸惑っている」「関心をもらえるのは嬉しいけど、プレッシャーもある」とコメントした。この役で2020年のAPANスターアワーズでミニシリーズ部門の男性優秀演技賞を受賞している。

『おつかれさま』と「国民の父」[編集]

2025年3月、Netflixで配信された『おつかれさま』(原題:폭싹 속았수다)で、パク・ヘジュンは主人公ヤン・グァンシクの中年期以降を演じた。若き日のグァンシクはパク・ボゴム、妻エスンはIUとムン・ソリが年代を分けて演じる構成で、IUは娘クムミョンも二役で演じているため、パク・ヘジュンはIUの「夫」ではなく「父」として共演することになった。

済州島の海辺の村で、口数は少ないが妻と娘のためならなんでもするグァンシクの姿は、アジアから中南米まで広く刺さり、「自分だけのグァンシクが欲しい」という意味の「グァンシク病(관식병)」なる言葉まで生まれた。5年前の不倫男が、今度は「国民の父」「国民の愛妻家」。ここまで世間の評価がひっくり返った俳優もなかなかいない。tvN『ユ・クイズ ON THE BLOCK』に出演した際は「気分がふわふわ浮いている」と話し、ファンが以前とは違って目をうるませた表情で近づいてくるようになったと語っている。

撮影の裏話も濃い。病床のシーンのために1週間で7〜8kgを落としたといい、1日3リットルの水を飲んでから500mlまで減らし、半身浴と有酸素運動を重ね、撮影当日は水も断ったという。韓国メディアのインタビューでは「グァンシクを演じるのは、ずっと自分を省みさせられるので、不倫男より大変だった」と語り、グァンシクとのシンクロ率は「50%くらい」と自己評価。妻からは「お兄ちゃん(夫)にもこういうところ多いよ」と言われたそうだ。若い頃のパートを担ったパク・ボゴムについては「ボゴムさんのおかげ」と繰り返し、自分は何もしていないと謙遜していた。

同作は百想芸術大賞でも多数ノミネートされたが、パク・ヘジュン自身は候補に入らなかった。一方で同年の韓国大衆文化芸術賞で国務総理表彰を受けるなど、評価はしっかり形になっている。

映画俳優としての顔[編集]

『毒戦』から『ソウルの春』へ[編集]

映画では悪役・曲者役の印象が強い。2018年の『毒戦 BELIEVER』では麻薬組織の幹部ソンチャンを演じ、百想芸術大賞の男性助演賞にノミネートされた。2023年の『ソウルの春』では、1979年12月12日の粛軍クーデターを描くなかで、実在の盧泰愚(ノ・テウ)をモデルにした第9師団長ノ・テゴンを演じた。主演はファン・ジョンミンで、作品は観客1000万人を突破。パク・ヘジュンもいわゆる「千万俳優」の仲間入りを果たし、2024年の青龍映画賞では男性助演賞にノミネートされた。本人は「実際の歴史を扱う作品は初めてで不安だったが、キム・ソンス監督に会ったらそれが消えた」と話している。

『野党』のオ・サンジェ[編集]

2025年4月16日公開の『野党』では、麻薬犯罪者たちに恐れられる熱血の麻薬捜査刑事オ・サンジェを演じた。『おつかれさま』配信直後の公開だったため、温厚なグァンシクとの落差に観客がざわついた。役作りでは実際の麻薬捜査官のインタビュー映像やドキュメンタリーを繰り返し見たという。撮影前のケガでアクションが思うようにできなかったことを悔やみつつ、演技観については「監督の戦術を完璧にこなしながら、利他的な演技で共演者を引き立てる、ソン・フンミンのような俳優になりたい」と語った。作品は最終的に約337万人を動員している。

2026年『HUMINT』[編集]

2026年2月11日公開のリュ・スンワン監督作『HUMINT』では、ロシア・ウラジオストクを舞台にした諜報アクションで、冷酷な総領事ファン・チソンを演じた。共演はチョ・インソン、パク・ジョンミン、シン・セギョン。製作費235億ウォンの大作だったが、同時期の『王と生きる男』が1400万人超の大ヒットとなったあおりを受け、劇場動員は約198万人にとどまった。とはいえNetflix配信後に韓国のTOP10へ再浮上する粘りを見せ、パク・ヘジュンはこの役で第62回百想芸術大賞映画部門の男性助演賞にノミネートされた(受賞はイ・ソンミン)。同作からはシン・セギョンが女性助演賞を受賞している。

2026年の最新動向[編集]

2026年は映画とドラマの両輪がフル回転している。ドラマでは、『マイ・ディア・ミスター』の脚本家パク・ヘヨンの新作であるJTBC土日ドラマ『誰もが自分の無価値さと戦っている』(略称『モジャムッサ』)に出演。ク・ギョファン、コ・ユンジョン、オ・ジョンセ、カン・マルグムらと並ぶキャストで、パク・ヘジュンは狭いワンルームで暮らす元詩人ファン・ジンマンを演じた。かつて将来を期待されながら文学の道で成功できず、溶接工として働きながら焼酎に頼って生きる男で、ク・ギョファン演じる弟との「みすぼらしくも崇高な」兄弟愛が評判になった。

『マイ・ディア・ミスター』で実際に頭を剃って僧侶役を演じた縁から、パク・ヘヨン作家とは関係が深い。本人は2025年のインタビューで、剃髪させてしまったことを申し訳なく思った制作陣がその後も声をかけてくれたと話し、「ギャラをもらわなくてもいい」と言うほどの恩人だと語っている。

このほか、映画『チョンガネ牧場』(仮題)にビョンス役で出演予定とされ、公開時期は未定。韓国のバラエティやYouTube出演も増えており、「国民の父」ブランドはまだまだ続きそうである。

人物[編集]

家族[編集]

韓国芸術総合学校の後輩である舞台女優オ・ユジンと、7年の交際を経て2011年に結婚。2013年と2017年に生まれた息子が2人いる。2020年のインタビューでは、撮影中は妻が子どもの世話をしてくれると感謝し、家では子どもたちと現代舞踊ごっこをして遊んでいると話していた。『おつかれさま』で病に倒れるグァンシクの姿を見た息子たちは、心配して30分おきに「パパ大丈夫?」と電話してきたそうだ。

演技スタイル[編集]

悪人・不倫男・権力者といった「憎まれ役」から、寡黙な父親、くたびれた元詩人まで、同じ人とは思えない振れ幅が持ち味。どの作品でも主役を食いすぎず、作品全体を支えるバランス感覚が評価されている。本人もサッカーのソン・フンミンを引き合いに「チームのために動く俳優」を理想に掲げている。

炎上とバズ[編集]

炎上というよりは「役が強すぎて本人が巻き込まれる」タイプのバズが多い。『夫婦の世界』放送当時はイ・テオへの怒りがそのまま本人に向かい、「サッパジョア」はいまでも不倫男いじりの定番フレーズとして使われる。逆に『おつかれさま』ではグァンシク人気が爆発し、「グァンシク病」という流行語まで誕生。同じ俳優がミームの加害者側と癒やし側の両方を経験した、珍しいケースといえる。

余談[編集]

  • 長髪だった若い頃は、その美貌から少女漫画のキャラクターになぞらえたあだ名で呼ばれていたとされる。
  • 『ソウルの春』でノ・テウがモデルの役を演じた際、外見がかなり似ていると話題になった。
  • 俳優のテ・インホはいとこ。パク・ナレのYouTubeチャンネル『ナレシク』に出演した際、「釜山の男性に憧れがある」と話すパク・ナレに、なぜかテ・インホを推薦して笑いを誘った。
  • 『ミセン -未生-』にはテ・インホも出演しており、いとこ同士で同じドラマに名を連ねていた。
  • 『おつかれさま』の撮影では、村をまるごと再現した巨大セットが組まれ、船や海のシーンの多くはCGだったと明かしている。

外部リンク[編集]

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