イ・ナヨン
이나영(李奈映、Lee Na-young)
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2026年1月、ドラマ『アナー:彼女たちの法廷』制作発表会でのイ・ナヨン(出典:ウィキメディア・コモンズ、TV10の映像より、CC BY 3.0)
本名 イ・ナヨン(이나영)
誕生日 1979年2月22日
年齢 47歳
出身地 韓国 ソウル特別市松坡区
国籍 韓国
学歴 新丘専門大学(現・新丘大学)経営学科卒業
ジャンル 映画、テレビドラマ、CM
活動期間 1998年 -
家族 夫:ウォンビン(2015年結婚)、長男(2015年生)
身長 / 体重 172cm cm / ― kg
事務所 Eden9(イドゥンナイン)
代表作 『勝手にしやがれ』『アイルランド』『知っている女(Someone Special)』『私たちの幸せな時間』『ロマンスは別冊付録』
関連活動 KBS『ミュージックバンク』MC(2000年 - 2001年)
あだ名 CM女王、4次元女優、神秘主義女優
その他 2004年 第25回青龍映画賞 主演女優賞(『知っている女』)、2002年 MBC演技大賞 ミニシリーズ部門優秀演技賞(『勝手にしやがれ』)


概要[編集]

イ・ナヨン(이나영、Lee Na-young、1979年2月22日 - )とは、韓国の女優である。ドラマ『勝手にしやがれ』『アイルランド』、映画『知っている女』で独特の存在感を放ち、青龍映画賞主演女優賞を受賞。2000年代を代表する「CM女王」としても知られ、2015年に俳優ウォンビンと結婚した。

詳細[編集]

ジーンズのCMから始まった「透明な顔」[編集]

1979年、ソウルの松坡区生まれ。芸能界入りのきっかけはCMで、1998年にジーンズブランド「ジャンバンイ(잠뱅이)」の広告や、ロッテ製菓のチョコレート「紗々(샤샤)」の広告に起用されたのが始まり。冷たいようでどこか浮世離れした雰囲気、いわゆる「神秘的な顔」がすぐに業界の目に留まり、同じ1998年にはMBCの単発ドラマなどで演技デビューも果たした。同年はキム・ドンリュルの「奇跡」、ユン・サンの「最後の嘘」、パク・ジニョンの「Kiss Me」とミュージックビデオにも立て続けに出演しており、「MVでよく見るあの子は誰?」状態から一気に知名度を上げていった。

日本映画デビューと「カイスト」[編集]

ちょっと珍しいのが映画デビュー作。1999年の日本映画『英二』で梅花という役を演じ、長編映画のキャリアを日本からスタートさせている。同じ1999年にはMBC『私たちは本当に愛したのだろうか』、SBS『カイスト』『クイーン』、KBS『魔法の城』とテレビドラマにも相次いで出演し、助演クラスで場数を踏んだ。2000年10月から2001年4月まではKBS『ミュージックバンク』のMCも担当しており、歌番組の司会席に座っていたという今では意外な経歴もある。

「4次元」キャラで作品を選ぶ人[編集]

イ・ナヨンのフィルモグラフィーを眺めると、CMで見せる上品で華やかなイメージとは真逆の役が多いことに気づく。内向的なゲーム好き、英語が話せない公務員、野球選手を見守る(ちょっと危ない)片思い女子、死刑囚と向き合う自殺未遂経験者、夢遊病に苦しむ女性……と、どこか不器用でクセの強い女性ばかり。英語版Wikipediaでも「広告での優雅なイメージと異なり、映画では不器用で風変わりな女性を選んで演じてきた」と整理されている。この独特の作品選びと、本人の飾らない言動から、韓国では「4次元(=ちょっと不思議ちゃん)女優」と呼ばれることも多い。

経歴[編集]

2002年『勝手にしやがれ』でブレイク[編集]

本格的にスターダムにのし上がったのが、2002年のMBCドラマ『勝手にしやがれ』(原題:네 멋대로 해라)。インディーズバンドで活動するミュージシャン、チョン・ギョンを演じ、余命わずかな詐欺師の男と恋に落ちるという物語だった。視聴率で大爆発した作品ではないが、出演者のリアルで繊細な演技が高く評価され、現在でも「人生ドラマ」に挙げる熱狂的なファン(いわゆる「ネモッタ廃人」)がいる名作として語り継がれている。この作品でイ・ナヨンはMBC演技大賞ミニシリーズ部門優秀演技賞を受賞し、翌2003年の百想芸術大賞でもTV部門最優秀演技賞にノミネートされた。

映画女優としての黄金期[編集]

2002年には映画『フー・アー・ユー?』で内向的なキャラクターを演じ、2003年には『英語完全征服』で英語が苦手な区役所職員ナ・ヨンジュを好演。そして2004年、チャン・ジン監督のロマンティックコメディ『知っている女(アヌン・ヨジャ、英題:Someone Special)』で、不振の野球選手をずっと見守ってきた女性ハン・イヨンを演じ、第25回青龍映画賞の主演女優賞を受賞した。同作では春史大賞映画祭の主演女優賞なども獲得し、一気に「トップ女優」の仲間入りを果たしている。

2006年には、コン・ジヨンの小説『私たちの幸せな時間』を映画化したソン・ヘソン監督の同名映画に主演。死刑囚(カン・ドンウォン)と面会を重ねるうちに心を通わせていく、深い傷を抱えた女性ムン・ユジョンを演じ、今度はドラマ的な演技力で高評価を得た。この作品で青龍映画賞主演女優賞に再びノミネートされている。

キム・ギドク作品と体当たりの撮影[編集]

2008年にはキム・ギドク監督の『悲夢(ビモン)』に出演。他人の夢と連動して夢遊病の行動をとってしまう女性ランを演じた。この撮影中、首を吊るシーンで危うく命を落としかける事故があったことが報じられており、まさに体当たりの現場だった。2010年の映画『パパは女の人が好き(아빠가 여자를 좋아해)』では、突然「自分の息子だ」と名乗る少年が現れて生活がひっくり返るトランスジェンダーの写真家という難しい役どころに挑戦。宣伝を兼ねて、MBCのシットコム『明日に向かってハイキック(지붕 뚫고 하이킥)』にイ・ナボン役でカメオ出演したこともある。

『逃亡者 PLAN B』と『凍える牙』[編集]

2010年、KBSの大型アクションドラマ『逃亡者 PLAN B』で約6年ぶりにドラマへ復帰。ピ(チョン・ジフン)と共演し、アクションシーンをスタントなしでこなしたことで話題になった。2012年にはユ・ハ監督のサスペンス映画『凍える牙(ハウリング)』でソン・ガンホとバディを組み、狼犬が絡む連続殺人事件を追う新人刑事チャ・ウニョンを演じた。2013年には日本映画『劇場版 SPEC〜結〜』に友情出演しており、日本作品との縁も意外と深い。

長い休息と静かな復帰[編集]

『凍える牙』以降はスクリーンでの活動を長く控え、2015年に雑誌「W Korea」創刊10周年記念のオムニバス短編『女、男』の一編『悲しいシーン』に出演した程度だった。2018年、脱北女性の人生を描いた映画『ビューティフル・デイズ』(ユン・ジェホ監督)で6年ぶりにスクリーン復帰。この作品は第23回釜山国際映画祭で上映され、イ・ナヨンは、中国から韓国へ母を探しにやって来る青年ジェンチェンの「母」を演じた。つらい過去を抱えたまま韓国で生きる女性という難役である。

2019年1月には、tvNの『ロマンスは別冊付録』で9年ぶりにドラマ復帰。離婚して職も家も失った元トップコピーライターのカン・ダニを演じ、年下の幼なじみで出版社の編集長チャ・ウノンを演じたイ・ジョンソクと共演した。全16話で、Netflixでも配信されたため、日本でも見やすい作品となっている。

2023年『パク・ハギョンの旅行記』、2026年『アナー』[編集]

2023年5月24日には、Wavveオリジナルドラマ『パク・ハギョンの旅行記』が公開。国語教師パク・ハギョンが土曜日ごとに日帰り旅に出るという1話25分程度・全8話の短編シリーズで、海南、束草、群山、釜山など各地を舞台にした。イ・ジョンピル監督と「何をしないか」を重視して撮ったと語っており、インタビューでは「『共感してください』という言葉さえ宿題になる。ただぼーっと見てほしい」という趣旨の発言をしている。

そして2026年、ENAのドラマ『アナー:彼女たちの法廷(아너:그녀들의 법정)』で約3年ぶりにドラマ出演。スウェーデンのドラマ『Heder』を原作に、20年前に3人の弁護士が埋めた秘密が再浮上して人生が揺さぶられる法廷ミステリーで、チョン・ウンチェ、イ・チョンアとトリプル主演を務めた。イ・ナヨンが演じたのは、性犯罪被害者を代理する弁論の名手のセレブ弁護士ユン・ラヨン。本人はインタビューで「傷を隠しながら演じるのが複雑で、アプローチも表現も慎重になった」と語っている。全12話で、最終回の視聴率は4.7%(報道による)で幕を閉じた。

CM女王としての顔[編集]

「広告界のトップモデル」[編集]

イ・ナヨンを語るうえで外せないのがCM。デビュー直後からアモーレパシフィックの化粧品ブランド「ラネージュ」の顔を長く務め、その後もランコム、ユニクロ、LGの家電、サムスンの携帯電話「Anycall」、トンソ食品のコーヒー「マキシム」、ベーカリー「パリバゲット」、カード会社、通信会社、建設会社まで、とにかくジャンルを問わず広告に起用されてきた。英語版Wikipediaでも、韓国で最もランクが高く最も高収入のCMモデルの一人だったと紹介されている。

共演相手も豪華[編集]

CMでの共演相手を見るとその格の高さがわかる。Anycallではアン・ソンギ、チャン・ヒョク、チャ・テヒョンと、カードCMではチャン・ドンゴンと共演。化粧品の広告ではソン・ヘギョ、ハン・ガイン、ハン・ジミンと並び、マキシムのコーヒーCMではソン・ジュンギ(2013年)やキム・ウビン(2014年 - 2017年)ら、その時々の旬の俳優と組んでいる。2007年には任天堂の『ニンテンドッグス』『New スーパーマリオブラザーズ』のCMにも出演していた。

受賞歴が物語るCMパワー[編集]

CMでの活躍ぶりは賞でも裏付けられており、2006年には韓国広告主大会で「広告主が選んだ良いモデル賞」、2007年には第1回大韓民国放送広告フェスティバルでベストパートナー賞を受賞している。2009年11月号では、ファッション誌「W Korea」の表紙を飾った初の韓国人とされ、ファッションアイコンとしての地位も確立した。

ウォンビンとの結婚と私生活[編集]

「神秘主義カップル」の誕生[編集]

2011年8月、イ・ナヨンはウォンビンと同じ事務所Eden9に移籍。それ以前は2006年にKeyEast、2009年にアメリカのウィリアム・モリス・エージェンシーとも契約していた。2013年7月、ある媒体が2人がお互いの家を行き来する様子を報じたことで、事務所が交際を公式に認めた。2012年8月ごろからひっそりとデートを重ねていたとされ、どちらも私生活をほとんど見せない「神秘主義」の俳優同士だったため、韓国芸能界でも屈指の衝撃カップルとして話題になった。

麦畑のスモールウェディング[編集]

2015年5月30日、2人はウォンビンの故郷である江原道旌善郡の麦畑で結婚式を挙げた。出席したのは両家の家族だけで、大釜で煮た麺を約50人の家族でふるまう素朴な披露宴だったと伝えられている。ドレスは10年以上の付き合いがあるデザイナー、チ・チュニのものだった。トップスター同士なのに「麦畑で家族だけ」という演出が逆に強烈なインパクトを残し、スモールウェディングブームの象徴のように語られることもある。同年12月19日、事務所は長男が誕生したことを発表した。

夫の「復帰」について聞かれ続ける人生[編集]

ウォンビンは2010年の『アジョシ』を最後に作品出演が途絶えているため、イ・ナヨンは自身のインタビューのたびに夫の近況を質問される宿命を背負っている。2023年の『パク・ハギョンの旅行記』のインタビューでは、ウォンビンも作品を熱心に探しており「いいシナリオが来ると私をうらやましがる。もう少し待ってほしい」と答えた。2026年の『アナー』のインタビューでも、夫と一緒に作品を見ていて、ウォンビンが撮影の裏話を気にしていたというエピソードを披露している。

人物[編集]

意外な素顔[編集]

日本語版Wikipediaによると、趣味は映画鑑賞、自転車、読書。ストレスを感じたときには難しい数学の問題を解いて解消するという、まさに「4次元」らしいエピソードを持つ。172cmの長身で、47歳を迎えた2026年にも「20代のまま止まったよう」と韓国メディアがこぞって報じるほどの「防腐剤ビジュアル」の持ち主でもある。

バラエティでの姿[編集]

バラエティ番組への出演はかなり少ないが、2012年にはMBC『無限挑戦』の「イ・ナヨンとの初対面」「ギャグ学概論」特集にゲスト出演し、普段の神秘的なイメージとは違う天然ぶりで話題を呼んだ。2026年5月にはYouTubeチャンネル「イルイルチル(117)」に登場し、ゲストのStray Kidsのフィリックスと一緒に「MANIAC」のダンスを披露。自宅の冷蔵庫を初公開したり、家では中華鍋のようなもので料理をしていると明かしたりと、主婦としての顔ものぞかせた。夫ウォンビンについては「話し方が友達みたいで、からかってくる」と語り、息子については「俳優という概念がまだよくわからず、本物かどうか聞いてくる」と笑わせた。

SNSとの距離感[編集]

イ・ナヨン本人は個人のSNSを積極的に運用するタイプではなく、近況は主に所属事務所Eden9の公式Instagramを通じて公開されている。2026年9月にはイタリアの高級ジュエリーブランドのイベントに出席した写真が事務所の公式アカウントに掲載され、「47歳とは思えない」と韓国のネットニュースで大きく取り上げられた。

炎上とバズ[編集]

  • 「麦畑ウェディング」写真:2015年の結婚式で公開された、麦畑を背景にした2人の写真は韓国内外で拡散され、「映画のワンシーン」「これ以上ない神秘主義カップルらしさ」とバズった。
  • 「CMだけ出る夫」問題への困惑:ウォンビンが作品に出ずCMばかりという批判に対しては、イ・ナヨンがインタビューで困惑をにじませたこともあり、そのたびに「ウォンビン復帰はいつ?」が検索ワード上位に上がる。
  • 『アナー』の「防腐剤ビジュアル」:2026年1月の制作発表会では「座っていても目立つ172cmの長身」「47歳が信じられない」といった見出しが並び、作品と同じくらいビジュアルが話題をさらった。

余談[編集]

  • 1999年の日本映画『英二』が映画デビュー作で、2013年には『劇場版 SPEC〜結〜』にも出演。日本語版Wikipediaのカテゴリでは過去のホリプロ所属者にも分類されている。
  • 2001年にはイギリスのブリットポップバンド、Rialtoの「Catherine's Wheel」のMVにも出演している。香港のスター、レオン・ライ(黎明)の楽曲MVや、彼と共演した香港映画『天使夢(Dream of a Warrior)』(2001年)などアジア規模の仕事も多かった。
  • 『アイルランド』は『勝手にしやがれ』の脚本家イン・ジョンオクと再タッグを組んだ作品で、韓国系の養子が故郷を訪ねる物語。若き日のヒョンビンも出演していた。
  • 『アナー』の共演者チョン・ウンチェとイ・チョンアについては「劇中ではかっこいい女性だけど、実際の会話を聞くとみんなおっちょこちょい」と暴露。普段あまり俳優に会わないので、数日ぶりに会うと2人が「芸能人みたいに見える」とも語っている。
  • 演技については「死ぬまで難しいだろうけれど、微妙な緊張感があってこそ成長し続けられる」「希望を持って、火に飛び込む蛾のように自分を投げ続けたい」と語っており、寡作ながら演技への熱は衰えていない。

外部リンク[編集]

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