ロマンスは別冊付録

ロマンスは別冊付録
ジャンル ロマンス、職場ドラマ、ヒューマン
放送期間 2019年1月26日〜2019年3月17日
制作
脚本 ハ・ミョンヒ
出演者 イ・ジョンソク、イ・ナヨン
その他
外部リンク Netflix公式


概要[編集]

『ロマンスは別冊付録』(原題:로맨스는 별책부록、英題:Romance Is a Bonus Book)は、2019年1月26日から3月17日までtvNで放送された韓国のロマンティックコメディドラマ。全16話。主演はイ・ジョンソク(이종석)とイ・ナヨン(이나영)。演出はイ・ジョンホ(이정호)、脚本はハ・ミョンヒ(하명희)が担当した。

本作はイ・ジョンソクが2017年に入隊した兵役から2019年1月に除隊後、わずか数週間での電撃復帰作として放送前から大きな注目を集めた。「兵役明けの復帰作」という文脈に加え、出版社を舞台にした温かみのある職場ドラマとしても完成度が高く、放送当時から高評価を得た。

物語は出版社を舞台に、有能な編集長と、かつての輝きを取り戻そうとする元コピーライターの女性の関係を描く。アラフォー女性の再就職という現実的なテーマと、幼なじみ同士の甘い恋愛を融合させた本作は、様々な年代の視聴者から共感を得た。Netflixでの配信を通じて日本を含む世界各地でも人気を獲得している。

ストーリー[編集]

かつてトップコピーライターとして活躍していたカン・ダニ(イ・ナヨン)は、離婚後に仕事も家もなくなり、社会的に追い詰められた状態に陥っている。自尊心から誰にも事情を明かせないダニは、一回り近く年下の幼なじみで今や人気作家・兼出版社編集長のチャ・ウノン(イ・ジョンソク)の家に転がり込む。

しかし二人の関係を伏せたまま、ダニは自分が勤める出版社に身元を偽って契約社員として入社する。本来はキャリアも実績も十分なダニが、最低辺から出版の仕事をやり直す姿——本の担当編集として一冊一冊に誠実に向き合う姿勢——が丁寧に描かれる。

ウノンはダニの事情を知りながらも、職場では上司として彼女に厳しく接するほか手が出せない。二人の距離は縮んだり離れたりしながら、お互いの気持ちを確かめていく。出版社という「本と言葉を愛する人々が集まる場所」を舞台に、再起と恋愛を静かに描いた物語。

キャスト[編集]

メインキャスト[編集]

  • チャ・ウノン - イ・ジョンソク:人気作家にして出版社の編集長。幼なじみのダニに対して特別な感情を持ちながらも、職場では一線を引こうとする。イ・ジョンソクの除隊後初の出演作として注目を集め、成熟した演技を見せた。本作はイ・ジョンソクにとっても新しいフェーズの幕開けを告げる重要作となった。
  • カン・ダニ - イ・ナヨン:元トップコピーライター。離婚・失業・無一文という三重苦の状況から這い上がろうとする30代後半の女性。職場では身元を隠して後輩として働きながら、本への愛と仕事への誇りを取り戻していく。イ・ナヨン(본명:이나영)は歌手出身の女優で、本作での落ち着いた演技が高評価を受けた。

サブキャスト[編集]

  • チェ・ジョンハ(チーフ編集者):出版社の中核を支える先輩編集者。ダニの実力を認め、陰ながら支援する人物。
  • キム・ジュンソ(イケメン新人編集者):ダニと同期で入社した若手社員。明るく前向きな性格で職場に活気をもたらす。
  • ソン・ヘリン(別の編集部員):職場の同僚。ダニの過去を知った時の反応が物語の鍵を握る。

制作背景[編集]

脚本のハ・ミョンヒはそれ以前から職場ドラマと恋愛を融合させた作品で定評があり、本作では「30代後半・アラフォーの女性の再就職」というリアルなテーマを真正面から取り上げた。出版社という舞台設定は、本・言葉・編集作業という「文化的な仕事」の魅力を視聴者に伝える狙いがあったとされる。

イ・ジョンソクは兵役からの除隊後、わずか数週間のブランクで本作の撮影に入っており、ファンの間では「除隊即復帰」として話題になった。本作の制作発表が除隊前から予告されていたため、放送開始前から期待値が非常に高かった。イ・ジョンソクとイ・ナヨンの年齢差(6歳差)やキャリアの違いも話題になったが、二人の自然な掛け合いが好評を博した。

主なOST[編集]

  • もう少し近く(조금만 더 가까이):本作の代表的な主題歌。甘くせつない旋律がドラマのトーンにマッチした。
  • 本のように(책처럼):出版社を舞台にした本作ならではのタイトルが印象的な挿入歌。

受賞・評価[編集]

  • 第55回百想芸術大賞 テレビ部門演技賞(イ・ナヨン、2019年)
  • 2019年 tvN演技大賞 最優秀賞(イ・ジョンソク)
  • Netflix日本公開後のユーザーレビュー:平均4.3以上
  • 「職場ドラマとしての完成度が高い」として批評家からの評価も概ね好評

炎上とバズ[編集]

  • 「イ・ジョンソク除隊即復帰」の熱狂:2019年1月に除隊を果たしたイ・ジョンソクが同月末には本作の放送を開始したことで、ファンの間に「ヨプト(除隊ファン)祭り」が繰り広げられた。SNSには「兵役が明けた瞬間にドラマで再会できた」という感激の投稿が溢れ、第1話の視聴率も話題性から高い数字を記録した。
  • 「アラフォー女性の再就職」テーマへの共感の輪:30代後半の女性が離婚後にキャリアをゼロから再構築するという物語は、日本・韓国を問わず多くの女性視聴者のリアルな悩みと重なるとして「私の話だ」という感想がSNSに大量発生した。
  • イ・ナヨンの「自然体演技」が絶賛:歌手・女優として活動しながらもメディアへの露出を最小限に抑えてきたイ・ナヨンが、本作での落ち着いた存在感で「大人の女性キャラクター」として絶賛された。「韓国に本物の女優がいた」という日本のファンの反応も多かった。
  • 出版業界への注目を高めた副産物:本作放送後に「本が好き」「出版社で働きたい」という投稿が韓国の就活系掲示板に増加し、本作が出版業界へのポジティブなイメージ形成に寄与したとして出版業界関係者から歓迎された。
  • 「甘くない現実も描く」と好評:再就職したダニが最初は雑用を任され、身元が明かされた後も苦しい状況が続くという展開が「ファンタジーではなくリアルだ」として支持された。ただし「あまりにつらい展開が多い」という反論もあり、リアル路線の賛否が分かれた。
  • 「本当のヒーローはウノンではなく本だ」論』:ウノンとの恋愛よりも、ダニが一冊一冊の本に向き合うシーンが印象的だという感想が多く「このドラマの主人公は本そのものだ」という評価がファンの間に広まった。出版を愛する人への讃歌として、文学・読書好きの視聴者から特に愛された。

余談[編集]

  • 本作の出版社「ジウォン書籍」の各シーンで映り込む本は、実際に韓国で刊行された文学作品・人文書が多数使用されており、出版好きの視聴者が「あの本は何か」を議論するファンサイトが生まれた。
  • イ・ジョンソクとイ・ナヨンは本作での共演後もイベントやCMで時折共演しており、二人の自然なコンビネーションは業界内でも評価が高いとされる。
  • 本作の撮影では実際の出版社の一部施設が撮影に使われており、「本物の編集者が映り込んでいる」というシーンをファンが特定し話題になった。
  • 脚本のハ・ミョンヒは本作について「30代・40代の女性が主人公のドラマをもっと作りたかった」と語っており、本作はその思いを具現化した代表作と位置づけている。
  • Netflixでの配信後、日本・台湾・東南アジアのユーザーレビューで「大人が楽しめる韓国ドラマ」として繰り返し推薦リストに入っており、静かな人気が長く続いている。
  • 本作のタイトル「별책부록」(別冊付録)は、恋愛が人生の「別冊付録」——本編(メインの人生)ではなく、それに加わる特別な追加要素——だという意味が込められているとされ、タイトルの意味の深さがファンの間で語られた。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

  • Netflix公式
  • 本作に登場する出版社のブックカバーやデザインは、実際の韓国の人気ブックデザイナーが協力して制作されており、「ドラマに登場した本を買いたい」というファンが韓国の書店に問い合わせる事例も生まれた。
  • イ・ジョンソクはインタビューで「除隊後に最初に選ぶ作品は慎重だった。でもこの脚本を読んで、大人になったウノンという人物を演じてみたいと思った」と語っており、本作が除隊後のキャリアの新たな出発点として意識されていたことがうかがえる。
  • 本作に感化されて「出版業界で働きたい」という韓国の大学生が増加したとされ、翌年の出版社の採用説明会への参加者が前年比で増えたという報告がある。
  • 「ロマンスは人生の別冊付録」というコンセプトは日本でもSNSで拡散され、「本編に追加される特別な付録としての恋愛」という哲学的な解釈が日本語圏のファンの間でも議論された。
  • 本作の舞台となった出版社のロケ地は、ソウル市内の実際のビルが使用されており、撮影後も出版関係者がロケ地を訪れるスポットとなった。
  • イ・ナヨンは本作の出演オファーを受けた際「ダニという役が自分自身に重なる部分があった」と語っており、私生活でも転換点だったとされる時期の出演であったことが伝えられている。
  • 韓国の読書・図書関係のYouTubeチャンネルで本作が複数取り上げられており「本好きが楽しめるドラマ」として今も定期的に紹介されている。
  • 本作の視聴率はtvN基準で平均約6〜8%と目立って高くはなかったが、Netflixでの配信後に再評価が進んだ典型例として「低視聴率の名作」リストに必ず名前が挙がる。

放送情報と視聴率[編集]

本作はtvNで2019年1月26日から3月17日まで毎週土曜・日曜に2話連続で放送された。全16話構成。放送当初の初回視聴率は2.5%(tvN調べ)で、同時期に放送された他作品と比べると目立って高いものではなかったが、口コミとNetflixでの配信が重なって着実に視聴者数を伸ばした。最終回の視聴率は5.2%となり、視聴者の満足度調査では高い評価を得た。

Netflixでは日本・台湾・タイ・ベトナムなどアジア各地で同期配信が行われ、特に日本での好評が際立っており、配信後しばらく経った後も「今週見始めたが一気見した」という口コミが絶えない。「地味だが心に残る」「成熟した大人の恋愛が描かれている」という評価が日本語圏のSNSで頻繁に投稿されている。

  • 本作は韓国ドラマとしては珍しく「30代後半の女性が主人公」であり、この設定が同世代の女性視聴者から「こういう主人公を待っていた」という声を引き出した。アラフォー女性を主役にした韓国ドラマのパイオニア的な作品として後の作品に影響を与えた。
  • 本作の放送後にイ・ジョンソクは複数の映画・ドラマのオファーを受け、兵役前以上の活躍をみせており「除隊後の復活劇」の成功例としても語られることが多い。