イカゲーム


イカゲーム
오징어 게임 / Squid Game
ジャンル サバイバルスリラー / デスゲーム
放送シーズン シーズン1〜3
放送期間 2021年9月17日(シーズン1)/2024年12月26日(シーズン2)/2025年6月27日(シーズン3)
話数 シーズン1全9話/シーズン2全7話/シーズン3全6話
放送国家 韓国
言語 韓国語
配信 Netflix
制作
演出 ファン・ドンヒョク
制作 サイレン・ピクチャーズ
脚本 ファン・ドンヒョク
音楽 チョン・ジェイル
出演者 イ・ジョンジェ、パク・ヘス、チョン・ホヨン、ウィ・ハジュン、オ・ヨンス、イ・ビョンホン
その他
制作費 シーズン1:約253億ウォン

概要[編集]

イカゲーム』(原題:오징어 게임、英題:Squid Game)は、2021年9月17日にNetflixで全世界同時配信された韓国のサバイバルドラマ。借金で人生が詰んだ456人の参加者が、賞金456億ウォンをかけて「子どもの遊び」をモチーフにしたデスゲームに挑む物語である。

配信開始からわずか数週間で全世界の視聴記録を総なめにし、サービス展開する94か国すべてで再生ランキング1位を達成。非英語作品でありながらNetflix史上最大のヒット作となり、「韓国ドラマの歴史をビフォー/アフターで分ける作品」とまで言われているらしい。緑のジャージとピンクの兵士服、そして巨大人形ヨンヒのビジュアルは、配信後すぐに世界中のハロウィンを侵食した。

あらすじ[編集]

主人公ソン・ギフンは、リストラ後に事業に失敗し、ギャンブルに溺れ、母親の金まで使い込む典型的なダメ中年。ある日地下鉄の駅で謎の男からメンコ遊び(タクチ)を持ちかけられ、勝てば金がもらえる名刺を受け取る。電話をかけた先に待っていたのは、人里離れた島で行われる謎のゲームだった。

参加者456人は全員が多額の借金を抱えた「社会の崖っぷち組」。「だるまさんがころんだ」(韓国版は「ムクゲの花が咲きました」)で大量の脱落者=死者が出たことでゲームの本性が明らかになるが、一度外に出た参加者の多くは、地獄のような現実よりゲームを選んで自ら戻ってくる。この「戻る」展開こそが本作の社会風刺の核心と評されているらしい。型抜き(ダルゴナ)、綱引き、ビー玉、飛び石(ガラス橋)、そして最終戦のイカゲームと、童心と殺意が同居する競技が続いていく。

主な登場人物[編集]

  • ソン・ギフン(演:イ・ジョンジェ):参加番号456番。お人好しでダメ人間だが、土壇場の人間性で物語を牽引する主人公。
  • チョ・サンウ(演:パク・ヘス):218番。ギフンの幼馴染でソウル大卒のエリートだったが、投資失敗で巨額の負債を抱える。合理主義の塊。
  • カン・セビョク(演:チョン・ホヨン):067番。脱北者の少女。家族を呼び寄せる金のために参加。クールな佇まいで世界中にファンを生んだ。
  • オ・イルナム(演:オ・ヨンス):001番。脳腫瘍を抱える老人。「ここの方が面白い」と笑う姿が物語最大の伏線になる。
  • フロントマン(演:イ・ビョンホン):ゲームの仮面の管理者。その正体はシーズン1終盤の衝撃ポイント。
  • ファン・ジュノ(演:ウィ・ハジュン):行方不明の兄を探してゲームの島に潜入する刑事。
  • アリ・アブドゥル(演:アヌパム・トリパティ):199番。パキスタン出身の出稼ぎ労働者。善良すぎる性格が涙を誘う。
  • ハン・ミニョ(演:キム・ジュリョン):212番。「私を捨てないで」のセリフでミーム化した怪演キャラ。

世界的ヒットの記録[編集]

配信から28日間で1億4200万世帯が視聴し、当時のNetflix歴代最高記録を更新。2021年の「世界で最も検索されたドラマ」となり、グッズ、ダルゴナキット、ジャージのコスプレまで世界中で品切れが続出した。

賞レースでも歴史を作った。2022年のエミー賞では非英語作品として史上初めて作品賞候補に入り、イ・ジョンジェが主演男優賞、ファン・ドンヒョクが監督賞を受賞。オ・ヨンスはゴールデングローブ賞助演男優賞(韓国俳優初)、チョン・ホヨンは全米映画俳優組合賞(SAG)主演女優賞を受賞した。「字幕の1インチの壁」を完全に破壊した作品として、パラサイト 半地下の家族と並べて語られることが多いらしい。

2024年12月26日配信のシーズン2は、公開からわずか3日で6800万視聴を記録してNetflix史上最速ヒットを更新し、93か国で1位を獲得。2025年6月27日に配信されたシーズン3で物語は完結し、フィナーレは社会現象級の議論を巻き起こした。

日本での反響[編集]

日本でも配信直後からNetflixランキング1位を独走し、「ダルゴナ(カルメ焼き)作りチャレンジ」がSNSで大流行。型抜きに失敗して舌打ちする動画が無限に量産された。ヨンヒ人形の「ムクゲの花が咲きました」ボイスはTikTokの定番音源になり、ハロウィンの渋谷はピンク兵士だらけになった。愛の不時着梨泰院クラスから続いた韓流ドラマブームを、ロマンス以外のジャンルへ一気に拡張した立役者でもある。

炎上とバズ[編集]

  • 劇中に映った名刺の電話番号が実在の番号で、持ち主に電話とメッセージが殺到する騒動が発生。Netflixが謝罪し、後に該当シーンは編集された。
  • 世界各国の学校で子どもたちが「だるまさんがころんだ」の敗者を叩く遊びが流行し、教育機関が注意喚起を出す事態になった。
  • VIP(英語話者の富豪観戦者)の演技が「棒読みすぎる」と海外視聴者から酷評され、俳優側が「録音環境のせい」と反論する一幕もあった。
  • シーズン2では出演者の過去の不祥事をめぐるキャスティング論争が配信前から炎上し、本編の評価とは別軸で話題を独占した。

ゲームに込められた社会風刺[編集]

本作が単なるデスゲームものと一線を画すのは、ゲームの外側=現実の方が地獄として描かれる点である。第2話「地獄」では参加者の過半数の同意でゲームが一時中断され、全員が日常に帰されるが、借金取り、解雇、医療費、脱北ブローカーに追われる現実を前に、ほとんどの参加者が自らゲームへ戻る選択をする。「彼らは強制されたのではなく、構造に追い込まれた」という構図は、格差社会・自己責任論への痛烈な皮肉として世界中の批評家に絶賛された。

ゲーム内が建前上は「全員平等」のルールで運営されるのも強烈な皮肉で、平等な競争という幻想が最も残酷な装置として機能する。明るいパステルカラーの迷路階段(エッシャーの絵画がモチーフ)と殺戮のコントラストも、本作のビジュアル言語として象徴的らしい。

評価[編集]

批評集積サイトでは軒並み高評価を獲得し、特に第6話「カンブ」(ビー玉のエピソード)は「テレビ史に残る神回」として各国メディアのベストエピソード企画の常連になっている。一方で暴力描写の過激さをめぐっては各国で年齢制限論争が起き、賛否の振れ幅すら話題性に変換していった。シーズン2は「1の衝撃には届かない」という声と「政治風刺がより鋭くなった」という声が割れたが、視聴記録だけは涼しい顔で歴代最速を更新したあたり、もはや別格の存在である。

余談[編集]

  • 脚本の初稿が書かれたのは2009年。当時は「残酷すぎて意味不明」と10年以上どの製作会社にも相手にされなかったが、Netflixが拾い上げて世界一のドラマになった。下剋上にもほどがあるらしい。
  • ファン・ドンヒョク監督はシーズン1の executive 級ストレスで歯を6本失ったと各国メディアのインタビューで明かしている。
  • 「イカゲーム」は韓国に実在する子どもの陣取り遊びで、地面にイカの形を描いて攻防する。1970〜80年代の韓国では定番の路地遊びだった。
  • 参加者番号456番・賞金456億ウォンなど「456」が徹底されているのは、456人の人生が等価に積み上がる構造を示すためとされる。
  • オ・イルナム役のオ・ヨンスは受賞当時77歳。「人生で初めてのトロフィー」というコメントが世界中を泣かせた。
  • チョン・ホヨンは本作がドラマデビュー作。配信前のInstagramフォロワーは40万人だったが、配信後に2000万人を突破して韓国女優1位になった。
  • 緑のジャージは韓国の古い体操服がモチーフ。配信後、世界中のスポーツブランドから「あの緑」の問い合わせが殺到したという。
  • アメリカでは本作を題材にしたリアリティ番組「イカゲーム: ザ・チャレンジ」が制作され、実際に456人が賞金456万ドル(史上最高額)を競った。もちろん脱落しても死なない。
  • シーズン2にはBIGBANG出身のT.O.P(チェ・スンヒョン)がラッパーのタノス役で出演し、復帰をめぐって韓国世論が真っ二つになった。
  • イ・ジョンジェは本作のギャラが1話あたり数億ウォン規模に跳ね上がり、ハリウッド進出(スター・ウォーズドラマ『アコライト』主演)まで果たした。
  • 緑ジャージの背番号は456のギフン、218のサンウなどキャラクターの象徴としてグッズ化され、Netflixショップの売上記録を塗り替えた。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

  • Netflix公式作品ページ「イカゲーム」
  • Netflix Japan公式X(旧Twitter)