| 豊川悦司 とよかわ えつし / Etsushi Toyokawa | |
|---|---|
![]() 第35回東京国際映画祭レッドカーペットにて『あちらにいる鬼』で登壇(2022年10月、出典:ウィキメディア・コモンズ) | |
| 本名 | 豊川悦司 |
| 誕生日 | 1962年3月18日 |
| 年齢 | 64歳 |
| 出身地 | 大阪府八尾市 |
| 国籍 | 日本 |
| 学歴 | 大阪府立清水谷高等学校卒業、関西学院大学文学部中退 |
| ジャンル | 映画、テレビドラマ、配信ドラマ、ナレーション |
| ポジション | 俳優 |
| 活動期間 | 1983年 - |
| デビューアルバム | 1983年 舞台『瞼の母』(劇団3○○)/1989年 映画『君は僕をスキになる』 |
| 家族 | 姪:セリナ(MADEIN) |
| 身長 / 体重 | 186cm cm / ― kg |
| 血液型 | O型 |
| 事務所 | アルファエージェンシー |
| 代表作 | 『NIGHT HEAD』『Love Letter』『愛していると言ってくれ』『八つ墓村』『Love Story』『20世紀少年』『今度は愛妻家』『必死剣 鳥刺し』『半分、青い。』『仕掛人・藤枝梅安』『地面師たち』 |
| 関連活動 | ナレーション(NHKスペシャル「ブループラネット」ほか)、声優(Eテレ『さすらいのとどうふ犬 シロウ』) |
| あだ名 | トヨエツ |
| その他 | 日本アカデミー賞優秀主演男優賞3回(『八つ墓村』『命』『必死剣 鳥刺し』)、優秀助演男優賞2回(『Love Letter』『北の零年』)、キネマ旬報ベスト・テン主演男優賞(『必死剣 鳥刺し』『今度は愛妻家』) |
| リンク | https://alpha-agency.com/artist/toyokawa/ |
概要[編集]
豊川悦司(とよかわ えつし、1962年3月18日 - )とは、大阪府八尾市出身の俳優である。愛称は「トヨエツ」。1990年代に深夜ドラマ『NIGHT HEAD』、岩井俊二監督の映画『Love Letter』、TBSドラマ『愛していると言ってくれ』で一大ブームを起こし、その後は金田一耕助から殺し屋の鍼医者、伝説の詐欺師まで振れ幅の大きい役をこなす実力派として、60代になった今も第一線に立ち続けている。
詳細[編集]
「トヨエツ」という現象[編集]
1990年代半ば、186cmの長身と長い髪、物憂げな低い声、そして多くを語らない佇まいで、豊川悦司は「トヨエツ」という略称ごと一種の社会現象になった。1992年の深夜ドラマ『NIGHT HEAD』でカルト的人気をつかみ、1994年の『この世の果て』『この愛に生きて』で一般層にも浸透。1995年には映画『Love Letter』とドラマ『愛していると言ってくれ』が同じ年に重なり、同年のゴールデン・アロー賞大賞、ザテレビジョンドラマアカデミー賞主演男優賞、ベストドレッサー賞などを総なめにした。白シャツにチノパン、サンダルという『愛していると言ってくれ』の晃次スタイルは当時のファッション誌でもたびたび取り上げられた。
舞台出身の「演劇青年」[編集]
意外にも、本人は高校卒業まで芝居に興味がなかった。関西学院大学の寮の目の前に演劇部の部室があり、窓からぼんやり練習を眺めていたところを部員に誘われて入部したのが始まりである。最初の役は台詞が1つか2つの端役だったが、人前に立つ快感に目覚め、2年生で大学を中退して上京。演劇集団 円の研究生を経て、渡辺えり(当時・えり子)主宰の劇団3○○(さんじゅうまる)の舞台に感激し、終演後に「劇団に入れて下さい」と直訴して入団した。1983年に『瞼の母』で初舞台を踏み、1989年の退団までの7年間で数多くの舞台に立っている。
メディア露出は少なめ、でもNHKは大好き[編集]
俳優業以外ではバラエティ番組にほとんど出演せず、取材も絞ることで「ミステリアスなトヨエツ」のイメージを守ってきた。初めてのトーク番組出演は2016年9月のNHK『あさイチ』の「プレミアムトーク」とされる。一方で大のNHKファンを公言しており、夜は総合テレビをつけっぱなしにしているという。お気に入りは『後妻業の女』で共演した笑福亭鶴瓶の『鶴瓶の家族に乾杯』で、『NHKニュース7』の武田真一アナウンサーのファンでもあると語っている。近年はNHKスペシャルの語りや朗読、Eテレのアニメの声など「声の仕事」でもNHKとの縁が深い。
役に「飛び込む」前にウジウジ考える[編集]
本人は自らを「役に“飛び込む”のをウジウジ考えてから演じるタイプ」と分析している。実在の人物やそのモデルを演じる際は、可能な限り本人に会っておくのが習慣で、織田信長のような故人の場合は墓参りに行くこともあるという。また作品ごとに「自分の気持ちが冷めないよう一定の温度を保つ」ことを大切にし、似た内容の作品に続けて出ないよう意識しているとされる。この姿勢が、純愛ドラマの主人公から猟奇的な悪役までを行き来するフィルモグラフィーにつながっている。
経歴[編集]
生い立ち[編集]
1962年3月18日、大阪府八尾市生まれ。文房具店を営む両親と3歳上の姉のもとで育った。両親の仕事の都合で引っ越しが多く、中学時代には大阪から千葉へ移り、再び大阪へ戻るなど転校を繰り返した。千葉では大阪弁を、大阪に戻ると今度は千葉なまりをからかわれたというエピソードを本人が語っている。小学生時代の夢は近所の畳屋のおじいさんに憧れての「畳屋さん」で、姉の影響で『りぼん』『別冊マーガレット』などの少女漫画を読んでいたという。高校卒業後は世界を放浪したかったが、親に「大学を出てからにしなさい」と反対され、関西学院大学文学部に進学した。
映像デビューと下積み[編集]
劇団退団後、渡辺えりの紹介で現在の所属事務所アルファエージェンシーへ。1989年、渡邊孝好監督の映画『君は僕をスキになる』のオーディションに合格して映画デビューした。翌1990年には北野武監督の『3-4X10月』で沖縄のヤクザ組長役を演じて注目され、1991年には三谷幸喜原作の映画『12人の優しい日本人』で陪審員11号を好演。テレビではフジテレビ『あいつがトラブル』最終回のゲストや『世にも奇妙な物語』などに出演し、少しずつ顔を売っていった。
『NIGHT HEAD』と新人賞ラッシュ[編集]
1992年、フジテレビの深夜ドラマ『NIGHT HEAD』で武田真治とW主演し、超能力を持つ兄・霧原直人を演じた。深夜枠ながらカルト的な人気を呼び、1994年には劇場版も作られた。同年の松岡錠司監督『きらきらひかる』では薬師丸ひろ子、筒井道隆と共演し、ゲイの医師・岸田睦月役で日本アカデミー賞新人俳優賞、ヨコハマ映画祭最優秀新人賞、エランドール賞新人賞などを獲得。20代女性を中心に一気にブレイクした。1993年にはNHK大河ドラマ『炎立つ』にも清原家衡役で出演している。
岩井俊二との出会い[編集]
1994年、岩井俊二監督とフジテレビのオムニバス枠『ルナティック・ラヴ』で初めて組み、同年には山口智子とW主演した16ミリ映画『undo』を撮影。2025年の舞台あいさつで本人は、『ルナティック・ラヴ』は撮影4日間、『undo』は1週間で、いずれもほぼ徹夜で撮り切ったと振り返っている。この縁が1995年の長編デビュー作『Love Letter』への出演につながり、豊川は日本アカデミー賞優秀助演男優賞と話題賞を受賞した。その後も『ラストレター』(2020年)で再び岩井作品に出演している。
1990年代後半〜2000年代:主演スターへ[編集]
1995年の『愛していると言ってくれ』で最終回視聴率28.1%(ビデオリサーチ・関東地区)を記録し、名実ともにトップスターに。1996年には市川崑監督の『八つ墓村』で金田一耕助を演じ、日本アカデミー賞優秀主演男優賞を受賞した。1997年には阪本順治監督の映画『傷だらけの天使』(タイトルは1970年代のドラマ『傷だらけの天使』に由来)で主演し、高崎映画祭最優秀主演男優賞を受賞。2000年の『新・仁義なき戦い。』では布袋寅泰とW主演した。テレビでは『青い鳥』(1997年)、『危険な関係』(1999年)、中山美穂とW主演した『Love Story』(2001年)、『Et Alors-エ・アロール-』(2003年)、『弁護士のくず』(2006年)などで主演を重ねた。
2000年代後半〜2010年代:作品ごとに顔を変える[編集]
2005年の『北の零年』(吉永小百合、渡辺謙出演)で日本アカデミー賞優秀助演男優賞、『妖怪大戦争』では魔人・加藤保憲を演じた。2006年の『フラガール』、黒澤明作品のリメイク『椿三十郎』(2007年)の室戸半兵衛、そして2008年から2009年の『20世紀少年』三部作のオッチョと、話題作の重要人物を次々と担当。2010年には薬師丸ひろ子と夫婦を演じた『今度は愛妻家』と、藤沢周平原作の時代劇『必死剣 鳥刺し』でキネマ旬報ベスト・テン主演男優賞を受賞した。2011年には大河ドラマ『江〜姫たちの戦国〜』で織田信長を、新藤兼人監督の遺作『一枚のハガキ』では大竹しのぶとW主演している。2018年には連続テレビ小説『半分、青い。』で、ヒロイン(永野芽郁)の師となる人気少女漫画家・秋風羽織を怪演し、新たな世代にも名前を知られた。
2020年代:配信ドラマと時代劇[編集]
2019年にはハリウッド映画『ミッドウェイ』で山本五十六を演じ、2021年からはAmazon Prime Videoの『No Activity/本日も異状なし』で中村倫也とW主演。2022年は映画『キングダム2 遥かなる大地へ』の秦の将軍・麃公、寺島しのぶとW主演した『あちらにいる鬼』などに出演した。2023年には池波正太郎原作の『仕掛人・藤枝梅安』二部作で主演を務め、2024年にはNetflixの『地面師たち』で綾野剛とW主演。伝説の地面師ハリソン山中役が国内外で大きな話題となった。
主な出演作[編集]
映画[編集]
- 『君は僕をスキになる』(1989年)- 映画デビュー作
- 『3-4X10月』(1990年)- 沖縄連合組長
- 『12人の優しい日本人』(1991年)- 陪審員11号
- 『きらきらひかる』(1992年)- 主演・岸田睦月
- 『undo』(1994年)- 主演・由紀夫
- 『Love Letter』(1995年)- 秋葉茂
- 『NO WAY BACK 逃走遊戯』(1995年)- ラッセル・クロウとW主演
- 『八つ墓村』(1996年)- 主演・金田一耕助
- 『傷だらけの天使』(1997年)- 主演・木田満
- 『新・仁義なき戦い。』(2000年)- 主演・門谷甲子男
- 『命』(2002年)- 主演・東由多加
- 『北の零年』『妖怪大戦争』(2005年)
- 『日本沈没』『フラガール』『LOFT ロフト』(2006年)
- 『愛の流刑地』『サウスバウンド』『椿三十郎』(2007年)
- 『20世紀少年』三部作(2008年 - 2009年)- オッチョ(落合長治)
- 『今度は愛妻家』『必死剣 鳥刺し』(2010年)
- 『一枚のハガキ』(2011年)
- 『後妻業の女』(2016年)、『3月のライオン』(2017年)
- 『パンク侍、斬られて候』(2018年)- 内藤帯刀
- 『ミッドウェイ』(2019年)- 山本五十六
- 『ラストレター』(2020年)
- 『キングダム2 遥かなる大地へ』(2022年)- 麃公
- 『あちらにいる鬼』(2022年)- 主演・白木篤郎
- 『仕掛人・藤枝梅安』『仕掛人・藤枝梅安2』(2023年)- 主演・藤枝梅安
- 『リボルバー・リリー』(2023年)
- 『キングダム 魂の決戦』(2026年)- 麃公
テレビドラマ・配信ドラマ[編集]
- 『NIGHT HEAD』(1992年、フジテレビ)- 主演・霧原直人
- 『炎立つ』(1993年、NHK大河ドラマ)- 清原家衡
- 『この世の果て』(1994年、フジテレビ)- 神矢征司
- 『この愛に生きて』(1994年、フジテレビ)- 植草聖一
- 『愛していると言ってくれ』(1995年、TBS)- 主演・榊晃次
- 『青い鳥』(1997年、TBS)- 主演・柴田理森
- 『危険な関係』(1999年、フジテレビ)- 主演・魚住新児
- 『17年目のパパへ』(2001年、TBS)- 深田恭子とW主演
- 『Love Story』(2001年、TBS)- 主演・永瀬康
- 『太宰治物語』(2005年)- 主演・太宰治
- 『弁護士のくず』(2006年、TBS)- 主演・九頭元人
- 『江〜姫たちの戦国〜』(2011年、NHK大河ドラマ)- 織田信長
- 『ビューティフルレイン』(2012年、フジテレビ)- 主演・木下圭介
- 『漱石悶々』(2016年)- 主演・夏目漱石
- 『半分、青い。』(2018年、NHK連続テレビ小説)- 秋風羽織
- 『No Activity/本日も異状なし』(2021年・2024年、Amazon Prime Video)- 主演・時田信吾
- 『地面師たち』(2024年、Netflix)- 主演・ハリソン山中
ナレーション・声の出演[編集]
- NHK BSプレミアム『プラネットアースII』(2016年 - 2017年)、NHKスペシャル『ブループラネット』(2018年)- ナレーション
- NHKスペシャル『新・ドキュメント太平洋戦争』(2021年 -)- 朗読
- NNNドキュメント'24『釜ヶ崎の肖像 明日への3000枚』(2024年)- ナレーション
- NHK Eテレ『さすらいのとどうふ犬 シロウ』(2024年 -)- シロウの声
- NHKスペシャル『オウム真理教 狂気の“11月戦争”』(2025年)- 語り
代表作の深掘り[編集]
愛していると言ってくれ(1995年)[編集]
1995年夏にTBS系で放送された、北川悦吏子脚本の純愛ドラマ。豊川が演じたのは聴覚に障害を持つ青年画家・榊晃次で、女優を目指す水野紘子(常盤貴子)との恋を、手話や筆談、表情だけで紡いでいく。主題歌はDREAMS COME TRUEの「LOVE LOVE LOVE」。序盤は視聴率20%前後だったが回を追うごとに上昇し、最終回は28.1%を記録した。実は企画当初、聴覚障害の設定は紘子側だったが、豊川が「逆にできないか」と提案し、プロデューサーの貴島誠一郎と北川が晃次の設定に変更したと報じられている。台詞がほぼない役だからこそ、豊川の長い指と手の表情が「手話が美しい」と評判を呼んだ。2020年にはコロナ禍で新作ドラマの撮影が止まる中、豊川と常盤のリモート対談を加えた「2020年特別版」として再放送され、SNSで再ブームが起きた。
Love Letter(1995年)[編集]
岩井俊二の長編映画デビュー作。雪の小樽と神戸を舞台に、山で亡くなった婚約者・藤井樹を忘れられない渡辺博子と、同姓同名の同級生・藤井樹(中山美穂の一人二役)の文通を描く。豊川は博子を支えるガラス職人・秋葉茂を演じ、日本アカデミー賞優秀助演男優賞などを受賞した。本作は日本公開後20以上の国・地域で上映され、1999年の韓国公開では140万人を超える動員を記録。劇中の台詞「お元気ですか?」は韓国で流行語になったと伝えられる。公開30周年の2025年4月には4Kリマスター版が公開され、初日舞台あいさつに登壇した豊川は、前年12月に亡くなった中山について「僕のなかでは『Love Letter』は美穂ちゃんの映画」と語った。撮影監督・篠田昇がなかなかカメラを回さず12時間待った結果、本物の雪が降り、降雪機を使わずに済んだという撮影秘話も明かしている。
20世紀少年(2008年 - 2009年)[編集]
浦沢直樹の漫画を堤幸彦監督が実写化した三部作。唐沢寿明のケンヂ、常盤貴子のユキジと並ぶメイン3人の一人として、豊川はケンヂの幼なじみで、行方不明になっていたが海外での壮絶な経験を経て帰還する「ショーグン」ことオッチョ(落合長治)を演じた。『愛していると言ってくれ』でコンビを組んだ常盤貴子との再共演でもあった。
必死剣 鳥刺し・仕掛人・藤枝梅安[編集]
藤沢周平原作・平山秀幸監督の『必死剣 鳥刺し』(2010年)では、藩主の愛妾を刺殺した後に意外な処分を受ける剣の達人・兼見三左エ門を演じ、日本アカデミー賞優秀主演男優賞とキネマ旬報ベスト・テン主演男優賞を受賞。時代劇俳優としての評価を決定づけた。2023年には池波正太郎生誕100年企画『仕掛人・藤枝梅安』二部作で、表は腕の良い鍼医者、裏は金で殺しを請け負う「仕掛人」の梅安に扮し、相棒・彦次郎役の片岡愛之助との掛け合いも話題になった。2026年秋には時代劇専門チャンネルでの放送も予定されている。
地面師たち(2024年)[編集]
新庄耕の小説を大根仁監督・脚本で映像化したNetflixドラマ。実際の不動産詐欺事件を想起させる題材で、豊川は詐欺グループの首謀者で元暴力団幹部の「伝説の地面師」ハリソン山中を演じた。穏やかな敬語のまま平然と人を追い詰める怪演は、「最もフィジカルで、最もプリミティブで、最もフェティッシュなやり方でいかせていただきます」などの台詞とともにネットミーム化し、2024年を代表する流行セリフの一つになった。かつての純愛ヒーローが60代で「日本ドラマ史に残る悪役」と呼ばれる役を手にしたことは、キャリアの大きな転機として受け止められている。
評価・受賞[編集]
主な受賞[編集]
- 日本アカデミー賞:新人俳優賞(1993年『きらきらひかる』『課長島耕作』)、優秀助演男優賞・話題賞(1996年『Love Letter』)、優秀主演男優賞(1997年『八つ墓村』、2003年『命』、2011年『必死剣 鳥刺し』)、優秀助演男優賞(2006年『北の零年』)
- キネマ旬報ベスト・テン 主演男優賞(『必死剣 鳥刺し』『今度は愛妻家』)
- ヨコハマ映画祭:最優秀新人賞(『12人の優しい日本人』)、主演男優賞(『Love Letter』『必死剣 鳥刺し』)
- 高崎映画祭:最優秀主演男優賞(『傷だらけの天使』『新・仁義なき戦い。』)、最優秀助演男優賞(『Love Letter』『接吻』)
- 日本映画プロフェッショナル大賞 主演男優賞(『undo』『LOFT ロフト』)
- ゴールデン・アロー賞 大賞(1995年)
- ザテレビジョンドラマアカデミー賞 主演男優賞(『愛していると言ってくれ』『危険な関係』)
- エランドール賞 新人賞(1993年)
演技スタイルへの評価[編集]
豊川の芝居は「静」の強さで語られることが多い。『愛していると言ってくれ』では台詞を封じられた役で視線と手だけで感情を伝え、『Love Letter』では主役を支える脇に回って作品の温度を保った。一方で『半分、青い。』の秋風羽織のような過剰にエキセントリックな人物や、『地面師たち』のハリソン山中のような底知れない悪も、抑えた声と所作で逆に不気味さを増幅させる。共演の多い寺島しのぶとは6〜7回共演しており、豊川は彼女を「役への飛び込み方がカッコよく、尊敬している」と評している。
2026年の動向[編集]
2026年11月5日時点で確認できる主な動きは次のとおり。
- 2025年12月から2026年4月にかけて、岩井俊二監督の30周年特集上映「IWAI SHUNJI The Film Works 30th Anniversary 1995-2025」が開催され、豊川出演作も上映された。
- 2026年7月17日公開の『キングダム 魂の決戦』で、前作『キングダム2』に続き秦の将軍・麃公を演じた。シリーズは山﨑賢人主演、吉沢亮らが出演し、主題歌は米津玄師。六国の合従軍が秦に攻め込む「合従軍編」を描く。
- 2026年9月25日には、1994年の主演作『undo』の4Kリマスター版が岩井監督の『PiCNiC』と2本立てで公開。翌26日の舞台あいさつで山口智子と30年以上ぶりに再会し、当時のスケジュール表に終了時刻ではなく「終わるまで」と書かれていたと明かして会場を沸かせた。
- CMでは、リクルート「Airレジ オーダー」(2025年9月 -)、サイボウズ「kintone」(2026年7月 -)、キリン「一番搾り 糖質ゼロ」(2026年8月 -)の新TVCMに出演している。
- NHKスペシャル『オウム真理教 狂気の“11月戦争”』(2025年3月)の語りや、『新・ドキュメント太平洋戦争 1945 終戦』の朗読など、ドキュメンタリーの声の仕事も続けている。
炎上とバズ[編集]
豊川悦司個人に大きな炎上騒動は見当たらず、話題になるのはもっぱら「バズ」の方である。
- 1990年代のトヨエツ・ブーム:『愛していると言ってくれ』の晃次スタイル(白シャツ、チノパン、サンダル)や長髪が真似され、「トヨエツ」は時代のアイコンになった。
- 2020年の『愛していると言ってくれ』再ブーム:コロナ禍の再放送で、当時を知らない若い世代がSNSで反応し、25年越しのバズが起きた。
- 2024年のハリソン山中ミーム:『地面師たち』の台詞や、敬語で淡々と人を追い詰める口調がパロディ化され、SNSやネット記事で大量に引用された。
- なお2008年には、自宅でカキ鍋を食べた後にアナフィラキシーショックとみられる症状で救急搬送されたと報じられたが、症状は軽く済んだとされる。
余談[編集]
- 趣味はサーフィン。40歳を過ぎてから始め、板にまたがって波を待つ「波待ち」の時間が一番好きだという。役者や父親といった「コスチューム」を脱いで裸の自分に戻れる時間なのだそうだ。
- 韓国のガールズグループMADEINの日本人メンバー、セリナは豊川の姪にあたる。
- 劇団退団後は長らく舞台から離れていたが、2024年4月には新宿梁山泊のテント公演『おちょこの傘持つメリー・ポピンズ』(唐十郎作)に出演し、久々の舞台出演として話題になった。
- 『パンク侍、斬られて候』(2018年)で國村隼と共に着た衣装は、ウィキメディア・コモンズに写真が残っている。
- 『愛していると言ってくれ』の常盤貴子とは、『20世紀少年』でも共演しており、ファンの間では「晃次と紘子の再会」と話題になったとされる。
