親愛なるX

親愛なるX
친애하는 X / Dear X
ファイル:親愛なるX.jpg
ジャンル サスペンス、ダークメロ、サイコスリラー
放送シーズン 2025年11月 -
放送時間 TVING/Disney+配信
話数 全12話
放送国家 大韓民国
言語 韓国語
放送局 TVING
配信 Disney+
制作
演出 イ・ウンボク、パク・ソヒョン
脚本 チェ・ジャウォン
出演者 キム・ユジョン、キム・ヨンデ、キム・ドフン、イ・ヨルム ほか
その他
原作 NAVERウェブ漫画『親愛なるX』(パン・ジウン)


『親愛なるX』(しんあいなるエックス、原題:친애하는 X、英題:Dear X)とは、2025年に配信された大韓民国のサスペンス・ダークメロドラマ。世界中にファンを持つNAVERの人気ウェブ漫画を原作に、トッケビ太陽の末裔ミスター・サンシャインSweet Homeといった名作を世に送り出してきた「ヒットメーカー」イ・ウンボク監督が演出を担い、雲が描いた月明かりで国民的人気を得たキム・ユジョンが、これまでの清純なイメージを覆す「美しい怪物」ペク・アジンを演じたことで大きな話題を呼んだTVINGオリジナルシリーズである。全12話。

概要[編集]

本作は、幼少期の虐待という地獄をくぐり抜けたヒロインが、生き延びるために「愛される仮面」をまとい、周囲の人間を踏み台にしながら韓国トップ女優へと駆け上がっていく姿を描く、耽美でダークなサイコスリラーである。タイトルの「X」は、ヒロインが目的のために利用し切り捨てていく名もなき他人たち――彼女を取り巻くすべての「誰か」を象徴している。

美貌・演技力・スター性のすべてを兼ね備えながら、その内側には氷のように冷たい計算とゆがんだ渇望を抱えたヒロインの二面性を、キム・ユジョンが振り幅の大きい演技で体現する。加害と被害、愛と支配が入れ替わりながら進む物語は、「共感できない主人公」をあえて主役に据えた挑戦作として、配信開始とともに賛否を巻き込む反響を呼んだ。

あらすじ[編集]

ペク・アジンは、誰もが振り返る美貌と確かな演技力を武器に頂点へと上りつめた韓国のトップ女優である。しかしその華やかな笑顔の裏には、幼い頃に親から受けた虐待の記憶と、他人を意のままに操るための冷酷な計算が隠されていた。彼女は自分を傷つける者には容赦なく報復し、目的のためなら親しい人間さえ利用することを厭わない。

そんなアジンのそばには、幼い頃から彼女に寄り添い続けてきた異母弟ユン・ジュンソがいた。両親に虐げられるアジンを「必ず守る」と誓い、彼女を救うことこそが愛だと信じてきたジュンソ。だが成長するにつれ過激さを増していくアジンを前に、ジュンソは深い愛情を抱きながらも、無条件に彼女を支え続けることへの疑問を募らせていく。仮面をかぶったまま「本当の自分」を殺してトップに立った瞬間、アジンの完璧な世界は静かに軋みはじめる。

登場人物[編集]

ペク・アジン(演:キム・ユジョン)
本作の主人公。美貌と演技力を兼ね備えた韓国のトップ女優。不遇な幼少期を生き抜くために「愛される自分」を演じ続け、他人を「X」として利用しながら頂点に立った。
ユン・ジュンソ(演:キム・ヨンデ)
アジンの異母弟。幼い頃からアジンを守ると誓い、彼女を救うことを愛だと信じてきた青年。過激化するアジンへの忠誠と疑念の間で揺れ動く。
キム・ジェオ(演:キム・ドフン)
アジンに盲目的な忠誠を誓う人物。彼女を陰から見守り、その計画を支える存在。
レナ(演:イ・ヨルム)
ユン・ジュンソに片思いを寄せる女性。アジンとジュンソの関係にゆらぎをもたらす。

原作・制作[編集]

原作は、NAVERで連載され世界的な人気を集めた同名ウェブ漫画『親愛なるX』(作:パン・ジウン)。冷酷なヒロインの視点から「悪」を描く物語性が支持を集めた作品で、実写化にあたっては原作の耽美でダークな世界観をどう映像化するかが注目された。

演出を務めたのは、トッケビ太陽の末裔ミスター・サンシャインSweet Homeなどで知られるイ・ウンボク監督。ヒットメーカーとして名高い同監督とTVINGがタッグを組んだ初めての作品であり、脚本はチェ・ジャウォン、共同演出にパク・ソヒョンが名を連ねた。ヒロインを演じたキム・ユジョンにとっては、清純派として親しまれてきたそれまでの路線から大きく踏み出した「悪女」初挑戦作となり、公開前から高い関心を集めた。

配信・放送[編集]

『親愛なるX』は、韓国の動画配信サービスTVINGのオリジナルシリーズとして制作された。2025年11月にはTVINGとDisney+が業務提携を発表しており、本作はその提携後にDisney+で配信される最初のTVINGオリジナル新作として届けられた。日本を含む地域ではDisney+(スター)で視聴でき、全12話構成となっている。

評価・反響[編集]

巨匠イ・ウンボク監督の演出と、キム・ユジョンの大胆なイメージチェンジが最大の話題となった。清純なヒロイン像で愛されてきたキム・ユジョンが、他人を踏みにじる冷酷な女優を全身で演じきったことに驚きの声が上がり、その振り幅の広い演技は高く評価された。一方で、共感を拒む主人公や陰鬱な物語のトーンをめぐっては視聴者の好みが分かれ、「重厚で美しい」とする声と「感情移入が難しい」とする声が併存する、賛否を呼ぶ問題作となった。

余談[編集]

  • 原作・ドラマともにタイトルの「X」は特定の人物名ではなく、ヒロインが利用し切り捨てる不特定の他者を指す記号として用いられている。
  • イ・ウンボク監督はトッケビ太陽の末裔ミスター・サンシャインなどロマンス大作の名手として知られるが、本作では一転してダークな心理劇に挑んでいる。
  • 主演のキム・ヨンデは、若手俳優として異母弟ユン・ジュンソの複雑な感情を演じ、キム・ユジョンとの息の合った演技が撮影エピソードとして語られている。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

  • Disney+ 公式作品ページ「親愛なるX」