横溝重悟
Jugo Yokomizo
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/b/b3/神奈川県警察本部.jpg
重悟が所属する神奈川県警察の本部庁舎(横浜市中区)(出典:ウィキメディア・コモンズ、撮影:Akusiroyo、CC BY-SA 4.0)
本名 横溝重悟(よこみぞ じゅうご)
国籍 日本
家族 双子の兄・横溝参悟(静岡県警警部)
職業 警察官(神奈川県警察)
肩書 神奈川県警刑事部捜査一課 警部
代表的な実績 神奈川県警の顔として横浜・湘南・箱根などの事件を担当、劇場版『探偵たちの鎮魂歌』『漆黒の追跡者』『ハイウェイの堕天使』に出演
関連活動 『名探偵コナン』
別名 横溝警部(神奈川県警の横溝)
その他 声優:大塚明夫(兄・参悟と同じ声優の一人二役)/作中設定の年齢は35歳/好物はブラックコーヒーとパンケーキ


概要[編集]

横溝重悟(よこみぞ じゅうご)とは、青山剛昌の漫画『名探偵コナン』(小学館『週刊少年サンデー』連載)に登場する神奈川県警刑事部捜査一課の警部である。静岡県警の横溝参悟警部の双子の弟で、顔も声も兄とそっくりなのに性格は真逆という、強面・毒舌・でも根は正義漢の刑事である。

詳細[編集]

人物像[編集]

重悟は神奈川県警刑事部捜査一課に所属する警部で、作中設定の年齢は35歳。坊主頭に鋭い目つきという強面で、口調も荒っぽい。温厚な兄・参悟とは顔立ちこそ瓜二つだが、本人いわく「人の良い兄とは違う」。取り調べもかなり荒々しく、やや直情的なところがあるため、初見の容疑者はだいたい震え上がる。

ただし、ただの怖い刑事では終わらないのが重悟の魅力。本質的には罪と悪を憎み、弱い者を守るという強い信念の持ち主として描かれている。劇場版では子どもを爆発から守るために自分が身代わりになるという場面もあり、強面の下に隠れた優しさはファンの間でもよく語られるポイントである。

探偵嫌いの現場主義[編集]

重悟は基本的に馴れ合いを嫌い、他人に媚びない性格。とくに探偵という人種をあまり信用しておらず、毛利小五郎のことは胡散臭く思っている。小五郎の異名「眠りの小五郎」をわざと「煙の小五郎」と呼び間違えるのはお約束のギャグになっている。兄の参悟が小五郎を心から尊敬しているのとは正反対で、ここでも双子の対比が際立つ。

登場初期は江戸川コナンや少年探偵団が事件現場をうろつくことにも難色を示していた。しかし事件を重ねるうちにコナンの頭の良さを認めるようになり、次第にコナン個人が現場に立ち入ることには寛容になっていく。この「最初は追い払っていたのに、いつの間にか子どもを頼りにしている」変化も、重悟の成長物語として楽しめる部分である。

推理より観察の人[編集]

推理力そのものはそこまで高くないとされる一方、観察力は鋭い。検視などの場面で遺体や現場の不自然さから他殺を見抜くことがあり、事件の入り口で「これは事故や自殺じゃない」と気づく役回りを担うことも多い。名探偵ではないが、刑事としての基本はしっかり押さえたタイプといえる。

また、自称「倹約家」で、部下との飲み会では割り勘にすることが多いとされる。ブラックコーヒーを好み、横浜赤レンガ倉庫のパンケーキが好物という意外に可愛らしい一面もある。幼少期は水が苦手だったが、大人になるにつれて克服したという設定もある。

横溝参悟との関係[編集]

双子の兄・参悟[編集]

重悟の双子の兄・横溝参悟は、静岡県警刑事部捜査一課の警部。年齢は同じく35歳で、名前どおり「サンゴ」のような独特の髪型がトレードマークである。原作第6巻「天下一夜祭殺人事件」(アニメ第9話)で、当時は埼玉県警の刑事として初登場した古参キャラクターで、警察キャラの中では目暮十三に次ぐ古株とされる。その後「闇の男爵殺人事件」の際に静岡県警へ転勤し、やがて警部に昇進した。

参悟は穏やかな口調で話す生真面目な人物で、子どもや部下を邪険に扱わない。毛利小五郎を純粋に尊敬して事件記事をチェックするほどの「眠りの小五郎」信奉者だが、お人よしゆえに小五郎の迷推理を鵜呑みにしてしまうこともある。幽霊や妖怪などホラーが大の苦手で、まったく泳げないカナヅチという弱点も持つ。

正反対だけど仲良し[編集]

二人は一卵性の双子で顔も声もそっくりだが、性格は温厚な兄と直情的な弟でまるで正反対。そのため不仲と思われがちだが、実際の兄弟仲は良好である。重悟は普段は兄を「兄貴」と呼ぶが、第三者の前では「バカ兄貴」と呼ぶこともある。参悟のほうは弟の婚活を世話焼き気味に応援しているとされ、兄弟の関係は意外とほのぼのしている。

カナヅチだったのは兄弟共通で、参悟は今も泳げないのに対し、重悟は大人になるにつれて克服した。同じスタートから違う道を歩んだ双子らしいエピソードである。

名前の由来は「さんごじゅうご」[編集]

兄弟の名前は九九の「3×5=15」、すなわち「さんご じゅうご」の語呂合わせになっている。兄が参悟(さんご)、弟が重悟(じゅうご)という仕掛けで、劇場版『名探偵コナン 漆黒の追跡者』では、このネーミングを高木渉刑事に笑われる場面も描かれた。苗字の「横溝」は、金田一耕助シリーズで知られる推理作家・横溝正史に由来するとされる。また、重悟の名前についてはドラマ『はぐれ刑事純情派』に登場する署長・横溝重忠から取られたとする資料もある。

初登場「中華街 雨のデジャビュ」[編集]

横浜中華街の毒殺事件[編集]

重悟の初登場は原作単行本第34巻、テレビアニメでは2002年7月1日放送の第284話・第285話「中華街 雨のデジャビュ」(前編・後編)である。横浜中華街の中華料理店での食事中に起きた殺人事件で、重悟は神奈川県警の捜査責任者として現場に現れた。

「横溝警部……ですよね?」[編集]

この回の見どころは、現場に現れた重悟を、小五郎が静岡県警の横溝参悟と勘違いしてしまう場面。見た目はそっくりなのに態度がまるで違う「横溝警部」の登場に、小五郎たちが戸惑うという流れで、ここで初めて参悟に双子の弟がいることが明かされた。以降、「神奈川の横溝」「静岡の横溝」はコナン世界の地方警察を代表する名物コンビとなっていく。

主な登場エピソード[編集]

テレビアニメ登場回[編集]

重悟の主な登場回は以下のとおり(話数はテレビアニメ、巻数は原作単行本)。

アニメ話数 エピソード名 原作 ポイント
第284〜285話 中華街 雨のデジャビュ 34巻 初登場。小五郎に兄と間違えられる
第366〜367話 丸見え埠頭の惨劇 45巻 海釣り中の事件。船の故障で現場到着が遅れる
第415〜417話 仏滅に出る悪霊 48巻 兄・参悟と初めて揃って登場。大塚明夫の一人二役
第443〜444話 ため息潮干狩り 51巻 自殺と判断しかけるが、コナンの推理で犯人が特定される
第542〜543話 魚が消える一角岩 64巻 幼少期のエピソードが明かされる。観察力で他殺を見抜く
第597〜598話 湯煙密室のシナリオ 69巻 箱根の温泉宿で発生した事件。コナンを認める描写
第740〜741話 蘭も倒れたバスルーム 81巻 高熱で倒れた毛利蘭を病院へ運ぶ優しさを見せる
第1098〜1099話 風の女神・萩原千速 101巻 萩原千速初登場。重悟の片想いが明らかに
第1115〜1116話 千速と重悟の婚活パーティー 102巻 非番の重悟と千速が婚活パーティーに参加

兄弟共演回「仏滅に出る悪霊」[編集]

第415〜417話「仏滅に出る悪霊」は、参悟と重悟が初めて揃って登場したエピソード。双子の兄弟が同じ画面に並ぶため、声優の大塚明夫が兄弟二人を一人二役で演じ分けた。同じ声なのに口調とテンションだけでキャラクターをはっきり区別させる演技は、この兄弟ならではの見どころである。

「湯煙密室のシナリオ」と「蘭も倒れたバスルーム」[編集]

箱根の温泉宿を舞台にした「湯煙密室のシナリオ」では、重悟がコナンの能力を認めるような描写があり、二人の関係性の変化を感じられる回となっている。また「蘭も倒れたバスルーム」では、強面ぶりが事件の展開に生かされる一方、高熱で倒れた蘭を病院に運ぶなど、思いやりのある一面もしっかり描かれた。

萩原千速との関係[編集]

風の女神への片想い[編集]

近年の重悟を語るうえで欠かせないのが、神奈川県警交通部の白バイ隊員・萩原千速との関係である。千速は「風の女神・萩原千速」で初登場したキャラクターで、萩原研二の姉。年齢は31歳で、重悟より4歳年下にあたる。

重悟は千速に好意を抱いており、高級レストランでの食事に誘ったこともある。ところが千速は男勝りな性格でラフな服装を好むため、アプローチはなかなか思いどおりに進まない。千速のほうも重悟を「重悟」と下の名前で呼ぶなど、それなりに親しい間柄ではある。原作者の青山剛昌は、千速は重悟の好意に気づいたうえでからかっていると語ったとされ、この「気づいているのにかわす」距離感がファンをやきもきさせている。

婚活パーティーでの共演[編集]

原作102巻収録、アニメ第1115〜1116話「千速と重悟の婚活パーティー」では、福引で食事券を当てたコナンたちが訪れたレストランが婚活パーティーの貸切会場になっており、そこに参加者として重悟と千速が居合わせる。事件の捜査の合間に二人がいい雰囲気になる様子も描かれ、関係の進展を予感させる回となった。

『名探偵コナン』公式X(週刊少年サンデー公式)の「警察名鑑」では、重悟について参悟の双子の弟で神奈川県警所属であること、兄とは反対に小五郎を怪しんでいること、そして千速が気になっているらしいことが紹介されている。

劇場版での活躍[編集]

『探偵たちの鎮魂歌』(2006年)[編集]

重悟の劇場版初登場は、2006年4月15日公開の劇場版第10作『名探偵コナン 探偵たちの鎮魂歌』。劇場版10周年記念作品として、レギュラーメンバーがほぼ勢揃いしたオールスター作品である。舞台は神奈川県横浜に新設されたテーマパーク「ミラクルランド」で、重悟は神奈川県警の警部として登場した。爆弾をめぐる事件のなか、子どもを爆発から守るために身代わりになる場面は、彼の正義感を象徴する名シーンとして知られる。主題歌はB'zの「ゆるぎないものひとつ」、興行収入は30億3000万円を記録した。

『漆黒の追跡者』(2009年)[編集]

2009年4月18日公開の劇場版第13作『名探偵コナン 漆黒の追跡者』では、東京・神奈川・静岡・長野にまたがる広域連続殺人事件が発生し、警視庁に各県警の刑事が集まって合同捜査会議が開かれる。重悟は神奈川県警代表として参加し、兄の参悟(静岡県警)と兄弟そろって劇場版に登場した。参悟が医者から糖分を制限されている甘党であることもこの作品で判明している。興行収入は35億円。

『ハイウェイの堕天使』(2026年)[編集]

2026年4月10日公開の劇場版第29作『名探偵コナン ハイウェイの堕天使』は、萩原千速を中心に横浜を舞台として謎の黒いバイク「ルシファー」をめぐる事件を描いた作品で、重悟も神奈川県警の警部として出演した。監督は蓮井隆弘、脚本は『名探偵コナン 紺青の拳』『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』も手がけた大倉崇裕、制作はトムス・エンタテインメント、配給は東宝、主題歌はMISIA「ラストダンスあなたと」。ゲスト声優として横浜流星と畑芽育が参加した。

公開初日には動員73.9万人・興行収入11.3億円という過去最高のスタートを切り、劇場版コナンとして4作連続の興収100億円突破を達成。2026年6月7日時点で興収130.3億円・動員883万人に達した。

公開翌日の4月11日にTOHOシネマズ日比谷で行われた公開記念舞台挨拶には、高山みなみ、小山力也、沢城みゆき、大塚明夫、三木眞一郎、横浜流星、畑芽育、蓮井監督が登壇。大塚明夫は前回出演の『漆黒の追跡者』以来、およそ17年ぶりの劇場版参加だったことを明かし、「どんだけ千速が好きなんだ」と会場を笑わせた。

アニメと声優[編集]

大塚明夫の一人二役[編集]

重悟の声を担当するのは声優の大塚明夫。兄・参悟の声も大塚が担当しており、双子の兄弟を一人で演じ分けている。温厚でやわらかい参悟と、ドスの利いた荒っぽい重悟という対照的な二人を、同じ声質のまま口調と芝居で別人に聞かせる演技はファンからの評価も高い。

『攻殻機動隊』コンビの再来[編集]

重悟が想いを寄せる萩原千速の声は、初代の田中敦子から、2025年発表で沢城みゆきに引き継がれた。大塚明夫は『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』シリーズでバトーを演じており、田中敦子・沢城みゆきはいずれも同作の主人公・草薙素子役を務めた経歴を持つ。重悟と千速の掛け合いが「バトーと素子」を思わせる配役になっていることは、SNSでもたびたび話題になった。

余談[編集]

  • 同じ「横溝警部」でも、重悟は神奈川、参悟は静岡(初登場時は埼玉)と担当地域が違うため、事件の舞台がどこの県かで出てくる横溝が変わる。
  • 重悟の担当事件は横浜中華街、箱根の温泉宿、海辺の潮干狩りなど、神奈川県の観光地が舞台になることが多い。
  • 強面で口が悪いのに好物はパンケーキ、しかも自称倹約家という意外性の詰め合わせのようなキャラクターである。
  • 『漆黒の追跡者』から『ハイウェイの堕天使』まで、劇場版への出演はおよそ17年空いた。千速の登場が、重悟を再びスクリーンに呼び戻したともいえる。
  • 劇場版『ハイウェイの堕天使』のティザービジュアルには、千速やコナン、萩原研二、松田陣平らと並んで重悟の姿も描かれた。

外部リンク[編集]

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