| 名探偵コナン ハイウェイの堕天使 Detective Conan: Fallen Angel of the Highway | |
|---|---|
![]() 本作の舞台・横浜の港湾部(山下ふ頭から望む横浜ベイブリッジ、2005年・Wikimedia Commons) | |
| 監督 | 蓮井隆弘 |
| 製作 | 近藤秀峰、吉田剛志、岡田悠平(プロデューサー) |
| 脚本 | 大倉崇裕 |
| 原作 | 青山剛昌『名探偵コナン』 |
| 出演 |
高山みなみ 山崎和佳奈 小山力也 林原めぐみ 沢城みゆき 大塚明夫 三木眞一郎 神奈延年 日高のり子 横浜流星 畑芽育 |
| 撮影 | 西山仁 |
| 音楽 |
菅野祐悟 主題歌:MISIA「ラストダンスあなたと」 |
| ジャンル | 劇場アニメ、ミステリー、アクション |
| 制作会社 | トムス・エンタテインメント |
| 配給 | 東宝 |
| フォーマット | 通常上映、IMAX、4DX、MX4D、Dolby Cinema |
| 劇場公開 | 2026年4月10日(日本) |
| 上映時間 | 109分 |
| 興行収入 | 136.8億円以上(日本、2026年夏時点) |
| 言語 | 日本語 |
| レイティング | G |
| 前作 | 『名探偵コナン 隻眼の残像』(2025年) |
| 次作 | 劇場版第30作(2027年公開予定・タイトル未発表) |
| リンク | https://www.conan-movie.jp/ |
概要[編集]
名探偵コナン ハイウェイの堕天使(めいたんていコナン ハイウェイのだてんし)は、2026年4月10日に公開された日本のアニメーション映画。青山剛昌の漫画『名探偵コナン』を原作とする劇場版シリーズの第29作で、神奈川県警交通機動隊の白バイ隊員・萩原千速を中心に、横浜を舞台とした謎の黒いバイク「ルシファー」をめぐる事件を描く。
詳細[編集]
企画・発表[編集]
本作のタイトルと公開日は2025年12月3日に発表された。同時に公開された青山剛昌描き下ろしのティザービジュアルには、白バイにまたがる萩原千速とコナンのほか、世良真純、横溝重悟、そして警視庁機動隊で殉職した萩原研二と松田陣平が描かれ、タイトルの「堕天使」をイメージした意匠が添えられた。翌日には特報映像とあらすじが解禁された。
萩原千速は原作のエピソード「風の女神」で初登場したキャラクターで、劇場版への登場は本作が初めてである。「風の女神」という異名は、初登場時に毛利蘭が千速のバイクテクニックに見とれて心の中でそう呼んだことに由来する。設定上は神奈川県警交通部第三交通機動隊の白バイ隊小隊長(31歳)で、7年前に爆弾処理中に殉職した萩原研二の姉にあたる。同じ神奈川県警の横溝重悟から想いを寄せられているという原作の関係性も、本作の人物配置に組み込まれている。
制作体制[編集]
監督は蓮井隆弘、脚本は推理作家の大倉崇裕が担当した。大倉は『名探偵コナン 紺青の拳』『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』でも劇場版の脚本を手掛けている。キャラクターデザイン・総作画監督は須藤昌朋、音楽は近年の劇場版を担当している菅野祐悟、アニメーション制作はトムス・エンタテインメント、配給は東宝。
主なスタッフは以下のとおり。
| 担当 | 名前 |
|---|---|
| 原作 | 青山剛昌 |
| 監督 | 蓮井隆弘 |
| 脚本 | 大倉崇裕 |
| プロデューサー | 近藤秀峰、吉田剛志、岡田悠平 |
| キャラクターデザイン・総作画監督 | 須藤昌朋 |
| 美術 | 福島孝喜、柏村明香 |
| 色彩設計 | 西香代子 |
| 撮影 | 西山仁 |
| 編集 | 伊藤潤一 |
| 録音監督 | 浦上靖之、浦上慶子 |
| 音響効果 | 石野貴久 |
| CG監督 | 尾谷真弥、福田貴大 |
| 音楽 | 菅野祐悟 |
| 主題歌 | MISIA「ラストダンスあなたと」 |
| アニメーション制作 | トムス・エンタテインメント |
| 配給 | 東宝 |
声優交代と萩原千速役[編集]
萩原千速はテレビアニメ版では田中敦子が演じていたが、田中の死去を受けて2025年8月に沢城みゆきが後任に決まり、本作で劇場版の千速を演じた。
毛利蘭役の山崎和佳奈は2026年2月に病気療養のため活動休止を発表し、テレビアニメでは同年3月から岡村明美が代役を務めた。本作については収録が完了していたため、予定どおり山崎が蘭を演じている。山崎は公開期間中の2026年4月18日に死去し(同年5月15日に所属の青二プロダクションが発表)、本作が劇場版での最後の出演となった。蘭役はその後も岡村が引き継いでいる。
舞台とモチーフ[編集]
物語の主な舞台は神奈川県横浜市のみなとみらい周辺で、作中のバイクの祭典「神奈川モーターサイクルフェスティバル」を起点に、事件は東京都内にも広がる。中心となるのは、自動車メーカーが開発した最新技術搭載の白バイ「エンジェル」と、それに酷似した謎の黒いバイク「ルシファー」という2台の車両である。タイトルの「堕天使」は、天使の名を冠したエンジェルに対し、堕天使の名で呼ばれる黒いバイクを指している。運転アシストシステムなど車両の先進技術が物語の軸に据えられており、海外評でもドローンや自動運転を扱う題材として言及された。
ゲスト声優[編集]
2026年2月13日、俳優の横浜流星がゲスト声優として発表された。横浜にとって初の声優挑戦で、演じる大前一暁は白バイ「エンジェル」を開発した自動車メーカーのエンジニアで、運転アシストシステムに強い思いを持つ人物である。横浜は自ら再収録を希望し、2回目の収録ではセリフをすべて暗記して臨んだ。収録にはコナン役の高山みなみが立ち会い、直接アドバイスを送った。もう1人のゲスト声優として、俳優の畑芽育が神奈川県警の女性警察官・舘沖みなとを演じた。畑も本作が声優初挑戦である。
主題歌[編集]
主題歌はMISIAの新曲「ラストダンスあなたと」。楽曲は公開日と同じ2026年4月10日にデジタル配信され、ミュージックビデオにはフィギュアスケートの鍵山優真が出演した。
あらすじ[編集]
※以下は序盤から中盤までの内容。
コナン、蘭、鈴木園子、毛利小五郎は、横浜で開かれるバイクの祭典「神奈川モーターサイクルフェスティバル」へ向かう途中、世良真純と合流する。その道中、一行は猛スピードで暴走する謎の黒いバイクに遭遇する。神奈川県警交通機動隊の白バイ隊を率いる萩原千速がこれを追跡するが、黒いバイクは追っ手を振り切って姿を消す。
フェスの会場では、自動車メーカーが開発した最新技術搭載の白バイ「エンジェル」が披露され、開発者の大前一暁も姿を見せる。ところがその後、エンジェルに酷似した黒いバイクが東京都内に出現し、暴走を繰り返す。人々はこの黒いバイクを「ルシファー」と呼ぶようになる。
ルシファーの正体と目的を追う中で、千速の脳裏には、7年前に爆弾処理中に殉職した弟・萩原研二と、その同期で4年前に殉職した松田陣平の記憶がよみがえる。コナンは千速、横溝重悟ら神奈川県警と共に、黒いバイクの背後にある真相に迫っていく。
登場人物 / キャスト[編集]
| 役名 | 声優 | 備考 |
|---|---|---|
| 江戸川コナン | 高山みなみ | 本作の主人公 |
| 毛利蘭 | 山崎和佳奈 | 劇場版での最後の出演 |
| 毛利小五郎 | 小山力也 | |
| 灰原哀 | 林原めぐみ | |
| 萩原千速 | 沢城みゆき | 神奈川県警第三交通機動隊・白バイ隊小隊長。異名は「風の女神」 |
| 横溝重悟 | 大塚明夫 | 神奈川県警の警部 |
| 萩原研二 | 三木眞一郎 | 千速の弟。警視庁警備部機動隊で殉職 |
| 松田陣平 | 神奈延年 | 研二の同期。殉職した警察官 |
| 世良真純 | 日高のり子 | |
| 阿笠博士 | 緒方賢一 | |
| 吉田歩美 | 岩居由希子 | |
| 小嶋元太 | 高木渉 | |
| 円谷光彦 | 大谷育江 | |
| 大前一暁 | 横浜流星 | ゲスト声優。白バイ「エンジェル」の開発者 |
| 舘沖みなと | 畑芽育 | ゲスト声優。神奈川県警の女性警察官 |
評価・反響[編集]
興行成績[編集]
全国526館で公開された。内訳は通常上映382館、IMAX 62館、MX4D 11館、4DX 61館、Dolby Cinema 10館。公開初日の4月10日に動員73万9504人・興収11億3552万9300円を記録し、シリーズ過去最高の初日成績となった。公開3日間では動員231万8009人・興収35億0213万7800円で、前作『隻眼の残像』(最終興収147.4億円)の初動比101.8%となり、シリーズ歴代1位のオープニングを記録した。
公開17日間で興収79.9億円・動員533万人を突破して歴代興行収入ランキングの100位以内に入り、公開23日間で93.1億円を突破。5月4日、コナン(工藤新一)の誕生日に興収100億円に到達した。これにより劇場版コナンは『名探偵コナン 黒鉄の魚影』(2023年、138.8億円)、『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』(2024年、158.0億円)、『隻眼の残像』(2025年、147.4億円)に続いて4作連続の興収100億円突破となり、邦画で初めて4年連続100億円超えを達成した。
| 時点 | 興行収入 | 観客動員 |
|---|---|---|
| 公開初日(4月10日) | 11.3億円 | 73.9万人 |
| 公開3日間(〜4月12日) | 35.0億円 | 231.8万人 |
| 公開17日間(〜4月26日) | 79.9億円 | 533万人 |
| 公開23日間 | 93.1億円 | — |
| 公開27日間(〜5月6日) | 108.8億円 | 740万人 |
| 公開約1か月(5月10日発表) | 114億円 | 774万人 |
| 5月下旬 | 124億円 | 840万人 |
| 6月7日 | 130.3億円 | 883万人 |
| 公開102日間(7月下旬) | 136.2億円 | — |
| 公開109日間 | 136.5億円 | — |
| 2026年夏 | 136.8億円 | — |
6月時点で日本の歴代興行収入ランキングでは32位に位置した。シリーズ内では『100万ドルの五稜星』『隻眼の残像』『黒鉄の魚影』に次ぐ4位の成績で、2026年公開の日本映画では最大のヒットとなっている。Box Office Mojoの集計では全世界興収は約7,792万ドル。
国内の反応[編集]
初日翌日の4月11日にはTOHOシネマズ日比谷で公開記念舞台挨拶が行われ、高山みなみ、小山力也、沢城みゆき、大塚明夫、三木眞一郎、畑芽育、横浜流星、蓮井隆弘監督が登壇した。本作はマスコミ向け試写会を行わなかったため、この舞台挨拶がキャスト陣と観客との初対面の場となった。横浜は「実写では1か月で10億円が快挙なのに、アニメは1日で達成する」と日本アニメの力に驚きを示し、畑は公開前夜からX(旧Twitter)でトレンド入りしていたことに触れて観客の熱量を語った。
100億円突破時には青山剛昌の描き下ろしお祝いイラストが公開され、劇場での配布も予定された。
海外の反応[編集]
本作は日本公開後、アジアや英語圏で順次劇場公開された。
| 地域 | 公開日 | 配給 |
|---|---|---|
| タイ | 2026年4月17日 | — |
| イギリス・アイルランド | 2026年6月12日 | Trinity CineAsia |
| オーストラリア | 2026年7月23日 | Sugoi Co |
| 韓国 | 2026年8月12日 | CJ ENM |
| シンガポール | 2026年9月5日 | Odex |
イギリス・アイルランドでの劇場版コナンの公開は、Trinity CineAsiaにとって3作連続となった。韓国では『명탐정 코난: 하이웨이의 타천사』の題で公開され、9月中旬までに約42万9千人を動員した。
英紙ガーディアンのフィル・ホードは5点満点中3点をつけ、「テンポよく楽しめるフーダニット」と評した。オーストラリアの映画サイトFilmInkのケイン・ノーブル=デイヴィースは10点中7.7点とし、『ワイルド・スピード』『スピード』『マトリックス リローデッド』の影響を感じさせるバイクアクションと、写実的な背景美術と伝統的なキャラクターデザインの組み合わせを評価した。同評では、千速を軸にした家族の喪失と復讐の物語、ドローンや自動運転車といった題材にも触れている。英語圏のレビューサイトでは、カーチェイスやバイクアクションの迫力を評価する一方、物語の盛り込みすぎを指摘する声もあった。
視聴ガイド[編集]
ハイウェイの堕天使はどこで見れる?[編集]
2026年10月時点で、見放題・レンタルともに動画配信の開始日は発表されていない。劇場版コナンは例年、翌年の新作公開に合わせたテレビ放送や配信が行われる傾向があるが、本作の具体的な予定は未発表である。U-NEXTでは本作の公開に合わせて、過去の劇場版シリーズ27作品と関連作の見放題配信が2026年3月から順次行われた。
Blu-ray・DVDはいつ発売?[編集]
2026年11月25日にBlu-rayとDVDが発売される。それぞれ豪華盤と通常盤の2形態で、豪華盤には描き下ろしイラスト仕様の三方背ケースが付く。税込価格はBlu-ray豪華盤8,690円、Blu-ray通常盤6,820円、DVD豪華盤7,590円、DVD通常盤5,720円。
テレビ放送はある?[編集]
2026年10月時点で地上波放送の日程は発表されていない。近年の劇場版コナンは、翌年の新作公開に合わせて日本テレビ系『金曜ロードショー』で前作が放送されることが多い。
前作を見ていなくても楽しめる?[編集]
劇場版コナンは基本的に1作ごとに独立した事件を描くため、本作単体でも筋は追える。ただし萩原千速、萩原研二、松田陣平、横溝重悟の関係は原作・テレビアニメのエピソードが前提になっている。千速初登場の「風の女神」関連エピソードや、松田陣平が登場する爆弾事件のエピソード、劇場版では松田らの警察学校時代にも触れた『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』を見ておくと、人物の背景をつかみやすい。
萩原千速とはどんなキャラクター?[編集]
神奈川県警交通部第三交通機動隊の白バイ隊小隊長で、31歳。卓越したバイクの運転技術から、蘭に「風の女神」と称された。弟の萩原研二は警視庁警備部機動隊の爆発物処理班員で、7年前の爆弾事件で殉職している。その事件の犯人をコナンが捕まえたことから、千速はコナンに恩義を感じている。
エンドロール後に何がある?[編集]
劇場版コナン恒例の次回作予告映像がある。ロンドンのビッグ・ベンを思わせる映像と、工藤新一と蘭のやり取りが盛り込まれており、2027年公開予定の劇場版第30作を予告する内容となっている。第30作の正式タイトルや公開日は2026年10月時点で発表されていない。
上映時間と年齢制限は?[編集]
上映時間は109分、映倫区分はG(年齢制限なし)。国内ではIMAX、4DX、MX4D、Dolby Cinemaでも上映された。
余談[編集]
- 公開初日は前年比107%で、シリーズ過去最高の初日興収となった。
- 興収100億円到達日の5月4日は、主人公・工藤新一の誕生日にあたる。
- ゲスト声優の横浜流星と畑芽育は、ともに本作が声優初挑戦である。横浜は舞台挨拶で、声だけで立体的な表現をする難しさから「自分の限界を感じた」とも述べた。
- MISIAの「ラストダンスあなたと」のミュージックビデオには、フィギュアスケート選手の鍵山優真が出演した。
- 萩原千速は劇場版初登場。千速役の沢城みゆきは、先代の田中敦子から役を引き継いでの出演となった。
- 毛利蘭役の山崎和佳奈にとって、本作が劇場版で蘭を演じた最後の作品となった。
- 本作は劇場版第29作であり、劇場版30作目の節目は2027年公開予定の次回作となる。
