B'z

概要[編集]

B'z(ビーズ)は、稲葉浩志(ボーカル)と松本孝弘(ギター)による日本のロックユニット。1988年に結成され、同年メジャーデビュー。所属事務所はBeing、レーベルはVERMILLION RECORDS(旧Rooms RECORDS)。

日本の音楽史上、CDシングル・アルバムの累計売上枚数が最も多いアーティストの一つ。累計売上は8,300万枚超ともいわれており、シングル33作品連続1位という前人未踏の記録も持つ。2008年にはアジア人アーティストとして初めてハリウッドのロックウォーク(Rock Walk)に刻まれた。

松本孝弘のエモーショナルなギタープレイと、稲葉浩志の圧倒的なボーカルパワー・作詞センスが融合した「B'zサウンド」は、日本のロック史に決定的な影響を与えた。

結成・デビューの経緯[編集]

松本孝弘はB'z結成前からBeingに所属し、様々なアーティストのギタリスト・編曲家として活動していた。一方の稲葉浩志は大学卒業後にBeingのオーディションを受け合格。当初はソロ歌手の路線も検討されていたが、松本との出会いによってデュオユニットとして動き出した。

1988年9月にシングル「だからその手を離して」でデビュー。初期は現在のハードロック路線と異なり、ニューウェーブ・シンセポップ的な音楽性だった。転機は1990年頃からのハードロック路線への移行で、「BAD COMMUNICATION」(1991年)がブレイク。以後、「EASY COME, EASY GO!」「LOVE PHANTOM」「ultra soul」などの大ヒットが続いた。

代表曲・ディスコグラフィー[編集]

  • BAD COMMUNICATION(1990年):B'z初の大ヒット。英語詞とハードロックサウンドが斬新だった。
  • 愛のままにわがままに 僕は君だけを傷つけない(1993年):193万枚の売上を誇るシングル。長いタイトルも話題に。
  • LOVE PHANTOM(1995年):80万枚超。イントロのギターリフが圧倒的にかっこいい名曲。
  • ultra soul(2001年):スポーツ番組でも多用される「ウルトラソウル! HEY!」の掛け声が日本中に浸透。
  • Calling』(2005年):静かなイントロから爆発するサビへの展開がライブの定番。
  • ながい愛』(2014年):ミドルテンポで泣けると評判のバラード。
  • stars』(2023年):デビュー35周年記念シングル。ハードロックの芯を保ちながら洗練された一曲。

松本孝弘のギター[編集]

松本孝弘のギタープレイは「テクニックと感情の両立」が最大の特徴とされる。ペンタトニックを軸にしたブルーズフィール満点のソロは「聴いた瞬間にB'zとわかる」ほど個性的。愛用するギブソンのレスポールを中心に、楽曲ごとに多彩なギターを使い分けている。

スタジオでの緻密な音作りとライブでの豪快なプレイの両方に定評があり、国内外のギタリストから憧れの存在として語られる。ギター専門誌の「最も影響を受けたギタリスト」ランキングでは常に上位に位置する。

稲葉浩志のボーカル[編集]

稲葉浩志のボーカルは日本最高峰と称されることも多い。低音から高音への幅広い声域、パワフルでありながら繊細な表現力、英語の発音の美しさが特筆される。

作詞においては「愛・激情・後悔・希望」を扱うことが多く、独特の言葉選びが「稲葉節」として親しまれている。「ながい愛」「ZERO」「今夜月の見える丘に」などのバラードでは特に稲葉の詞の才能が光る。

炎上とバズ[編集]

  • 「ultra soul」の汎用性:スポーツ中継で多用されすぎた結果、「ultra soul」が実際の楽曲というよりリアクション効果音のように感じられるという皮肉なバズが発生。
  • ロックウォーク刻名への反響:2008年のハリウッド・ロックウォーク刻名は「世界に認められた」と日本中で話題に。一方「なぜ世界ではB'zが無名なのか」という議論も起きた。
  • Being系列との関係性:Being所属バンドのサウンドの類似性をめぐる議論が一時期ネット上で盛んに行われた。
  • 松本孝弘のギターコピーブーム:YouTubeが普及した2010年代以降、松本孝弘のギターソロコピー動画が大量に投稿されるブームが起きた。
  • 稲葉浩志ソロ活動への反応:稲葉浩志がソロアルバムを発表するたびに「B'zとの違い」についての議論が勃発する恒例行事となっている。
  • シングル連続1位記録への疑問:一部の音楽評論家から「CD買い占め文化」の問題提起があり、記録の純粋性についての論争が起きたこともある。

受賞・記録[編集]

シングル33作品連続オリコン1位という記録は、当時も現在も日本の音楽界で破られていない偉業だ。累計CDシングル・アルバム売上は公称8,300万枚超で、日本国内のアーティスト・グループの中で最高水準の数字に位置する。

日本レコード大賞・日本ゴールドディスク大賞などの権威ある音楽賞での受賞も多数あり、2008年のハリウッド・ロックウォーク刻名はアジア人アーティスト初という歴史的快挙だった。

ファンクラブ「B'z Party」は数十万人規模を誇り、チケットの争奪戦は毎回激しい。「B'zのライブチケットは取れないもの」という通説がファン以外にも浸透しているほど、需要が供給を大きく上回っている。

余談[編集]

  • B'zのライブグッズ「B'z LIVE-GYM」は毎回数分以内に完売するほどの争奪戦になることで有名。
  • 「ultra soul」のアレンジバージョンは数え切れないほど存在し、スポーツ・CM・ゲームなど様々な場面で使われている。
  • 松本孝弘はB'z以外にも「Tak Matsumoto」名義でソロ活動を行い、海外アーティストとのコラボも多い。
  • 稲葉浩志は長野県松本市出身で、地元への愛着が強く地元のイベント等に協力することがある。
  • B'zの英字ロゴはバンド名の略称かつ「Bee'z」などの解釈があるが公式には特定の意味を明かしていない。
  • デビューから30年以上経った現在でも稲葉浩志の声は衰えず、「なぜ老けないのか」がファンの間で謎とされている。
  • B'z用語として「稲葉ロード」という概念があり、ライブで稲葉が客席を練り歩くことを指す人気演出。
  • 「B'z Party」という公式ファンクラブの会員数は数十万人規模とされ、日本最大規模のロックバンドFCの一つ。
  • 2019年のデビュー30周年ライブは稀有な規模と演出で日本の音楽史に刻まれる伝説的公演となった。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

2020年代の活動[編集]

コロナ禍でもデジタルリリースを積極活用し、ファンとの接点を維持した。2023年のデビュー35周年では記念シングル「stars」のリリースに加え全国アリーナツアーを敢行。「35年経ってこのクオリティ」と音楽ファンを唸らせ、ロックデュオとしての底力を見せつけた。

2026年現在も精力的に活動を続けており、次のアルバムへの期待がファンの間で高まっている。稲葉浩志の声、松本孝弘のギター——この二つが揃えば日本最強のロックデュオとしての輝きは永遠に続く。B'zは単なる「売れたバンド」ではなく、日本のロック文化の象徴であり世界に誇れる音楽財産だ。後輩バンド・ギタリスト・ボーカリストにまで広くその影響は及び、「B'zがいたから今の日本のロックがある」と語るミュージシャンも少なくない。

B'zサウンドの影響[編集]

B'zの音楽的影響は日本のロック界全体に及ぶ。90年代のハードロックブームはB'zが牽引したと言っても過言ではなく、ギター少年たちの「松本孝弘に憧れた」「B'zのコピーバンドから始めた」という声は無数にある。「ultra soul」は日本人なら誰でも知っているという「国民的楽曲」の域に達しており、スポーツ応援・CM・ゲームなど媒体を選ばず活躍し続けている。

音楽的には「ハードロック×J-POP×ブルーズ」という独自のミクスチャーが特徴で、海外のロックファンにも「日本にこんなバンドがいたのか」と驚かれることが多い。ロックウォークへの刻名はその国際的な評価の証左である。

B'zの楽曲はストリーミング時代においても継続的に再生され、新規ファンを獲得し続けている。Spotifyのプレイリスト「J-POP名曲」「90年代日本」カテゴリでの存在感は抜群で、若い世代が「親が聴いていたB'zが好きになった」という声も増えている。

CDが主流だった時代に「日本で最も売れたバンド」という地位を確立し、ストリーミング時代においてもその影響力を維持し続けるB'z。その功績は日本の音楽産業史において永遠に記録され続けるだろう。

ソロ活動[編集]

稲葉浩志はB'z活動と並行してソロアルバム・ツアーを定期的に展開。ソロでは「もう少しの辛抱」「二人でいたかった」など、B'zとは異なるフォーク・アコースティック寄りのアプローチも見られ、B'z一本では出てこないような側面が垣間見える。

松本孝弘も「Tak Matsumoto」名義でソロ活動を行い、スティーヴ・ヴァイ・マービン・ゲイへのオマージュ作品など、インスト・コラボ系のアルバムを発表。海外ミュージシャンとのセッションで国際的なギタリストとしての地位を確固たるものにした。

二人のソロ活動がB'zのサウンドや楽曲に還元されることも多く、それぞれの個性がデュオとしての化学反応をより豊かにしている。

世代を超えた影響力[編集]

2026年現在、B'zを「親の影響で聴き始めた」という20代リスナーが増加しており、SNSでは「#B'z布教」タグで新規ファンへの布教活動が活発だ。「ultra soul」のTikTok使用も若者層への認知拡大に一役買っており、デビューから38年が経った今も現役最前線のアーティストとして輝き続けている。

日本のロック史において「B'z以前」と「B'z以後」があると言われるほど、このデュオが日本音楽界に与えた影響は絶大。CDが飛ぶように売れた黄金時代に「売上×クオリティ×ライブパフォーマンス」の三拍子が揃ったアーティストとして、B'zは今後も日本音楽の永遠のアイコンであり続けるだろう。稲葉浩志の声と松本孝弘のギターが鳴り響く限り、B'zの伝説は終わらない。現在進行形の神話、それがB'zである。

B'zの楽曲がドラマ・映画・CMに使われるたびに「あの曲はB'zか!」と気づく日本人の多さは、いかにこのデュオが文化に浸透しているかを物語っている。ライブ「B'z LIVE-GYM」の熱量は国内トップクラスで、初参戦者が「こんなに激しいのか」と驚くほどの迫力。エンタメとしての完成度もまた、B'zが長年トップを走り続ける理由の一つだ。

松本孝弘のギターソロは「弾けるようになりたい」と思うギタリストが後を絶たず、今日もYouTubeにはB'zのコピー動画が無数にアップされ続けている。稲葉浩志のボーカルは「カラオケで挑戦したいが難しすぎる」曲のランキング常連で、日本全国のカラオケで今夜もB'zが歌われているに違いない。 日本音楽史最強のデュオ、それがB'zだ。