| 青山剛昌 Gosho Aoyama | |
|---|---|
![]() 鳥取県北栄町の青山剛昌ふるさと館(出典:ウィキメディア・コモンズ) | |
| 本名 | 青山剛昌(あおやま よしまさ) |
| 誕生日 | 1963年6月21日 |
| 年齢 | 63歳 |
| 出身地 | 鳥取県東伯郡大栄町(現・北栄町) |
| 国籍 | 日本 |
| 家族 | 兄(科学者)、弟2人(エンジニア、医師) |
| 身長 | 174cm |
| 学歴 | 鳥取県立由良育英高等学校、日本大学芸術学部美術学科絵画コース卒業 |
| 職業 | 漫画家 |
| 活動期間 | 1987年 - |
| 代表的な実績 | 『名探偵コナン』『YAIBA』『まじっく快斗』 |
| 受賞 | 第19回小学館新人コミック大賞(1986年)、第38回小学館漫画賞児童部門(1993年)、第46回小学館漫画賞少年部門(2001年)、令和6年度芸術選奨文部科学大臣賞メディア芸術部門(2025年) |
| 関連活動 | 劇場版『名探偵コナン』の原画・絵コンテ |
| その他 | 個人のSNSアカウントは持っていない |
概要[編集]
青山剛昌(あおやま ごうしょう)とは、鳥取県北栄町出身の日本の漫画家である。週刊少年サンデーで30年以上続く『名探偵コナン』の作者で、『YAIBA』『まじっく快斗』も含め、少年漫画にミステリーとラブコメを両立させた「サンデーの顔」と呼べる存在。
詳細[編集]
「私立探偵専門の漫画家」になった少年[編集]
1963年6月21日、鳥取県東伯郡大栄町(現在の北栄町)に生まれる。小学校の卒業文集には「私立探偵専門の漫画家になりたい」と書いていたが、本人は後年このことをまったく覚えていなかったと語っている。結果的に予言が完璧に当たってしまった形で、この文集は現在青山剛昌ふるさと館に展示されている。
小学4年から高校2年まで剣道部に所属しており、のちの『YAIBA』の剣劇描写の下地になった。中学時代には美術教師で染織家の吉田たすくに絵を褒められ、美術の道を勧められている。高校2年でアニメーター志望になったのを機に美術部へ転部した。
日芸からサンデーへ[編集]
鳥取県立由良育英高等学校を経て日本大学芸術学部美術学科絵画コースへ進学。漫画研究部「熱血漫画根性会」に入部した。当初はアニメーター志望だったが、漫研の先輩から「漫画家の方が儲かる」と言われて漫画家志望に転向したという、身もふたもない理由が転機になっている。
学生時代には東京ディズニーランドの「カリブの海賊」の背景画のアルバイトもしていた。担当したのは海賊船が出てくる直前の街のレンガ部分だったが、記念にもらった小切手は失くしてしまい、本人いわく大ショックだったとのこと。その背景もリニューアルで現存しない。
持ち込みとデビュー[編集]
最初は週刊少年マガジンに原稿を持ち込んだが、編集長に「絵が気に食わない」と却下された。そこであだち充の絵が可愛いという理由もあって小学館の『週刊少年サンデー』に切り替え、1986年に『ちょっとまってて』で第19回小学館新人コミック大賞に入選。同作は『週刊少年サンデー』1987年3・4合併号に掲載され、これが正式なデビューとなった。
デビュー直後は『ひらけ!ポンキッキ』の背景描きのアルバイトで生計を立てていた。またこの時期、TBSの『風雲!たけし城』に一般挑戦者として出演し、「悪魔の館」で悪魔役の丹古母鬼馬二に捕まって顔に墨を塗られて失格している。のちの国民的漫画家の貴重すぎる映像である。
経歴[編集]
まじっく快斗とYAIBA(1987年〜1993年)[編集]
1987年、『週刊少年サンデー』増刊号で『まじっく快斗』の連載を開始。父を殺された高校生・黒羽快斗が怪盗として活動する物語で、のちに『名探偵コナン』へ怪盗キッドとして合流する。不定期掲載のため単行本は5巻と少ないが、本人は「心の底から一番描きたいのは『まじっく快斗』」と語っている。
1988年からは本誌で『YAIBA』を連載。剣道少年・鉄刃が伝説の剣を手に、宿敵・鬼丸猛や宮本武蔵らと戦うバトル漫画で、1993年に第38回小学館漫画賞児童部門を受賞した。同年には『剣勇伝説YAIBA』としてテレビアニメ化され、主人公・鉄刃の声を高山みなみが担当している。
名探偵コナン(1994年〜)[編集]
1994年、『週刊少年サンデー』で『名探偵コナン』の連載を開始する。週刊少年マガジンの『金田一少年の事件簿』のヒットを受けて、編集部から推理ものを依頼されたのがきっかけだった。本人は「3か月くらいで終わる」と予想していたが、結果は30年を超える超長期連載となった。
1996年に読売テレビ制作でテレビアニメ化され、1997年からは毎年4月に劇場版が公開されるのが恒例に。2001年には第46回小学館漫画賞少年部門を受賞。単行本の累計発行部数は2003年に1億冊、2017年に2億冊を突破し、2021年には全世界で2億7000万冊を突破した。2026年4月8日には第108巻が発売されている。
休載と復帰[編集]
長期連載ゆえに、休載はたびたびニュースになる。2015年には入院を経験しており、本人はこのとき「漫画が描けなくなるかもしれない」と感じたという。2017年12月13日発売の『週刊少年サンデー』3・4合併号では「病気療養と充電の為」の長期休載を発表。劇場版や連載1000話記念エピソードに力を入れたことを挙げ、「ラブコメパワー全開で、ちと頑張りすぎました(笑)」とコメントした。なおこの休載直前の号では、黒ずくめの組織のボスの正体が明かされている。
連載は約4か月後の2018年4月に再開。休載明けの取材では「ずっとコナンを描いていたから、描かないと描きたくてしょうがなかった」と語り、休みの間はトリックやセリフに使える情報収集に時間を充て、「いつかコナンに言わせたいせりふ」をメモに書き留めていたと明かしている。休んでいても結局コナンのことを考えているのが青山流である。
2025年以降[編集]
2025年3月、令和6年度芸術選奨文部科学大臣賞(メディア芸術部門)を受賞。贈賞理由では『名探偵コナン』が「国民的作品」として連載30周年を迎えたこと、劇場版が2年連続で興行収入100億円を超えたことなどが評価された。同じ部門ではゲームクリエイターの桜井政博も受賞している。授賞時のインタビューでは物語の結末について「無事に物語を最後まで書くことは目標ですけど、まだまだかかりそう」と語った。
同年4月5日には、『YAIBA』がWIT STUDIO制作の新作アニメ『真・侍伝 YAIBA』として、32年ぶりにテレビアニメ化された。放送枠は読売テレビ・日本テレビ系の土曜17時30分で、直後の18時から『名探偵コナン』が放送されるため、毎週土曜に「青山剛昌ワールドの1時間」が実現した。鉄刃役は初代アニメから引き続き高山みなみが務め、峰さやか役は石見舞菜香、鬼丸猛役は細谷佳正、鉄剣十郎役は小西克幸、宮本武蔵役は諏訪部順一。
2026年4月10日公開の劇場版第29作『名探偵コナン ハイウェイの堕天使』は、交通機動隊の萩原千速が中心となる作品で、公開3日間で動員約231万人・興収約35億円とシリーズ史上最高のスタートを記録。公開27日で興収100億円を突破し、6月上旬には130億円を超えた。青山は100億円突破を祝うイラストも描き下ろしている。
2026年7月15日、『名探偵コナン』の2か月休載が発表された。当初誌面では「第41号につづく」と案内されていたが、正しくは9月16日発売の第42・43合併号であったとして編集部が訂正・謝罪している。同年9月には、青山剛昌ふるさと館の移転リニューアルに向けて、本人描き下ろしの新メインイラストと新ロゴが公開された。
作品一覧[編集]
| 作品 | 掲載 | 期間 | 備考 |
|---|---|---|---|
| ちょっとまってて | 週刊少年サンデー | 1987年 | デビュー作。第19回小学館新人コミック大賞入選 |
| まじっく快斗 | 週刊少年サンデー増刊号ほか | 1987年 - | 不定期掲載。怪盗キッドの原点 |
| YAIBA | 週刊少年サンデー | 1988年 - 1993年 | 第38回小学館漫画賞児童部門。2025年に再アニメ化 |
| 名探偵コナン | 週刊少年サンデー | 1994年 - | 第46回小学館漫画賞少年部門。2026年4月時点で108巻 |
| 4番サード | - | - | 短編 |
| プレイ イット アゲイン | - | - | 短編。老剣士が若返る話 |
「中身と体が合わない」主人公たち[編集]
青山作品には、精神年齢と肉体の年齢がずれるという共通モチーフがある。デビュー作『ちょっとまってて』はタイムスリップで年上の恋人と同い年になる話、『プレイ イット アゲイン』は老剣士が若返る話、『YAIBA』のかぐや編ではヒロインが老婆の姿にされ、そして『名探偵コナン』では高校生探偵・工藤新一が小学1年生の江戸川コナンの体になる。コナンの設定は、デビュー作からずっと温めていたテーマの集大成とも言える。
キラキラの「青山目」[編集]
大学1年のときに見た『戦闘メカ ザブングル』の「ネジ目」(虹彩のない瞳に1本のハイライトを入れる描き方)がルーツで、これをよりキラキラさせる方向に発展させたのが青山流の目。「光は目線の逆方向に入れる」という独自の法則があり、本人も「これは発明した!」と自画自賛している。
人物・エピソード[編集]
仕事ぶり[編集]
2002年時点の制作サイクルは、1話を描き上げたら仮眠を取り、編集者と3〜4話分を打ち合わせ、3日でネーム、4日でペン入れと仕上げという1週間ループ。睡眠以外ほぼ休みなしで、旅行中もコナンのことを考えているという。漫画家として挫折経験はなく、物欲も少ないと語っている。
アシスタントは全員が大学時代の漫画研究部の同級生・後輩で、投稿時代から現在まで誰一人欠けずに同じメンバーで続けているという、業界でもかなり珍しいチームである。
元アニメーター志望だけに、アニメ制作への関与も深い。『剣勇伝説YAIBA』最終回では原画と絵コンテを担当し、劇場版『名探偵コナン』でもクライマックスなどの見せ場の原画を描いている。2019年1月放送のテレビアニメ連載1000回記念SP「紅の修学旅行」では、原画・絵コンテ・ゲストキャラクターデザインに加え脚本監修の一部まで担当した。インタビューでは「自分の原画で喜んでくれると嬉しいですし、書きがいがあります」と話している。
コナンを描くうえでのこだわり[編集]
芸術選奨受賞時のインタビューで、こだわりとして「コナンを泣かせない」ことを挙げた。理由は「推理する人が泣くと、犯人に失礼なので」。作品の魅力については「子どもにも大人にもうけているので、ラブコメを入れている所と、ギャグをうまいぐらい絡めてるのがいい」と分析し、陰鬱になりがちなミステリーにギャグを自然に混ぜていると語っている。
コナンのエピソードで一番好きなのは、87巻収録の「蘭GIRL」「新一BOY」。2015年に入院した際、「これだけは残しておきたい」と本気で思い描いた話だという。最終回のプロットは頭の中で完成しており、2019年4月24日放送の『1周回って知らない話』では最終回のオチが本格的に決まったことを明かした。
家族とトリックの協力者[編集]
兄は科学者、実家を継いだ弟はエンジニア、もう一人の弟は米子市の病院に勤める医師で、それぞれ科学ネタ・車関係・死亡推定時刻などを相談しているという。コナンのトリックは青山家の総力戦で支えられているわけだ。従兄弟にはお笑いコンビ「オキシジェン」の田中知史がいる。
結婚と離婚[編集]
2005年5月5日、声優の高山みなみと結婚した。高山は『YAIBA』の鉄刃、『名探偵コナン』の江戸川コナンを演じてきた人物で、作者と主人公の声優の結婚は大きな話題になった。結婚祝いにはアシスタントからロシアンブルーの猫が贈られ、「カイト」と名付けられている。2007年12月10日に離婚を発表。離婚後も高山はコナン役を続け、2025年の『真・侍伝 YAIBA』でも鉄刃役を務めている。
好きなもの・嫌いなもの[編集]
- 音楽:B'zとZARDの大ファン。1997年以降のコナンの主題歌にビーイング系アーティストが多いのはこのため。
- 漫画家:ちばてつや(特に『おれは鉄兵』)、あだち充、モンキー・パンチのファン。『ルパン三世』の要素をコナンに取り入れることもある。
- テレビ:ドラマ『相棒』の大ファンで、2011年1月1日放送のseason9元日スペシャル「聖戦」に鑑識役でカメオ出演した。
- アニメ・ゲーム:『機動戦士ガンダム』好き。『艦隊これくしょん』にもハマっている。
- スポーツ:1993年の「ドーハの悲劇」をきっかけにサッカー日本代表を応援。ロベルト・バッジョのファン。野球は読売ジャイアンツファン。
- 食べ物:好物はカレーライス、サントリーのウーロン茶を長年愛飲。嫌いなのはレーズンで、江戸川コナンの嫌いな食べ物もレーズンに設定されている。納豆は嫌いだったが、テレビで見た「ひきわり納豆と細切り豚肉の炒め物」を試して好きになった。
- 好きな色:青紫。
地元・鳥取県とコナン[編集]
青山剛昌ふるさと館[編集]
2007年3月18日、地元北栄町の道の駅大栄に隣接して青山剛昌ふるさと館が開館した。原画や作品にちなんだ展示、仕事場の再現、ターボエンジン付きスケボーの体験、プロジェクションマッピングなどがあり、例の卒業文集もここで見られる。営業時間は4〜10月が9時30分〜17時30分、11〜3月が9時30分〜17時。
手狭になった施設は、旧鳥取県運転免許試験場跡地へ移転し、2027年春にリニューアルオープンする計画。2026年9月に公開された新ロゴは青山本人の顔のイラストをあしらったもので、新メインイラストには江戸川コナン、怪盗キッド、鉄刃の3人と青山が集合している。新館の外壁はマンガのコマ割りがモチーフで、入口には英語名称「AOYAMA GOSHO MANGA MUSEUM」のオブジェが置かれる予定。
コナンの町・北栄町[編集]
北栄町は「名探偵コナンに会える町」として町おこしをしており、JR由良駅は愛称「コナン駅」。待合室は名場面のガラス絵やキャラクターのイラストに囲まれた空間になっている。駅からふるさと館までの約1.4kmは「コナン通り」と呼ばれ、キャラクターのブロンズ像やモニュメントが並ぶ。コナン柄のマンホールや、ポアロ風のカフェ、工藤新一の家の門を再現したスポットもあり、聖地巡礼の定番コースになっている。
鳥取砂丘コナン空港[編集]
2014年11月12日、鳥取空港の利用促進懇話会が愛称を「鳥取砂丘コナン空港」とすることを決定し、2015年から使用されている。県の観光名所である鳥取砂丘と、県出身の青山が生んだコナンを組み合わせたネーミングで、漫画のキャラクター名が空港の愛称に入るという珍しい例になった。
評価[編集]
3度の小学館関連の賞に加え、2025年には国の芸術選奨文部科学大臣賞を受賞し、漫画家として国からも評価された。2024年12月31日の第75回NHK紅白歌合戦ではゲスト審査員を務めている。
出版社の垣根を越えた交流も多い。2022年には週刊少年ジャンプの看板作家である尾田栄一郎とのコラボレーション・対談が実現。2026年1月16日には『葬送のフリーレン』第2期の放送開始を祝って、フリーレンのイラスト「第2期おめでとォ♪」を描き下ろし、アニメ公式Xで公開された。『美少女戦士セーラームーン』の作者・武内直子からは「快斗がタキシード仮面のモデルなんですよ」と言われたこともあるという。
劇場版の興行も評価の一端を担っており、2023年の『名探偵コナン 黒鉄の魚影』以降、毎年興収100億円超えが続いている。原作者がクライマックスの原画を描くという関わり方も、ファンが毎年劇場に足を運ぶ理由の一つになっている。
余談[編集]
- 小学生時代の卒業文集の「私立探偵専門の漫画家になりたい」は、本人いわく書いた記憶がまったくないとのこと。
- 『名探偵コナン』は当初3か月で終わると思っていたらしい。30年以上の連載になった現在から見ると最大の推理ミス。
- 江戸川コナンの嫌いな食べ物がレーズンなのは、作者本人がレーズン嫌いだから。
- 休載期間が『艦隊これくしょん』のイベント期間と重なることが多い、というネタがファンの間で語られることがあるが、あくまでファンの冗談であり公式の理由ではない。
- デビュー直後に『風雲!たけし城』に出場して墨を塗られた経験がある。
- ディズニーランドの「カリブの海賊」に自分の描いたレンガがあったが、リニューアルで消えてしまった。
- 学生時代の漫研仲間がそのまま現在までアシスタントを続けている。
