| 地上100階<脱出確率0.0001%> | |
|---|---|
| 作画 | 桃田テツ |
| ジャンル | サスペンス、SF、デスゲーム |
| 出版社 | LINE Digital Frontier |
| 配信 | LINEマンガ → ピッコマ |
| 連載期間 | 2017年8月22日 -(LINE版は事実上未完) |
| 話数 | 単行本全6巻(LINEコミックス) |
| 略称 | 地上100階 |
| 原作 | 黒井嵐輔 |
地上100階<脱出確率0.0001%>(ちじょうひゃっかい だっしゅつかくりつ0.0001パーセント)とは、原作・黒井嵐輔、作画・桃田テツによる日本のデスゲーム漫画で、2017年からLINEマンガで連載された、100階建ての巨大タワー「バベルダンジョン」からの脱出を賭けたサバイバル作品である。
概要[編集]
本作は、財政破綻寸前の近未来日本を舞台に、賞金100億円をめぐって命懸けの脱出ゲームに挑む男女20名を描いたスリラー・SF漫画である。原作を黒井嵐輔、作画を桃田テツが担当し、2017年8月22日からLINEマンガ(LINEコミックス)で配信が始まった。緻密に張り巡らされた罠と、記憶を失った主人公の過去に隠された謎を軸に、心理戦と伏線回収で読者を惹きつけ、web発の話題作として「このマンガがすごい!WEB」で1位を獲得したと紹介されるなど、命がけの脱出ゲームものとして注目を集めた。
一方で本作は、作品そのものの評価とは別に、連載途中でタイトルを変え、配信プラットフォームをLINEマンガからピッコマへ移して仕切り直したという、極めて珍しい経緯をたどった作品としても知られる。この移籍によって、オリジナルの『地上100階<脱出確率0.0001%>』は事実上未完のまま幕を下ろし、ピッコマでは『地上100階 〜奴隷に堕ちた女と絶望ダンジョン〜』と改題したウェブトゥーンとして1話から再スタートを切った。検索で本作を探すと、ウェブトゥーン化された後継版と混同されやすいのはこのためである。
単行本はLINEコミックスから全6巻(第1巻2018年3月15日 - 第6巻2020年2月15日)が刊行され、累計発行部数は50万部を超えたとされる人気作だった。
あらすじ[編集]
物語の舞台は、かつてない財政危機に陥った近未来の日本。国家が主導する巨大な賭博ゲームの装置として、高さ100階建てのタワー「バベルダンジョン」が建設される。各フロアはおよそ東京・千代田区ほどの広大さを持ち、そこに集められた20名の男女は、自らの命そのものを賭けの対象とされた「チャレンジャー」として、最上階のゴールを目指すことになる。
目が覚めると見知らぬワンルームにいた主人公の少年は、自分がバベルダンジョンに閉じ込められていること、そして100階を突破してゴールすれば賞金100億円が手に入ることを、館内放送で知らされる。最初の関門「円筒形の水路の間」を通過できたのはわずか7名。主人公は記憶を失っており、なぜ自分がこのダンジョンに送り込まれたのかも思い出せない。「あること」と「彼女」に絡んだ失われた記憶こそが、すべての謎を解く鍵となっていく——というのが物語の骨子である。
登場人物[編集]
(※以下は連載・単行本で描かれた範囲の設定に基づく。表記ゆれのある人物名も存在する。)
チャレンジャー[編集]
主人公の少年(黒尾達樹) 本作の主人公。記憶を失った状態でバベルダンジョンに「チャレンジャー」として参加する。なぜ自分がここにいるのか分からないまま、館内放送に従い最初の扉を開けて他の参加者と合流する。機転と観察眼で難関を切り抜けていく。
小石きぬよ 主人公を「幼なじみ」だと語る少女のチャレンジャー。父親が事業の失敗で莫大な借金を負い、その返済のために参加したという。記憶を失った主人公の過去を知る数少ない人物とされる。
水島秀則 細身の体型の男性チャレンジャー。バベルダンジョンの罠やシステムそのものに強い興味を示す分析的な人物で、主人公の機知に一目置いている。
海老沼彩香 茶髪でギャル風の女子学生チャレンジャー。バベルダンジョンにいるという恋人を探すために参加したと語る。
戸田まさる 「世界のマサル」を名乗る、眼鏡をかけた小太りの男性チャレンジャー。職場での事情を抱え、賞金100億円を狙って参加した。
管理者とガイド[編集]
アンフィル チャレンジャーの前に現れる案内役(ガイド)。最初のミッションを突破した参加者の前に姿を見せ、次のステージやゲームのルール、参加者の疑問への回答を伝える役割を担う。ステージ間では治療剤を配布するなど、進行を司る存在として描かれる。
バベルダンジョンの設定[編集]
「バベルダンジョン」は、100のフロアが積み重なった塔状の閉鎖空間である。各階が都心の一区画に匹敵する規模を持ち、フロアごとに異なる仕掛けや試練が用意されている。チャレンジャーは指定されたミッションをクリアしなければ上の階へ進めず、失敗はそのまま脱落——すなわち命を落とすことを意味する。タイトルの「脱出確率0.0001%」は、この過酷なゲームを生き延びて最上階へ到達し、賞金を手にできる確率の低さを象徴した数字である。国家ぐるみの賭博という設定は、生死を賭けたゲームを外部の観客が「賭け」の対象として眺めるという、イカゲームなどのデスゲーム系作品に通じる構図を持つ。
連載中断と表現規制をめぐる騒動[編集]
本作は累計50万部を売り上げる人気作でありながら、2020年6月ごろから連載が中断された。中断の背景として広く語られているのが、配信プラットフォームをめぐる表現規制の問題である。
2019年10月、LINEマンガアプリが登録されていたGoogle Playストアにおいて、本作を含む一部作品の暴力表現・性表現が審査の対象となった。これを受けて編集部が該当作家に表現の抑制を求めたことが、作画担当の桃田テツと編集部との不和の発端になったと推測されている。すでに描き上げていた原稿の修正を繰り返し求められる作画側の負担は大きく、両者の関係が悪化したまま連載は停止。連載は70話以上まで進んでいたにもかかわらず、単行本は第6巻(第39 - 45話・外伝を含む収録)以降が刊行されないという状況に陥った。
さらに2021年3月ごろには、日本のAmazonでKindle版が削除され、紙の書籍のみの販売となった。オリジナルの『地上100階<脱出確率0.0001%>』は、こうしてLINEマンガから事実上退場することとなった。
ピッコマでの連載再開とタイトル変更[編集]
中断からおよそ1年後の2021年10月4日、本作はピッコマで連載を再開した。ただし作画家とLINEマンガ編集部との不和は解消されなかったため、連載先はカカオ系のピッコマへと移された。
再開にあたって作品は大きく姿を変えた。韓国式ウェブトゥーンの公開形式に合わせて、従来のページ形式から縦スクロール方式へ、白黒からフルカラーへと刷新され、既存エピソードにも1500コマ以上の加筆・修正が加えられた。タイトルも『地上100階~奴隷に堕ちた女と絶望ダンジョン~』と改題され、第1話から改めて配信が始まった。この結果、オリジナル版『地上100階<脱出確率0.0001%>』そのものは未完のまま終わった扱いとなり、ピッコマ版が実質的な後継作となっている。
もっとも、再開後の連載ペースは安定せず、作画家の体調不良などを理由に休載が繰り返された。2023年9月にいったん本編に追いついた後も更新は不定期で、「月刊」どころか「季節連載」と評されるほど間隔が空く状態が続いている。かつては単行本で見どころを解禁する売り方をしていたが、ピッコマ移籍後は本編とは別に過激なシーンを追加コンテンツとして販売する方式へ変わった点も、従来の読者から賛否を呼んでいる。
書誌情報・作者[編集]
単行本[編集]
LINEマンガ版の単行本は「LINEコミックス」レーベルから刊行された。第1巻は2018年3月に発売され[1]、刊行にあわせて、正解者に賞金が当たる謎解きキャンペーン「脱出謎解き ~君は地上100階から脱出できるか?~」が行われた[2]。第6巻はLINE Digital Frontierから2020年2月15日に発売され、これが最終刊になっている[3]。単行本や公式リリースでは「地上100階〜脱出確率0.0001%〜」と波ダッシュで表記されることが多い。
ピッコミックスのプレスリリースによると、紙と電子を合わせた単行本の累計発行部数は60万部を超え、2018年4月には「LINEマンガ人気ランキング」で1位になった[4]。第73話が配信された2020年6月から連載は中断し、単行本の発売も止まった[4]。電子書店のコミックシーモアでは、第1~6巻が「諸般の事情」を理由に2021年5月31日で販売を終えた[5]。
ピッコマ版とnote版[編集]
2021年10月4日にピッコマで始まった改題版『地上100階 〜奴隷に堕ちた女と絶望ダンジョン〜』では、再開日に第1~40話がまとめて公開され、以降は毎週月曜日に更新された。LINEマンガでは配信されなかった第74話以降も公開する予定とされ、単行本を出すかどうかは公式Twitterで告知するとされた[4][6]。
2022年3月25日には公式noteで、翌26日から別のnoteアカウントでモノクロ版の【通常版】と【特別版】を公開するという告知が出た[7]。完結の発表は確認できない(記事執筆時点)。
作者[編集]
原作は黒井嵐輔、漫画は桃田テツが担当している[6][8]。黒井嵐輔が原作を手がけたほかの作品には、次のものがある。
よくある疑問[編集]
- Q. どこで読める?
- A. 2021年10月からピッコマで改題版『地上100階 〜奴隷に堕ちた女と絶望ダンジョン〜』として配信された[4]。2022年3月以降は、作者側がnoteでモノクロ版を公開している[7]。LINEマンガ版の単行本は電子書店での販売が終わっている[5]。
- Q. タイトルが変わった理由は?
- A. ピッコマへの移籍に伴い、副題が「〜奴隷に堕ちた女と絶望ダンジョン〜」に変わった[6]。改題の理由について、公式の説明は確認できない。
- Q. 単行本は何巻まで?
- A. LINEコミックスから第6巻(2020年2月15日発売)まで出ている[3]。
- Q. 第74話以降の新エピソードはある?
- A. ピッコマ版では、LINEマンガで配信されなかった第74話以降も公開する予定と発表されている[4]。
- Q. アニメ化・実写化は?
- A. 発表されていない(記事執筆時点)。
- Q. 似た作品は?
- A. 同じ黒井嵐輔が原作を手がけた『βl@ck★OUT』もデスゲームを題材にしている[9]。
余談[編集]
- LINEマンガ発の作品が作画家交代ではなくプラットフォーム移籍とタイトル変更という形で仕切り直された事例は珍しく、ウェブトゥーン業界における「連載の継続と権利・体制」の難しさを示すケースとしてしばしば言及される。
- オリジナル版とピッコマ版はタイトルが異なるため、LINEマンガ時代の読者とピッコマから入った読者とで「別作品」と認識されることも多い。検索の際は、旧題『地上100階<脱出確率0.0001%>』と新題『地上100階~奴隷に堕ちた女と絶望ダンジョン~』が同一作品の前後編にあたる点に注意したい。
- 命懸けの脱出ゲームという題材は、イカゲームをはじめとするサバイバル・デスゲーム作品の人気とも重なり、web連載の初期から高い注目を集めた。
関連項目[編集]
- 地上100階 〜奴隷に堕ちた女と絶望ダンジョン〜 - 本作を改題したピッコマ版(後継版)
- ウェブトゥーン
- LINEマンガ
- ピッコマ
- イカゲーム - デスゲーム・サバイバルの代表作
- 華山転生
- 更生島
- 異世界転生
- 闇堕ち吸血鬼と花嫁のソアレ
- 闇落ち聖武士の吸血鬼ライフ
- 桃太郎くんは言うコトをきかない
- 御守リツヒロ
- 鉄槌教師
- ムービング
- ヴィンチェンツォ
- 殺し屋たちの店
- エージェント・キム
脚注[編集]
- ↑ 紀伊國屋書店ウェブストア「LINE COMICS 地上100階〈1〉脱出確率0.0001%」ISBN 9784908588402
- ↑ コミックナタリー「危険すぎる脱出ゲーム描く『地上100階』1巻、1万円もらえる謎解きクイズも開催」2018年3月 https://natalie.mu/comic/news/273969
- ↑ 3.0 3.1 Books(日本出版インフラセンター)「地上100階〜脱出確率0.0001%〜 6」ISBN 9784866970271
- ↑ 4.0 4.1 4.2 4.3 4.4 4.5 4.6 PR TIMES(ピッコミックス)「あの伝説作がピッコマで復活!『地上100階〜奴隷に堕ちた女と絶望ダンジョン〜』をSMARTOONで本日より独占連載スタート」2021年10月4日 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000010.000068372.html
- ↑ 5.0 5.1 5.2 コミックシーモア「地上100階~脱出確率0.0001%~」作品ページ
- ↑ 6.0 6.1 6.2 コミックナタリー「『地上100階』がピッコマで連載再開、フルカラー&縦スクロールに」2021年10月4日 https://natalie.mu/comic/news/447887
- ↑ 7.0 7.1 note(【公式】地上100階)「お知らせです。」2022年3月25日
- ↑ ダ・ヴィンチWeb「伝説的デスゲーム系マンガ『地上100階』が復活!」2021年10月28日
- ↑ 9.0 9.1 ebookjapan「ブラックアウト」作品ページ
- ↑ BOOK☆WALKER「絶望のイヴ」シリーズページ