概要[編集]

御守リツヒロ(みかみ りつひろ)とは、『芭喰禄』『ワールドエンド:デバッガー』『桃太郎くんは言うコトをきかない』『悪役令嬢に転生失敗して勝ちヒロインになってしまいました』などで知られる日本の漫画家である。2026年4月17日死去。

一迅社の月刊コミックZERO-SUM系でデビューし、同誌のほかKADOKAWAの月刊Asuka、LINEマンガ、Webコミック誌FLOS COMICなどで活動した。和風アクション、SFサスペンス、学園コメディ、ラブファンタジー、悪役令嬢転生ものまで幅広いジャンルを手がけた。訃報に際し、編集部は「いつも明るく太陽のようなお人柄」、遺族は「絵を描くことが大好きな人」とその人柄を偲んだ。

詳細[編集]

経歴[編集]

ゼロサム編集部のブログに掲載された短編集『COMPLEX-COMPLEX』のインタビューによると、デビュー作は読切『姫丸』で、コミックZERO-SUM本誌でのデビュー作は現代劇の読切『御魂』である。また読切『シェイプ・シフター』はゼロサムコミック大賞で「編集部賞」を受賞している。のちの連載作『芭喰禄』は、もともと出版社への持ち込み時に最初に描いた作品であり、本人が私生活でも頻繁に描くほど思い入れの深い作品だったと語られている。

2014年に『芭喰禄』の単行本(ZERO-SUMコミックス、全2巻)を刊行し、同年12月からはSFサスペンス『ワールドエンド:デバッガー』(全3巻)を刊行。2015年6月には読切をまとめた短編集『COMPLEX-COMPLEX』を出した。2017年にはKADOKAWAのあすかコミックスDXから『干支ロワイヤル』(全2巻)を刊行している。

2018年1月25日からはLINEマンガで学園コメディ『桃太郎くんは言うコトをきかない』の連載を開始し、LINEコミックスとして全5巻で完結した。2021年9月14日からは、柚原テイル原作のライトノベル系作品のコミカライズ『悪役令嬢に転生失敗して勝ちヒロインになってしまいました』をFLOS COMICで連載し、2024年9月17日発売の第5巻で完結した。

晩年は病気療養を続けながら執筆を続けた。本人は2026年2月10日のXへの投稿で、年明けから病気治療のため緊急入院していたことを報告しつつ、執筆中の原稿の進捗を画像で示し「張り切って描いておりますので」と読者に呼びかけていた。本人のリンクまとめページには「現在療養中のため、新規のご依頼はお受けしておりません」と記されていた。

作風[編集]

一迅社系ではアクションやバトル、ファンタジーを中心に、LINEマンガではテンションの高いギャグ主体の学園コメディ、FLOS COMICでは女性向けのラブファンタジーと、掲載媒体に合わせて作風を切り替えた。

前述のインタビューで本人は、キャラクターを「マイナス要素から考える」作り方を『シェイプ・シフター』で確立したと語っている。同作の主人公・藍は裏表があり守銭奴だが、顔が良く実は優しいという複雑な人物として造形された。また、大人同士のペアキャラクター、とりわけ「普段ははじけている大人が、いざという時に大人であることを思い知らされる」瞬間の描写に強いこだわりがあるとも述べている。

死去[編集]

2026年4月17日早朝に死去した。訃報は同年6月5日、FLOS COMIC編集部とゼロサム編集部の公式Xで公表され、本人の公式Xでも遺族のコメントが公開された[1]。

FLOS COMIC編集部は「ご闘病中でありながらも、いつも明るく太陽のようなお人柄で、最後まで作品作りに情熱を注いでくださいました」と追悼した。あわせて、同媒体で前編を公開中だった「完結1周年記念読み切り」の後編について、御守が「残り数ページというところまで原稿を描き上げて」いたことを明かし、後編の扱いについては決まり次第改めて知らせるとした。ゼロサム編集部も『芭喰禄』『ワールドエンド:デバッガー』の作者として紹介し、「余りにも早い訃報に編集部一同、悲しみの念を禁じ得ません」とコメントした。

遺族は「誰よりも頑張り屋で、絵を描くことが大好きな人でした」とし、「御守が遺した作品たちが皆さまのそばで愛され続けることを願っております」とつづった。訃報はORICON NEWS、スポーツニッポン、日刊スポーツ、ABEMA TIMES、よろず~ニュースなど複数のメディアで報じられた。

主な作品[編集]

芭喰禄[編集]

『芭喰禄』は、コミックZERO-SUMで連載された和風アクション漫画。ZERO-SUMコミックスより全2巻(第1巻は2014年2月刊)。

  • あらすじ:「悪には悪で立ち向かえ」をキャッチコピーとする。都を守るために結成された治安部隊・枢木隊の一番隊隊長である戒谷芭喰が、自らの正義を信じて突き進む。第2巻では、辻斬りの濡れ衣を着せられた狗白を救うため、芭喰が国軍の立花に立ち向かう。やがて枢木隊を狙うより大きな存在が浮かび上がり、枢木隊とは何か、国軍とは何か、正義とは何かが問われていく。
  • 主な登場人物:戒谷芭喰(枢木隊一番隊隊長)、狗白、立花(国軍)

ワールドエンド:デバッガー[編集]

コミックZERO-SUMで連載されたSFサスペンス・アクション。ZERO-SUMコミックスより全3巻(2014年12月〜2016年1月)。

  • あらすじ:何でもこなせる完璧人間のミハルにとって、人生は「イージーモード」だった。ところがある日、「13年後の未来からやってきたミハル自身」を名乗る青年・ロミヲが現れ、ミハルは負ければ命を落とす死のゲーム「Dゲーム」に巻き込まれる。最終第3巻では「ロミヲはミハルのパートナーではない」という事実が明かされ、物語は決着へ向かう。
  • 主な登場人物:ミハル(主人公)、ロミヲ(未来から来たと名乗る青年)、遊馬(Dゲームの参加者)

COMPLEX-COMPLEX[編集]

2015年6月25日発売の短編集(ZERO-SUMコミックス、全1巻)。デビュー作『姫丸』、本誌デビュー作『御魂』、編集部賞受賞作『シェイプ・シフター』、そして連載版の原型となった読切『芭喰禄』の4作に描き下ろし14ページを加えている。

干支ロワイヤル[編集]

KADOKAWAのあすかコミックスDXから刊行された作品。全2巻(第1巻2017年2月25日、第2巻同年9月23日発売)。

  • あらすじ:特撮好きの女子高生・いち花は、道端で行き倒れていた犬を助ける。するとその犬が突然人間の姿に変わり、いち花は千年に一度、新たな干支を決めるために開かれる戦い「干支ロワイヤル」に巻き込まれていく。第2巻では犬の狛丸と猫の野良がいち花をめぐって対立する。
  • 主な登場人物:いち花(主人公)、狛丸(犬)、野良(猫)

桃太郎くんは言うコトをきかない[編集]

LINEマンガで2018年1月25日から隔週木曜に連載された学園コメディ。単行本はLINE Digital FrontierのLINEコミックスより全5巻(第1巻2018年8月、第5巻2020年12月)。

  • あらすじ:ごく普通の私立男子校・乙戯之高校に赴任し、美術部の顧問を任された鬼ヶ島先生。しかし美術部に集まっていたのは、学園一の問題児・桃太郎とその仲間たちだった。名前と見た目にギャップのある鬼ヶ島先生が、言うことを聞かない部員たちに振り回される。巻が進むと部活対抗の勝負や文化祭、女装コンテスト、球技大会などのイベントが描かれ、最終第5巻では3年生の卒業が近づくなか、進路をめぐる家族とのすれ違いが描かれて完結する。
  • 主な登場人物:鬼ヶ島(美術部顧問)、桃太郎(学園一の問題児)

悪役令嬢に転生失敗して勝ちヒロインになってしまいました[編集]

正式名称は『悪役令嬢に転生失敗して勝ちヒロインになってしまいました 〜悪役令嬢の兄との家族エンドを諦めて恋人エンドを目指します〜』。小説家になろう発の柚原テイルの小説を原作とするコミカライズで、KADOKAWAのFLOS COMICで2021年9月14日に連載開始。単行本はFLOS COMICレーベルより全5巻(第5巻は2024年9月17日発売)で完結した[2]。分冊版も配信されている。

  • あらすじ:病に伏せる響子は、ファンタジー乙女ゲームに夢中で、とりわけ悪役令嬢アンナマリーの兄・ヒースクリフを愛していた。悪役令嬢に転生して彼と穏やかに暮らすことを願った響子だったが、目覚めると強力な光魔法と幸運を持つヒロイン・リサになっていた。リサはアンナマリーの破滅を防ぐため奔走し、原作ゲームには存在しなかったヒースクリフとの「恋人エンド」を目指す。最終第5巻では魔族エリオットの封印とヒースクリフへの疑いの解消を経て、ゲームの筋書きに縛られない未来をつかもうとする。
  • 主な登場人物:リサ(主人公、前世は響子)、ヒースクリフ(悪役令嬢の兄)、アンナマリー(悪役令嬢)、エリオット

アンソロジー参加[編集]

  • 『最遊記外伝アンソロジー』(峰倉かずや原作、ZERO-SUMコミックス、2017年7月)
  • 『オネエと私』アンソロジー(2016年7月)

作品年表[編集]

年 作品 掲載・レーベル 巻数
2014年 芭喰禄 コミックZERO-SUM/ZERO-SUMコミックス(一迅社) 全2巻
2014年〜2016年 ワールドエンド:デバッガー コミックZERO-SUM/ZERO-SUMコミックス(一迅社) 全3巻
2015年 COMPLEX-COMPLEX(短編集) ZERO-SUMコミックス(一迅社) 全1巻
2017年 干支ロワイヤル あすかコミックスDX(KADOKAWA) 全2巻
2018年〜2020年 桃太郎くんは言うコトをきかない LINEマンガ/LINEコミックス(LINE Digital Frontier) 全5巻
2021年〜2024年 悪役令嬢に転生失敗して勝ちヒロインになってしまいました(原作:柚原テイル) FLOS COMIC(KADOKAWA) 全5巻

※年は単行本の刊行時期または連載開始時期を基準とする。

プロフィール・よくある疑問[編集]

御守リツヒロは何者?[編集]

一迅社のコミックZERO-SUMでデビューした漫画家で、『芭喰禄』『ワールドエンド:デバッガー』、LINEマンガの『桃太郎くんは言うコトをきかない』、FLOS COMICの『悪役令嬢に転生失敗して勝ちヒロインになってしまいました』などを描いた。2026年4月17日に死去した。

名前の読み方は?[編集]

「みかみ りつひろ」と読む。漫画情報サイトのマンバや海外の漫画データベース(MangaUpdatesでの表記は「MIKAMI Ritsuhiro」、韓国語表記は「미카미 리츠히로」)がこの読みを採用しており、本人のInstagramのアカウント名にも「mkm」が含まれる。ただし、2026年時点で出版社の公式プロフィールなどで読みを明示したものは確認できない。

生年や本名は?[編集]

生年・本名・出身地は公表されていない。訃報でも年齢は明らかにされていない。

死因は?[編集]

病名は公表されていない。2026年の年明けから病気治療のため緊急入院し、その後も闘病しながら執筆を続けていたことが、本人のX投稿と各編集部の発表から分かっている。

遺作は何?[編集]

FLOS COMICで前編が公開されていた「完結1周年記念読み切り」の後編が、残り数ページまで描かれた状態で残された。同編集部は、後編の扱いについて決まり次第知らせるとしている。

代表作は?[編集]

訃報ではFLOS COMIC編集部が『悪役令嬢に転生失敗して勝ちヒロインになってしまいました』を、ゼロサム編集部が『芭喰禄』『ワールドエンド:デバッガー』を、それぞれ御守の作品として紹介した。報道では『桃太郎くんは言うコトをきかない』もあわせて取り上げられている。

SNSはある?[編集]

X(@mkm_r)やInstagram、pixivのアカウントがあり、Xでは作品の告知や原稿の進捗を投稿していた。訃報の際には遺族のコメントも本人のXで公開された。

余談[編集]

  • 本人は『芭喰禄』について、持ち込み時代の最初の作品であり、私生活でも頻繁に描くほど思い入れがあると語っていた。読切版は短編集『COMPLEX-COMPLEX』で読むことができる。
  • 『COMPLEX-COMPLEX』のインタビューでは、デビュー作『姫丸』のキャラクターの髪型について「描き直したい」と振り返っている。
  • 一迅社・KADOKAWA・LINEマンガと複数の出版社・媒体をまたぎ、アクション、SF、ギャグ、ラブファンタジーを描き分けた器用さで知られる。
  • 生年・本名は公表されていない。名前の読みも公式には明示されておらず、データベースでは「みかみ」とされるのが一般的である。
  • 療養中だった晩年も、リンクまとめページで新規依頼を休止する旨を告知しながら、連載作の周年記念読切の執筆を続けていた。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

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