スタジオドラゴン株式会社
Studio Dragon Corporation(스튜디오드래곤)
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スタジオドラゴンのロゴ(2022年/Wikimedia Commons・CC BY-SA 4.0)
国家 大韓民国
種類 株式会社
市場情報 KOSDAQ 253450
業種 ドラマの企画・制作・配給
本社所在地 ソウル特別市麻浦区上岩洞 DDMC(デジタルメディアシティ)17階
設立日 2016年5月3日
年齢 10周年
設立者 CJ ENM
代表者 チャン・ギョンイク(2024年7月 - )
上場 2017年11月24日
年間売上 5,307億ウォン(2025年)
従業員数 166人(2022年6月時点)
主要株主 CJ ENM(54.46%)、NAVER(6.25%)、Netflix(4.68%)
主要子会社 Culture Depot、Hwa&Dam Pictures、KPJ、GTist、Gill Pictures、メリーカウ ほか
代表作品 『トッケビ』『ミスター・サンシャイン』『愛の不時着』『涙の女王』
リンク https://www.studiodragon.net/


概要[編集]

スタジオドラゴン(Studio Dragon)とは、韓国のテレビドラマ制作会社である。CJ ENMのドラマ事業部門が2016年5月に分社して設立され、TvNを中心に多数のヒット作を送り出してきた、韓国最大級のドラマ制作スタジオとして知られる。『愛の不時着』『涙の女王』などを手がけ、2017年からはKOSDAQに上場している。

詳細[編集]

スタジオドラゴンの重要性は、作品の数よりも「制作会社を放送局から切り離した」という構造にある。従来、韓国でも日本でも、ドラマは放送局が自局の枠のために作るものだった。制作を独立した法人にすると、放送枠の都合から自由になり、外部から資金を集め、作品を他社にも売れるようになる。

2017年11月には韓国のKOSDAQ市場に上場し、制作会社が単独で株式市場から資金を調達するモデルが成立した。制作費を自社で積める体制ができたことで、一作あたりの予算規模を大きく引き上げることが可能になっている。

傘下には複数の制作プロダクションを抱え、著名な脚本家・演出家を組織として確保している点も特徴である。属人的だったヒットの再現性を、会社の体制として持とうとする設計になっている。キャッチフレーズは「Universal Emotions, Original Stories(普遍的な感情、オリジナルの物語)」。

沿革[編集]

  • 2016年5月3日:CJ E&M(現・CJ ENM)のドラマ事業本部が分社し、スタジオドラゴンとして設立。
  • 2016年9月:制作会社KPJを買収。以後、Culture Depot、Hwa&Dam Pictures、GTistなどを順次傘下に収める。
  • 2017年11月24日:KOSDAQ市場に上場(銘柄コード253450)。
  • 2019年11月:Netflixと複数年の長期提携を締結。Netflix側が株式を取得。
  • 2020年10月:NAVERが資本参加(CJグループとNAVERの株式交換の一環)。
  • 2024年7月:チャン・ギョンイクが代表取締役に就任。
  • 2025年:年間売上5,307億ウォン、制作話数230話。

本社[編集]

本社はソウル特別市麻浦区上岩洞のデジタルメディアシティ(DMC)にあるDDMCビルの17階。上岩洞のDMC地区にはMBC・SBS・JTBCなどの放送局や、親会社CJ ENMの拠点も集まっており、韓国の放送・映像産業の集積地になっている。

傘下の制作会社[編集]

スタジオドラゴンは、作家や監督を抱えた複数の制作会社(レーベル)を子会社として持つ「マルチレーベル」体制をとる。主な傘下会社は次のとおり。

会社名 特徴
Culture Depot 『愛の不時着』『涙の女王』などを共同制作
Hwa&Dam Pictures 『ミスター・サンシャイン』『二十五、二十一』などを共同制作
KPJ 2016年9月に買収した最初期の傘下会社
GTist 『ホテルデルーナ』などを共同制作
Gill Pictures ドラマ制作会社
メリーカウ(Merrycow) 『ユミの細胞たち』などを共同制作
Studio Dragon Japan 日本向けの企画・制作を担う拠点

このほかにもMovierock、Next Scene、AStory、JS Picturesなどの制作会社と関係を持つ。脚本家ごと・監督ごとにレーベルを分けておくことで、作り手の個性を残したまま資金と配給だけを親会社でまとめる仕組みになっている。

株主構成[編集]

筆頭株主は親会社のCJ ENMで、約54%を保有する。次いでNAVERが約6%、Netflixの制作子会社が約5%を持つ。残りの約3割は市場で取引される浮動株である。ドラマ制作会社の株主名簿に、ポータルサイトと世界最大級の動画配信会社が並んでいること自体が、韓国ドラマが「放送局の番組」から「国際的な配信コンテンツ」へ変わった流れを示している。

主な作品[編集]

TvNの看板作品の多くを手がけており、代表例として次のような作品が挙げられる。

いずれも国外配信を通じて日本を含む各国で視聴され、韓流の第4次の波を支える供給源になった。tvNのほか、KBS・MBC・SBSといった地上波、TVING・Netflix・Disney+などの配信サービス向けにも作品を供給している。

2025年以降の動き[編集]

2025年は上半期にドラマ市場全体の停滞があり、話題作の公開がずれ込んだ影響で、年間売上は前年比3.5%減の5,307億ウォン、営業利益は16.6%減の304億ウォンだった。内訳では国内売上が1,952億ウォン(13.4%減)に落ちた一方、海外売上は3,355億ウォン(3.3%増)と伸びており、売上の6割以上を海外が占める構造になっている。第4四半期だけを見ると売上は前年同期比11.7%増、営業利益は約3.5倍と回復している。

2026年のラインナップとしては、TVINGの『ユミの細胞たち』シーズン3、Disney+の『ゴールドランド』、ソン・ヘギョとコン・ユが共演するNetflix作品、キム・ユジョン主演の地上波作品などが発表されている。

Netflixとの関係[編集]

2019年、CJ ENMおよびスタジオドラゴンはNetflixとの長期提携を発表した。複数年にわたって作品を供給する契約で、Netflix側がスタジオドラゴンの株式を一定割合取得することも含まれていた。

この提携の意味は、単に販売先が増えたということではない。企画の段階から国外での視聴を前提に予算と尺を組めるようになり、国内の放送枠に収める必要のない作品が作れるようになった。イカゲームをはじめとする配信オリジナル作品の成功と、この体制の整備は同じ時期に重なっている。

一方で、配信事業者への依存度が高まることへの懸念も韓国国内では指摘されてきた。作品の権利が配信側に渡る条件で契約した場合、ヒットしても追加の収益が制作側に戻らないという構造上の問題である。制作費の回収は保証されるが、当たったときの上振れは取れない。この論点は決着しておらず、契約条件の見直しをめぐる議論が続いている。

親会社のCJ ENMが自社の配信サービスTVINGに力を入れるようになってからは、Netflix向けと自社配信向けの作品をどう振り分けるかも、同社の経営課題として語られるようになっている。

日本との関係[編集]

日本では『愛の不時着』がNetflixで配信されて社会現象的なヒットとなり、スタジオドラゴンの名前が制作会社として知られるきっかけになった。同社は日本向けの拠点としてStudio Dragon Japanを置き、日本市場向けの企画にも取り組んでいる。韓国の制作会社が自国の作品を輸出するだけでなく、日本の配信事業者や放送局と組んで作品を作る流れは、2020年代に入って業界全体で増えている。

余談[編集]

  • 社名の「ドラゴン」は、CJ ENMがドラマ事業を象徴するブランドとして選んだもので、特定の作品に由来するものではない。
  • 制作会社が上場するという形は、日本のテレビドラマ業界では一般的ではない。制作と放送が同じ組織の中に留まっているかどうかという違いが、両国の産業構造の差として語られることが多い。
  • 年間の制作話数は200話を超え、2025年は230話。1作16話で換算すると十数作を毎年送り出している計算になる。
  • 株主名簿にはドラマの「売り先」であるNetflixと、ウェブトゥーン原作の「仕入れ先」にもなるNAVERの両方が並んでいる。

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