エスワン
S1 NO.1 STYLE
略称 S1
国家 日本
種類 株式会社
業種 映像制作・映像ソフト販売
本社所在地 東京都目黒区
設立日 2004年11月
主要株主 北都グループ
別名 S1 No.1 STYLE


概要[編集]

エスワン(えすわん)とは、2004年11月に設立された日本のアダルトビデオメーカーである。正式なブランド表記はS1 NO.1 STYLE(エスワン ナンバーワンスタイル)で、略称は「S1」。北都グループに属し、単体女優路線の最大手のひとつとして知られる。

「超一流の女優を超一流の監督で」をコンセプトに掲げ、専属女優の出演作のみをリリースする方針を設立以来続けている。蒼井そら、吉沢明歩、麻美ゆま、明日花キララ、三上悠亜、河北彩花など、各時代を代表するAV女優を専属として抱えてきた。公式サイトは「s1s1s1.com」で、2004年6月から運用されている。

詳細[編集]

設立と初期[編集]

設立は2004年11月。同じグループに属するMOODYZが企画作品を含む幅広い路線を持つのに対し、エスワンは単体(専属)女優を中心に据えた構成で立ち上がり、設立から1年ほどでグループの主力ブランドの一角に数えられるようになった。本社は東京都目黒区に置かれている。

2004年10月に専門誌へ広告を出して発足を告知し、MOODYZに続く北都の社内レーベルとして始動した。同年11月11日に第1弾作品(品番ONED-001)を発売し、人気女優の蒼井そら、小川流果、小倉ありすの3名に新人8名を加えた計11名でスタートした。翌2005年3月・4月にはセル初出演の女優7名と新人10名が相次いでデビューし、以降はほぼ毎月新人を投入する体制が定着した。2005年から2006年にかけて小森美樹、あいだゆあ、北島優、麻美ゆま、青木りんなどが加わり、初期の看板陣が固まった。

設立当初は、従来より薄いデジタルモザイクを「ギリギリモザイク」と称して売りにした。蒼井そらのデビュー作『セル初 蒼井そら ギリギリモザイク』は累計10万本のヒットとされ、このシリーズはブランドの初期を象徴する存在となった。企画物やハメ撮り的な作品は控え、男優を極力映さない構成で「高級感」を打ち出したことも特徴である。

ブランドの作り方[編集]

ブランドの作り方は徹底して「看板女優主義」である。トップクラスの専属女優を集め、その名前で売る。作品のパッケージや配信ページでも女優名が最大の要素になり、シリーズよりも人単位で購買が動く。アダルトビデオ全体が配信化によって「作品単位から出演者単位へ」移行したことを、早い段階から前提にしていたメーカーだといえる。

起用の中心はモデル系・ギャル系・スレンダー系などの美形単体女優で、のちにドラマ作品も手がけるなど作風は変化しているが、専属女優の出演作のみを出すという方針は維持されている。2020年時点で、系列内で専属女優の作品のみをリリースしているのはエスワンだけとされていた。DVDの新作発売日は毎月7日と19日、Blu-rayは毎月1日が基本である。

技術面の取り組みとレーベル展開[編集]

2009年9月からBlu-ray作品の制作を始め、2011年末時点でBlu-rayタイトルは53本に達した。2010年6月には日本のAVメーカーとして初めて3D作品を制作したとされる。

品番は、第1シリーズの「ONED-」が2008年6月19日のONED-999で終了し、同月から「SOE-」へ移行した。このほか総集編の「ONSD-」、レンタル専用の「5ONE-」「5SOE-」などがある。制作本数は5,100本を超える。

サブレーベルとしては、2010年6月に妹系女優向けの「トゥルリラ」(TRUE REAL LOVEに由来)を立ち上げたが、2013年4月に休止した。2012年6月にはデジタル配信専門レーベル「S1 DASH」を開始し、DMM系の配信サイトで先行配信したうえで後日完全版を出す形をとった。

北都グループ内での位置づけ[編集]

エスワンは、FANZAを運営するDMM系と関係の深い北都グループ(WILL系列とも呼ばれる)のメーカーのひとつである。同グループにはMOODYZ、アイデアポケット、アタッカーズ、E-BODY、マドンナ (アダルトビデオ)などが属しており、そのなかでエスワンは「単体女優の旗艦ブランド」という役割を担う。作品は主にFANZAで販売・配信されている。2022年10月には、北都が運営していた海外向けサイト「R18.com」を2023年1月1日付で閉鎖すると発表した。

専属女優制度[編集]

エスワンの専属になることは、業界内で一種の到達点として語られてきた。デビュー直後から専属を取る例、他メーカーで実績を積んでから移籍する例の両方があり、三上悠亜のようにアイドルグループからの転身で大きく報じられた例もある。三上はSKE48の元メンバーで、2015年6月にAVデビューし、2023年3月にYouTubeで引退を発表、同年8月の作品をもって引退した。その三上に憧れてエスワン入りを志望し、芸名にも「上」の字を入れた白上咲花(2024年デビュー)のような後輩も登場している。近年は週刊誌のグラビアで話題になった新人を短期間でAVデビューさせる例も目立ち、2025年1月デビューの瀬戸環奈と、2026年10月デビュー予定の蒼井すずは、いずれもグラビアデビューから数か月でエスワン専属となった。

専属制度はメーカーと出演者の双方に利がある。メーカーは毎月の新作に確実な集客力を持たせられ、出演者は出演本数・条件・宣伝の三点を安定させられる。一方で、専属期間中は他社の作品に出られないため、契約満了のタイミングで移籍が集中するという業界特有のサイクルも生む。AV女優の経歴が契約と移籍の履歴として語られるのは、この構造の帰結である。

逆に、一度も移籍せずに専属を続ける例もある。2013年5月にデビューした夢乃あいかはデビュー以来エスワン専属を続けており、同年8月に移籍してきた奥田咲とともに「専属10年」を超えた長期専属女優として知られる。

歴代の主な専属女優[編集]

エスワンでのデビュー(専属開始)時期順。他社からの移籍組も含む。

主な受賞歴・評価[編集]

  • 2006年・2007年「AVオープン」- 売上を基準とする部門で2年連続1位。
  • 2007年 - 業界イベントで『超ギリギリモザイク』シリーズのみひろ主演作がベストタイトルを受賞。最優秀女優部門の上位4名をエスワン専属が占め、1位は吉沢明歩だった。
  • 2008年「AVグランプリ」- エントリー作品が最高賞のほか、ベストパッケージ賞、プレス賞、販売店賞を受賞。
  • 2009年「AVグランプリ」- グランプリ、DVDセールス賞、販売店賞、ベストパッケージデザイン賞などを受賞。
  • 2019年「FANZAアダルトアワード」- 河北彩花のデビュー作が作品賞を受賞。
  • 2020年 -「週刊プレイボーイ」のAV流行語大賞で、同社の人気シリーズに由来する「ド田舎」が第9位に選ばれた。
  • 2021年 - 復帰した河北彩花が「週プレアダルトアワード2021」最優秀女優賞を受賞し、『FLASH』のセクシー女優ランキングでも1位となった。

一方で、出演回数の多いベテラン男優の固定化によるマンネリ化や、作品の画一化を指摘する声もある。

配信時代の位置[編集]

セルDVDが主流だった時期、エスワンは新作の話題性と店頭展開で存在感を保っていた。配信中心になってからは、FANZAのランキングと出演者のX (SNS)発信が主要な導線になり、レーベルの認知度は「誰が専属か」でほぼ決まるようになった。看板女優主義は、この環境ではそのまま強みとして働いている。河北彩花の作品が2018年のFANZA年間作品ランキングで1位を獲得したように、専属女優の新作がFANZAの年間上位を占めることも珍しくない。

2020年代に入っても新人の投入は続き、2021年には安位薫が同社の専属女優となり、2023年には明日葉みつはが同社専属女優としてデビューした。2023年は1年間で20名近い新人が専属デビューしており、毎月複数の新人を送り出す体制が続いている。

2024年以降の動向[編集]

2024年に設立20周年を迎えた。この時期の特徴は、グラビアアイドルとしての話題性を背景にした大型新人のデビューである。2025年1月にデビューした瀬戸環奈は、2024年のグラビアデビューから短期間でエスワン専属となり、作品は高い売上を記録したと報じられた。2026年10月には、同じくグラビア出身の蒼井すずのエスワンデビューが予定されている。

余談[編集]

  • ブランド名の「NO.1 STYLE」は、業界内での順位を掲げるというかなり直球な自己申告で、設立から20年以上その看板を下ろしていない。強気の命名が結果的にブランドの識別子として機能した例である。
  • 専属女優のデビュー発表が写真週刊誌や一般紙のネットニュースで扱われることがあり、アダルトビデオ業界の中では珍しく一般報道の側にニュースが漏れ出しやすいメーカーでもある。
  • 設立5周年の記念として、2010年1月22日に後楽園ホールで全日本プロレスとの合同イベントを開催したことがある。
  • 2022年8月と2023年6月には、「週刊プレイボーイ」で同社の人気シリーズが「テッパンシリーズ」として特集された。

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