概要[編集]
CAPCOM CUP(カプコンカップ)とは、カプコンが主催する『ストリートファイター』シリーズの公式世界大会である。年間ツアー「Capcom Pro Tour(CPT)」の最終決戦にあたり、その年の世界王者を決める場として2014年から開催されている。ストリートファイター6の時代に入ってからは優勝賞金100万ドル(約1億5,000万円)という格闘ゲーム史上最大級の賞金で知られる。
詳細[編集]
CAPCOM CUPは、世界各地で行われるCPTの予選大会(プレミア大会、地域オープン大会など)を勝ち抜いた選手だけが出場できる招待制の頂上決戦であり、格闘ゲームのEスポーツシーンで最も権威ある大会の一つに数えられる。一般参加者が数千人規模で押し寄せる「EVO」などのオープン大会とは異なり、年間を通じて結果を残したトッププレイヤーだけが集まるのが最大の特徴だ。
2013年にも同名のイベントが開かれているが、CPTの年間王者決定戦として定着したのは2014年大会からである。以後、アメリカ西海岸やラスベガスで毎年12月に開催されていたが、新型コロナウイルスの流行で2020年・2021年大会は中止となった。2023年2月の「CAPCOM CUP IX」で再開し、以降は「X」「11」「12」とナンバリングで呼ばれる。
2025年の「CAPCOM CUP 11」からは東京・両国国技館が会場となり、日本開催が続いている。同じ会場では、カプコン公式のチームリーグ「ストリートファイターリーグ(SFL)」の世界大会も併催されるのが恒例となった。
歴代優勝者[編集]
年表記は大会の開催年。CAPCOM CUP IX以降は前年シーズンのCPTの決勝大会にあたる。
| 大会 | 年 | 開催地 | 優勝者 | タイトル |
|---|---|---|---|---|
| CAPCOM CUP 2014 | 2014年 | アメリカ・サンフランシスコ(The Warfield) | ももち(日本) | ウルトラストリートファイターIV |
| CAPCOM CUP 2015 | 2015年 | アメリカ・サンフランシスコ(モスコーン・センター) | かずのこ(日本) | ウルトラストリートファイターIV |
| CAPCOM CUP 2016 | 2016年 | アメリカ・アナハイム ほか | NuckleDu(アメリカ) | ストリートファイターV |
| CAPCOM CUP 2017 | 2017年 | アメリカ・アナハイム | MenaRD(ドミニカ共和国) | ストリートファイターV |
| CAPCOM CUP 2018 | 2018年 | アメリカ・ラスベガス(ルクソール内Esports Arena) | ガチくん(日本) | ストリートファイターV アーケードエディション |
| CAPCOM CUP 2019 | 2019年 | アメリカ・ロサンゼルス | iDom(アメリカ) | ストリートファイターV アーケードエディション |
| (中止) | 2020年・2021年 | — | — | 新型コロナウイルスの影響で中止 |
| CAPCOM CUP IX | 2023年 | アメリカ・ロサンゼルス(ハリウッド) | MenaRD(ドミニカ共和国) | ストリートファイターV |
| CAPCOM CUP X | 2024年 | アメリカ・ロサンゼルス(ハリウッド) | UMA(台湾) | ストリートファイター6 |
| CAPCOM CUP 11 | 2025年 | 日本・東京(両国国技館) | 翔(日本) | ストリートファイター6 |
| CAPCOM CUP 12 | 2026年 | 日本・東京(両国国技館) | さはら(日本) | ストリートファイター6 |
ストリートファイターIV時代(2014〜2015)[編集]
2014年の第1回はケンを使うももちが制し、決勝でシンガポールのXianを破った。優勝賞金は3万ドルと、今の水準からするとささやかな額だった。2015年はユンを使うかずのこが優勝。グランドファイナルの相手は梅原大吾で、日本人同士の決勝をフルセット3-2で制している。
ストリートファイターV時代(2016〜2023)[編集]
2016年はレインボー・ミカを使うNuckleDuが優勝し、CAPCOM CUP初のアメリカ人王者となった。2017年はバーディーを操るMenaRDがときどを破って初優勝。2018年はラシード使いのガチくんが、アビゲイルを使う板橋ザンギエフとの日本人対決を制した。2019年は下馬評を覆したiDomがPunkを下している。
コロナ禍による2年の空白を経た2023年の「CAPCOM CUP IX」では、MenaRDが無敗のまま勝ち上がり、中国のZhenを決勝で破ってCAPCOM CUP史上初の2度目の優勝を果たした。これが『ストリートファイターV』最後のCAPCOM CUPとなった。
ストリートファイター6時代と賞金100万ドル[編集]
CAPCOM CUP X(2024年)[編集]
『ストリートファイター6』初のCAPCOM CUPで、優勝賞金は一気に100万ドルへ跳ね上がった。2024年2月にアメリカ・ハリウッドで行われ、ジュリを使う台湾のUMAが、ルークを使う香港のChris Wongを決勝で破って初代スト6世界王者となった。プロチームに所属しないプレイヤーの優勝ということもあって大きな話題となり、「100万ドルジュリちゃん」という言葉まで生まれた。日本勢の最高位はガチくんの3位で、カワノが7位に入った。
CAPCOM CUP 11(2025年)[編集]
2025年3月5日〜8日、初の日本開催として東京・両国国技館で行われた。48名が出場し、グループステージを経て最終日に16名の決勝トーナメントを実施する方式だった。優勝はIBUSHIGIN所属の翔(使用キャラクター:JP)で、決勝ではリュウを使うチリの15歳の選手を3-1で下した。日本人として初めてスト6のCAPCOM CUPを制し、100万ドルを獲得している。
CAPCOM CUP 12(2026年)[編集]
2026年3月11日〜14日、2年連続で両国国技館にて開催。優勝はGood 8 Squad所属のさはら(使用キャラクター:エド)で、決勝でフランスのKilzyouを破った。当時21歳で、CAPCOM CUP初出場での初優勝だった。日本人選手の優勝は翔に続いて2年連続。ZETA DIVISIONのひぐちも4位に入っている。
CAPCOM CUP 13(2027年予定)[編集]
次回の「CAPCOM CUP 13」は、2027年3月10日〜14日に両国国技館で開催されることが発表されている。優勝賞金100万ドルも継続。同じ期間に「ストリートファイターリーグ: ワールドチャンピオンシップ 2026」も行われる予定で、2026年9月にはキービジュアルが公開された。
日本人の成績[編集]
日本はCAPCOM CUPの最多優勝国であり、2014年以降に行われた10大会のうち5大会で日本人が優勝している(アメリカとドミニカ共和国がそれぞれ2回)。
- 優勝:ももち(2014)、かずのこ(2015)、ガチくん(2018)、翔(2025)、さはら(2026)
- 準優勝:梅原大吾(2015)、ときど(2017)、板橋ザンギエフ(2018)
- その他の主な上位:ガチくん(2024年・3位)、ひぐち(2026年・4位)
2018年大会はガチくんと板橋ザンギエフの日本人決勝となった。スト6時代に入ってからも、2025年・2026年と日本勢が連覇しており、日本のプロゲーマーシーンの層の厚さを示す結果になっている。
出場方法[編集]
CAPCOM CUPは誰でもエントリーできる大会ではなく、CPTを通じて出場権を獲得する必要がある。CPT 2026(CAPCOM CUP 13の予選シーズン)の主なルートは次のとおり。
- Premier大会:世界各地の大型大会(最大8大会)の優勝者
- Premierポイント:Premier大会の獲得ポイント上位8名
- World Warrior:地域別オープン大会のポイント上位者(日本大会の1位も出場権を獲得)
- 前回大会優勝者:CAPCOM CUP 12王者
- ストリートファイターリーグ:各地域リーグの優勝チームの4選手
- Esports World Cup:Esports World Cup 2026の優勝者
出場枠は合計48名。SFLは日本・アメリカ・ヨーロッパなど地域ごとにチームリーグを行い、各地域の優勝チームが世界大会に進む仕組みである。2026年3月の「ストリートファイターリーグ: ワールドチャンピオンシップ 2025」ではREJECTがアメリカのBandits相手に70対20の大差で優勝し、ときど、LeShar、ふ〜ど、梅原大吾の4人がCAPCOM CUP 13への出場を決めたと報じられている。
炎上とバズ[編集]
2025年9月、東京ゲームショウの場でCAPCOM CUP 12とSFLワールドチャンピオンシップ 2025の決勝ライブ視聴の有料化が発表された。2日間で6,000円という当初の価格にはファンから多くの反発が寄せられた。カプコンは2026年2月に価格を改定し、1DAYチケット900円、2DAYSセット1,500円(いずれも手数料別)に引き下げた。あわせてグループステージのミラー配信解禁と、ゲーム内バトルハブでの無料観戦も発表している。海外でも有料化への不満は強かったと報じられ、CAPCOM CUP 13で同じ方式が採られるのか注目されている。
CAPCOM CUP XでUMAが100万ドルを獲得した際は、使用キャラクターのジュリにちなんだ「100万ドルジュリちゃん」がネット上で広まった。優勝時にホロライブの大神ミオのパーカーを着ていたことでも話題になった。
余談[編集]
- 2015年の決勝、かずのこ対梅原大吾は日本人同士のグランドファイナルで、フルセットの末にかずのこが勝利した。
- MenaRDは2017年とCAPCOM CUP IX(2023年)で優勝しており、CAPCOM CUPを2度制した初めての選手である。
- 両国国技館は、かつて『ストリートファイターII』の全国大会が開かれた場所でもあり、開催発表時には「スト2全国大会から30年」とうたわれた。
- CAPCOM CUP 12の優勝者には、CAPCOM CUP 13の出場権に加え、サウジアラビアで開かれるEsports World Cup 2026の出場権も与えられた。