福田雄一
Yuichi Fukuda
JRE_Oyama-STA_West.jpg
福田の出身地・栃木県小山市の玄関口、JR小山駅西口(出典:Wikimedia Commons「JRE Oyama-STA West.jpg」・MaedaAkihiko撮影・CC0)
誕生日 1968年7月12日
年齢 58歳
出身地 栃木県小山市
国籍 日本
血液型 A型
学歴 栃木県立栃木高等学校、成城大学
職業 映画監督、脚本家、演出家、放送作家
肩書 劇団「ブラボーカンパニー」座長
活動期間 1990年 -
代表的な実績 『勇者ヨシヒコ』シリーズ、実写映画『銀魂』、『今日から俺は!!』、『新解釈・三國志』、実写映画『SAKAMOTO DAYS』
関連活動 ミュージカル演出(『プロデューサーズ』『ヤングフランケンシュタイン』ほか)
その他 2004年「小山評定ふるさと大使」


概要[編集]

福田雄一(ふくだ ゆういち)とは、日本の映画監督・脚本家・演出家・放送作家である。『勇者ヨシヒコ』シリーズや実写版『銀魂』、『今日から俺は!!』など「笑える実写化」の第一人者で、2026年には目黒蓮主演の実写映画『SAKAMOTO DAYS』の監督・脚本を務めた。

詳細[編集]

「福田組」というブランド[編集]

福田雄一の名前を聞いて多くの人が思い浮かべるのは、ムロツヨシ、佐藤二朗、山田孝之、小栗旬、橋本環奈といった常連キャストが入れ替わり立ち替わり登場する「福田組」の作品群だろう。とくにムロツヨシと佐藤二朗は、福田の劇場映画20本のうち19本に出演しているとされ、もはや「福田作品の標準装備」と言っていい存在。ほぼアドリブに見える長回しのボケ、変顔、メタ発言、他作品のパロディ……と、どの作品を観ても一発で「あ、福田だ」とわかる強烈な作家性を持っている。

放送作家から監督へ[編集]

もともとは劇団の座長であり、テレビのバラエティ番組の構成作家だった。『笑っていいとも!』『SMAP×SMAP』『いきなり!黄金伝説』などの構成を手がけたのち、2000年代からドラマの脚本・演出、そして映画監督へと活動の場を広げた。お笑いの「台本」を書いてきた人が映画を撮っている、という出自は今も作風にくっきり残っており、ストーリーよりも「目の前のシーンが面白いかどうか」を最優先する作りは賛否の両方を生み続けている。

ヒットメーカーとしての顔[編集]

評論家やシネフィル層からの評価は決して高くない一方、興行面ではとにかく強い。2017年の実写『銀魂』は興行収入38.4億円、2020年の『今日から俺は!!劇場版』は50億円超、同年の『新解釈・三國志』は40.3億円を記録した。報道によれば、過去10年で福田の実写映画が興収10億円に届かなかったのは2024年の『聖☆おにいさん THE MOVIE』(7.8億円)だけだという。「出資者にとって安心感がある監督」と業界関係者に評されるのも、この数字があるからこそである。

2026年の福田雄一[編集]

2026年は福田にとって「最大のヒット」と「最大の炎上」が同じ年にやってきた一年になった。4月公開の実写映画『SAKAMOTO DAYS』は動員203万人・興行収入28.1億円のヒットとなり、10月30日からAmazonプライム・ビデオで世界独占配信が始まる。一方、6月に脚本・総監督を務めたアニメ映画『新劇場版☆ケロロ軍曹』は、福田作品のキャラクターが大量に登場する内容が原作ファンの猛反発を浴び、公開記念イベントが中止になるほどの騒ぎになった。

経歴[編集]

生い立ち:お楽しみ会の台本係[編集]

1968年7月12日、栃木県小山市に生まれる。小山市立小山第一小学校時代には、クラスの「お楽しみ会」のたびに自分で台本を書き、コントを披露していたという筋金入りの「笑いの子」だった。ところが中学・高校時代に夢中になったのはなぜかゴルフで、一時はプロゴルファーを目指していたとされる。栃木県立栃木高等学校を卒業後、成城大学に進学し、当初はゴルフ部に入部した。

第三舞台との出会いと劇団旗揚げ[編集]

人生を変えたのは大学時代に観た劇団・第三舞台の舞台だった。「こんなに笑える芝居をする劇団があるのか」と衝撃を受け、ゴルフ部から演劇部へ転部。1990年には成城大学の学生劇団を母体に劇団「ブラボーカンパニー」を旗揚げし、座長として脚本・演出を担った。この劇団は現在も福田のホームグラウンドであり、のちの「福田組」的な座組みのルーツともいえる。

放送作家時代[編集]

大学卒業後は番組制作会社の日本テレワークに入社し、のちにフリーの放送作家へ転身。『笑っていいとも!』『SMAP×SMAP』『いきなり!黄金伝説』といった人気バラエティの構成を担当した。福田は「笑いのルーツはアメリカにある」と考えており、海外のギャグやコメディを日本語の笑いに置き換えるセンスに定評がある。これがのちのブロードウェイ・ミュージカルの翻訳・演出の仕事につながっていく。

ドラマ演出家として[編集]

2000年代に入るとテレビドラマの脚本・演出に進出。2008年の『33分探偵』(フジテレビ)は、33分で解決できる事件を無理やり引き延ばすという人を食った設定で話題になり、福田流の脱力コメディの原点として語られることが多い。2011年にはテレビ東京の深夜枠で、山田孝之主演の『勇者ヨシヒコと魔王の城』がスタート。ドラゴンクエスト風のRPG世界を、段ボール感あふれる低予算セットとメタなボケで描いたこのシリーズはカルト的人気を獲得し、2016年の『勇者ヨシヒコと導かれし七人』まで続く代表作となった。

2014年にはテレビ東京『アオイホノオ』で島本和彦の自伝的漫画を実写化し、漫画ファンからも高い評価を得た。2018年には日本テレビで西森博之の不良漫画を実写化した『今日から俺は!!』を手がけ、賀来賢人主演のこのドラマは社会現象級のヒットを記録している。

映画監督として[編集]

劇場映画デビューは2009年の『大洗にも星はふるなり』。2013年の『HK 変態仮面』では鈴木亮平が主人公を全力で演じ切り、「鈴木亮平の肉体改造の原点」としても語り草になった。

大きな転機は2017年の実写『銀魂』。集英社『週刊少年ジャンプ』の人気漫画を、小栗旬(坂田銀時)、菅田将暉(志村新八)、橋本環奈(神楽)、吉沢亮(沖田総悟)、長澤まさみらで映像化し、原作の悪ふざけをそのまま実写に持ち込むスタイルで興収38.4億円の大ヒットとなった。以降、『斉木楠雄のΨ難』(2017年、山﨑賢人主演)、『銀魂2 掟は破るためにこそある』(2018年)、山田孝之・長澤まさみ共演の『50回目のファーストキス』(2018年)とヒットを連発し、「漫画実写化なら福田」というポジションを確立した。

2020年には『ヲタクに恋は難しい』『今日から俺は!!劇場版』『新解釈・三國志』の3本を公開。2022年に吉沢亮主演の『ブラックナイトパレード』、2023年にNetflix映画『赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。』、2024年に『聖☆おにいさん THE MOVIE〜ホーリーメンVS悪魔軍団〜』、2025年1月に山﨑賢人主演の『アンダーニンジャ』(興収15.9億円)と、コンスタントに新作を送り出している。

舞台・ミュージカル[編集]

映像だけでなく舞台演出家としての顔も大きい。マギーと共同で脚本・演出を務めた「U-1グランプリ」シリーズ(2007〜2010年)のほか、2012年の『モンティ・パイソンのスパマロット』以降、『フル・モンティ』『ヤングフランケンシュタイン』『シティ・オブ・エンジェルズ』『サムシング・ロッテン!』『プロデューサーズ』『ビートルジュース』『グラウンドホッグ・デー』など、ブロードウェイ発のコメディミュージカルを次々と手がけている。海外ギャグを日本の観客向けに翻訳するセンスが、ここでも存分に生かされている。

主な監督作品[編集]

映画[編集]

  • 『大洗にも星はふるなり』(2009年)
  • 『HK 変態仮面』(2013年)
  • 『明烏』(2015年)
  • 『HK 変態仮面 アブノーマル・クライシス』(2016年)
  • 『銀魂』(2017年)
  • 『斉木楠雄のΨ難』(2017年)
  • 『銀魂2 掟は破るためにこそある』(2018年)
  • 『50回目のファーストキス』(2018年)
  • 『ヲタクに恋は難しい』(2020年)
  • 『今日から俺は!!劇場版』(2020年)
  • 『新解釈・三國志』(2020年)
  • 『ブラックナイトパレード』(2022年)
  • 『聖☆おにいさん THE MOVIE〜ホーリーメンVS悪魔軍団〜』(2024年)
  • 『アンダーニンジャ』(2025年)
  • 『新解釈・幕末伝』(2025年)
  • 『SAKAMOTO DAYS』(2026年)
  • 『新劇場版☆ケロロ軍曹 復活して速攻地球滅亡の危機であります!』(2026年、脚本・総監督)

テレビドラマ・配信[編集]

  • 『33分探偵』(2008年)
  • 『勇者ヨシヒコ』シリーズ(2011年〜2016年)
  • 『アオイホノオ』(2014年)
  • 『スーパーサラリーマン左江内氏』(2017年)
  • 『今日から俺は!!』(2018年)
  • 『聖☆おにいさん』(2018年〜、配信)
  • 『志村けんとドリフの大爆笑物語』(2021年)
  • 『赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。』(2023年、Netflix)

実写映画『SAKAMOTO DAYS』[編集]

作品の概要[編集]

2026年4月29日、東宝配給で公開。鈴木祐斗による『週刊少年ジャンプ』連載の殺し屋アクションコメディ『SAKAMOTO DAYS』を、福田が監督・脚本を担当して実写化した。主人公・坂本太郎を演じたのはSnow Manの目黒蓮で、ぽっちゃり体型の「坂本」と全盛期のスマートな「坂本」の両方を一人で演じる点が公開前から大きな話題になった。シン役に高橋文哉、妻・葵役に上戸彩、そして福田組からムロツヨシや佐藤二朗も参加している。主題歌はSnow Manの「BANG!!」。

興行成績[編集]

公開初日に興収4億円超、5日間で10.5億円、9日間で16億円と好スタートを切り、5月下旬には22.3億円を突破。最終的に動員203万人・興行収入28.1億円に達したと報じられている。福田監督の近作は『アンダーニンジャ』が15.9億円、『新解釈・幕末伝』が10億円台と「爆発的なヒットには程遠い」と評されていただけに、久々の大型ヒットとなった。9月29日からデジタル配信が始まり、10月30日からはAmazonプライム・ビデオで世界独占配信される。

目黒蓮との二人三脚[編集]

福田は自身のXで、撮影中は目黒と「一つ一つのシーンについて話し合い」ながら納得のいく撮影を重ねたことを明かし、モニター前で真剣に話し込む2ショットのオフショットを公開している。撮影現場にはSnow Manの向井康二(ゴルフ帰りのウェア姿だったという)や深澤辰哉が陣中見舞いに訪れたことも紹介した。上映期間中には目黒・高橋・福田の3人による副音声付き上映も行われ、リピーター需要を後押しした。

原作ファンの評価[編集]

目黒蓮の主演効果でゴールデンウィークの興行を牽引した一方、原作ファンの間では「福田監督らしいコメディ色の強さ」について評価が分かれた。それでも、アクションシーンでの「スマート坂本」の再現度は高く評価され、福田が投稿した場面写真には「見惚れる」といった声が多数寄せられた。

作風[編集]

アドリブと長回し[編集]

福田作品の最大の特徴は、役者の「素」の面白さを引き出す長回しとアドリブ風の掛け合い。とくにムロツヨシと佐藤二朗の場面は、台本があるのかないのかわからないほどの脱線っぷりが名物になっている。佐藤は福田について「軽くやっているように見えて、実は事前に膨大に考えている。それを決して見せない」と語っている。

メタギャグとパロディ[編集]

「低予算であることをネタにする」「他作品のパロディを堂々と入れる」「役者が素に戻ったようなツッコミを入れる」といったメタ的な笑いも多用する。『勇者ヨシヒコ』の段ボール製モンスター、『銀魂』の版権ギリギリのパロディなどがその代表で、これを「福田節」と呼ぶファンもいれば「寒い」と感じる層もいる、という二極化がずっと続いている。

「緊張感のある」福田組[編集]

常連キャストとの関係について、福田は「決して馴れ合いではなく、お互いのカードを見せ合う勝負をする関係」と語っている。佐藤二朗とは出会ってから1度しかサシで食事をしたことがないといい、撮影時だけ集まって真剣勝負をする距離感が、あの独特のアンサンブルを生んでいるようだ。

評価の二極化[編集]

映画レビューサイトでの評価は総じて辛口で、『新解釈・三國志』は映画.comで2.2点、『新解釈・幕末伝』は2.4点だったと報じられている。ところが興行収入は軒並み好成績という「レビューと興収のねじれ」が福田作品の宿命ともいえる。映画ライターからは「熱心な映画ファンからの評価は低いが、ライトユーザーからの支持は高い」と分析されている。

人物[編集]

常連キャストとの縁[編集]

ムロツヨシと佐藤二朗が福田組の常連になった背景には、福田の妻の推薦もあったとされる。2025年の『新解釈・幕末伝』は、コロナ禍の自粛明けにムロが食事の席で「僕で一本つくってくれませんか?」と直談判したことから企画がスタート。福田は即答で「つくるよ」と返し、「二朗さんと2人の主演でつくろう」と提案したという。こうしてムロ(坂本龍馬)と佐藤(西郷隆盛)の初W主演作が実現し、山田孝之も桂小五郎役で出演した。

橋本環奈のヒロイン起用[編集]

2017年の『銀魂』で神楽役に抜擢して以降、橋本環奈をヒロインに据える機会が増えた。『今日から俺は!!』や、Netflix映画『赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。』でも主要キャストに起用している。

恐妻家[編集]

本人も認める恐妻家で、『週刊現代』では「妻の目を盗んでテレビかよ」というエッセイを連載していた。酒・たばこ・ギャンブルはやらず、若い頃あれほど熱中したゴルフも今はやらないという。

地元・小山への愛[編集]

2004年に出身地・小山市の「小山評定ふるさと大使」に任命されている。2026年1月には『新解釈・幕末伝』の「凱旋」舞台挨拶を小山市で実施し、ムロと共に「17年前は150人程度のスクリーンで、客席が埋まっていなかった」と駆け出し時代を振り返った。

炎上とバズ[編集]

羽生結弦コラム騒動(2018年)[編集]

2018年3月、『週刊現代』のコラムでフィギュアスケートの羽生結弦について「苦手」と書き、ファンから「ただの悪口」と批判が殺到した。福田は3月27日にTwitterで「猛省しました」と謝罪している。

『新劇場版☆ケロロ軍曹』騒動(2026年)[編集]

2026年6月26日公開の『新劇場版☆ケロロ軍曹 復活して速攻地球滅亡の危機であります!』(脚本・総監督:福田雄一、監督:追崎史敏)は、16年ぶりのケロロ劇場版という期待作だった。ところが公開直前、山田孝之・ムロツヨシ・佐藤二朗ら『勇者ヨシヒコ』組、鈴木亮平(HK)、小栗旬・菅田将暉・橋本環奈・吉沢亮ら『銀魂』組の計12名が、それぞれ福田作品の役のまま声優出演すると発表され、SNSでは「私物化」「ケロロが可哀想」との声が噴出した。

公開翌日の6月27日にはchange.orgで「脚本・総監督を変更し作り直してください」というオンライン署名が立ち上がり、同月30日には780筆を超えた。7月1日には、翌日に予定され福田らが登壇するはずだった公開記念イベントの中止が「諸般の事情により」と発表された。レビューサイトでは映画.comで65%が最低評価とされるなど低評価が集中した一方、公開3日間で動員10.2万人・興収1.5億円と数字自体は好発進だった。なお本作にはSixTONESのジェシーがオリジナルキャラクターの声で出演しており、福田は舞台挨拶でジェシーへの「重すぎる愛」を語っていた。

余談[編集]

  • 大学で演劇に転向するまでは本気でプロゴルファーを目指していたとされる。「ゴルフ部→演劇部」という異色の転部が、日本のコメディ映画史を変えたのかもしれない。
  • 『SAKAMOTO DAYS』の撮影現場にSnow Manの向井康二がゴルフウェアで現れた、というエピソードを福田自身がXで紹介している。元ゴルフ少年としては何か感じるものがあったのかもしれない。
  • 2017年の『銀魂』以降、福田作品には集英社系漫画の実写化が多い。『銀魂』『斉木楠雄のΨ難』、そして『SAKAMOTO DAYS』と、いずれも『週刊少年ジャンプ』の連載作品である。
  • 『新解釈・幕末伝』の舞台挨拶では、ムロと共に次回作の構想として『新解釈・縄文時代』や『新解釈・バブル崩壊』といったタイトルを口にしていた。「新解釈」シリーズの今後にも注目が集まる。
  • 同じ日本の映画監督でも、是枝裕和のような映画祭常連タイプとは真逆の「興行で勝つ」タイプ。ある意味、日本映画界の両極を象徴する存在といえる。

外部リンク[編集]

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