| 松坂慶子 まつざか けいこ / Keiko Matsuzaka | |
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![]() 連続テレビ小説『まんぷく』の衣装展示。松坂が演じた今井鈴の衣装を含む(出典:Wikimedia Commons) | |
| 本名 | 高内慶子 |
| 誕生日 | 1952年7月20日 |
| 年齢 | 74歳 |
| 出身地 | 東京都大田区 |
| 国籍 | 日本 |
| 学歴 | 中野区立第三中学校、日本大学第二高等学校卒業 |
| ジャンル | 映画、テレビドラマ、舞台、歌謡曲 |
| 活動期間 | 1967年 - |
| デビューアルバム | 1967年 テレビドラマ『忍者ハットリくん+忍者怪獣ジッポウ』(テレビ初出演)、1969年 映画『ある女子高校医の記録 続・妊娠』 |
| 家族 | 夫・高内春彦(ジャズギタリスト、1991年挙式) |
| 身長 / 体重 | 162cm cm / ― kg |
| 血液型 | A型 |
| 事務所 | モマオフィス |
| 代表作 | 映画『蒲田行進曲』(小夏)、『青春の門』(タエ)、『事件』(坂井ハツ子)、『男はつらいよ 浪花の恋の寅次郎』、『死の棘』、ドラマ『水中花』、大河ドラマ『国盗り物語』『篤姫』『西郷どん』、連続テレビ小説『まんぷく』(今井鈴)、『らんまん』(槙野タキ) |
| 関連活動 | 歌手(代表曲「愛の水中花」)、牧野記念財団理事(2023年 - ) |
| その他 | 日本アカデミー賞最優秀主演女優賞3回(『青春の門』ほか、『蒲田行進曲』、『死の棘』)、紫綬褒章(2009年)、橋田賞(2019年) |
概要[編集]
松坂慶子(まつざか けいこ、1952年7月20日 - )とは、東京都大田区出身の女優・歌手である。劇団ひまわりから芸能界に入り、松竹の看板女優として『事件』『青春の門』『蒲田行進曲』などで日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を3度受賞した。1979年には「愛の水中花」が大ヒット。近年は『まんぷく』の「私は武士の娘です」で新たなファン層をつかんでいる。
詳細[編集]
劇団ひまわりからスタートした「子役出身」[編集]
1952年7月20日、東京都大田区に生まれる。早産で未熟児として生まれたとされ、幼いころから両親の「イングリッド・バーグマンのような女性に」という願いのもと、いくつもの習い事に通っていた。NHKの「声くらべ腕くらべ子供音楽会」で合格したこともあるというから、歌のセンスは子どものころから折り紙付きだったわけである。
渋谷区立鳩森小学校から中野区立向台小学校へ転校し、中野区立第三中学校では演劇部に所属した。ちなみに同級生には、のちに落語家となる二代目快楽亭ブラックがいる。中学2年生だった1966年に劇団ひまわりへ入団し、翌1967年の『忍者ハットリくん+忍者怪獣ジッポウ』でテレビ初出演を果たした。
1968年には特撮ドラマ『ウルトラセブン』第31話に、怪獣に寄生された少女役で登場している。のちの大女優が円谷作品のゲストだったというのは、特撮ファンの間ではよく知られたトリビアである。同年に日本大学第二高校へ進学し、1973年には日本大学文理学部の聴講生にもなっている。
大映の倒産、そして松竹へ[編集]
映画デビューは1969年の『ある女子高校医の記録 続・妊娠』で、このときはクレジットもない端役だった。1970年に大映東京撮影所へ入社し、翌1971年には『夜の診察室』で映画初主演を果たす。もっとも、これは主演予定だった渥美マリが降板したための代役で、本人の実力というより巡り合わせのチャンスだった。
ところが同じ1971年の12月、大映が倒産してしまう。入社からわずか1年あまりで所属先を失った松坂は、1972年1月1日付で松竹へ移籍した。ここから約20年、松坂は松竹の看板女優として映画黄金期の最後を支えることになる。
テレビでは1971年にTBSのコメディドラマ『なんてったって18歳!』に出演し、コミカルな芝居も見せた。そして19歳ごろに出演したNHK銀河テレビ小説『若い人』(石坂洋次郎原作)で江波恵子を演じ、本人いわく「子ども向け作品から初めての文芸作品」への転機をつかむ。この役で制作者協会新人賞とゴールデン・アロー賞新人賞を受賞した。
濃姫で全国区へ[編集]
決定打となったのが、1973年のNHK大河ドラマ『国盗り物語』である。斎藤道三の娘で織田信長の正室となる濃姫に抜擢され、20歳そこそこで全国区の知名度を得た。本人ものちに「大役に抜擢された」作品としてターニングポイントに挙げている。同年には日本放送作家協会の女性演技者賞も受けている。
ここから大河ドラマとの縁は長く続き、2018年の『西郷どん』までに通算9作に出演。これは一時、草笛光子と並ぶ女優の最多出演記録だった(その後草笛が記録を更新したため、現在は2番目の扱い)。清純派の美人女優として人気を集めた70年代前半を経て、松坂は70年代後半から「脱・清純派」の大勝負に出ていく。
映画女優としての黄金期[編集]
『事件』で清純派から脱皮[編集]
1978年の松竹映画『事件』(野村芳太郎監督、大岡昇平原作、新藤兼人脚本)は、松坂のキャリアを語るうえで外せない一本である。相模川沿いの山林で刺殺体となって見つかる女性・坂井ハツ子が彼女の役どころ。新宿のホステスを経て厚木でスナックを営み、妹ヨシ子の恋人・宏を愛してしまう女という、それまでの清純派イメージとは真逆の役だった。
妹ヨシ子を演じたのは大竹しのぶ、宏役は永島敏行。ほかに渡瀬恒彦、丹波哲郎、佐分利信らが脇を固める法廷劇で、松坂は殺される側の女の情念を体当たりで演じきった。この作品をきっかけに「どんな役もこなせる」女優としての評価が一気に高まり、本人も「未経験の役に挑み、乗り切ったことが転機」と振り返っている。翌1979年には『配達されない三通の手紙』にも出演した。
『青春の門』と寅さんでアカデミー賞[編集]
1981年、東映映画『青春の門』に出演。五木寛之の大河小説の映画化で、松坂は主人公・伊吹信介の義理の母タエを演じた。撮影は過酷だったとされるが、この作品を機に深作欣二監督作品への出演が増えていく。他社の大作に呼ばれるほど、松竹女優の枠を超えた存在になっていたということでもある。
同じ1981年には『男はつらいよ 浪花の恋の寅次郎』でマドンナを務めた。大阪を舞台に、渥美清演じる寅次郎と心を通わせる芸者ふみを演じ、松竹の国民的シリーズに花を添えた。この2作で第5回日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞し、ブルーリボン賞と報知映画賞も獲得している。1993年の第46作『男はつらいよ 寅次郎の縁談』でも再びマドンナとして登場しており、シリーズで2度マドンナを務めている。
『蒲田行進曲』の小夏[編集]
そして1982年、松坂の代名詞となる『蒲田行進曲』が公開される。原作・脚本はつかこうへい、監督は深作欣二。松竹と角川春樹事務所の製作で、いわゆる角川映画の一本として松竹系で公開された。時代劇全盛期の撮影所を舞台に、落ち目のスター・銀ちゃん(風間杜夫)、その子分の大部屋俳優ヤス(平田満)、そして銀ちゃんの子を宿した女優・小夏(松坂)の三角関係を描く。
小夏は、身ごもったことを理由に銀ちゃんからヤスへ「押しつけられる」という、なかなかに理不尽な立場の女性である。最初はヤスを嫌がりながらも、命がけの「階段落ち」に挑む彼に少しずつ心を寄せていく。華やかさと哀しさを同時に背負った小夏は観客の心をつかみ、作品は大ヒットした。
この役で松坂は2年連続となる日本アカデミー賞最優秀主演女優賞に加え、キネマ旬報賞、毎日映画コンクールの女優賞も受賞。エランドール賞特別賞やゴールデンアロー賞大賞まで手にし、1982年は文字どおり「松坂慶子の年」となった。ちなみに風間・松坂・平田の3人は、36年後の大河ドラマ『西郷どん』で再集結している(後述)。
80年代後半〜90年代の文芸大作[編集]
1982年には宮本輝原作の『道頓堀川』、1983年には『人生劇場』にも出演。1986年には檀一雄の遺作を映画化した『火宅の人』で、作家の恋人の一人・葉子を演じた。同年の山田洋次監督作『キネマの天地』も松竹の撮影所を描いた作品で、松坂は「撮影所もの」の顔役でもあった。1988年には『椿姫』に主演している。
1990年の『死の棘』(小栗康平監督、島尾敏雄原作)では、夫の浮気をきっかけに精神の均衡を崩していく妻ミホを演じ、3度目の日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞した。この作品はカンヌ国際映画祭でグランプリ(審査員グランプリ)を受賞している。同じ1990年、松坂は約20年在籍した松竹を離れ、島田事務所へ移籍した。
2000年代以降の映画[編集]
2000年には『さくや妖怪伝』『本日またまた休診なり』で毎日映画コンクールの女優助演賞を受賞。2006年の『犬神家の一族』(市川崑監督のリメイク版)、2008年の実写版『火垂るの墓』(同作でも毎日映画コンクール女優助演賞)、2009年の『大阪ハムレット』、2010年の『武士の家計簿』など、母親役・年配の女性役で存在感を放ち続けた。2013年には還暦にして映画『牙狼』でワイヤーアクションに挑戦している。
2015年には日本とベトナム初の合作映画『ベトナムの風に吹かれて』(大森一樹監督)に約6年ぶりの主演で出演。ハノイでの試写会ではベトナム語であいさつして喝采を浴び、現地スタッフと「家族のように」仕事ができたことを「宝物」と語った。2018年には日中合作の『空海-KU-KAI-美しき王妃の謎』(チェン・カイコー監督)、東野圭吾原作の『人魚の眠る家』にも出演。2023年の『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』では日本アカデミー賞優秀助演女優賞に選ばれた。
歌手としての松坂慶子[編集]
「愛の水中花」の衝撃[編集]
1979年、松坂は自ら主演したTBS系の連続ドラマ『水中花』の主題歌「愛の水中花」を歌い、これが大ヒットした。ドラマの中で、バニーガールの衣装をまとって妖艶に歌う映像が流れ、当時のサラリーマンがこれ見たさに帰宅を急いだという話が残っている。レコードジャケットもドラマで着用したバニーガール姿の写真だった。
歌番組では深いスリットの入った黒いドレスに網タイツという衣装で登場し、テレビ局関係者が「視聴率が上がった」と証言するほどの反響だった。『ザ・ベストテン』などのランキング番組でも歌唱し、同年には日本有線大賞特別賞を受賞。女優が本業の歌でここまでヒットを飛ばした例は珍しく、本人も「愛の水中花」をキャリアの転機の一つに挙げている。
その後の歌手活動[編集]
「愛の水中花」以降も歌手活動は細く長く続き、2016年までに通算15枚のシングルと6枚のアルバムを発売している。2015年には作曲家の浜圭介とのデュエット曲「哀愁の札幌」をリリースし、27年ぶりのデュエットとして公開レコーディングも行った。
意外なことに、これほどのヒット曲を持ちながら、2015年の時点でNHK紅白歌合戦への出場経験はなかったと報じられている。本人は当時「お声がかかればぜひ」と意欲を見せていた。
NHK朝ドラ・大河での活躍[編集]
『篤姫』の幾島[編集]
2008年の大河ドラマ『篤姫』では、主人公・篤姫(宮﨑あおい)の教育係として大奥に入る幾島を演じた。厳しくも愛情深い指南役は大きな反響を呼び、堺雅人演じる徳川家定らとともに作品の人気を支えた。同年にはNHK放送文化賞も受賞している。翌2009年には紫綬褒章を受章した。
『西郷どん』で「蒲田トリオ」再集結[編集]
2018年の大河ドラマ『西郷どん』では、主人公・西郷隆盛(鈴木亮平)の母・満佐子を演じた。制作統括の桜井賢プロデューサーは、松坂を「肝っ玉母さん」にふさわしい人物として起用したと説明している。
話題になったのは配役の妙で、西郷の父・吉兵衛役に風間杜夫、大久保利通の父・次右衛門役に平田満と、『蒲田行進曲』の3人がそろって起用された。風間は「すごくいろんなことで縁を感じてる」と語り、冗談めかして「この先はないね」とも口にしている。主演の鈴木亮平は学生時代に同作を見て衝撃を受け、仲間と3人の真似をしていたと明かし、「まさか、その3人と家族として共演できるのは夢にも思っていなかった」と喜んだ。
『まんぷく』の今井鈴と「私は武士の娘です」[編集]
2018年度後期の連続テレビ小説『まんぷく』では、ヒロイン・今井福子の母、今井鈴を演じた。鈴は源義経の末裔だと信じている気位の高い母親で、口癖は「私は武士の娘です」。しっかり者だが心配性で、婿・立花萬平(長谷川博己)の浮き沈みの激しい事業にしょっちゅう不満をこぼす。
周囲がこぞって萬平を信じる中、「そう? 私には行き当たりばったりに見えるけど」「塩でお金が入ってくるの?」と、視聴者のモヤモヤを代弁するような鋭いツッコミを入れるのが鈴の役割だった。文春オンラインは、視聴者のイライラを抜く「毒抜き」的な存在だったと評している。最終週には80歳になった鈴の生前葬まで描かれ、松坂はこの役を最後まで演じきった。
憎まれ口を叩いても嫌味がない絶妙なバランスは高く評価され、昭和の「お母さん役者」の系譜に連なりつつ、艶っぽさとチャーミングさを併せ持つ松坂ならではの母親像として受け止められた。この役で第15回コンフィデンスアワード・ドラマ賞の助演女優賞をほぼ満場一致で受賞し、審査では「もう1人のヒロイン」という声も上がったという。本人は受賞時、娘たちと四姉妹のように振る舞う鈴を「うざ可愛い」と笑いまじりに表現している。2019年には橋田賞も受賞した。
『らんまん』の祖母タキ[編集]
2023年の連続テレビ小説『らんまん』では、植物学者・牧野富太郎をモデルにした主人公・槙野万太郎の祖母、タキを演じた。高知の造り酒屋「峰屋」を取り仕切る女主人で、初回から分家の者たちを一喝する迫力を見せた。この場面がネット上で『まんぷく』の鈴を思い出させるとして、「武士の娘」がトレンド入りする珍現象も起きている。
本人は『らんまん』『まんぷく』『篤姫』について、いずれも「自分にこの役が」と驚いたと語りつつ、「強い人物を演じすぎないほうがいい」と言われて挑戦した役だったと明かしている。2023年12月には、牧野富太郎ゆかりの牧野記念財団の理事にも就任した。
主な出演作[編集]
映画[編集]
- 1969年『ある女子高校医の記録 続・妊娠』(映画デビュー、クレジットなし)
- 1971年『夜の診察室』(初主演)
- 1978年『事件』 - 坂井ハツ子
- 1979年『配達されない三通の手紙』
- 1981年『青春の門』 - タエ
- 1981年『男はつらいよ 浪花の恋の寅次郎』 - ふみ
- 1982年『道頓堀川』
- 1982年『蒲田行進曲』 - 小夏
- 1983年『人生劇場』
- 1986年『火宅の人』 - 葉子
- 1986年『キネマの天地』
- 1988年『椿姫』
- 1990年『死の棘』 - ミホ
- 1993年『男はつらいよ 寅次郎の縁談』
- 2006年『犬神家の一族』
- 2008年『火垂るの墓』
- 2009年『大阪ハムレット』
- 2010年『武士の家計簿』
- 2015年『ベトナムの風に吹かれて』(主演)
- 2018年『空海-KU-KAI-美しき王妃の謎』
- 2018年『人魚の眠る家』
- 2023年『ミステリと言う勿れ』
- 2023年『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』
- 2025年『父と僕の終わらない歌』 - 間宮律子
テレビドラマ[編集]
- 1967年『忍者ハットリくん+忍者怪獣ジッポウ』(テレビ初出演)
- 1968年『ウルトラセブン』第31話
- 1971年『なんてったって18歳!』(TBS)
- NHK銀河テレビ小説『若い人』 - 江波恵子
- 1973年 大河ドラマ『国盗り物語』 - 濃姫
- 1979年『水中花』(TBS、主演)
- 1985年 大河ドラマ『春の波涛』(主演)
- 2005年『熟年離婚』(主演)
- 2008年 大河ドラマ『篤姫』 - 幾島
- 2018年 大河ドラマ『西郷どん』 - 西郷満佐子
- 2018年 - 2019年 連続テレビ小説『まんぷく』 - 今井鈴
- 2019年『ドクターX〜外科医・大門未知子〜』
- 2021年『おもひでぽろぽろ』(主演)、『流れ星』(主演)、『らせんの迷宮〜DNA科学捜査〜』
- 2022年『今度生まれたら』(主演)、『一橋桐子の犯罪日記』(主演)
- 2023年 連続テレビ小説『らんまん』 - タキ、『DOCTORS ファイナル』
- 2025年『法廷のドラゴン』(テレビ東京) - 香坂絹子、『正直不動産 ミネルヴァ Special』、『ひとりでしにたい』(NHK) - 雅子、『シバのおきて〜われら犬バカ編集部〜』(NHK) - 滑沢好美
- 2026年『バカンスの法則』(ABEMA) - 伸子
2025年 - 2026年の動き[編集]
『法廷のドラゴン』『ひとりでしにたい』[編集]
2025年は年明けから出演作が続いた。1月17日スタートのテレビ東京ドラマ9『法廷のドラゴン』では、上白石萌音演じる元奨励会員の弁護士・天童竜美のもとを訪れる依頼人、香坂絹子を演じた。押し買い詐欺の被害に遭い、亡き夫の遺品を取り戻したいと相談する役どころで、松坂は「上白石萌音さんとご一緒できて、真摯な取り組みを間近に感じながらワンシーンずつ撮影が進んでいきました」とコメントしている。
6月21日に始まったNHK土曜ドラマ『ひとりでしにたい』では、主演の綾瀬はるか演じる主人公の母・雅子を演じた。定年退職後も家のことを何もしない夫・和夫(國村隼)に思うところがあり、ヒップホップ教室に通い始めるという設定である。ラップを習うと聞いた本人は「目がまん丸になって」驚いたそうで、2カ月間、週2回のヒップホップダンスとラップのレッスンを「新人のように」受けた。
劇中では娘役の綾瀬とのラップバトルまで披露し、「私にとっては事件でした」と苦笑い。綾瀬の大ファンだったため、もっと話したかったものの、稽古で頭がいっぱいで私語はあまり交わせなかったと残念がっていた。73歳でのラップ挑戦は大きな話題になった。
映画『父と僕の終わらない歌』[編集]
2025年には映画『父と僕の終わらない歌』(小泉徳宏監督)が公開された。英国で実際にあった父と息子の実話を基にしたサイモン・マクダーモットの同名書籍が原作で、寺尾聰と松坂桃李が親子を演じる。松坂慶子が演じたのは、哲太(寺尾)の妻で雄太(松坂桃李)の母・間宮律子。「チャーミングで茶目っ気のある」母親として紹介されている。
同じ「松坂」姓の母子という配役もちょっとした話題になった。2025年12月にはBlu-ray・DVDが発売され、特典映像として寺尾、松坂桃李、松坂慶子のスペシャルインタビューが収録されている。
『シバのおきて』で獣医師役に初挑戦[編集]
2025年9月30日スタートのNHKドラマ10『シバのおきて〜われら犬バカ編集部〜』では、柴犬専門誌「シバONE」編集部を見守る獣医師・滑沢好美を演じた。犬の指圧に長けた「ゴッドハンド」の持ち主という設定で、獣医師役は初めて。撮影前に指導を受け、動物病院へ1日見学に行って飼い主の様子まで観察したという。
柴犬については「お利口なワンちゃんでもうメロメロです」とデレデレで、看板犬の福助については「もう主演ですね(笑)」とコメント。撮影を通じて柴犬のマッサージができるようになり、友人の犬にも喜ばれているそうだ。同じインタビューでは、長く第一線で活躍できる理由として「ものを作りたい」という現場の静かな情熱に参加することが楽しい、と語っている。
2026年『バカンスの法則』で橋本環奈の祖母に[編集]
2026年7月には、橋本環奈とチェ・ジョンヒョプがダブル主演するABEMAオリジナルドラマ『バカンスの法則』への出演が発表された。原作・脚本・監督は漫画家の東村アキコで、本人にとって初の連続ドラマ。7月27日からABEMAで無料配信(全18話、1話約15分)が始まり、7月31日からはNetflixでも世界配信された。
松坂が演じたのは、主人公・緑らの亡き祖母で、海辺の別荘のもともとの持ち主である伸子。「おしゃれで優しく、しっかり者で家事好き」な女性で、緑はこの祖母にそっくりという設定である。別荘の管理人・西上(チェ・ジョンヒョプ)とも生前に面識があったという、物語の鍵を握る存在だった。
旧作の放送も続く[編集]
過去の出演作の放送も相変わらず多い。2026年10月31日にはBSテレ東の「土曜は寅さん!4Kでらっくす」枠で『男はつらいよ 浪花の恋の寅次郎』が、11月3日にはWOWOWシネマで『四日間の奇蹟』が放送予定となっている。昭和の名作から令和の配信ドラマまで、70代になっても常にどこかで「松坂慶子」が見られる状態が続いている。
人物[編集]
仕事観[編集]
迷ったときは「やってみよう」と決めているといい、自身を「面白がり」と表現している。台本ができるまでの長い過程を思うと緊張する一方で、「子どもが砂場で夢中になって遊ぶように」楽しみながら仕事をしたい、というのが本人の理想だ。
美しさの秘訣を聞かれても、特別なことより「仕事を続けていること」が大きいと答えている。今後については人生100年時代を意識しており、『空海』で94歳の中国人女優・秦怡が楊貴妃の侍女を演じていた姿に憧れ、その年齢ならではの魅力を演じられる女優でありたいと話している。90歳まで女優を続けたいという趣旨の発言も報じられている。
「美熟女」路線を外れて大正解[編集]
若いころは「美女中の美女」と呼ばれた松坂だが、年齢を重ねてからは見た目を過度に飾らない路線を選んだ。2022年のNHK土曜ドラマ『一橋桐子の犯罪日記』では、身寄りもお金もない70代の主人公が刑務所で余生を送るための「ムショ活」に励む姿を、メイクも髪型も飾らずに熱演し、「リアルでいい」と好評だった。
日刊ゲンダイの記事では、ふっくらした「ふんわり可愛い」今の松坂だからこそ役の幅が広がったと分析されている。70歳で連続ドラマの主演を務め、続編を望まれるほど視聴者をつかんだ点も、同世代の女優ではそう多くないと評された。共演した由紀さおりとの撮影は楽しかったと本人も振り返っている。
結婚[編集]
1991年、ジャズギタリストの高内春彦とニューヨークで挙式した。人気絶頂の大女優とまだ知名度の高くないミュージシャンの組み合わせだったことから、当時は「格差婚」として大きく報じられた。結婚後は夫の拠点であるニューヨークで約7年暮らしている。夫は家事や子育てを担ったとされ、夫婦は長年にわたって連れ添っている。
受賞歴[編集]
- 1972年 制作者協会新人賞(『若い人』)、ゴールデン・アロー賞新人賞
- 1973年 日本放送作家協会 女性演技者賞
- 1979年 日本有線大賞特別賞(「愛の水中花」)
- 1981年 第5回日本アカデミー賞最優秀主演女優賞(『青春の門』『男はつらいよ 浪花の恋の寅次郎』)、ブルーリボン賞主演女優賞、報知映画賞
- 1982年 第6回日本アカデミー賞最優秀主演女優賞(『蒲田行進曲』)、キネマ旬報賞、毎日映画コンクール女優主演賞、エランドール賞特別賞、ゴールデンアロー賞大賞
- 1986年 ゴールデングロス賞 マネーメーキング・スター賞
- 1989年 山路ふみ子映画賞
- 1990年 日本アカデミー賞最優秀主演女優賞(『死の棘』)
- 1998年 毎日映画コンクール 田中絹代賞
- 2000年 毎日映画コンクール女優助演賞(『さくや妖怪伝』『本日またまた休診なり』)
- 2008年 NHK放送文化賞、毎日映画コンクール女優助演賞(『火垂るの墓』)
- 2009年 紫綬褒章
- 2010年 おおさかシネマフェスティバル主演女優賞(『大阪ハムレット』)
- 2019年 コンフィデンスアワード・ドラマ賞助演女優賞(『まんぷく』)、橋田賞
- 2024年 日本アカデミー賞優秀助演女優賞(『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』)
余談[編集]
- 中学時代の同級生は落語家の二代目快楽亭ブラック。演劇部だった松坂とは同じ学年だった。
- 2005年、レトルトカレー「ボンカレー」のパッケージキャラクターを37年ぶりに交代で引き継いだ。同じ年には『ウリナリ芸能人社交ダンス部』の特別番組で優勝もしている。
- 2013年、日本テレビの開局60年企画『松坂慶子 女優最後の日』で、番組内最高の反応値を記録した。
- 初舞台は意外と遅く、1982年の『雪国』。映画で頂点を極めた年に舞台デビューしている。
- 2023年には「スターの手形」の被顕彰者に選ばれた。
- 1991年にはフランス高級香水協会のマドモアゼル・パルファム賞と、フランス政府観光局の女性親善大使賞を受賞している。
外部リンク[編集]
- モマオフィス(所属事務所)公式サイト
- 松坂慶子 - NHK人物録
