概要[編集]

NHK紅白歌合戦(エヌエイチケーこうはくうたがっせん)とは、NHKが毎年大晦日に生放送している大型音楽番組である。女性歌手中心の「紅組」と男性歌手中心の「白組」に分かれ、歌で勝敗を競う。1951年のラジオ放送から続く長寿番組で、通称「紅白」。年末の風物詩として、出場そのものが歌手にとっての一つの勲章とされている。

詳細[編集]

第1回は1951年1月3日、ラジオ番組として放送された。当時は正月番組の扱いで、1953年にテレビ放送が始まると同時に大晦日の番組へと移り、以後「大晦日の夜=紅白」という構図が定着した。現在はNHK総合テレビのほか、BS4K・BS8K、ラジオでも同時に放送されている。

会場は1959年から1972年まで東京宝塚劇場、1973年以降は東京・渋谷のNHKホールが定位置。新型コロナウイルス禍の2020年(第71回)は、NHK内の複数のスタジオやホールに会場を分散して行われた。

番組構成は、歌手が紅白交互に歌い、最後に審査員・視聴者・会場の投票で勝敗を決めるのが基本。投票方法は時代とともに変わり、初期は会場の観客数や審査員票が中心だったが、2000年代以降はデジタル放送のリモコンや携帯電話を使った視聴者投票が取り入れられた。2025年の第76回終了時点で、通算成績は白組の42勝となっている。

1989年(第40回)からは第1部・第2部の2部構成となり、放送時間も拡大。近年はおおむね19時20分ごろから23時45分まで、途中5分間のニュースを挟んで放送されている。

視聴率の推移[編集]

ビデオリサーチ調べ(関東地区・世帯)の最高記録は、1963年(第14回)の81.4%。前年も80%を超えており、娯楽やチャンネルが限られていた時代には「家族全員で紅白を見る」ことが国民的行事だったとされる。

平成に入ってからの最高は1998年(第49回)の第2部57.2%で、産休から復帰した安室奈美恵の歌唱時には瞬間最高64.9%を記録した。令和では2020年(第71回)の第2部40.3%が最高で、嵐の活動休止前最後のステージや、コロナ禍による在宅率の高さが要因とみられている。

2部制以降の近年の数字は次の通り(第1部/第2部)。

年 回 第1部 第2部
2019年 第70回 34.7% 37.3%
2020年 第71回 34.2% 40.3%
2021年 第72回 31.5% 34.3%
2022年 第73回 31.2% 35.3%
2023年 第74回 29.0% 31.9%
2024年 第75回 29.0% 32.7%
2025年 第76回 30.8% 35.2%

2023年は第2部が31.9%まで落ち込んだが、2025年は第2部35.2%と大きく持ち直した。

司会[編集]

司会は近年、俳優・タレント・NHKアナウンサーによる4人体制が続いている。発表は近年10月中旬で、2024年は10月15日、2025年は10月14日に発表された。

  • 第75回(2024年):有吉弘行、橋本環奈、伊藤沙莉、鈴木奈穂子アナウンサー。朝ドラヒロイン経験者2人の共演は紅白史上初とされた。テーマは「あなたへの歌」。
  • 第76回(2025年):有吉弘行、綾瀬はるか、今田美桜、鈴木奈穂子アナウンサー。有吉は3年連続、綾瀬は6年ぶりの司会で、今田は初挑戦。

出場歌手の選考[編集]

NHKは近年、出場歌手の選考基準を「今年の活躍」「世論の支持」「番組の企画・演出」の3要素と説明している。参考資料として、CD・DVD・Blu-rayの売上、ネット上の再生回数やSNSの調査、有線・カラオケのリクエスト、ライブの実績、電話とウェブによる世論調査などを挙げ、これらを「総合的に判断した」としている。

2023年(第74回)は、ジャニーズ事務所創業者による性加害問題を受けて旧ジャニーズ事務所所属グループの出場がゼロとなり、1979年以来44年ぶりの事態と報じられた。以降、NHKは出場歌手の所属事務所が「NHKの出演者に対する人権尊重のガイドライン」に賛同していると説明している。

出場歌手の正式発表は例年11月中旬で、2023年は11月13日、2025年は11月14日だった。これとは別に、曲順は12月下旬に発表されるのが通例である。

第76回(2025年)の概要[編集]

2025年12月31日19時20分から放送。NHK放送100年の節目にあたり、テーマは「つなぐ、つながる、大みそか。」。

出場は紅白あわせて37組(ほかに特別枠あり)で、初出場は10組。aespa、FRUITS ZIPPER、M!LK、ちゃんみな、HANA、アイナ・ジ・エンド、幾田りら、&TEAMなどが名を連ね、K-POP勢ではILLITが2回目の出場を果たした。

紅組トップバッターはCANDY TUNE、紅組トリは7年連続でMISIA。大トリはMrs. GREEN APPLEが初めて務め、「GOOD DAY」で番組を締めくくった。特別枠では矢沢永吉、松田聖子、玉置浩二、松任谷由実、星野源、福山雅治と稲葉浩志らが登場し、朝ドラ『あんぱん』のスペシャルステージも組まれた。

結果は白組が2年連続で優勝。視聴率は第1部30.8%、第2部35.2%で、第2部は前年から2.5ポイント上昇した。歌手別では松田聖子のパートが39.9%で最も高かったと報じられている。

第77回(2026年)の見通し[編集]

2026年9月16日、NHKは第77回の開催概要を発表した。

  • 放送日時:2026年12月31日19時20分〜23時45分(前半19時20分〜20時55分、後半21時〜23時45分)
  • 会場:NHKホール
  • 放送:NHK総合、BSP4K、BS8K、NHK AM
  • 観覧募集:10月1日11時から10月15日23時59分まで専用サイトで受け付け(入場無料)。「NHK ONE」登録世帯向けの募集も別途計画されている。

2026年9月末時点で、司会者・テーマ・出場歌手は発表されていない。前例どおりなら司会は10月中旬、出場歌手は11月中旬ごろの発表が見込まれる。

出場者をめぐっては、野口五郎がピアニストの娘・文音とともに、創立100周年を迎えるNHK交響楽団とのコラボ企画で43年ぶりに出演する方向と日刊スポーツが報じている(NHKの正式発表前の報道)。

炎上とバズ[編集]

  • 2025年(第76回)、aespaの初出場が決まると、中国人メンバーのNINGNINGが2022年にファン向けアプリへ投稿したランプの写真が「原爆のきのこ雲を連想させる」として掘り起こされ、出場取りやめを求めるオンライン署名は14万6000筆を超えた。NHKは出演に問題はないとの立場を示し、グループ側は「特定の目的や意図はなかった」とするコメントを出した。本番直前、NINGNINGはインフルエンザ感染を理由に欠場し、aespaは3人で出演した。
  • 2023年(第74回)の旧ジャニーズ勢の出場ゼロは、長年「紅白の常連」だった同事務所のグループが一斉に姿を消したこととして大きく報じられた。

余談[編集]

  • 1998年の安室奈美恵の瞬間最高64.9%は、平成以降の紅白で語り草になっている数字である。
  • 第76回ではMISIAが7年連続で紅組トリを務めた。
  • 第75回の司会は、連続テレビ小説『おむすび』の橋本環奈と『虎に翼』の伊藤沙莉という、朝ドラヒロイン同士の顔合わせだった。

外部リンク[編集]

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