| 恋するムービー 멜로무비 / Melo Movie | |
|---|---|
![]() キム・ムビ役のパク・ボヨン(2025年6月撮影・出典:Wikimedia Commons/撮影:Selfiepod/CC BY 4.0) | |
| ジャンル | 青春ロマンス・ヒューマンドラマ |
| 放送期間 | 2025年2月14日(全話一挙配信) |
| 放送時間 | 1話あたり約57〜74分 |
| 話数 | 全10話 |
| 放送国家 | 韓国 |
| 言語 | 韓国語 |
| 配給 | Netflix |
| 配信 | Netflix 独占配信 |
| 制作 | |
| プロデューサー | クォン・ミギョン、チャン・ソウ(製作総指揮)、チェ・ジュノ |
| 演出 | オ・チュンファン |
| 制作 | スタジオN |
| 脚本 | イ・ナウン |
| 撮影 | キム・ギホ、イ・スグァン、キム・ギルテ |
| 音楽 | パク・セジュン |
| 出演者 | チェ・ウシク、パク・ボヨン、イ・ジュニョン、チョン・ソニ、キム・ジェウク |
| その他 | |
| 原作 | なし(オリジナル脚本) |
概要[編集]
恋するムービー(原題:멜로무비/英題:Melo Movie)とは、2025年2月14日にNetflixで全10話一挙配信された韓国ドラマである。筋金入りの映画オタクのコ・ギョム(チェ・ウシク)と、映画を嫌いながら監督を目指すキム・ムビ(パク・ボヨン)が、出会いと5年越しの再会を経て恋と夢に向き合っていく青春ロマンスだ。
詳細[編集]
「その年」の脚本家×「ホテルデルーナ」の演出家[編集]
脚本は『その年、私たちは』でチェ・ウシク&キム・ダミの“元恋人同士の再会”を描き、Z世代〜ミレニアル世代の恋愛描写で一気に名を上げたイ・ナウン。演出は『ホテルデルーナ』『スタートアップ: 夢の扉』『無人島のディーバ』などを手がけたオ・チュンファン。制作はスタジオNで、2024年2月22日にNetflixが制作決定とメインキャストを正式発表した。オ監督は制作発表会で「メロはいつも怖いジャンルだった」と打ち明けつつ、イ・ナウン脚本だと知って「迷わず選んだ」と語っており、ヒットメーカー同士の初タッグとして発表段階から話題になった。
撮影と配信までの流れ[編集]
撮影は2024年2月25日にスタートし、同年8月30日にクランクアップしたとされる。年明けの2025年1月17日にNetflix Japanの公式Xでティーザー予告編が、1月31日には予告編とキーアートが公開され、日本向けには「愛を見つけ、夢を追いかけた青春の日々。憎らしい再会に揺れる心」というコピーで紹介された。2月12日にはソウル・東大門のJWマリオットで制作発表会が開かれ、オ・チュンファン監督とチェ・ウシク、パク・ボヨン、イ・ジュニョン、チョン・ソニが登壇。そして2月14日、バレンタインデーに全10話が世界同時一挙配信された。1話あたりの尺は57〜74分ほどで、全話合計は約10時間ちょっととなる。
“映画”が全部の真ん中にある[編集]
タイトルどおり、本作は映画がすべての軸になっている。主人公たちはエキストラ、助監督、映画評論家、映画監督、脚本家、映画音楽の作曲家と、全員が映画業界のどこかに足を突っ込んでいる。オ監督は「映画が大きな媒介になる。それぞれのキャラクターが大事な瞬間に映画を観て慰められるが、観る人にとっても慰めになってほしい」と説明。各話のサブタイトルには名作映画の台詞が引用されているとされ、『ラブ・アクチュアリー』『花様年華』といった名作へのオマージュ探しも楽しみ方のひとつになっている。ドロドロの三角関係や悪役はほぼ登場せず、「優しい手紙みたいなドラマ」「心のホッカイロ」と評されるタイプの、静かでじんわり系の作品である。
あらすじ[編集]
出会い(第1〜2話)[編集]
両親を早くに亡くし、兄のコ・ジュンに育てられた青年コ・ギョムは、世界中の映画を観尽くすのが夢というほどの映画オタク。俳優を夢見てエキストラとして撮影現場に出入りしていた彼は、そこで助監督のキム・ムビに一目惚れする。ムビは、映画を愛しすぎた売れない映画監督の父を亡くし、映画に複雑な感情を抱えながらも業界で働く女性だった。二人は少しずつ距離を縮め、雪の降る夜にキスを交わす。ところがその直後、ギョムは何も言わずにムビの前から姿を消してしまう。理由は、兄ジュンが事故に遭い、つきっきりで看病しなければならなくなったことだった。
5年後の再会(第2〜6話)[編集]
それから5年。ギョムは辛口の映画評論家として、ムビは念願の映画監督として、それぞれの道を歩んでいた。ムビの初監督作品の試写会に評論家として現れたギョムとの“憎らしい再会”で、止まっていた時間が再び動き出す。ギョムは過去の失踪を謝ろうとし、ムビは突き放しながらも心が揺れる。評論をめぐってギョムがバッシングを受ける騒動や、公園の野外上映会での「今も君が好き」という告白を経て、二人は再び惹かれ合っていく。
喪失と再生(第7〜10話)[編集]
物語の後半は一気にシリアスに傾く。兄ジュンは医師から急死の可能性を告げられていたことが明かされ、やがて入院の末にこの世を去る。たった一人の家族を失ったギョムに、ムビは「独りじゃない」と寄り添う。一方、作曲家ホン・シジュンと脚本家ソン・ジュアのサブカップルも、7年間の関係に区切りをつける決断をする。最終話では約1年半後が描かれ、ムビの映画は上映を成功させ、ギョムは映画業界の外へ転職。それぞれが喪失を抱えたまま、それでも前に進んでいく姿で幕を閉じる。
登場人物・キャスト[編集]
メイン[編集]
- コ・ギョム(演:チェ・ウシク)
- 32歳。映画を観ることに人生を捧げてきた、元エキストラの映画評論家。マイペースで天然、ときに「能天気か?」と思うほど自由奔放だが、両親を亡くし兄と二人で生きてきた孤独を内側に抱えている。チェ・ウシクいわく、これまでの役と違って「外向的で、外に出ていく人物」。
- キム・ムビ(演:パク・ボヨン)
- 32歳。映画が嫌いなのに映画監督になった女性。名前の響きはそのまま英語の「movie」。映画に人生を捧げた父が家族より映画を優先したことへの恨みと、父の死にまつわる罪悪感を抱え、笑わない“塩対応”キャラとして登場する。パク・ボヨン本人は「強い者には強く、弱い者には弱い人」と表現した。
- ホン・シジュン(演:イ・ジュニョン)
- 才能はあるが無名の作曲家。7年付き合った元恋人ジュアとの再会で揺れ動く。演じるイ・ジュニョンは元U-KISSのメンバーで、ドラマ版『マスクガール』で強烈な役を演じたことでも知られる。
- ソン・ジュア(演:チョン・ソニ)
- 脚本家で、シジュンの元恋人。長い交際のなかで自分自身を見失っていたことに気づき、別れを選ぶ。演じるチョン・ソニはNetflixシリーズ『寄生獣 -ザ・グレイ-』で主演を務めた。
周辺人物[編集]
- コ・ジュン(演:キム・ジェウク)
- ギョムの兄。わずか20歳で弟の親代わりとなり、自分の青春を差し出して生きてきた。日本のレビューでは「陰の主役」「全編を見終わって一番心に残った」と絶賛され、兄弟愛のパートで号泣した視聴者が続出した。キム・ジェウクは『コーヒープリンス1号店』で注目された俳優。
- カン・ヨンジュ(演:キム・ヒジョン)
- ムビの母。父をめぐる過去から娘とぶつかり合う場面では、パク・ボヨンの迫真の泣き演技が光る。
- マ・サンウ(演:コ・チャンソク)
- 映画監督。
- パク・サンシク(演:キム・ヨンウン)
- レンタルビデオ店の店主。
- ウ・ジョンフ(演:チャ・ウミン)
- 繊細な感情表現が持ち味の新鋭俳優が演じる人物。
- カンフン(演:オム・ムンソク)
- 俳優。
- 少年時代のコ・ギョム(演:チェ・イェチャン)/少女時代のキム・ムビ(演:チョ・ウンソル)
キャストの舞台裏[編集]
パク・ボヨン「本当に私でいいんですか?」[編集]
「明るくて愛らしい」役のイメージが強いパク・ボヨンにとって、冷たく尖ったムビは大きな挑戦だった。インタビューでは、オファーを受けた際に脚本家へ「本当にこの役を私にくださるんですか」と聞き返したと告白。撮影中は持ち前の明るさがにじみ出ないよう、監督と一緒にトーンを抑える作業を続けたという。オファーは映画『コンクリート・ユートピア』公開前のタイミングで届き、オ監督とチェ・ウシクという組み合わせもあって迷わず決めたとのこと。ムビを演じたことで「違っていてもいい」と気づき、人と接するとき常に明るくいなきゃと自分を縛っていたことに気づいたとも語っている。今のムビは自分にとっての“추구미(理想の自分像)”だとも話した。
初の“同い年”相手役[編集]
制作発表会でパク・ボヨンは、これまでパク・ヒョンシクやパク・ソジュンらと共演してきたなかで、チェ・ウシクが「唯一の同い年の相手役」で、それが撮影をどれだけ楽にしてくれるかを知ったと発言し、話題になった。インタビューでは、チェ・ウシクについて「私より心配性な人に初めて会った」と笑い、「愛らしい子犬のようなエネルギー」の持ち主で、呼吸は「自然に合った」と絶賛している。チェ・ウシクも、仲良しグループ“ウガファミリー”の友人たちがパク・ボヨンとのケミストリーに興奮していたと明かし、彼女を「才能があって、優しくて、素晴らしい人」と評した。
チェ・ウシク「ロコ王子と呼ばれたい」[編集]
『パラサイト 半地下の家族』で世界的に知られるようになったチェ・ウシクは、本作でイ・ナウン作家と『その年、私たちは』以来の再タッグ。制作発表会では「ロコ王子という修飾語を聞きたい」と冗談を飛ばし、会場を笑わせた。両作の違いについては、前作が過去の記憶を描いた物語だったのに対し、本作は映画を素材に青春の“現実と未来”を描くものだと説明されている。
配信後の反響[編集]
韓国では即1位[編集]
配信からわずか2日後の2月16日には、Netflix韓国の「今日のシリーズTOP10」で1位に浮上し、『トラウマコード』(중증외상센터)を抜き去った。その後も1位を連日キープし、韓国国内では“バレンタインの勝ち組ドラマ”として存在感を見せた。予告編も公開前の段階で87万回再生を記録していた。
世界ランキングでは出遅れ→2週目に巻き返し[編集]
一方で、公開初週(2月10日〜16日集計)のNetflixグローバルTOP10(非英語TV部門)には入れず、「韓国では1位なのに世界でTOP10入りを逃した」と韓国メディアがこぞって取り上げる珍しい事態になった。テンポがゆったりしていることや、『その年、私たちは』と似た関係性の再会ロマンスであることが理由として挙げられた。しかし配信2週目には320万視聴数で非英語TV部門4位に入り、27か国でTOP10入りと巻き返している。
批評家・視聴者の評価[編集]
海外の批評サイトRotten Tomatoesでは、批評家レビュー6件すべてが好意的(平均7.9/10)。NMEは5点満点中3点、サウスチャイナ・モーニング・ポストは3.5点をつけた。韓国のドラマ評論家からは「穏やかで叙事的」「長い目で評価すべき作品」との声が上がり、IMDbには「愛と喪失、救いというテーマを繊細かつ優雅に扱っている」といったレビューが寄せられた。日本でもリアルサウンドが「“恋愛映画”を超えた愛の名作」と評し、喪失からの再生というテーマとキャスト陣の“演技の饗宴”を高く評価している。イ・ナウン作家は配信後、「作品を通じて慰められたと言ってくださる方々の反応が記憶に残る」とコメントした。
受賞[編集]
パク・ボヨンは本作で、2025年のゴールデンシネマトグラフィーアワード(ゴールデンカメラ賞)でOTTドラマ部門の特別演技賞を受賞。チェ・ウシクはコリアドラマアワードの優秀演技賞(男性)にノミネートされた。
音楽[編集]
音楽はパク・セジュンが担当。OSTの「Surfing in the Moonlight」には、TOMORROW X TOGETHER(TXT)のテヒョンとヒュニンカイが参加し、K-POPファンからも注目を集めた。映画音楽の作曲家を目指すシジュンというキャラクターがいることもあり、劇中では音楽が物語を動かす場面も多い。
余談[編集]
- 主演の二人はいずれも1990年生まれの同い年で、劇中の年齢設定も32歳でそろえられている。
- パク・ボヨンは本作の後、2025年にtvN『未知のソウル』で一人二役に挑戦。本作の前にはNetflix『今日もあなたに太陽を』で看護師役を演じており、Netflix作品が続いた。
- 監督のオ・チュンファンと脚本家イ・ナウンを「『ホテルデルーナ』『その年、私たちは』コンビ」と紹介する記事もあるが、両作はそれぞれ別の作品で、本作が二人の初タッグである。
- ムビの職業が「映画監督」であることから、パク・ボヨンにとっては本作がキャリア初の監督役となった。
- 日本の配信前プロモーションでは、Netflix Japan公式Xのティーザー告知ポストが30万回以上表示された。
外部リンク[編集]
- Netflix公式作品ページ『恋するムービー』
- Netflix Japan 公式X(@NetflixJP)
