未知のソウル
미지의 서울
Our Unwritten Seoul
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主演のパク・ボヨン(2024年7月19日、第3回青龍シリーズアワードにて。出典:Wikimedia Commons、自由ライセンス)
略称 미지서울
ジャンル ヒューマンドラマ、ロマンス、成長ドラマ、ヒーリング
放送期間 2025年5月24日 - 2025年6月29日
放送時間 毎週土・日曜 21:20 - (KST)
話数 全12話(1話あたり約70分)
放送国家 韓国
言語 韓国語
放送局 tvN
配信 Netflix(日本・全世界)、TVING(韓国)
平均視聴率 6.155%(全国・ニールセンコリア)
制作
企画 スタジオドラゴン
演出 パク・シヌ、ナム・ゴン
制作 モンスターユニオン、ハイグラウンド
脚本 イ・ガン
音楽 ナム・ヘスン
出演者 パク・ボヨン、パク・ジニョン、リュ・ギョンス、チャン・ヨンナム、キム・ソニョン、チャ・ミギョン、ウォン・ミギョン、イム・チョルス ほか
その他
原作 オリジナル
外部リンク https://www.netflix.com/jp/title/82024804

概要[編集]

未知のソウル(原題:미지의 서울)とは、2025年にtvNで放送され、Netflixで全世界配信された韓国ドラマである。顔以外は何もかも正反対の一卵性双生児の姉妹が、互いの人生を“交換”するという嘘をきっかけに、本当の愛と人生を見つけていく成長ドラマで、パク・ボヨンが双子を一人二役で演じ、第62回百想芸術大賞で女性最優秀演技賞と演出賞をダブル受賞した。

詳細[編集]

企画の経緯:KBSからtvNへ[編集]

本作はもともとKBSが保有していた企画で、脚本は『五月の青春』(2021年、KBS2)を書いたイ・ガン作家によるオリジナルである。脚本の評価は高かったものの、地上波チャンネルとしての競争力低下もあってキャスティングが難航し、パク・ボヨン側も「KBSでの放送なら出演は難しい」と難色を示していたと報じられている。

そこでKBSは2024年8月にCJ ENMと業務協約(MOU)を結び、スタジオドラゴンに共同制作を要請。演出にパク・シヌ監督が付き、放送局はtvNに移ることになった。結果として、KBS系のモンスターユニオン、TV朝鮮系のハイグラウンド、CJ ENM系のスタジオドラゴンという“放送3社の合作”という珍しい座組で作られている。放送後に視聴率7%台を記録して「ウェルメイドドラマ」と評されると、韓国メディアでは「KBSは作家だけ提供した格好」と古巣側の苦い立場を指摘する記事も出た。

キャスティング[編集]

パク・ボヨンは2024年7月に出演オファーを受けて前向きに検討していることが報じられ、同年12月3日にパク・ジニョンとともに正式に出演が確定した。パク・ボヨンは放送の約1年前に台本を受け取っており、「台本を初めて見たとき、とても欲が出た」とインタビューで語っている。これまでの“ラブコメの女王”的な愛らしい役柄から離れ、強いキャラクターに挑戦したかったことも出演理由に挙げている。

相手役のパク・ジニョンはGOT7のメンバーでもある俳優で、2023年5月に入隊し2024年11月7日に除隊。除隊直後の復帰作として本作を検討していると2024年9月に報じられた。被害者を中心に据えた物語に惹かれたといい、左耳が聞こえない弁護士イ・ホスについて「片耳が聞こえない人が、誰よりも他人の話をよく聞こうとするところに惹かれた」という趣旨のコメントを残している。2024年10月にはリュ・ギョンスの出演も確定した。

撮影と放送[編集]

撮影は2024年10月頃に始まり、2025年4月28日にクランクアップした事前制作ドラマである。都市パートはソウル、田舎パートは慶尚北道聞慶や全羅南道潭陽などで撮影された。ソウル市の都市ブランド「SEOUL, MY SOUL」とCJ ENMのコラボレーションにも参加しており、ソウル市公式メディアでは銅雀大橋北側(双子が人生の交換を決める場所)、盤浦大橋の月光レインボー噴水(オープニング映像)、聖水洞の複合空間「聖水ナクナク」、東大門デザインプラザ(DDP)、清渓川の広通橋、明洞などが撮影地として紹介された。

2025年5月21日にソウル・永登浦区のCGVで制作発表会が開かれ、パク・シヌ監督とパク・ボヨン、パク・ジニョン、リュ・ギョンスが出席。同年5月24日から6月29日まで、tvNの土日ドラマ枠(21時20分)で全12話が放送された。前作はtvNの『いつかは賢いレジデント生活』で、後番組はイ・ジョンソク主演の『서초동(瑞草洞)』。

あらすじ[編集]

※序盤のみ。

ユ・ミジとユ・ミレは、顔だけはそっくりな30歳の一卵性双生児。妹のミジは高校時代に将来を嘱望された陸上の短距離選手だったが、大事な試合でのケガをきっかけに選手生命を絶たれ、今は故郷の田舎町で日雇いの仕事をしながら、入院中の祖母の面倒を見ている。体は丈夫で底抜けに明るいが、人生の目標はなかなか見つからない。

一方の姉ミレは、幼い頃は病弱だったが全校1位の秀才で、ソウルの名門大学を出て公企業「韓国金融管理公社」に勤める完璧主義者。周囲からは成功した側に見えるが、実は会社で激しいいじめに遭い、孤立していた。

ある日、追い詰められたミレの異変に気づいたミジは、「お互いの人生を入れ替えよう」と提案する。こうしてミジは黒髪のミレになりすましてソウルの職場へ、ミレは金髪のミジになりすまして田舎の家へ。それぞれが“知らなかった世界”に放り込まれる中、ミジはソウルで高校時代の同級生で今は弁護士のイ・ホスと再会し、ミレは田舎でイチゴ農園を営むハン・セジンと出会う。入れ替わりの嘘はやがて、双子それぞれが本当の自分と向き合うきっかけになっていく。

ちなみにタイトルの「미지(ミジ)」は韓国語で「未知」を意味すると同時に主人公ミジの名前でもあり、姉の名前「미래(ミレ)」は「未来」と同じ音になっている。

登場人物・キャスト[編集]

日本語表記は日本の報道・配信で一般的なものに準じた。年齢は劇中の設定。

主要人物[編集]

役名 俳優 設定
ユ・ミジ(유미지) パク・ボヨン 双子の妹。30歳。金髪のショートヘア。元陸上短距離選手で、ケガで引退後は故郷で日雇いの仕事をしている。
ユ・ミレ(유미래) パク・ボヨン(二役) 双子の姉。30歳。黒髪。韓国金融管理公社の企画戦略チーム勤務。職場でいじめに遭っている。
イ・ホス(이호수) パク・ジニョン 30歳。ミジとミレの高校の同級生で、大手法律事務所の弁護士。幼い頃の事故で左耳が聞こえない。
ハン・セジン(한세진) リュ・ギョンス 36歳。元資産運用会社のCIO(最高投資責任者)で、今は田舎でイチゴ農園を営む。

双子の家族[編集]

役名 俳優 設定
キム・オッキ(김옥희) チャン・ヨンナム 54歳。双子の母。小学校の給食調理員。
カン・ウォルスン(강월순) チャ・ミギョン 80歳。双子の祖母。入院中。

その他の人物[編集]

役名 俳優 設定
ヨム・ブノン(염분홍) キム・ソニョン 54歳。ホスの母。小学校の教頭。
イ・チュング(이충구) イム・チョルス 43歳。法律事務所のパートナー弁護士で、ホスの先輩。
キム・ロサ(김로사) ウォン・ミギョン 70歳。タッカンジョン(鶏の甘辛揚げ)店の店主で、詩人。
ソン・ギョング(송경구) ムン・ドンヒョク 30歳。スーパーの副店長。ミジの元恋人で、今は親友。
パク・ジユン(박지윤) ユ・ユジン 30歳。双子の高校の友人で、カード会社勤務。
ファン・ジス(황지수) シン・ジョンウォン ホスの秘書。
キム・テイ(김태이) ホン・ソンウォン データアナリスト。

少女時代の双子はイ・ジェイン、高校時代のホスはパク・ユノが演じた。ホスの父役でキム・ジュホンが特別出演している。

パク・ボヨンの「一人四役」[編集]

本作のパク・ボヨンは一人二役といわれるが、実際には「ミジ」「ミレ」に加えて「ミレのふりをするミジ」「ミジのふりをするミレ」も演じ分ける必要があり、日本のレビューでも“一人四役”と表現された。パク・ボヨン本人もインタビューで、引き受けたあとは「やると言ってしまったけど、どうしよう」と思い、撮影前には逃げ出そうかとまで考えたと冗談まじりに明かしている。

演じ分けは声や衣装、メイク、ヘアスタイルで細かく作り込んだという。ミレは髪をきちんと束ね、ミジはショートの毛先を残すといった違いのほか、目元のメイク、さらには泣き方まで変えたとされる。ミジの金髪はブリーチで作ったため、髪色を戻す必要があるシーンでは数週間の間隔を空けて撮り直すこともあったという。

制作[編集]

スタッフ[編集]

役職 担当
脚本 イ・ガン(『五月の青春』)
演出 パク・シヌ(『サイコだけど大丈夫』『星たちに聞いてみて』)、ナム・ゴン
音楽 ナム・ヘスン
企画 スタジオドラゴン
制作 モンスターユニオン、ハイグラウンド

パク・シヌ監督にとっては、2025年1〜2月に放送された『星たちに聞いてみて』に続く作品。宇宙ステーションを舞台にした同作は大型予算に比して視聴率が振るわなかったため、制作発表会では前作からの“挽回”にも注目が集まった。監督は「自分が手がけたすべての作品を“わが子”だと思って愛している」と語り、プレッシャーよりも作品への愛着を強調した。最終的に本作の最終回視聴率は前作の約3倍に達し、韓国メディアは「体面を保った」と報じている。

脚本のイ・ガンは、本作で描きたかったのは「外からは平気そうに見えても、内側ではすでに揺らぎ、疲れ切っている人たち」の物語だと説明している。入れ替わりというファンタジー的な設定を使いながら、「誰もが何かに苦しんでいる」ことを描いた点が、多くの視聴者に“慰め”として受け止められた。

OST[編集]

OSTは2025年5月31日から6月29日にかけて毎週パート別に配信された。主な参加アーティストはチェ・ユリ、10cm、ホン・イサク、dori、Elaine、Sionなど。10cmが歌う「Sunset」は2025年のGlobal OTT Awardsで主題歌賞にノミネートされた。後にインストゥルメンタルを含む37曲入りのOSTスペシャルアルバムも出ている。

視聴率推移[編集]

ニールセンコリア調べ、有料プラットフォーム基準。第1話の3.6%からほぼ右肩上がりで推移し、最終回で自己最高を更新した。全話で同時間帯のケーブル・総合編成チャンネル1位を記録したとされる。

話 放送日 全国 首都圏
1 2025年5月24日 3.628% 4.193%
2 5月25日 5.049% 5.577%
3 5月31日 4.523% 5.418%
4 6月1日 5.897% 6.532%
5 6月7日 4.358% 4.883%
6 6月8日 6.368% 7.144%
7 6月14日 6.452% 6.735%
8 6月15日 7.377% 8.325%
9 6月21日 7.105% 7.800%
10 6月22日 7.744% 8.509%
11 6月28日 6.951% 7.232%
12 6月29日 8.413% 8.960%
平均 6.155% 6.776%

最終回は全国平均8.4%(瞬間最高9.4%)、首都圏平均9.0%(瞬間最高10.3%)を記録し、tvNのターゲットである2049視聴率も全国4.2%だった。放送期間中の動画再生数は累計2億回を超えたと報じられている。土曜放送分(奇数話)が日曜放送分より低めに出るのは土日ドラマにありがちなパターンだが、それでも後半は土曜でも6〜7%台をキープしている。

Netflixでの成績[編集]

Netflixでは公開直後の週(2025年5月26日〜6月1日)にグローバル非英語TVシリーズ部門で3位に入り、この週だけで視聴数約280万、視聴時間約1470万時間を記録した。その後も5週連続でグローバルTOP10入りし、累計視聴時間は1億1200万時間を超えた。日本でも、2025年7月1日付のNetflix国内ランキングで『イカゲーム』に次ぐ2位に入ったと報じられている。

評価[編集]

韓国国内では、パク・ボヨンの演技力、イ・ガンの温かい脚本、都会と田舎を対比させたパク・シヌ監督の繊細な映像がそろって高く評価された。“自分を慈しむこと”をテーマにした物語は、自己啓発書のように視聴者を励ますドラマとして受け止められ、放送終了後には脚本集が予約段階で教保文庫・アラジン・YES24など複数の書店ランキングで1位になった。2025年7月4〜10日にはソウル・龍山のアイパークモールでポップアップストアも開かれている。

海外でも反応は良好で、米TIME誌は「2025年で最も静かで深い韓国ドラマのひとつ」と評し、同誌の2025年ベスト韓国ドラマで5位に選出。Screen Rantの年間ベストでは4位、South China Morning Postでは12位に入った。Rotten Tomatoesでは批評家支持率100%(5件)。Varietyはパク・ボヨンが「4つの異なる人格を効果的に体現した」と書き、Forbesもはっきりと違う性格の2人をリアルに演じ分けたと評価した。

障害のある登場人物の描き方も話題になった。片耳が聞こえない弁護士ホスをはじめ、障害を持つ人物を「無能」でも「天才」でもない一人の人間として描いた点が、韓国の評論家から好意的に評価されている。日本ではMOVIE WALKER PRESSが2025年の“隠れた傑作韓国ドラマ”のひとつとして紹介した。

受賞[編集]

最大のハイライトは2026年5月8日にソウル・COEXで開かれた第62回百想芸術大賞。放送部門で6部門にノミネートされ、パク・ボヨンが女性最優秀演技賞、パク・シヌ監督が演出賞を受賞した。パク・ボヨンは受賞スピーチで「競争が本当に嫌いだった。いつも自分の価値と存在を証明しなければならないようで、負担でつらかった」と涙ながらに語り、両親に向けて「来世があるなら、また2人の娘に生まれたい」と感謝を伝えた。

年 賞 部門 対象 結果
2026 第62回百想芸術大賞 放送部門 女性最優秀演技賞 パク・ボヨン 受賞
放送部門 演出賞 パク・シヌ 受賞
放送部門 作品賞 未知のソウル ノミネート
放送部門 脚本賞 イ・ガン ノミネート
放送部門 男性最優秀演技賞 パク・ジニョン ノミネート
放送部門 女性助演賞 ウォン・ミギョン ノミネート
2025 第16回コリアドラマアワード 女性最優秀賞 パク・ボヨン 受賞
2025 シネ21アワード 今年の脚本家 イ・ガン 受賞
今年のシリーズ俳優(女性) パク・ボヨン 受賞
今年のシリーズ 未知のソウル 1位
2025 ベクデル・デー 今年のベクデリアン パク・ボヨン 受賞
2026 ContentAsia Awards 主演女優賞(アジア) パク・ボヨン 受賞
2025 APANスターアワード 作品賞・演出賞・脚本賞・女性最優秀演技賞ほか 未知のソウル ほか ノミネート
2025 アジアン・テレビジョン・アワード 脚本賞 イ・ガン ノミネート

コリアドラマアワードは2025年10月11日に慶尚南道晋州で開かれ、パク・ボヨンが女性部門の最優秀賞を獲得した。なお百想の放送部門作品賞は『ウンジュンとサンヨン』、脚本賞も同作のソン・ヘジンが受賞しており、本作は主要部門で同作と競り合った形になった。

日本での配信[編集]

日本ではNetflixで韓国放送とほぼ同時に配信された。配信スケジュールは韓国の放送と同じく毎週土日に2話ずつで、2025年5月24日・25日に第1〜2話、6月28日・29日に最終第11〜12話が配信された。邦題は『未知のソウル』。韓国国内ではTVINGとNetflixで配信されているが、TVINGは日本向けサービスを行っていないため、日本で正規に見られるのはNetflixとなる。2026年10月時点でも日本のNetflixで配信中で、視聴推奨年齢は13歳以上、ジャンル表記は「ヒューマンドラマ」となっている。

日本のレビューサイトFilmarksでも配信初期の時点で5点満点中4.4という高い評価を得ていた。リアルサウンドなど日本のメディアでも、パク・ボヨンの演じ分けやパク・ジニョン演じるホスの描写を取り上げたレビューが多数掲載された。

余談[編集]

  • 主人公の名前「ミジ(미지)」は「未知」、姉の「ミレ(미래)」は「未来」と同じ音。タイトルの『미지의 서울』は「未知のソウル」と「ミジのソウル」の掛け言葉になっている。
  • 制作の経緯から、KBS・TV朝鮮・CJ ENMという本来ライバル関係にある放送局系列の制作会社3社が関わった珍しい作品である。
  • パク・ボヨンは本作の前に、2025年2月公開のNetflixシリーズ『メロムービー』でチェ・ウシクと共演している。2025年は主演作が2本続いた年だった。
  • 放送終了後に出版された脚本集は、日本・中国・英語圏・東南アジアの出版社からも関心が寄せられたとされる。
  • パク・ボヨンの百想の受賞スピーチは、本人にとってデビュー約20年の節目に当たる受賞として韓国メディアで大きく報じられた。
  • ソウル市の公式メディアは撮影地を巡る“聖地巡礼”記事を出しており、銅雀大橋や盤浦大橋など漢江沿いのスポットが紹介された。

外部リンク[編集]

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