| 少年ジャンプ+ Shōnen Jump+ | |
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少年ジャンプ+のロゴ(出典:Wikimedia Commons・パブリックドメイン) | |
| サイト名 | 少年ジャンプ+(少年ジャンプ+) |
| 言語 | 日本語 |
| タイプ | マンガ誌アプリ・ウェブ漫画誌 |
| 国 | 日本 |
| 種類 | 電子コミック配信 |
| 創設 | 2014年9月22日 |
| 運営者 | 集英社 |
| 営利性 | 営利 |
| 登録 | 任意(無料会員登録あり) |
| ユーザー数 | 月間1,200万以上(2024年11月時点・アプリとブラウザの合計) |
| 開始 | 2014年9月22日 |
| 現在の状態 | 運営中 |
| 別名 | ジャンプ+、ジャンププラス、ジャンプラ |
| リンク | https://shonenjumpplus.com/ |
概要[編集]
少年ジャンプ+(しょうねんジャンププラス)とは、集英社が2014年9月22日に創刊した漫画アプリおよびウェブ漫画誌である。紙の週刊少年ジャンプの電子版を読める場であると同時に、独自の連載作品を毎日更新する編集部を持ち、『SPY×FAMILY』『怪獣8号』『ダンダダン』などを送り出した。
詳細[編集]
創刊までの経緯[編集]
前身は、集英社が2013年に始めたデジタル版の増刊『ジャンプLIVE』と、電子書籍ストア「ジャンプBOOKストア!」である。ジャンプLIVEは試行的なデジタル雑誌だったが、「量が多すぎて読み切れない」「どれが無料でどれが有料か分かりにくい」という反省が残った。少年ジャンプ+はこの2つを統合し、「無料で毎日読める連載」と「週刊少年ジャンプ本誌の電子版(有料の定期購読)」を1つのアプリにまとめる形で2014年9月22日に創刊された。
創刊時の編集長は週刊少年ジャンプ編集長の瓶子吉久が兼任し、編集部の専任スタッフはわずか3人だった。2017年9月からは細野修平が編集長を務め、オリジナル連載を主軸に据える方針を明確にした。編集部は2024年時点で15人規模まで拡大している。アプリの画面設計は週刊少年ジャンプの編集者が担当し、技術的な実装は外部の開発会社が受け持つ分業体制をとっている。
規模の推移[編集]
ダウンロード数は創刊3日後の2014年9月25日に50万、2015年1月に260万、同年9月に400万へ伸びた。2019年5月には1,000万ダウンロードを超え、2020年12月には1,600万ダウンロード・月間ユーザー700万人以上と発表された。2020年には出版社系の漫画アプリとして月間アクティブユーザー数で国内首位になったとされる。
2024年9月で創刊10周年を迎え、累計ダウンロード数は2,900万(2024年11月時点)、アプリとブラウザを合わせた月間ユーザーは1,200万以上に達した。70本以上のオリジナル連載を毎日更新し、年間およそ300本の新作読切を公開している。2025年には累計ダウンロード数が3,000万を超えた。
紙の雑誌との違い[編集]
同じ集英社の週刊少年ジャンプと並べると、この媒体の性格が分かりやすい。紙の雑誌はページ数という物理的な上限があるため、連載を1本始めるには別の1本を終える必要がある。枠が固定されている以上、新人に回せる掲載回数も上限が決まる。
ウェブにはその制約がない。年間300本規模の読切を出せるのは編集部の意欲というより、紙面という上限を持たないことの直接の帰結である。同時に、判断の材料も変わる。紙では読者アンケートと掲載順が人気の指標だったが、アプリでは閲覧数・読了率・コメント数が公開直後に出る。判断が速くなれば連載を始めるハードルは下がり、続かない作品の見切りも早くなる。増える側と減る側の両方が速くなっているのがこの媒体の特徴である。
全話無料公開と収益の仕組み[編集]
2019年4月から、オリジナル連載を初回に限って全話無料で読める仕組みが導入された。これは値引きというより宣伝費の置き換えにあたる。作品を知らない読者に1話だけ読ませても続きを買う動機は生まれにくいが、全部読ませれば「次の更新を待つ読者」に変わる。支払いが発生するのは、作品を好きになったあとの段階へ後ろへずれる。
収益は主に、週刊少年ジャンプ本誌の定期購読、過去話を読むためのポイント・チケット課金、アプリ内広告、そして単行本と映像化などの二次利用から成る。2019年9月からは、作品ページに表示される広告収入の50%を作家に還元する制度が始まった。原稿料はモノクロ1ページあたり連載で12,000円から、読切で9,000円からとされ、紙の雑誌と同水準に設定されている。
この設計のもとで出たヒット作に『SPY×FAMILY』『怪獣8号』『ダンダダン』がある。いずれも紙の雑誌ではなくアプリの連載から始まり、単行本とアニメ化を経て広く知られるようになった作品で、連載の場が紙から移っても同じ規模のヒットが出せることを示した例として扱われている。
投稿サービスとインディーズ連載[編集]
2014年11月には、誰でも漫画を投稿できる「ジャンプルーキー!」がプレオープンした。編集者を通さずに作品を公開でき、閲覧データをもとに独自のアルゴリズムで作品の順位が付けられる。オープンから3年で投稿作品は11,522件、ここから連載作家22人が生まれた。
2020年12月には「インディーズ連載枠」が新設された。ジャンプルーキー!のランキングで上位に入った作家が、編集部のネームチェックを経ずに少年ジャンプ+で連載できる枠で、表現上の最低限の確認だけを行い、閲覧数に応じたボーナスが支払われる。編集者と二人三脚で作品を作るというジャンプの伝統的な手法とは別に、読者の反応だけで連載を決める経路を併設した形である。
コメント機能と「いいジャン!」[編集]
各話の末尾には評価ボタン「いいジャン!」とコメント欄がある。コメント欄の設置は慎重に検討されたとされ、作品の盛り上がりを可視化する一方で、作家への誹謗中傷を抑えるための運用も並行して行われている。最新話の公開直後にコメント数とランキングが動くため、SNSのトレンドと連動しやすく、話題作は公開日の深夜にX(旧Twitter)で作品名がトレンド入りすることも珍しくない。
出版社にとっての意味[編集]
漫画アプリの多くは複数の出版社の作品を扱う書店型だが、少年ジャンプ+は集英社が自社の連載のために運営している。自社運営の利点は、読者の反応が直接手元に入ることと、作品の権利を最初から自社で持てることにある。ピッコマやLINEマンガのような配信専業の場に出す場合、読者の行動データは配信側にたまる。
海外向けには、集英社が2019年1月に始めた多言語配信サービス「MANGA Plus by SHUEISHA」で少年ジャンプ+の作品も同時配信されている。2024年5月には縦読み漫画(ウェブトゥーン形式)専門の「ジャンプTOON」も別アプリとして始まり、横読みの少年ジャンプ+とは媒体を分けて運営されている。
主な連載作品[編集]
| 作品 | 作者 | 連載開始 | 主な映像化 |
|---|---|---|---|
| ファイアパンチ | 藤本タツキ | 2016年4月 | ― |
| 地獄楽 | 賀来ゆうじ | 2018年1月 | TVアニメ(2023年〜) |
| SPY×FAMILY | 遠藤達哉 | 2019年3月 | TVアニメ(2022年〜)・劇場版(2023年) |
| 怪獣8号 | 松本直也 | 2020年7月 | TVアニメ(2024年〜) |
| ダンダダン | 龍幸伸 | 2021年4月 | TVアニメ(2024年〜) |
| ルックバック(読切) | 藤本タツキ | 2021年7月 | 劇場アニメ(2024年) |
| タコピーの原罪 | タイザン5 | 2021年12月 | 配信アニメ(2025年) |
| チェンソーマン 第二部 | 藤本タツキ | 2022年7月 | ―(第一部はTVアニメ化) |
このほか『忘却バッテリー』『姫様“拷問”の時間です』『株式会社マジルミエ』『阿波連さんははかれない』などもアニメ化されている。『彼方のアストラ』(篠原健太)はウェブ連載作品として初めてマンガ大賞(2019年)を受賞した。チェンソーマン第二部は2026年3月に完結した。
10周年[編集]
2024年9月22日の創刊10周年に合わせ、記念特設サイトが開設され、10大企画が発表された。連載作家が審査員を務める賞金総額1,000万円以上の漫画賞、ラジオ番組などに加え、初の大規模展覧会「少年ジャンプ+展 10TH ANNIVERSARY」が2025年4月18日から5月18日まで東京・天王洲の寺田倉庫で開かれた。展示では連載作品の原画や、ヒット作が生まれた過程の資料が公開された。
評価[編集]
少年ジャンプ+は、出版社が自前のアプリで新人の連載を回し、そこからアニメ化級のヒットを複数出した例として、漫画業界の外でもしばしば取り上げられる。2014年にはJEPA電子出版アワードの「スーパー・コンテンツ賞」を受賞している。
一方で、更新本数の多さは「どれを読めばいいか分からない」という声にもつながっている。ランキングと全話無料キャンペーンが入口の役割を担っているが、話題作に閲覧が集中しやすく、中堅作品が目立ちにくいという構造は、紙の雑誌の掲載順争いがアプリ上で別の形に置き換わったものと言える。
余談[編集]
- 正式表記は全角の「少年ジャンプ+」で、半角の「+」やカタカナの「ジャンププラス」も広く使われている。
- 読切を大量に公開する方針は、新人の発表の場としても機能している。編集部の持ち込みを経ずにウェブで注目された作品が連載になる経路ができたことは、同人誌や投稿サイトから商業へ上がる流れと同じ形である。
- 漫画のアニメ化・実写化の話は、以前は紙の連載で結果を出してからの順序だったが、アプリ発の作品が続いたことでその順序は必ずしも前提ではなくなった。
- 創刊時の編集部は3人だった。年間300本の読切を回す現在の体制と比べると、規模は5倍になったが、作品数の伸びはそれをはるかに上回っている。
- 藤本タツキの読切『ルックバック』は公開直後からSNSで大きな話題となり、1本の読切が一晩で作品名ごと拡散されるという現象は、紙の雑誌ではほとんど起きなかった。
- ジャンプ作品がアニメ化される際、紙の本誌出身か少年ジャンプ+出身かを視聴者が意識することはほとんどない。媒体の違いが作品の格の違いとして受け取られなくなったこと自体が、この10年の変化を示している。