| ジャンプTOON JUMP TOON | |
|---|---|
![]() 運営元・集英社の神保町ビル(出典:Wikimedia Commons/撮影:Akonnchiroll/CC BY-SA 4.0) | |
| サイト名 | ジャンプTOON |
| 言語 | 日本語 |
| タイプ | 縦読みマンガアプリ・ウェブ配信サービス |
| 国 | 日本 |
| 種類 | 電子コミック配信(縦スクロール・フルカラー) |
| 創設 | 2024年5月29日 |
| 運営者 | 集英社(アプリ開発:サイバーエージェント) |
| 営利性 | 営利 |
| 登録 | 任意(会員登録でポイント獲得などが可能) |
| 開始 | 2024年5月29日 |
| 現在の状態 | 運営中 |
| 別名 | JUMP TOON、ジャンプトゥーン |
| リンク | https://jumptoon.com/ |
概要[編集]
ジャンプTOON(ジャンプトゥーン、JUMP TOON)とは、集英社のジャンプグループが2024年5月29日に開始した、縦スクロール・フルカラーの「タテマンガ」専門の漫画アプリおよびウェブ配信サービスである。
詳細[編集]
どんなサービスか[編集]
キャッチコピーは「スマホで。カラーで。タテスクロール」。韓国発のウェブトゥーンと同じく、スマホを縦に持ったまま指で下へスクロールしていく形式のマンガだけを集めたアプリである。iOS/Android版のほか、ブラウザ版(jumptoon.com)もあり、PCからでも読める。
ラインナップは大きく2種類。ひとつはジャンプTOONのために描き下ろされた「オリジナル連載」、もうひとつは『ハイキュー!!』や『増田こうすけ劇場 ギャグマンガ日和』のような既存の横読み作品を、縦向きに再構成して色を付けた「タテカラー版」である。オリジナル連載は曜日ごとに更新され、毎日なにかしらの新話が読める作りになっている。
運営体制[編集]
運営は集英社自身で、利用規約上の事業者も株式会社集英社。アプリの技術的な開発はIT大手のサイバーエージェントが担当した。プラットフォームは読む側の「ジャンプTOON」、投稿・新人発掘用の「ジャンプTOON NEXT!」、プロの制作体制である「TOON FACTORY」の3本柱で構成されると発表されている。
統括編集長は集英社の浅田貴典。『ONE PIECE』『BLEACH』『アイシールド21』などの担当編集を務めた人物で、週刊少年ジャンプの王道を知り尽くしたベテランが縦読みの新規事業を任された格好になる。連載会議は他の編集部からも企画を出せる仕組みで、ジャンプ系の各編集部が横断的に関われるのも特徴とされる。
立ち上げの経緯[編集]
始まりは社内の若手からの声だった。浅田によれば、立ち上げのおよそ3年前、デジタル部門の若手社員が「縦読み市場には可能性がある」と声を上げ、経営陣が浅田に統括を命じたという。本人は「頼まれた仕事は断らない」主義で引き受けたと語っている。
2023年5月30日、集英社は「ジャンプ」ブランドを冠した縦読みマンガ事業への本格参入と新アプリ「ジャンプTOON」を発表。同時に新人賞「ジャンプTOON AWARD」の募集を始めた。そして約1年後の2024年5月29日(水)、28作品をそろえてアプリが創刊された。参入を決めた理由について集英社側は、横読みマンガが紙もデジタルも好調な「今だからこそ」新事業に挑むべきだという判断だったと説明している。
なぜ自前アプリなのか[編集]
集英社は既存のLINEマンガやピッコマに作品を卸すだけ、という選択肢もあった。それでもわざわざ自社アプリを作った理由として浅田は「データ」を挙げる。読者の反応を分析して作品の質を上げるには、データに制限なくアクセスできることが必要で、そのためには配信の場そのものを持たなければならない、という考え方である。他社の電子書店経由ではデータが限定的になり、タイミングよく受け取るのも難しいという。
また、浅田は縦読みマンガには横読みマンガのような「読者とつながる場」がまだ育っていないと指摘している。「ジャンプの名前を掲げるならば面白い確率が高いはず」という読者の信頼を集客に使えるのも、自前アプリならではの強みとされた。少年ジャンプ+が横読みで成功させた「出版社が自分の場を持つ」モデルを、縦読みでも再現しようとした形である。
料金・コイン・ポイントの仕組み[編集]
基本は無料、続きはコイン[編集]
アプリのダウンロードと閲覧自体は無料。各作品の冒頭数話は無料で読め、さらに時間が経つと次の話が無料で開く「待てば無料」方式を採用している。待ちきれない場合は有料の「コイン」で先の話を開ける、という縦読みアプリではおなじみの設計である。
コイン・ポイント・チケットの違い[編集]
利用規約では、通貨的なアイテムが3種類に分かれている。
- コイン:購入するか、キャンペーンなどで無償付与される(無償分は「ボーナスコイン」)。購入コインは無期限、ボーナスコインには有効期限がある。
- ポイント:ミッション達成など一定の条件を満たすと無償でもらえる。閲覧制限のある話を読むのに使え、有効期限付きのものもある。
- チケット:有効期限なし。
App Storeでのコイン価格は、80コイン=80円から、1,010コイン=980円、10,400コイン=9,800円まで10段階。まとめ買いほどボーナスが乗る仕組みになっている。
初回全話無料(2025年12月〜)[編集]
大きな転機になったのが2025年12月17日のアップデートで、オリジナル連載(一部を除く)を「初めて読む人なら最新話まで全部無料」で読めるようにした。ビューワを開いてから24時間は無料で、それを過ぎると通常の有料扱いに戻る。気になった作品を24時間で一気読みさせ、ハマった人にはその後課金してもらう、という導線である。
それ以前から、2024年8月9日〜23日の「夏の無料イッキ読みキャンペーン」や、1周年記念の「24時間限定 全作品最新話まで無料」など、期間限定の全話無料はたびたび実施されていた。それを常設化したのが初回全話無料だといえる。
ポイ活要素[編集]
ポイント配布キャンペーンも多い。新連載の冒頭3話を読むと最大240ポイント、事前にお気に入り登録すると10ポイント、といった施策が定番で、2026年秋には「友達招待ミッション」(招待した側に200ポイント、招待された側に400ポイント、最大10人・最大2,000ポイント)も行われた。サイトにはスロットチャレンジのようなミニゲーム要素もある。
代表作・人気作品[編集]
ラスボス少女アカリ[編集]
正式タイトルは『ラスボス少女アカリ~ワタシより強いやつに会いに現代に行く~』(原作:岸馬きらく、作画:酒ヶ峰ある)。異世界の最強ラスボスが不幸な女子高生に転生し、現代の学園で暴れまわるバトルコメディで、ジャンプTOONの看板作品といえる存在である。アプリ内ランキング1位を獲得し、コミックナタリー主催の「タテ読みマンガアワード 2024」ではバトルマンガ国内作品部門5位、「タテ読みマンガアワード2025」では事務局特別賞(キャラクター賞)を受賞した。App Storeの紹介文でも筆頭で名前が挙がっている。
創刊時からの主な連載[編集]
- 『伝説の暗殺者、転生したら王家の愛され末娘になってしまいまして。』――転生した暗殺者が王国の姫として家族を守るアクション×家族ドラマ。タテ読みマンガアワード2025国内作品部門16位。
- 『異世界コンビニのおっさん、実は最強。』(ストレートエッジ)――同アワード国内作品部門19位。
- 『鎧の令嬢の返り咲き』(原作:アネコユサギ)――『盾の勇者の成り上がり』の作者が原作を担当。
- 『きみのためのエデン』(原作:斜線堂有紀)――創刊時からの作品で、2026年8月21日に完結した。
- 『ああ、生きているって素晴らしい』『悪役のモブ妻(※死ぬ予定)』『求婚魔王と留年の勇者』『あざといちゃんとヤンキーくん』『復讐貴族』『異世界帰りの陰キャ、不良の王になる』など。
ジャンル構成を見ると、異世界転生・復讐・悪役令嬢系といった縦読みの定番ジャンルが多い一方、ギャグや青春ものも並ぶ。浅田は「ジャンプのパブリックイメージ=少年たちによる能力バトル」だけにはしたくない、男性向けも女性向けも、格闘技ものもグロいものも試す、と語っており、そのラインナップにも表れている。
新人賞出身の作品[編集]
2025年12月18日から4日連続で、ジャンプTOON AWARD受賞者による新連載が始まった。
- 『ミリオンモージャ』(原作・ネーム:加藤航平、着彩:nan)――第1回大賞。地獄の獄卒が主人公のドタバタ日常バトルコメディ。
- 『パーフェクトナンバー』(Kaneaki Go×KJ)――第2回準大賞。ハッカーが登場するサスペンス。
- 『ノウワンダー』(原作:高野水登、作画:垂見秋邑)――第1回佳作。ダークファンタジー。
- 『きみの幕が上がる』(遊泳ピカ)――第2回大賞。演劇部が舞台の青春群像劇。
タテカラー版[編集]
創刊時には『ハイキュー!!』(古舘春一)、『増田こうすけ劇場 ギャグマンガ日和』(増田こうすけ)、『金魚妻』(黒澤R)のタテカラー版が配信された。その後『株式会社マジルミエ』のタテカラー版なども加わっている。年末には『銀魂』の「3年Z組」を題材にした「年越し祭」企画(「マダオからのお年玉」)も行われた。
ランキングとアワード[編集]
アプリ内ランキング[編集]
トップページには曜日別のランキングがあり、各作品のビュー数などとともに上位作品が表示される。2026年10月時点でも『ラスボス少女アカリ』が上位の常連で、『パーフェクトナンバー』『きみの幕が上がる』『ノウワンダー』など新人賞出身作も並んでいる。
ジャンプTOON AWARD[編集]
縦読みマンガ限定の新人賞で、2023年5月に第1回の募集を開始した。第1回の賞金は大賞100万円+連載確約、準大賞50万円+掲載確約、佳作20万円+掲載確約。大賞には「CLIP STUDIO PAINT EX」の進呈と少年ジャンプ+での受賞作掲載もセットだった。協賛はイラスト・マンガ制作ソフトのCLIP STUDIO PAINT。応募条件は最低80コマ以上で、第1回の応募作は121本、フルカラー作品も多かったという。浅田は「縦型で独創性の高い作品を発表したいという欲求が爆発している」と手応えを語っている。
第4回(2026年6月1日〜8月31日募集)は、大賞100万円+連載確約、準大賞50万円、佳作20万円に加え、最終候補10万円、有望作品1万円まで設定。最低コマ数は40コマに緩和され、カラー・モノクロどちらでも、個人のSNSで発表済みの作品でも応募できる。審査には『怪獣8号』の松本直也、『アオのハコ』の三浦糀といったジャンプ系の人気作家が加わる。結果発表は2026年10月下旬の予定とされている。
ジャンプTOON 新人賞[編集]
AWARDとは別に、3か月ごとの「ジャンプTOON 新人賞」もある。2026年9〜11月期の募集は2026年9月1日〜11月30日で、大賞50万円、準大賞30万円、佳作10万円。応募は投稿サイト「ジャンプTOON NEXT!」からのWEB応募のみで、読切・連載第1話・過去作のいずれも可。審査は浅田と編集部が行い、大賞・準大賞には掲載が確約される。
他サービスとの比較[編集]
| サービス | 運営 | 開始 | 形式 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| ジャンプTOON | 集英社 | 2024年 | 縦読み・フルカラー | ジャンプ系の自社オリジナル+タテカラー版。初回全話無料 |
| 少年ジャンプ+ | 集英社 | 2014年 | 横読み中心 | 『SPY×FAMILY』『ダンダダン』『チェンソーマン』第2部などを輩出 |
| LINEマンガ | LINE Digital Frontier | 2013年 | 縦横両方 | 他社作品も扱う書店型。韓国発ウェブトゥーンが充実 |
| ピッコマ | カカオピッコマ | 2016年 | 縦横両方 | 「待てば¥0」を広めた書店型。『俺だけレベルアップな件』など |
ピッコマ・LINEマンガとの違い[編集]
ピッコマやLINEマンガは、複数の出版社・スタジオの作品を並べて売る「書店型」の性格が強い。一方ジャンプTOONは、集英社が自社で企画・編集したオリジナルを中心に置く「雑誌型」に近い。浅田も、ジャンプTOONは課金を最優先する書店型ではなく、まず作品を広く知ってもらうことを重視する雑誌型寄りの立ち位置だと説明している。「待てば無料」というモデル自体は先行サービスと共通だが、作品の出どころがほぼ自社という点が大きく違う。
少年ジャンプ+との違い[編集]
同じ集英社でも、少年ジャンプ+は横読み(見開きのコマ割り)が中心で、白黒原稿を基本とする。ジャンプTOONは縦スクロール・フルカラーが前提で、アプリも別。いわば「横のジャンプ+、縦のジャンプTOON」という棲み分けである。ただし交流もあり、第1回AWARDの大賞には少年ジャンプ+への受賞作掲載権も付いていた。
市場の中での位置[編集]
浅田は取材で、縦読みマンガの国内市場規模を約600億円、横開きマンガを約6,100億円と見積もっている。縦読みは横読みの10分の1ほどの規模だが、伸びしろの大きい市場であり、講談社や小学館など他の大手出版社も同じ領域に力を入れている。後発の集英社が「ジャンプ」の看板でどこまで食い込めるかが注目点とされてきた。
2026年の動き[編集]
- 2周年感謝祭:2026年4月29日〜5月31日に開催。オリジナル作品を最新話まで何度でも無料で読める企画、1日2話読むと毎日40ポイントもらえる「ジャンプTOONジャンボ」(毎日抽選で1名にAmazonギフトカード10万円分)、ポイントを使ってオリジナル41作品のアクリルスタンド抽選に応募できる企画などが行われた。
- 特別対談:2周年企画として、『ラスボス少女アカリ』原作の岸馬きらくと、『神血の救世主』原作の江藤俊司による「日本発WEBTOONヒット作家」対談を公開。縦読みでは一人称視点の見せ方が重要になること、ネーム原作とテキスト原作の違いなどが語られ、縦読み界の「本当の天才」はまだ現れていない、つまり伸びしろしかない、という話も出た。
- 新連載ラッシュ:2026年5月には『朱天桃子は倒せない』『サンドラ 制裁の女神の執行人』『ギャルバケ』『マッドマッド』、7〜8月には『暴君少女ネロの反逆』『怪魚ハンター 最後の1人になるまで帰れません』『おっさん、鬼嫁への復讐を誓う』『復讐のヴィランスレイヤー』が4作品ずつ順次スタート。新人作家の読切を5本・6本とまとめて出す企画も続いている。
- 電子コミックス化:2026年9月4日、レーベル「JUMP COMICS TOON」から人気オリジナル6作品(『ラスボス少女アカリ』『伝説の暗殺者、転生したら王家の愛され末娘になってしまいまして。』『ミリオンモージャ』『パーフェクトナンバー』『ノウワンダー』『きみの幕が上がる』)の1・2巻が同時発売された。縦読み作品をフルカラーの横読み単行本に組み直した形式である。
- 完結と無料公開:『きみのためのエデン』が2026年8月21日に完結し、9月25日〜10月8日に完結記念の全話無料キャンペーンを実施(開始日には原作者のあとがきも公開)。10月1日〜14日には中華風医療ドラマ『醫の華』も全話無料で公開されている。
- 第4回AWARD:2026年6〜8月に募集し、10月下旬に結果発表予定。
炎上とバズ[編集]
集英社の縦読み参入が発表された2023年5月には、「ジャンプがウェブトゥーンをやる」というニュースが国内外のマンガメディアで大きく取り上げられ、海外でもピッコマや韓国の大手プラットフォームとの競争という文脈で報じられた。「ジャンプ」の看板を縦読みにも掲げることについて、編集長の浅田は少年バトルだけにはしないと最初から明言しており、実際のラインナップも異世界転生・復讐・悪役令嬢ものから青春群像劇まで幅広い。2025年12月の初回全話無料化や、2周年の全話完全無料企画のように「24時間で一気読み」させる施策は、そのたびに公式Xで告知され拡散されている。
余談[編集]
- 統括編集長の浅田貴典は『ONE PIECE』の元担当編集。発表時のニュースでも「『ONE PIECE』『BLEACH』『アイシールド21』の担当編集」という肩書きで紹介された。
- 浅田は表現について「アプリがBANされない程度にチャレンジしたい」と語っている。
- 公式Xアカウント(@jumptoon_offl)のフォロワーは約5.3万人(2026年10月時点)。毎日「本日の更新」を投稿し、休載作品はリプライ欄で告知するスタイルをとっている。YouTubeとTikTokにも公式アカウントがある。
- 「タテ読みマンガアワード2025」で大賞に選ばれたのは他社配信の『お求めいただいた暴君陛下の悪女です』だったが、ジャンプTOONは協力社11社の一つとして名を連ね、自社作品3本が入賞した。
- アプリの開発を担当したサイバーエージェントは、グループ内のマンガ制作スタジオ「STUDIO ZOON」で自らも縦読みマンガを作っている。
