天然むすめ
10musume
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最高裁判所庁舎(東京都千代田区)。2014年、海外サーバー経由の無修正動画配信をめぐる事件で「頒布」の意義を示す決定を出した(出典:ウィキメディア・コモンズ、CC BY-SA 4.0)
サイト名 天然むすめ
言語 日本語
タイプ 会員制動画配信サイト(成人向け)
国 アメリカ合衆国(運営拠点とされる)
種類 成人向け動画配信
運営者 米国の企業とされる(報道ではカリビアンコムと同じ運営体制の系列サイトとして言及)
営利性 営利
登録 有料会員制
現在の状態 稼働しているとされる(2026年10月時点)
別名 10musume、天然娘

概要[編集]

天然むすめとは、日本人出演者による無修正の成人向け動画を、海外のサーバーから会員制で配信しているアダルトサイトである。「素人っぽさ」を前面に出した企画で知られ、カリビアンコム・一本道・HEYZO・パコパコママなどと同じグループに属する系列サイトの一つとされる。

詳細[編集]

名称とブランド[編集]

サイト名の「天然むすめ」は、「天然(=飾らない、作られていない)」と「むすめ(娘)」を組み合わせたものとされる。ローマ字の略称は「10musume」で、「天然(てんねん)」の「てん」を数字の「10」に置き換えた語呂合わせになっている。ネット上では作品番号とセットでこの略称が使われることが多く、日本語名より英字表記のほうが目にする機会が多いという、ちょっと逆転した現象も起きている。

名前のとおり、プロダクション所属の有名AV女優を看板にするのではなく、「どこにでもいそうな普通の女の子」というイメージを売りにしたブランドである。同じ系列の中でも、カリビアンコムが総合型、一本道が人気女優寄り、パコパコママが人妻・熟女系というように役割分担があり、天然むすめはその中で「素人系」の枠を担っていると説明されることが多い。

開設時期[編集]

天然むすめの正確な開設年月日は、公式に明示された資料や報道では確認しにくい。作品番号は「月・日・年(西暦下2桁)+連番」の形式で振られており、ネット上で流通している番号からは、遅くとも2010年前後には配信が行われていたとみられる。系列のカリビアンコムや一本道が2000年代前半から運営されていたことを踏まえると、グループ内でジャンル別のサイトを増やしていく過程で立ち上がったブランドの一つと考えられている。

「素人系」というコンセプト[編集]

天然むすめのコンセプトは、いわゆる「素人もの」の企画系である。出演者は芸名で紹介され、プロフィールも年齢・職業風の設定など最小限に留められるのが通例とされる。もっとも、「素人」はあくまでジャンル上の演出であり、出演者が本当にまったくの一般人であるかどうかは別問題である。アダルトビデオ業界では、プロの出演者が素人という設定で出演することは珍しくなく、天然むすめもその文脈で理解するのが妥当とされる。

なお、本記事では作品内容の具体的描写や出演者個人の特定・詮索は扱わない。

運営とグループ構成[編集]

運営企業とされる組織[編集]

天然むすめは、カリビアンコムを中心とする海外拠点の無修正配信サイト群の一つとして知られる。2017年のダイヤモンド・オンラインの記事は、カリビアンコムの運営会社を1996年設立の米国企業「ドリームルーム・プロダクションズ」(Dreamroom Productions)と紹介し、同社が「一本道」「天然むすめ」「HEYZO」などの関連サイトも手がけ、サーバーは米国に置かれていると報じている。

一方で、これらのサイト群は日本のネット上では「DTIグループ」「DTI系」とも総称される。ウィキペディア日本語版の「ジャポルノ」の項目でも、「DTIグループ」傘下の定額会員制サイトとして、カリビアンコム・一本道・天然むすめ・HEYZO・パコパコママが並べて挙げられている。ただし、日本の大手プロバイダ「DTI(ドリーム・トレイン・インターネット)」との資本関係などについて、公的に確認できる資料は乏しく、呼び名が同じであることから両者を同一視するのは避けたほうがよい。運営の実態や法人構成はあくまで「報道でそう説明されている」範囲に留まる。

系列サイトとの関係[編集]

系列サイト同士は、作品のテイストこそ違えど、サイトの構造や会員システムが共通している点が特徴である。系列サイトをまたいで使える共通の会員IDの仕組みがあるとされ、ひとつのサイトで登録した利用者が別の系列サイトにも入会しやすい設計になっている。

ジャンル別に細分化された「のれん分け」型のブランド展開は、日本の大手メーカー(MOODYZやエスワンなどのレーベル展開)にも通じる発想であり、ファンの間では「どの系列が自分の好みか」を語る比較記事が今も量産されている。

業界内での位置づけ[編集]

海外拠点の無修正配信サイトは、2000年代以降、東京熱や金8天国など複数のブランドが乱立した。その中でカリビアンコム系は、老舗かつ大手として扱われることが多い。天然むすめは系列の中では規模の大きいほうではないが、「素人系の無修正」という分かりやすい看板があるため、ブランド名の知名度は高い。

料金体系とサービスの変遷[編集]

料金の仕組み(概要)[編集]

天然むすめは月額制(定額)の有料会員制サイトである。系列サイトと同様に、料金は米ドル建てで表示され、クレジットカードなどで決済する形式が中心とされる。加入期間に応じたプランや、一定期間の自動更新が設定されているのが一般的とされる。具体的な金額や入会手順は時期によって変動するうえ、本記事の趣旨から外れるため記載しない。

海外事業者との契約であるため、決済トラブルが起きた場合に日本の消費者保護制度がそのまま及ぶとは限らない点は、利用者側の注意点としてしばしば指摘される。

ダウンロードからストリーミングへ[編集]

系列サイト全体で大きな転換となったのが、ダウンロード機能の廃止である。ウィキペディア日本語版「ジャポルノ」の記述によれば、DTIグループは2022年に傘下の定額会員制サイト(カリビアンコム、一本道、天然むすめ、HEYZO、パコパコママ)での動画ダウンロードサービスを終了し、2023年4月には「カリビアンコムプレミアム」などでの単品販売・ダウンロードも終了した。

この変更の理由としては、スマートフォン利用者への対応や、海賊版サイトへの流出防止策であるといわれている。結果として、天然むすめは現在、基本的にストリーミング視聴を前提としたサービスになっているとされる。

日本の法制度との関係[編集]

刑法175条と「海外サーバー」[編集]

日本の刑法175条は、わいせつな文書・図画・電磁的記録などの頒布や公然陳列、販売目的での所持などを処罰の対象としている。国内向けのアダルトビデオで性器にモザイク処理がかかっているのは、この規定に抵触しないようにするための業界の慣行である。

これに対し、天然むすめをはじめとする無修正配信サイトは、サーバーと運営主体を米国など海外に置き、「海外では合法な映像を、海外のサーバーから配信しているだけ」という建前で運営されてきた。ダイヤモンド・オンラインの記事も、「海外サーバーからの配信は無修正でも合法」というのがアダルトサイトの建前だったと指摘している。

2014年の最高裁決定[編集]

この建前に大きな影響を与えたのが、最高裁判所第三小法廷の平成26年(2014年)11月25日決定である。事案は、日本国内在住の被告人らが無修正の動画を企画・製作し、米国在住の共犯者を通じて米国内のサーバーにアップロードさせ、日本の顧客がダウンロードできるようにしていたというもの。

最高裁は、刑法175条1項後段の「頒布」を「不特定又は多数の者の記録媒体上に電磁的記録その他の記録を存在するに至らしめること」と解釈した。そのうえで、顧客のダウンロード操作に応じて自動的にデータを送信する仕組みの配信サイトを使い、顧客のパソコン等にデータを記録・保存させることも「頒布」に当たると判断した。日本国内で顧客がダウンロードし保存した時点で実行行為の一部が国内で行われたと評価され、国内犯として処罰できるという理屈である。

この決定は天然むすめそのものを対象とした事件ではないが、「サーバーが海外にあれば国内法は及ばない」という理解が必ずしも通用しないことを示したものとして、無修正配信サイト全般に関わる判断と受け止められている。

2017年のカリビアンコム関係者摘発[編集]

系列の中核であるカリビアンコムをめぐっては、2017年に警視庁による一連の摘発が報じられた。J-CASTニュース(2017年1月11日)によれば、同サイトで無修正動画を有料配信したとして、警視庁はアダルトビデオ制作会社の社長ら男女6人を、わいせつ電磁的記録等送信頒布の疑いで逮捕した。

さらに同年3月には、撮影に関わった出演者や制作関係者、そして運営会社側の米国籍の従業員が逮捕されたと報じられた。弁護士ドットコムニュースは、この従業員が米国から沖縄県を訪れていたところを逮捕されたと伝え、運営側の関係者が摘発されたのは初めてとしている。法律家は、日本国内の共犯者と海外の共犯者が共同して行為した場合、行為の一部が国内で行われれば日本法が適用され得ると解説した。ダイヤモンド・オンラインは、逮捕された一部の関係者がのちに不起訴となった一方、実名報道による社会的ダメージは大きかったとも伝えている。

これらの摘発で直接名指しされたのはカリビアンコムであり、天然むすめについて個別に摘発が報じられた事例は、公開情報の範囲では確認できなかった。ただし、同じ運営体制とされる系列サイトであることから、業界内では「次はどこが狙われるのか」という緊張が走ったといわれる。

出演者・スカウトをめぐる問題[編集]

2017年の摘発では、出演者を制作会社に派遣したとして芸能事務所の社長も逮捕されたと報じられた(日刊ゲンダイ、2017年3月)。無修正作品の撮影は、たとえ配信先が海外であっても、撮影そのものが日本国内で行われていれば国内法の問題になり得る。出演者や事務所、スカウト関係者にとっても法的リスクがあることが、この一件で広く知られるようになった。

AV新法との関係[編集]

法律の概要[編集]

2022年6月15日、「AV出演被害防止・救済法」(通称AV新法)が国会で成立した。年齢・性別を問わず、アダルトビデオへの出演者を保護するための法律で、主な内容は次のとおりである。

  • 契約時の書面交付と詳細な説明の義務付け
  • 契約から撮影まで1か月以上の期間を空けること
  • 撮影終了から公表まで4か月以上の期間を空けること
  • 公表から1年間(施行後一定期間は2年間)、出演者が無条件で契約を解除できること
  • 解除を妨げる目的の不実告知や威圧に対する罰則

無修正配信サイトへの影響[編集]

AV新法は国内で撮影・制作される作品を前提にした法律であり、海外の配信事業者を直接名指しして規制するものではない。しかし、天然むすめのように日本人出演者による作品を扱うサイトの場合、撮影や制作の段階が日本国内で行われていればAV新法の手続きが関係してくるとみられる。

特に「素人系」は、出演者が業界経験の浅い人物であるという建前を取るジャンルであるため、出演強要問題が社会問題化した2010年代後半以降、ジャンル全体への視線が厳しくなった。AV新法の無条件解除権は、出演者が後から公開停止を求める根拠にもなり得る。一方で、無修正作品や海外配信作品に法律の実効性がどこまで及ぶのかについては、制度の課題として指摘されることもある。

利用上のリスク[編集]

偽サイト・フィッシング[編集]

天然むすめのように知名度の高いブランドは、名前やロゴを無断で使った偽サイトが作られやすい。検索結果や広告、SNSの投稿から、公式を装ったページに誘導される事例はアダルトサイト全般で多く報告されている。偽サイトではクレジットカード情報を盗み取るフィッシングや、ログイン情報の窃取が行われることがある。

マルウェア・不正請求[編集]

「無料で見られる」とうたうページには、悪質な広告やマルウェアの配布、いわゆるワンクリック詐欺が仕込まれていることがある。大阪府の消費生活相談のFAQでは、有料であることや金額が表示されていなければ契約が成立しているとはいえないこと、業者に連絡すると個人情報が知られるので連絡は避けるべきことが案内されている。困った場合は消費者ホットライン「188」などの公的窓口に相談するのが基本である。

違法アップロード[編集]

天然むすめの作品は、MissAV、Jable.tv、かつてのAvgleなど、海外の無断転載サイトに違法にアップロードされることが多い。またJAVLibraryのようなデータベース系サイトで作品情報が整理・共有されることもある。こうした違法アップロードは運営側にとって収益を損なうだけでなく、出演者が配信停止を望んでも映像が拡散し続けるという問題もはらむ。前述のダウンロード機能廃止も、流出対策の一環とされる。

違法アップロードされた無修正動画を見る行為そのものの法的評価はさておき、そうしたサイトは悪質広告や偽の警告画面の温床になりやすいことが知られている。さらに近年は、実在の人物の顔を合成したディープフェイク動画が混在することもあり、出演者・第三者の権利侵害の問題も複雑化している。

決済・個人情報[編集]

海外事業者の会員制サイトでは、決済代行会社の名義で請求が行われることが多く、明細を見ても何の請求か分かりにくいことがある。自動更新の解約忘れによる請求トラブルもアダルトサイト全般でよくある相談であり、利用する場合は契約条件を事前に確認することが重要とされる。

国内の合法な代替サービス[編集]

日本国内には、刑法175条に沿ってモザイク処理を施した作品を合法的に販売・配信するサービスが多数ある。

  • FANZA:DMMグループが運営する国内最大級のアダルト配信・販売サービス。大手メーカーの作品を幅広く扱う。
  • MGS動画:素人系・企画系の作品に強いとされる配信サービス。
  • DUGA:インディーズ系メーカーの作品も多い配信サービス。
  • ソクミル:単品の低価格販売や見放題プランで知られる。
  • FC2(FC2動画):個人投稿型のコンテンツ販売プラットフォーム。ただし投稿者の質はまちまちで、規約違反の作品が問題になることもある。

天然むすめのような「素人系」の雰囲気を求める層は、国内では素人系レーベルや企画系メーカーの作品が受け皿になっている。

余談[編集]

  • 略称の「10musume」は、日本語の読みを知らないと「10人の娘」とも読めてしまう表記であり、数字を使った語呂合わせのブランド名としてはなかなか攻めたネーミングである。
  • 系列サイトの作品番号は、日付を基にした「月日年+連番」形式が共通しており、番号を見ただけでいつ配信された作品か分かる。データベース系サイトで重宝される理由の一つでもある。
  • 2017年1月にカリビアンコム関係者の逮捕が報じられた際には、無修正サイトの名前が昼のニュースで読み上げられ、サイト名がSNSのトレンド入りするという珍事が起きた(J-CASTニュース)。
  • 2014年の最高裁決定は、アダルトサイトの事件でありながら、「ダウンロード販売は頒布に当たるか」という電子データ時代の刑法解釈の論点として、法学の教科書や論文でも取り上げられている。
  • 海外の大手動画共有サイト(PornhubやXVIDEOSなど)でも、日本の無修正ブランド名は検索語として根強い人気があり、「JAV」というジャンル名とセットで語られることが多い。

外部リンク[編集]

  • 公式サイトのURLは掲載しない。

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