| XVIDEOS XVideos | |
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2023年からのロゴ(出典:ウィキメディア・コモンズ) | |
| 略称 | エックスビデオ |
| 国家 | チェコ(運営会社の所在地)、フランス(創業地) |
| 種類 | 動画共有サイト(アダルト) |
| 市場情報 | 非上場 |
| 業種 | インターネット・アダルトコンテンツ配信 |
| 本社所在地 | チェコ・プラハ(運営会社WebGroup Czech Republic) |
| 設立日 | 2007年 |
| 設立者 | ステファン・パコー(Stéphane Pacaud) |
| 年間売上 | 約1億3,070万ユーロ(2023年、WebGroup Czech Republic単体) |
| 所有者 | ステファン・パコー |
| 主要株主 | WGCZ Holding(親会社) |
| 主要部門 | XVIDEOS RED(有料会員) |
| 関係する人物 | ステファン・パコー、マロリー・パコー、ロベルト・ザイフェルト |
| リンク | https://www.xvideos.com/ |
概要[編集]
XVIDEOS(エックスビデオ)とは、フランス人実業家ステファン・パコーが2007年にパリで立ち上げ、現在はチェコ・プラハのWGCZグループが運営する世界最大級のアダルト動画共有サイトである。姉妹サイトにXNXXがあり、日本からのアクセスが特に多いことで知られる。
詳細[編集]
規模[編集]
XVIDEOSはアダルトサイトの中で常に1〜3位を争うサイトで、Similarwebの2021年8月のデータでは全ウェブサイト中7位、アダルトサイトでは首位だった。2019年ごろは世界8位前後だったが、その後はやや順位を下げ、2025年10月時点で世界30位(アダルトではPornhub、XHamsterに次ぐ3位)、2026年8月時点では27位前後となっている。2023年には英フィナンシャル・タイムズが、XVIDEOSとXNXXを合わせて月60億回の訪問があると報じた。
2012年時点ですでに月44億ページビュー、帯域は毎秒1テラバイト超と推定されていた。EU域内の月間利用者は約1億6,000万人とされ、これが後述のDSA指定につながった。
日本からのアクセス[編集]
Similarwebの2026年8月データでは、国別シェアはアメリカ合衆国が約27%で1位、日本が約13%で2位、ブラジルが3位。ライバルのPornhubの日本シェアが約6%であることと比べると、XVIDEOSは日本での比重がとりわけ大きいサイトといえる。日本国内のサイトランキングでも40位前後に入っており、アダルトサイトとしてはDMM(18位前後)などに次ぐ位置にある。日本語のインターフェースも用意されている。
仕組み[編集]
ユーザーが動画をアップロードし、誰でも無料で視聴できるチューブサイト型。登録なしで検索・再生できる手軽さが特徴で、動画ページの作りは極めてシンプルである。収益は主に広告で、グループ内の広告ネットワーク「Traffic Factory」が広告枠を管理している。Traffic Factoryは「1日2億人の訪問者」に広告を届けられると宣伝しており、同事業の会社(Traffic F)の売上は2020年に9,780万ユーロとされる。
有料会員サービス「XVIDEOS RED」は広告なし・高画質・限定動画などの特典を提供する月額制で、名前はYouTubeの有料版「YouTube Red」を意識したものとみられている。
運営会社[編集]
ステファン・パコーとWGCZ[編集]
創業者のステファン・パコーは1978年フランス・ル・クルーゾ生まれのエンジニア出身の実業家。双子の妹マロリー・パコーやいとこのマージョリー・グロックも初期から事業に関わってきたとされる。2000年代にはドメイン事業を手がけ、フランスやフィリピンなど複数の国を拠点にしていた。フランスの経済誌『Challenges』はパコーの資産を4億〜6億ユーロ規模と推定している。
事業の中核は、2013年設立の運営会社「WebGroup Czech Republic」と、2014年8月18日にプラハで設立された持株会社「WGCZ Holding」。プラハ中心部の同じ住所に約30の関連会社が集まっているとドイツのメディアnetzpolitik.orgは報じている。チェコ人実業家のロベルト・ザイフェルトらがグループの複数企業の役員を兼ねている。調査報道メディアVSquareによれば、WebGroup Czech Republic単体の2023年の売上は約1億3,070万ユーロ(約32億コルナ)、グループ全体では約1億5,800万ユーロで、法人税は約580万ユーロを納めていた。
XNXXとの関係[編集]
XNXXは1997年にパリで始まった古いアダルトサイトで、XVIDEOSと同じWGCZグループに属する「姉妹サイト」である。両サイトが同じ運営であることは、2014年のドメイン紛争の過程で公になった。XNXXは動画の多くをXVIDEOSと共有しており、トラフィックも世界40位台に入る規模。Similarwebの類似度分析でもXVIDEOSの最大の競合・併用サイトとしてXNXXが挙がる。
グループの買収戦略[編集]
WGCZはサイト運営にとどまらず、アダルト業界の老舗ブランドを次々と買収してきた。2017年に米国の制作会社Bang Bros、2018年には経営破綻した男性誌の老舗『ペントハウス』を破産競売で1,120万ドルで取得した。そのほかスペイン系のPrivate Media Group、DDF Network、ハードコア系レーベルのLegal Porno(現AnalVids)なども傘下に収め、2025年にはフランスの有名アマチュア系ブランド「Jacquie et Michel」を買収した。最近はOnlyFans型のファン課金プラットフォーム「SHEER」も展開している。
歴史[編集]
誕生と急成長[編集]
XVIDEOSは2007年にパリで開設された(2006年とする資料もある)。YouTube型の無料動画共有をアダルト分野に持ち込んだ第一世代の「チューブサイト」の一つで、MindGeek(現Aylo)系のPornhubやYouPornと同時期に成長した。
2012年には、当時MindGeekを率いていたファビアン・ティルマンが1億2,000万ドル超での買収を提案したが、パコーはこれを断った。このとき「ごめん、ディアブロIIをやらないといけないから」と返したという逸話がフランス語版Wikipediaなどで紹介されている。2015年にはMindGeek側と法的な争いも起きており、両陣営のライバル関係は長い。
コンテンツ提供者との摩擦[編集]
2014年には、XVIDEOSがスタジオなどのコンテンツ提供者に対し、アップロードした動画の削除権を放棄するか、アカウントを閉鎖するかを迫ったとして業界内で反発を招いた。無料サイトが有料スタジオの売上を奪っているという批判は、Pornhub・XVIDEOSの双方に長年向けられている。
ロゴ変更[編集]
2023年にロゴが刷新された。同年、EUの規制強化が始まり、XVIDEOSは「無料で誰でも見られる巨大サイト」から「規制当局と正面から向き合う巨大事業者」へと立場が変わっていく。
訴訟・規制[編集]
EUのDSA「超大規模オンラインプラットフォーム」指定[編集]
2023年12月、欧州委員会はデジタルサービス法(DSA)に基づき、XVIDEOSをPornhub・Stripchatとともに「超大規模オンラインプラットフォーム(VLOP)」に指定した。EU域内の月間利用者が4,500万人を超えるサービスが対象で、リスク評価、第三者監査、広告の透明性、研究者へのデータ提供などの重い義務が課される。2024年7月には姉妹サイトのXNXXも同様に指定された。
2025年5月27日、欧州委員会はPornhub、Stripchat、XNXX、XVIDEOSの4サイトについて、未成年者のアクセスを防ぐ年齢確認などの措置が不十分な疑いがあるとして正式調査を開始した。DSA違反が認定されれば、全世界売上高の最大6%の制裁金が科されうる。
フランスの年齢確認問題[編集]
創業地のフランスは、XVIDEOSにとって規制面で最も厳しい国の一つになった。フランスでは2020年の法律で、アダルトサイトに「18歳以上であることの宣言」だけでなく実効的な年齢確認を義務付け、規制機関Arcom(視聴覚・デジタル通信規制機関)が遮断を求める権限を持つようになった。2022年ごろからArcomはXVIDEOS、XNXX、Pornhubなど大手サイトの遮断手続きを進めたが、訴訟で長期化した。
焦点の一つは、XVIDEOSがEU加盟国のチェコに拠点を置く点だった。EU法の「原産国原則」では、事業者はまず本拠地の国の規制を受けるため、フランスが独自に規制できるかが争われた。フランス政府は2025年2月26日の省令で、チェコ、キプロス、ルクセンブルクなどEU域内に拠点を置く17サイトを対象に指定。Arcomは2025年8月1日から手続きを開始し、8月4日にXVIDEOSとXNXXを含む5サイトに3週間以内の対応を求める催告を出した。これを受けてXVIDEOS、XNXX、xHamsterなどは期限内に年齢確認の仕組みを導入し、Arcomは8月28日に遮断手続きに進まないと発表した。フランスの基準では、利用者の身元をサイト側に知られずに成人であることだけを証明する「二重匿名」方式を少なくとも1つ用意することが求められている。
アメリカの年齢確認法[編集]
Pornhubが年齢確認法の施行されたアメリカ合衆国の州から撤退したのに対し、XVIDEOSは多くの州で対応を取らずにサービスを続けたため、州当局との衝突が起きた。フロリダ州では2025年1月1日に年齢確認法(HB3)が施行され、州司法長官ジェームズ・アスマイヤーは4月に是正を求める書面を送付した後、8月5日にWebGroup Czech Republic、NKL Associates、広告会社Traffic Fなどを提訴した。訴状によれば、XVIDEOSにはフロリダ州だけで月約1,800万回の訪問があるとされた。2026年4月30日、運営側は120万ドルを支払い、フロリダ州の利用者に第三者の年齢確認事業者AgeGoによる確認を導入することで和解した。カンザス州でも2025年5月に、州法違反を主張する民事訴訟が起こされている。
XVIDEOS側は、年齢確認法に対応した無料サイトは「即座に潰れる」「ユーザーは年齢確認を強く拒否する」と主張し、規制が違法サイトへの流出を招くと反論している。
違法コンテンツをめぐる訴訟[編集]
アメリカでは、未成年時の被害映像がXVIDEOSとXNXXに掲載されたとして、被害者が運営会社を訴えた訴訟がある。2024年1月2日、第9巡回区連邦控訴裁判所は、運営会社がアメリカ向けに配信網(CDN)を整備していた点などを理由に、チェコの企業にも米国の裁判管轄が及ぶと判断した。この判断は、海外のアダルトサイトにアメリカの裁判所がどこまで手を伸ばせるかを示した例として注目された。別の人身売買関連訴訟は2025年2月に棄却され、原告側が控訴している。
2021年にはチェコのジャーナリストが、グループ傘下のLegal Pornoの撮影現場で出演者の同意やけがをめぐる問題があったと報じた。2026年には国連の報告書が、WGCZ系のサイトでの非同意コンテンツの収益化や年齢確認の不備を指摘している。
各国での遮断[編集]
中国(2009年ごろから)、インド(2018年の裁判所命令を受けた政府の遮断措置でXNXXなどとともに対象)、アルジェリア(2019年)、バングラデシュ(2019年)、ロシア(2022年)など、国単位で遮断された例は多い。マレーシアやフィリピンでも制限が報告されている。
日本での利用状況[編集]
なぜ日本で人気なのか[編集]
XVIDEOSは日本ではアダルトサイトの代名詞的な存在で、「エックスビデオ」などと呼ばれる。無料・登録不要・日本語表示に対応・検索が簡単という手軽さに加え、日本人ユーザー向けに日本語タイトルの動画が大量に存在することが人気の理由とされる。国内の正規配信であるFANZAやMGS動画、DUGA、ソクミルが有料販売中心であるのに対し、XVIDEOSは「無料で見られる場所」として長く定着してきた。
国内のアダルトビデオメーカーの中には、XVIDEOS上に公式チャンネルを開設してサンプル動画を公開し、自社の販売サイトへ誘導するところもあるとされる。一方で、無断で転載された作品も多く存在するため、メーカーは削除要請を繰り返しているとされる。
著作権・海賊版の問題[編集]
XVIDEOSのような投稿型サイトには、AV女優の出演作や国内メーカーの作品が権利者に無断でアップロードされることがあり、海賊版・著作権侵害の温床になっていると指摘されてきた。XVIDEOS側は、デジタル指紋による再アップロード防止フィルターや著作権侵害の通報窓口を設けており、ドイツの弁護士を著作権対応の窓口として指定している。
日本の法律では、海外サイトの動画をストリーミングで見るだけの行為を直接罰する規定はないが、2021年1月施行の改正著作権法により、海賊版と知りながら動画などをダウンロードする行為は違法となった(映像は以前から違法)。また、日本国内から無修正の映像をアップロードした者が刑法175条(わいせつ電磁的記録頒布等)で摘発された例は、投稿先の海外サイトを問わず多数ある。
偽警告・不正請求[編集]
日本では「XVIDEOSを見ていたらウイルス感染の警告が出た」「登録完了と表示され料金を請求された」という相談が多い。情報処理推進機構(IPA)は2024年の注意喚起で、偽のセキュリティ警告が表示される主な経路の一つとして「アダルトサイトの再生ボタン、または再生ボタンに似た広告」を挙げている。こうした画面の多くは、XVIDEOS本体ではなく広告枠やリンク先の外部サイト、あるいはGoogleなどの検索結果に出てくる類似名のサイトで表示されるもので、表示された電話番号に連絡したり支払ったりすることで被害が発生する。ブラウザの通知許可を求めるポップアップを許可すると、後から偽警告の通知が繰り返し届くケースもある。
炎上とバズ[編集]
「ディアブロII」の逸話[編集]
前述の、1億2,000万ドル超の買収提案を「ディアブロIIをやるから」と断ったという話は、パコーが表舞台にほとんど出ない人物であることも相まって、ネット上で繰り返し語られる伝説になっている。本人はメディアの取材にほとんど応じておらず、写真もほぼ出回っていない。
ペントハウス買収[編集]
2018年、XVIDEOSの親会社が老舗男性誌『ペントハウス』を買収したニュースは、「無料動画サイトが紙の雑誌帝国を買った」象徴的な出来事として米メディアで大きく報じられた。無料チューブサイトの台頭で苦境に陥った有料ブランドを、そのチューブサイト側が買い取る構図になったためである。
余談[編集]
- サイト名の読みは「エックスビデオズ」だが、日本では単数形の「エックスビデオ」と呼ぶ人が多く、検索ワードでも両方が使われている。
- 運営グループの本拠はプラハだが、姉妹サイトXNXXはモントリオール、東京、ニューアークにもサーバーや拠点を置いているとされる。
- フロリダ州の訴状では、XVIDEOSへのフロリダ州内からの訪問数が月約1,800万回とされ、州1つだけで中規模の国に匹敵するアクセスがあることが示された。
- 2014年にコンテンツ提供者へ「削除権の放棄」を迫ったとされる騒動や、2015年のMindGeekとの法的紛争など、業界内ではPornhub陣営との「二大巨頭」の対立がたびたび話題になってきた。