| カリビアンコム Caribbeancom | |
|---|---|
| 略称 | カリビアン、カリビ |
| 国家 | アメリカ合衆国 |
| 種類 | 無修正アダルト動画配信サイト(会員制) |
| 業種 | インターネット動画配信 |
| 本社所在地 | アメリカ合衆国西海岸(運営会社所在地) |
| 設立日 | 2002年 |
| 代表者 | 非公開 |
| 所有者 | DTIグループ(Dreamroom Productions, Inc.) |
| リンク | 掲載なし |
概要[編集]
カリビアンコム(Caribbeancom)とは、米国のDTIグループが運営する、日本人向けの老舗無修正アダルト動画配信サイトである。運営とサーバーを米国に置くという建前で日本人女性出演の無修正作品を配信し続け、2017年の摘発で一般ニュースにも名前が出た。
詳細[編集]
運営体制とビジネスモデル[編集]
カリビアンコムは、米国ロサンゼルスを拠点とするDreamroom Productions, Inc.を中心としたDTIグループのサイト群の代表格である。サイトは日本語で作られ、作品の出演者も日本人だが、運営・管理は米国西海岸で行われているとされる。同グループは一本道・HEYZO・天然むすめ・パコパコママなどの無修正サイトも運営しており、共通の会員ID「D2Pass」で複数サイトを横断して利用できる仕組みをとっている。
収益の柱は月額制の会員サービスで、2017年の報道時点では月額49.50ドル(約4,950円)からの見放題プランだった。J-CASTニュースの報道では会員数300万人とも伝えられている。会員が増えるほど作品の制作本数を増やせ、作品が増えるほど会員を呼べるという、定額見放題型の典型的な構造である。
「海外サーバーなら合法」という理屈[編集]
日本の刑法175条(わいせつ物頒布等)では、性器を修正していない映像の販売・配信が処罰対象になる。一方、米国では成人同士の無修正ポルノの制作・配信は合法である。カリビアンコムはこの差を利用し、「サーバーを海外に置くことでその国の法律が適用され、無修正動画を合法的に配信できる」とサイト上で説明してきた。
ただし作品の撮影自体は日本国内で行われ、出演者も日本で手配されることが多い。そのため「配信は米国」でも「撮影と素材の受け渡しは日本」という部分が残り、ここが日本の捜査当局から見た突破口になった。
2017年の摘発[編集]
2017年1月、警視庁は、カリビアンコムに作品を提供していたとされる国内のAV制作会社の社長ら男女6人を、わいせつ電磁的記録等送信頒布の疑いで逮捕した。昼のテレビニュースでサイト名がそのまま読み上げられたことで、X(当時のTwitter)では「カリビアンコム」がトレンド入りした(J-CASTニュース、2017年1月11日)。
同年3月2日には、制作会社に出演者を派遣していた芸能プロダクションの社長ら5人が逮捕され、出演した女優・男優も含まれていたことが報じられた(日刊ゲンダイ)。さらに同年3月上旬、運営グループの米国籍の男性社員が、米国から来日中に沖縄県で逮捕された。この社員は、日本で撮影された動画の圧縮などの作業を担い、2016年8月に無修正動画を配信した疑いが持たれていた(弁護士ドットコムニュース)。
海外サーバー型の無修正サイトは「運営者に手が届かないので摘発されない」と長く言われてきたが、この一連の事件で、制作会社・プロダクション・出演者、さらに来日した運営側社員までが逮捕された。これにより「サーバーが海外にあっても、日本国内で関与した人は処罰されうる」という前例がはっきり示された。一方で、出演者の一部は不起訴となったとも伝えられている。
その後の運営[編集]
摘発後もサイト自体は運営を続けている。その後、2023年4月には動画の単品販売・ダウンロードサービスを終了するなど、サービス形態は縮小の方向にある。業界では、2022年施行のいわゆるAV新法(アダルトビデオ出演被害防止・救済法)以降、国内の正規メーカーで活動していた出演者が無修正作品に流れる経路にも注目が集まっている。
作品とサイトの特徴[編集]
- 作品番号の形式:作品は「月日年-連番」形式の番号で管理されており、たとえば「081715-950」は2015年8月17日公開の作品を意味する。番号だけで公開日が分かるため、ファンの間ではこの番号で作品を指すことが多い。
- 出演者:無名の新人だけでなく、国内の正規メーカー(FANZAで流通する修正ありの作品)で活動したAV女優が、引退後や移籍のタイミングで出演するケースが多いことで知られる。いわゆる単体女優クラスの出演が話題になると、作品番号とともにSNSで拡散されやすい。
- 姉妹サイト:同じDTIグループの一本道・HEYZO・天然むすめ・パコパコママなどとは作風(素人系・人妻系など)で住み分けがある。DTIグループ外の老舗としては東京熱がよく比較される。外国人女性出演専門の金8天国もD2Passに対応している。
DTIグループの主な姉妹サイト[編集]
| サイト | 主な傾向 |
|---|---|
| カリビアンコム | グループの看板。AV女優から新人まで幅広く出演 |
| 一本道 | 知名度のある女優の出演作が中心 |
| HEYZO | 作品数が多く、ジャンルの幅が広い |
| 天然むすめ | 素人系の出演者が中心 |
| パコパコママ | 人妻・熟女系が中心 |
| 金8天国 | 外国人女性の出演が中心(D2Pass対応) |
同じグループ内でサイトを分けているのは、作風ごとに会員層を分けて、それぞれのサイトで月額課金を取るためと見られている。D2Passで横断利用できるため、1つのサイトに入った会員が別の姉妹サイトにも加入するという導線が作られている。
なぜ無修正サイトは米国に集まるのか[編集]
日本の刑法は「わいせつ」の基準として性器の露出を重く見るが、米国では成人同士の合意にもとづくポルノは表現の自由の範囲として合法に流通している。そのため、日本人向けの無修正サイトの多くは、運営会社を米国などに置き、決済も海外のサービスを通す形をとってきた。日本の捜査当局から見ると、運営会社やサーバーが国外にあるかぎり直接の差し押さえは難しく、国内での撮影・出演・素材の受け渡しといった「日本側の接点」を探して立件するしかない。カリビアンコムの2017年の摘発は、まさにこの接点を順番にたどっていく形で進んだ。
業界での位置づけ[編集]
日本のアダルトビデオは、日本ビデオ倫理協会などの審査団体を通し、性器にモザイク修正を入れたうえで流通するのが原則である。カリビアンコムはその外側にある「無修正」市場の中心的存在で、国内メーカー(ソフト・オン・デマンド・宇宙企画など)が作る修正あり作品とは、制作・流通の仕組みがまったく別系統になっている。
かつて無修正映像は裏ビデオとして地下流通していたが、インターネットの普及で「海外法人が会員制サイトで配信する」形に置き換わった。カリビアンコムはその転換期に登場し、20年以上にわたって市場を代表してきたサイトである。一方で、同サイトの作品はAvgle・MissAV・Jable.tvなどの無断転載型サイトに海賊版として大量に流れており、正規の有料サイトでありながら、海賊版サイト経由で名前を知られているという逆転現象も起きている。
法的な位置づけ[編集]
カリビアンコムは海賊版サイトではなく、自社制作・ライセンス作品を配信する有料サービスである。ただし無修正コンテンツの配信は日本国内では刑法のわいせつ物規制に抵触しうるため、制作・頒布に関わった側は上記のように摘発されている。視聴者側が視聴のみで処罰された例は確認されていない。国内法上の扱いがはっきりしている修正ありの正規配信としては、FANZA・MGS動画・DUGAなどがある。
余談[編集]
- サイト名は「カリブ海」を連想させるが、運営拠点は米国西海岸で、カリブ海地域とは関係がない。
- 2017年1月の摘発の際、昼のニュースで無修正サイトの名前がそのまま読み上げられたことが、ネット上ではちょっとした事件として受け止められ、トレンド入りした。
- 日本のAV女優が「引退後に無修正サイトに出演する」パターンの受け皿として言及されることが多く、AV業界の構造を語る際にたびたび登場するサイトである。
- 正規の有料サイトでありながら、海外の無断転載サイト経由で作品番号ごと知られているという点で、知名度と売上が必ずしも一致しないサイトでもある。