カカオページ
KakaoPage/카카오페이지
Kakao_page_logo.png
カカオページのロゴ(出典:ウィキメディア・コモンズ「Kakao page logo.png」、作者:KakaoPage、パブリックドメイン)
サイト名 カカオページ
言語 韓国語
タイプ ウェブトゥーン・ウェブ小説配信プラットフォーム(アプリ・ウェブ)
国 韓国
種類 デジタルコンテンツ配信
創設 2010年7月20日(前身のポドツリー設立)
運営者 カカオエンターテインメント
収益 話単位の課金(「待てば無料」併用)
営利性 営利
登録 必要(カカオアカウント)
ユーザー数 月間アクティブユーザー約591万(2025年6月時点)
開始 2013年4月9日
現在の状態 運営中
別名 KakaoPage、카카오페이지、カカペ
リンク page.kakao.com

概要[編集]

カカオページ(KakaoPage、韓国語:카카오페이지)とは、韓国のカカオエンターテインメントが運営する、ウェブトゥーンとウェブ小説を中心としたデジタルコンテンツ配信プラットフォームである。一定時間待つと次の話が無料で読める「待てば無料」の元祖で、『俺だけレベルアップな件』を世に送り出した場所としても知られる。

詳細[編集]

どんなサービス?[編集]

カカオページは、スマホアプリとウェブでウェブトゥーン(縦スクロールのカラー漫画)とウェブ小説を1話単位で配信・販売する韓国のプラットフォームである。韓国では同じく大手の「NAVER WEBTOON」「NAVERシリーズ」と並ぶ二強の一角で、とくに「小説→ウェブトゥーン→ドラマ・アニメ」とIPを育てていくやり方に強みを持つ。作品のジャンルはロマンスファンタジー、現代ファンタジー、武侠、BL、ロマンスなど幅広く、2019年9月時点で累計6万6,000本以上のコンテンツと2,200万人の累計会員を抱えるまでに成長した。

誰が運営している?[編集]

運営元はカカオエンターテインメント(Kakao Entertainment)。もともとは2010年にカカオの子会社として設立された「ポドツリー(Podotree)」がルーツで、2018年に社名を「株式会社カカオページ」に変更。2021年3月に音楽・映像事業のカカオMと合併してカカオエンターテインメントが誕生し、カカオページはその中のサービス・事業部門という位置づけになった。親会社は、韓国の国民的メッセンジャー「カカオトーク」で知られるIT大手カカオである。

ピッコマとの関係[編集]

日本で人気の漫画アプリ「ピッコマ」は、カカオの日本法人(現・株式会社カカオピッコマ、旧カカオジャパン)が2016年4月に始めたサービスで、カカオページとは「兄弟分」の関係にある。ピッコマの看板である「待てば¥0」は、カカオページの「待てば無料」を日本向けに持ち込んだもの。『俺だけレベルアップな件』をはじめ、カカオページ発の作品が日本語に翻訳されてピッコマで配信されるケースが非常に多く、日本の読者が「ピッコマで読んだ韓国の縦読み漫画」の多くは、実はカカオページが本家という構図になっている。

歴史[編集]

ポドツリー時代と「大コケ」スタート[編集]

前身のポドツリーは2010年7月、3人の創業メンバーによって設立された。当初はApp Store向けの教育アプリや電子書籍を作っており、英単語アプリが韓国と日本のストアで1位を獲るなどスマッシュヒットも出していた。そして2013年4月9日、満を持して「カカオページ」を開設。ところが初日の売上はわずか100万ウォン、1週間後には1日10万ウォンにまで落ち込むという、絵に描いたような大コケだった。当時のスマホ性能に対して機能を盛り込みすぎ、利用者がついてこなかったとされる。

迷走と立て直し[編集]

同年9月には話単位の販売を取り入れた「カカオページ2.0」を出すも売上は安定せず、2014年4月にはサービスをウェブトゥーンとウェブ小説だけに絞り込む大胆な方針転換を行った。この時期、韓国で絶大な人気を持つファンタジー小説『月光彫刻師』を獲得したことや、カカオトークのユーザーにアイテムを配る積極的なマーケティングが復活の足がかりになった。とはいえ2014年時点でも、損益分岐に必要な1日6,000万ウォンの取引額に対し、実際は3,000万ウォン程度という崖っぷち状態が続いていた。

「待てば無料」で大逆転[編集]

運命を変えたのが、2014年10月23日に導入した「待てば無料」(기다리면 무료)である。ヒントになったのは、韓国で社会現象になったスマホゲーム「アニパン」の「時間が経つとハートが回復する」仕組み。これを漫画・小説に応用したところ、有料への転換率は3〜4%から25%へ跳ね上がり、導入の翌月には初の月次営業黒字を達成した。2015年には1日の閲覧数が1,000万を突破し、2016年には1日の取引額が4億ウォンを超え、年間売上も1,000億ウォンの大台に乗った。

社名変更、そしてカカオエンターテインメントへ[編集]

2017年には俳優のパク・ボゴムが初代ブランドアンバサダーに就任。2018年に社名を株式会社カカオページへ変更し、この年の年間売上は約2,596億ウォンに達した。同年にはインドネシア最大級のウェブトゥーンポータル「NeoBazar」を買収し、北米のTapas Mediaとも手を組むなど海外にも本格進出。2020年には映像制作会社クロスピクチャーズの株式を取得するなど、IPを映像化までつなぐ体制を固めていった。そして2021年3月1日にカカオMとの合併が完了し、翌3月2日にカカオエンターテインメントが正式発足した。

「待てば無料」というビジネスモデル[編集]

仕組み[編集]

「待てば無料」は、対象作品を1話読むとタイマーが動き出し、作品ごとに決められた時間(多くは1〜3日程度)が経つと次の1話が無料で読めるようになる仕組みである。待ちきれない読者は、課金して手に入れたキャッシュやチケットでその場で続きを開けられる。つまり「時間」か「お金」のどちらかを払えば先に進めるわけで、無料で読む層も課金する層も同じ作品の読者として取り込めるのがミソ。先述の通り、元ネタはスマホゲームのスタミナ回復システムで、漫画の世界にソシャゲの発想を持ち込んだ発明とも言える。

なぜ強いのか[編集]

最大の効果は、毎日アプリを開く習慣を作れること。タイマーが回復するたびにアプリを開くので、読者は自然と常連になる。そのうえ、物語が盛り上がった「引き」の回ほど「待てない!」となって課金が発生しやすい。話単位で細かく売る形式は、毎話クライマックスで引きを作るウェブ小説・ウェブトゥーンの作劇とも相性抜群だった。作家側にとっても、無料で入ってくる読者が増えるほど課金読者のすそ野も広がるため、収益面のメリットがあるとされる。

海外への輸出[編集]

このモデルは国外にも広がった。日本ではピッコマが「待てば¥0」として導入し、大躍進の原動力になった。中国では、カカオページと2016年から協議を重ねてきたテンセントの漫画プラットフォーム「テンセント動漫(騰訊動漫)」が、2017年8月3日から「待てば無料」型のモデルを正式に導入。韓国プラットフォームの有料ビジネスモデルを中国の大手が正式採用したのはこれが初めてとされ、同時にカカオページの作品20本が中国に紹介された。そのラインナップには『キム秘書はいったい、なぜ?』や『魔剣王』なども含まれていた。

収益の分け方[編集]

初期のカカオページでは、販売収益をGoogle Play(アプリストア)が30%、カカオが20%、出版社・作家側が50%で分け合う配分だったとされる。ストア手数料をどう扱うかは、後のプラットフォーム経営でも常に大きなテーマになっている。

代表作[編集]

俺だけレベルアップな件[編集]

カカオページの名を世界に轟かせた最大のヒット作が『俺だけレベルアップな件』(原題:나 혼자만 레벨업)である。原作は作家チュゴン(Chugong)のウェブ小説で、2016年7月25日から2018年3月13日までカカオページで連載された。ウェブトゥーン版は作画チーム「DUBU」(チャン・ソンラク)が手掛け、2018年3月4日に連載開始、2部構成全179話で2021年12月29日に完結。日本ではピッコマで配信され、累計閲覧数は6億5,000万を超えたとされる。2024年1月にはA-1 Pictures制作のテレビアニメが放送され、2025年1月から第2期も放送。さらにNetflixによる実写ドラマ化も進んでおり、主人公ソン・ジヌ役にビョン・ウソク、チャ・ヘイン役にハン・ソヒがキャスティングされている。

キム秘書はいったい、なぜ?[編集]

チョン・ギョンユンのウェブ小説(2013年発表)をもとに、2015年からカカオページでウェブトゥーン版が連載された作品。2018年にはtvNでパク・ソジュンとパク・ミニョン主演のドラマ『キム秘書はいったい、なぜ?』が放送され大ヒットした。小説→ウェブトゥーン→ドラマという流れを鮮やかに体現した作品で、カカオページが言う「ノベルコミックス」戦略の代表例とされる。ドラマ制作会社の代表が、カカオページの担当者から送られてきた20本の作品の中からこの作品に惚れ込み、深夜2時に担当者へカカオトークを送ったという逸話も知られている。フィリピン、タイ、中国、インドネシアなど海外でのリメイクも相次いだ。

社内お見合い[編集]

ウェブ小説作家ヘファ(Haehwa)による作品で、ウェブ小説が2017〜2018年、ウェブトゥーンが2018年からカカオページで連載された。小説とウェブトゥーンを合わせた閲覧数は2022年2月までに世界で4億5,000万回を超え、ウェブトゥーンは米国・中国・日本・インドネシア・フランス・タイ・台湾など8か国に配信された。2022年にはSBSでアン・ヒョソプとキム・セジョン主演のドラマ『社内お見合い』として映像化され、Netflixの非英語作品グローバルTOP10で2週連続首位を獲得。カカオページの読者データでは20〜40代女性が中心ながら、40代男性も少なくない割合を占めていたという。

そのほかの人気作[編集]

復活のきっかけになった大長編ファンタジー『月光彫刻師』、2020年5月1日から連載されているロマンスファンタジー『悪役のエンディングは死のみ』など、カカオページ発の作品はピッコマ経由で日本でも根強い人気を持つ。とりわけ「転生」「回帰」「悪役令嬢」系のロマンスファンタジーは、カカオページが量産体制を築いた得意ジャンルと言える。

海外展開[編集]

アジアへの進出[編集]

カカオページは2018年、インドネシアのウェブトゥーンポータル「NeoBazar」を138億ウォンで買収して東南アジアに足場を築いた。2020年には台湾にも進出している。なおインドネシアでは、2022年4月にインドネシア語版のカカオウェブトゥーンが始まり、それまでのインドネシア版カカオページを置き換える形になった。

北米への進出[編集]

北米では、2018年にサンフランシスコのウェブトゥーンプラットフォーム「Tapas」と手を組み、2020年7月にはニューヨークのウェブ小説アプリ「Radish」に322億ウォンを投資。カカオエンターテインメント発足後の2021年5月には、Tapasを約5億1,000万ドル、Radishを約4億4,000万ドルで相次いで買収した。2021年12月には香港発の武侠・ファンタジー小説サイト「Wuxiaworld」も3,750万ドルで取得し、2022年8月1日付でTapasとRadishが合併。英語圏向けの3プラットフォームがひとつの傘の下にまとめられた。

ダウムウェブトゥーンとの住み分け[編集]

カカオはもう一つ、2003年に始まった老舗の「ダウムウェブトゥーン」も抱えていた。こちらは2021年8月1日に「カカオウェブトゥーン」へとリブランドされ、運営もカカオエンターテインメントに移った。『梨泰院クラス』のように、ダウムウェブトゥーン発の作品がピッコマで『六本木クラス』として翻訳連載されるなど、日本の読者から見ると「カカオ系の作品」はカカオページとカカオウェブトゥーンの両方にルーツを持つことになる。

IPビジネスと映像化[編集]

カカオページの真骨頂は、作品を「読み物」で終わらせず、映像・アニメ・ゲームまで広げるIPビジネスにある。人気ウェブ小説をウェブトゥーン化し、それがヒットすればドラマ・アニメにつなげる流れを社内で回せるよう、映像側の会社にも積極的に出資してきた。2020年8月には映画・ドラマ制作会社クロスピクチャーズの株式49%を約58億ウォンで取得し、ドラマ制作会社メガモンスターの株式も保有。さらに鶴山文化社、ソウル文化社(ソウルメディアコミックス)、大元C.I.といった韓国の老舗漫画出版社にもそれぞれ約2割ずつ出資していた。2021年6月には、新人作家が自由に作品を投稿できるプラットフォーム「カカオページステージ」をベータオープンし、次のヒット作の種まきも行っている。

炎上とバズ[編集]

公募展の契約をめぐる公取委処分[編集]

2023年9月、韓国の公正取引委員会は、カカオエンターテインメントがウェブ小説公募展の当選作家と結んだ契約について、二次的著作物(ウェブトゥーンやドラマ、映画など)の作成権をカカオページ側が独占的に持つと定めたのは、優越的な立場を利用した不当な取引にあたると判断し、5億4,000万ウォンの課徴金を科した。対象は2018〜2020年に開かれた5つの公募展の当選作家28人。作家が映像化の可否や時期に関与できない点が問題視され、業界では「作家の権利」をめぐる議論として大きく報じられた。カカオエンター側は不服として行政訴訟を起こし、2026年2月11日、ソウル高等裁判所でカカオエンター側が勝訴している。

ソロレベリング旋風[編集]

一方、明るい方向でバズを起こしたのが『俺だけレベルアップな件』。2024年のアニメ化で世界的なブームになり、「韓国のウェブ小説→ウェブトゥーン→日本のアニメスタジオ」という国境をまたぐIPの成功例として、カカオページの名前が改めて注目されることになった。

余談[編集]

  • 前身のポドツリー時代、英単語アプリで韓国と日本のApp Storeランキング1位を獲ったことがある。漫画プラットフォームの会社が元は教育アプリ屋だったというのは意外な経歴。
  • 「待てば無料」の元ネタは、韓国で国民的ヒットになったパズルゲーム「アニパン」のハート回復システム。ソシャゲのスタミナが漫画の読み方を変えた、と言っても言い過ぎではない。
  • 2017年に初代ブランドアンバサダーを務めたのは俳優のパク・ボゴム。
  • 2025年6月時点の月間アクティブユーザーは約591万人とされる。韓国の人口を考えると、かなりの割合が日常的に使っている計算になる。
  • 運営元のカカオは、韓国国内向けに動画サービス「カカオTV」も展開していたが、こちらは2026年6月30日でサービスを終了した。ウェブトゥーン・ウェブ小説を原作にしたオリジナルドラマも配信しており、カカオページのIPとも縁の深いサービスだった。

外部リンク[編集]

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