| 魔法のランプにお願い 다 이루어질지니 / Genie, Make a Wish | |
|---|---|
![]() ランプの精霊ジニ役のキム・ウビン(2024年3月のイベントにて・出典:Wikimedia Commons/撮影 K-POPIT/CC BY 3.0) | |
| ジャンル | ファンタジー・ラブコメディ |
| 放送期間 | 2025年10月3日(全話一挙配信) |
| 放送時間 | 日本時間16:00配信開始 |
| 話数 | 全13話 |
| 放送国家 | 韓国 |
| 言語 | 韓国語 |
| 配給 | Netflix |
| 配信 | Netflix(独占配信) |
| 制作 | |
| 企画 | CJ ENM |
| 演出 | アン・ギルホ(当初はイ・ビョンホン監督) |
| 制作 | スタジオドラゴン、ファ&ダム・ピクチャーズ |
| 脚本 | キム・ウンスク |
| 音楽 | イム・ハヨン |
| 出演者 | キム・ウビン、スジ、アン・ウンジン、ノ・サンヒョン、コ・ギュピル、イ・ジュヨン、キム・ミギョン |
| その他 | |
| 原作 | なし(オリジナル脚本) |
| 外部リンク | Netflix作品ページ |
概要[編集]
魔法のランプにお願い(原題:다 이루어질지니、英題:Genie, Make a Wish)とは、2025年10月3日にNetflixで全13話が一挙配信された韓国のファンタジー・ラブコメディドラマである。脚本は『トッケビ』『ザ・グローリー』のキム・ウンスク、主演はキム・ウビンとスジ。千年ぶりに目覚めたランプの精霊と、感情を持たない女性が「3つの願い」をめぐって火花を散らす。
詳細[編集]
キム・ウンスク×Netflixの“願い事”ファンタジー[編集]
『太陽の末裔』『トッケビ』『ミスター・サンシャイン』と、韓国ドラマ史に残るヒットを連発してきた脚本家キム・ウンスク。前作『ザ・グローリー』で復讐劇というリアル寄りの路線に振ったあと、再び“キム・ウンスク印”のファンタジーロマンスに帰ってきたのが本作である。題材はアラビアンナイトでおなじみの「ランプの精」。ただし主人公の精霊は、願いを叶えて人間を堕落させることを生きがいにしてきた“悪魔寄り”の存在で、正統派のおとぎ話とはだいぶ様子が違う。
『むやみに切なく』コンビ、9年ぶりの再会[編集]
主演のキム・ウビンとスジは、2016年のKBS第2テレビ『むやみに切なく』以来、9年ぶりの共演。キム・ウビンは2017年に上咽頭がんと診断され約2年間の治療を経て復帰しており、そんな彼とスジの“再会”そのものが配信前から大きな話題になった。キム・ウビン本人はインタビューで「9年ぶりなのに2〜3年ぶりくらいの感覚だった」「スジが何を考えているか聞かなくても分かる」と語っている。
配信形態と規模[編集]
配信は2025年10月3日の16時(韓国・日本時間)。韓国の秋夕(チュソク)連休にぶつける形で、全13話がまとめて公開された。当初は全12話と報じられていたが、最終的に13話構成で着地している。総尺は約12時間43分。日本のNetflixでの年齢区分は16+、韓国では15歳以上視聴可。日本語タイトルの『魔法のランプにお願い』は、原題「다 이루어질지니」(直訳すると「すべて叶うであろう」。「ジニ」と「〜であろう」をかけた言葉遊び)をぐっとポップに言い換えたものになっている。
あらすじ[編集]
千年近くランプに閉じ込められていた精霊ジニ(正体は悪魔イブリース)は、人間の欲望につけ込み、願いを叶えるふりをして人を堕落させてきた。久々に現世に解き放たれた彼の新しい主人となったのは、キ・ガヨン。母親に捨てられた過去を持ち、感情というものを持たずに生まれた彼女は、育ての祖母オ・パングムに叩き込まれた“ルール”と、自分で決めたルーティンに従って淡々と生きている。
ジニに「さあ願え」と迫られたガヨンが出した答えは、まさかの「最初の願いであなたを殺す」。さらに彼女は、人間は必ず堕落するというジニの主張に対し、5人の人間に願いを与えて結果を見る“5番勝負”の賭けを持ちかける。ジニの言い分が正しければ、ガヨンは願いをすべて使い切ったうえで命を差し出す——という命がけのディールだ。
舞台はドバイの砂漠から、ガヨンが暮らす韓国の田舎町・清風(チョンプン)村へ。ジニと宿敵である死の天使イジラエル(リュ・スヒョン)の因縁、ガヨンの2つ目の願いで若返った祖母、そして千年前から続く二人の前世の記憶が絡み合い、ラブコメのはずの物語はやがて「人の本性は生まれで決まるのか、選択で決まるのか」という大きな問いへ転がっていく。
登場人物・キャスト[編集]
※一部、物語の核心に触れる記述を含む。
主要人物[編集]
- ジニ/イブリース(演:キム・ウビン)
- 千年ぶりに目覚めたランプの精霊。人間をそそのかして堕落させることを楽しんできた、いたずら好きで凶暴で、そのくせどこか抜けていてかわいい存在。キム・ウビンは制作発表会で「遊び心があって、獰猛で、残忍で、間抜けで、かわいい。人間ではないけれど、人間の前で平然としていようとするキャラクター」と説明している。日本語吹替は高橋英則。
- キ・ガヨン(演:スジ)
- ジニの新しい主人。感情を持たない、いわゆるサイコパス気質の女性だが、祖母と村人たちの愛情と教えで「正しい生き方」を学び、ルールとルーティンを守って暮らしている。スジいわく「ある意味、誰よりも“正しい”人」。子ども時代をキム・ユンスル、10代をチョン・ユナが演じた。日本語吹替は上條沙恵子。
- イ・ミジュ(演:アン・ウンジン)
- 1か月の“田舎暮らし体験”で村にやってきた謎の女性。その正体は、ガヨンの2つ目の願いによって20歳の体に若返った祖母オ・パングム。中身は70代という設定を、アン・ウンジンがコミカルかつ切なく演じている。
- リュ・スヒョン/イジラエル(演:ノ・サンヒョン)
- 顔よし金ありのビルオーナー……の姿をした、黒い翼と大鎌を持つ死の天使。ジニの宿敵で、神の命を受けて彼の処刑を待っている。嘘がつけない体質で、人の残りの寿命が見える。
- セイド(演:コ・ギュピル)
- ジニに忠誠を誓う側近。正体は黒いジャガーで、現代では村の“何でも屋”としてアルバイトを掛け持ちしている。
- チェ・ミンジ(演:イ・ジュヨン)
- 歯科医で、ガヨンにとって唯一の友人。
周辺人物[編集]
- オ・パングム(演:キム・ミギョン)
- ガヨンの祖母。感情を持たない孫を厳しく、しかし深い愛情で育てた。
- イレム(演:ウ・ヒョンジン)
- スヒョンの補佐。ワシミミズクに姿を変える。
- パク・チャンシク(演:ヤン・ヒョンミン)
- 清風村の村長。元海兵隊でイチゴ農家という頼れるおじさん。
- オム・サンテ(演:チョ・ジュン)、カン・イムソン(演:パク・ボギョン)ほか
- ガヨンとジニの“5番勝負”で願いを与えられる人々。願いを手にした人間がどう変わるかが、各話の大きな見どころになっている。
特別出演[編集]
- ソン・ヘギョ:ジニの元恋人「ジニヤ」。キム・ウンスク作品『太陽の末裔』『ザ・グローリー』の主演女優が、カメオのためにわざわざドバイまで飛んだ。
- ダニエル・ヘニー:キム・ゲ役。
- キム・ジフン
制作[編集]
企画から撮影まで[編集]
2023年6月14日、制作会社ファ&ダム・ピクチャーズがキム・ウンスク脚本、キム・ウビン&スジ主演の新作として本作を発表。当初の演出は、映画『エクストリーム・ジョブ』やキム・ウビン主演映画『二十歳』で知られるイ・ビョンホン監督(俳優のイ・ビョンホンとは別人)だった。2024年5月にはNetflixでの配信が決まり、アン・ウンジン、ノ・サンヒョン、コ・ギュピル、イ・ジュヨンの出演も確定した。
撮影は2024年2月3日から10月24日まで。2月にはドバイでの海外ロケも行われ、砂漠のシーンやソン・ヘギョのカメオ撮影はここで撮られている。企画はCJ ENM、制作はスタジオドラゴンとファ&ダム・ピクチャーズ。
監督交代[編集]
制作途中でイ・ビョンホン監督が個人的な事情により降板し、『ザ・グローリー』でキム・ウンスクと組んだアン・ギルホ監督が後半作業を引き継いだ。なお最終的な本編クレジットには監督名が表記されていないとされる。2025年9月29日の制作発表会にはどちらの監督も出席しなかったが、キム・ウビンは「映画『二十歳』で一緒だったイ・ビョンホン監督とまたご一緒できてうれしかったし、最後まで続けられたらと思っていた」「アン・ギルホ監督のおかげで幸せに作品を終えられた」と両監督への感謝を口にしている。
プロモーション[編集]
2025年2月4日、ソウル・汝矣島で開かれたNetflixのラインナップ発表会「Next on Netflix 2025 Korea」で初お披露目され、第4四半期配信と告知された。8月20日にティザー予告とポスター、8月28日に第2弾ポスターとメイン予告、9月18日には「3つの願いと命がけの賭け」と銘打った予告が公開。9月29日にはソウル江南のホテルで制作発表会が開かれた。Netflix公式は本作を「3つの願いと、数え切れない誘惑の物語」というキム・ウンスクの言葉とともに紹介している。
OST[編集]
OSTは全20曲。メインテーマ「GENIE」をStray Kidsのハン、フィリックス、アイエンが歌い、スジ本人もソ・スビンとのデュエット「A Night Full of You(너로 가득찬 밤)」で参加。i-dleのチョン・ソヨンとウギによる「GAME」、ハ・ヒョンサン「LOVER」、クォン・ジナ「Your Other Name」など、K-POP好きにも刺さる布陣になっている。音楽監督はイム・ハヨン。
キム・ウンスクが込めたテーマ[編集]
キム・ウンスクは配信後のインタビューで、本作で描きたかったのは「どう生まれたかより、人生でどんな選択をするかが大事だ」ということであり、人と人の愛がその選択を正しい方向へ導く、と語っている。ガヨンは良い人なのか悪い人なのか——という作中の問いも、生まれつきの性質ではなく「選択」に答えを置いて組み立てられている。
キャラクター面では、悪魔的な精霊ジニ、神の命令を待つ傲慢な死の天使スヒョン、20歳の体に70歳の魂が入った祖母パングムと、相変わらず“人ならざる者”の濃いメンツが勢ぞろい。作家自身が選んだ名セリフには、ジニのささやく「ハビビ(私の愛しい人)」や「来世があるなら、また会おう」が挙げられている。
キム・ウンスク作品らしい言葉遊びも健在で、原題の「다 이루어질지니」からして「ジニ」と「すべて叶うであろう」のダブルミーニング。不死の存在と人間のヒロインが互いの命を握り合う構図から、配信前には「『トッケビ』の香りがする」とも評された。
配信と反響[編集]
Netflixでのランキング[編集]
配信直後から韓国のNetflix「今日のTOP10」シリーズ部門で1位に立ち、Netflix公式TUDUMの発表では配信3日で400万視聴(総視聴時間÷作品時間で算出)を記録、グローバルTOP10(非英語シリーズ)で5位、46か国でTOP10入りした。
翌週の2025年10月6日〜12日の集計では800万視聴を記録して非英語シリーズ部門の1位に浮上。50か国以上でTOP10入りし、香港、タイ、ベトナム、フィリピン、シンガポール、ペルー、ドミニカ共和国など10の国・地域で1位を獲得した。
Netflixが発表した2025年下半期の視聴データ「What We Watched」では2,300万視聴を記録。韓国作品の中では『イカゲーム』シーズン3、映画『大洪水』、『暴君のシェフ』などに次ぐ数字となった。
話題性ランキング[編集]
韓国の調査会社グッドデータコーポレーションの集計では、10月第1週のTV・OTTドラマ話題性で1位(ドラマ全体の話題量の35.1%)。ニュース・VON(ネットユーザーの声)・動画・SNSの4部門すべてで1位を独占し、出演者話題性でもスジが1位、キム・ウビンが2位に入った。この1位は2週連続で続き、NAVERの公式オープントークルームには100万人以上が訪れた。
評価:賛否両論、でも最後は泣かせる[編集]
評価は見事に割れた。特に批判が集中したのは1〜2話で、世界観の説明不足や、ファンタジーに乗っかる“B級ノリ”のギャグがかみ合わないという声が続出。韓国のネットには「本当にキム・ウンスク作品?」という辛口コメントまで並んだ。サイコパスという設定の描き方が浅いという指摘もあった。
一方で「3〜4話あたりから急に面白くなる」「最後まで見ると泣ける」という“後半追い上げ型”の評価も根強く、とくにジニとガヨンの関係の真相が明かされる第11話は「これだけは絶対見て」と神回扱いされている。スジの独白シーンの演技、ソン・ヘギョとダニエル・ヘニーのサプライズ出演も話題になった。英語圏の批評集積サイトRotten Tomatoesでは批評家8人中75%が肯定的評価をつけている。
受賞・ノミネート[編集]
2026年7月31日に開かれた第5回青龍シリーズアワードで、キム・ウビンが本作のジニ役で主演男優賞にノミネートされた(受賞はパク・ヘス)。同アワードの大賞は『ウンジュンとサンヨン』のキム・ゴウンだった。
炎上とバズ[編集]
「イブリース」をめぐる宗教的批判[編集]
2025年8月20日のティザー公開直後、キム・ウビン演じる精霊が自らを「イブリース」と名乗ったことが海外で波紋を呼んだ。イブリースはイスラム教の伝承に登場する悪魔的存在で、一部のイスラム教徒の視聴者から「文化的・宗教的配慮に欠ける」との批判がNetflix公式チャンネルのコメント欄などに寄せられた。一方、韓国内では「サタンなどキリスト教由来のキャラクターはポップカルチャーで普通に使われているのに」と冷ややかな反応も多く、むしろ韓国の視聴者にイスラム文化を身近に紹介したと評価する声もあった。奇しくも同じ日、MBCの別ドラマ『To the Moon』のティザーがアラビア風衣装などで批判を受け削除・謝罪に追い込まれており、韓国ドラマの文化的感受性が議論になったタイミングでもあった。
「チキンのCM?」ポスター騒動[編集]
同じ8月20日に公開されたメインポスターは、ランプを両手で持つスジとその背後に立つキム・ウビンを、黄金の砂嵐と三日月の砂漠に合成した王道アラビアン仕様。今っぽいK-ロマンスのメイクや衣装とのミスマッチから、韓国のネットでは「合成写真?」「チキンの広告みたい」「カレーのCMかインド映画か」とツッコミが殺到した。もっとも「逆に気になってきた」「狙ったB級感では」という声もあり、結果的に配信前の話題づくりには一役買った形になった。
余談[編集]
- 制作発表会でノ・サンヒョンは、天使とジニのバトルについて「非現実的な規模のアクションは初めて。スローモーションで撮ることもできたが、自分たちでスローモーションの動きを演じた」と明かし、会場を笑わせた。
- スジは制作発表会で、本作を「家族みんなで見られて、話題もたくさんある温かくて楽しい作品」と紹介し、秋夕連休に家族で見てほしいと呼びかけた。
- 配信当日の2025年10月3日、スジはイ・ジュヨンとともにイ・ヘリのトーク番組『ヘリズクラブ』に出演するなど、主演陣は配信前後に精力的に番組・インタビューをこなした。キム・ウビンとスジはNetflix Koreaで“ASMR風インタビュー”にも挑戦している。
- キム・ウビンは本作配信から約2か月後の2025年12月、長年交際してきた女優シン・ミナと結婚した。
- スジは2026年の第62回百想芸術大賞でも、シン・ドンヨプ、パク・ボゴムとともにMCを務めている。
- 本作は『相続者たち』(キム・ウビン出演)以来、キム・ウビンにとって久々のキム・ウンスク作品でもある。
