| 西部警察 SEIBU KEISATSU | |
|---|---|
![]() 石原裕次郎記念館の入口に展示された『西部警察』の劇用車(2017年。出典:Wikimedia Commons) | |
| 略称 | 西部 |
| ジャンル | 刑事ドラマ、アクションドラマ |
| 放送シーズン | PART-I、PART-II、PART-III(+2004年『西部警察 SPECIAL』) |
| 放送期間 | 1979年10月14日 - 1984年10月22日 |
| 放送時間 | 毎週日曜 20:00 - 20:54 |
| 話数 | 全236話(PART-I 126話、PART-II 40話、PART-III 70話)※公称238話 |
| 放送国家 | 日本 |
| 言語 | 日本語 |
| 放送局 | テレビ朝日系列 |
| 配信 | Hulu ほか(時期により異なる) |
| 平均視聴率 | 14.5%(関東地区・公称) |
| 制作 | |
| 企画 | 小林正彦(石原プロ)、高橋正樹(テレビ朝日、PART-I) |
| プロデューサー | 石野憲助、岩崎純(石原プロ)、星裕夫(テレビ朝日) |
| 演出 | 渡辺拓也、澤田幸弘、村川透、長谷部安春、小澤啓一 ほか |
| 制作 | テレビ朝日、石原プロモーション(制作:石原裕次郎) |
| 脚本 | 永原秀一、柏原寛司、峯尾基三、新井光、宮下潤一 ほか |
| 出演者 | 渡哲也、石原裕次郎、舘ひろし、寺尾聰、三浦友和、峰竜太、御木裕、苅谷俊介、五代高之、柴俊夫、石原良純 ほか |
| その他 | |
| 原作 | なし(オリジナル) |
| 関連番組 | 『大都会』シリーズ(前身)、『西部警察 SPECIAL』(2004年) |
| オープニング曲 | 「西部警察メインテーマ」(PART-I)、「ワンダフル・ガイズ」(PART-II・III) |
| エンディング曲 | 石原裕次郎「みんな誰かを愛してる」「夜明けの街」(PART-I)、「時間よお前は…」「勇者たち」(PART-II)ほか |
概要[編集]
西部警察(せいぶけいさつ)とは、1979年10月から1984年10月までテレビ朝日系列で放送された石原プロモーション制作の刑事ドラマである。渡哲也演じる大門圭介部長刑事率いる「大門軍団」が、ショットガンと特殊車両で凶悪犯に立ち向かう。PART-I〜IIIの全236話で壊した車は約4,680台とされ、カースタントと大爆破、全国縦断ロケで「昭和最強の刑事アクション」として今も語り継がれる。
詳細[編集]
どんな作品?[編集]
ひとことで言えば「テレビでハリウッド映画をやろうとした刑事ドラマ」。舞台は東京の架空の所轄・城西警察署の捜査課。捜査課長の木暮謙三(石原裕次郎)のもと、部長刑事の大門圭介(渡哲也)と部下の刑事たちが、銀行強盗、武装テロ組織、麻薬シンジケート、国際的な武器密売人といった、普通の刑事ドラマなら一話に一人いればいいレベルの凶悪犯と毎週のように戦う。
推理や人間ドラマもあるにはあるが、本作の主役はとにかくアクションである。カーチェイスでは車が宙を舞い、アジトは毎回のように木っ端微塵に爆破され、ラストは大門のショットガンが火を噴く。舘ひろし自身が後年、「すごかったです。アクションが。内容は全くない」と笑いながら振り返ったように、ストーリーより画のインパクトで押し切るスタイルが最大の魅力だった。
『大都会』からの流れ[編集]
本作は、日本テレビ系で1976年から放送された石原プロ制作の『大都会』シリーズの実質的な後継作で、スタッフの大半もそのまま引き継いでいる。『大都会 -闘いの日々-』は、NHK大河ドラマ『勝海舟』を病気で降板した渡哲也の本格復帰作でもあり、裕次郎と渡のコンビによる刑事ドラマという路線はここで固まった。
放送局がテレビ朝日に移ったのは、テレビ朝日側が石原プロとの直接契約という形を提示したためとされる。こうして『大都会 PARTIII』で確立した派手なアクション路線をさらに過激にした『西部警察』が、1979年10月14日に「無防備都市 -前編-」でスタートした。
「数字」で語られる伝説[編集]
本作を語るうえで欠かせないのが、番組側が公称している破壊の記録である。5年間で壊した車両は約4,680台(1話平均約20台)、壊した家屋・建物は320軒、使った火薬は4.8トン、ガソリンは12,000リットル。封鎖した道路は40,500か所、飛ばしたヘリコプターは延べ600機、出演者は延べ12,000人以上、ロケ地は約4,500か所に及ぶとされる。
それでいて撮影中の死者は0人、負傷者は6人、警察などに提出した始末書は45枚という数字も一緒に語られるのがお約束。どこまで厳密な集計かはともかく、「それくらいやっていた」という実感とセットで、本作の代名詞になっている。
石原プロの屋台骨[編集]
映画産業が斜陽になるなか、日活の大スターだった裕次郎と渡は活動の場をテレビに移したが、「映画人の意地」をテレビに持ち込んだのが本作だといわれる。毎週が映画並みのスケールで、制作は石原プロモーション、制作者のクレジットは石原裕次郎本人。
番組は5年に及ぶ長期ヒットとなり、石原プロはこれによって30億円規模の資産を築いたとも言われる。所属俳優たちは「石原軍団」と呼ばれ、ロケ先での炊き出しなどの結束の強さも含め、本作は軍団のイメージそのものを作り上げた作品でもある。
シリーズ構成[編集]
PART-I(1979年 - 1982年)[編集]
1979年10月14日から1982年4月18日まで、全126話。メインテーマはインストゥルメンタルの「西部警察メインテーマ」で、石原裕次郎が歌う「みんな誰かを愛してる」「夜明けの街」が主題歌として使われた。最終回は第126話「また逢う日まで」。
序盤はハーレーにまたがる巽総太郎(舘ひろし)が人気を集めたが、第30話「絶命・炎のハーレー」で殉職。のちに第109話から舘が別人の鳩村英次として再登場するという異例の展開をたどる。1981年には裕次郎が解離性大動脈瘤で倒れて長期療養に入り、木暮課長は第88話を最後にしばらく姿を消し、第123話で復帰した。同じ第123話「1982年・春 松田刑事・絶命!」では寺尾聰演じる松田猛が殉職している。
PART-II(1982年 - 1983年)[編集]
1982年5月30日から1983年3月20日まで、全40話。第1話のサブタイトルに「沖田登場」とあるとおり、三浦友和演じる沖田五郎が加わった。テーマ曲は羽田健太郎作曲の「ワンダフル・ガイズ」に変わり、裕次郎が歌う「時間よお前は…」「勇者たち」などが使われた。
このシリーズの目玉は、裕次郎の病からの復帰を記念して始まった「日本全国縦断ロケ」。静岡県、広島県、北海道、愛知県・三重県と、地方を舞台にした大型回が次々に作られ、地元を巻き込んだ爆破と追跡劇が展開された。スーパーZ同士が富士スピードウェイで対決する第14話「マシンZ・白昼の対決」のような車好き向けの回もこのシリーズ。
PART-III(1983年 - 1984年)[編集]
1983年4月3日から1984年10月22日まで、全70話。沖田は第6話で辞職して雪山に消え、第7話から山県新之助(柴俊夫)、第8話から五代純(石原良純)が加入。第16話からはスカイラインをベースにした「RS軍団」が登場し、特殊車両の豪華さはシリーズ最高潮に達した。
全国ロケも続き、福岡県、山形県、宮城県、岡山・香川、関西などで撮影。前作以上に爆破が増え、終盤はやや人情路線に寄りつつ、最終回は1984年10月22日(月曜)放送のスペシャル「大門死す!男達よ永遠に…」で幕を閉じた。この最終回は関西地区で視聴率33%を記録したとされる。
『西部警察 SPECIAL』(2004年)[編集]
レギュラー終了から20年後の2004年10月31日、テレビ朝日系の日曜洋画劇場特別企画として放送された単発スペシャル。監督は村川透。大門は生存していたという設定で、亡くなった木暮に代わって捜査課長に就任している。主なロケ地は宮崎のフェニックス・シーガイア・リゾートで、国際テロ対策会議を占拠したテロ組織「ブラックホーク」と、新生大門軍団の戦いが描かれた。詳しくは後述。
主な登場人物とキャスト[編集]
城西署・捜査課[編集]
- 大門圭介(演:渡哲也)
- 捜査課の部長刑事で、通称「団長」。サングラスにスーツ、無口で鉄の意志を持つ大門軍団のリーダー。愛用のショットガンはシリーズの象徴で、PART-I第45話では大門の撃ったショットガンでマーキュリー・クーガーが爆発炎上するという、本作らしい場面も生まれた。PART-III最終回で殉職。
- 木暮謙三(演:石原裕次郎)
- 捜査課長。大門たちを大きな器で見守る上司で、ガゼールのオープンカーに乗り、自動車電話で指示を出す姿が定番。裕次郎の療養中は長期にわたって不在だった。最終回では警察を去ることが示唆される。
- 大門明子(演:古手川祐子→登亜樹子)
- 大門の妹。PART-II以降は登亜樹子が演じた。PART-III最終回で五代純と結婚する。
大門軍団の刑事たち[編集]
- 巽総太郎(演:舘ひろし)
- 通称「タツ」。革ジャン、サングラス、リーゼントでハーレーを乗り回す一匹狼。PART-I第30話で殉職。
- 鳩村英次(演:舘ひろし)
- 通称「ハト」。PART-I第109話から登場した、巽とは別人の刑事。スズキ・カタナにまたがるバイクアクションで人気を不動にし、2004年のSPECIALにも登場した。
- 松田猛(演:寺尾聰)
- 通称「リキ」。PART-Iの初期メンバーで、第123話で殉職。演じる寺尾聰は放送中の1981年に「ルビーの指輪」が大ヒットし、歌手としても時の人となった。
- 沖田五郎(演:三浦友和)
- PART-IIの第1話「沖田登場」から参加した刑事。PART-III第6話で辞職して雪山に消える。その後の生死は描かれていない。
- 源田浩史(演:苅谷俊介)/谷大作(演:藤岡重慶)
- PART-Iのメンバー。どちらもPART-Iの終了とともに異動した。
- 兼子仁(演:五代高之)
- PART-Iの若手刑事。第54話で殉職。
- 北条卓(演:御木裕)
- 通称「ジョー」。御木裕のデビュー作で、最終回の剣島の戦いにも参加した。
- 平尾一兵(演:峰竜太)
- 通称「イッペイ」。軍団のムードメーカー的存在。
- 浜源太郎(演:井上昭文)
- ベテラン刑事。PART-II第35話で殉職。
- 南長太郎(演:小林昭二)
- 通称「おやっさん」。ベテランの部長刑事として軍団を支えた。
- 山県新之助(演:柴俊夫)
- PART-III第7話から加入。
- 五代純(演:石原良純)
- PART-III第8話から加入した新人刑事。石原慎太郎の次男で、裕次郎の甥にあたる石原良純の俳優デビュー作。最終回で明子と結婚する。
その他[編集]
- 二宮武士(演:庄司永建)
- 捜査課の係長。PART-II第14話で定年退職。
- 佐川勘一(演:高城淳一)
- PART-II以降の係長。
- 国立六三(演:武藤章生)
- ほぼ全話に登場した「おなじみの顔」の一人。
劇用車(スーパーマシン)[編集]
日産のバックアップ[編集]
本作のもう一つの主役が、日産自動車が全面提供した劇用車たちである。特殊車両は、日産プリンス自動車販売の特販推進室(のちのオーテックジャパン)が製作を担当した。開発に関わった福田正健氏によれば、石原プロ側は派手さを求めたが、スカイラインのイメージを守るために機関銃などの武器は避け、追跡用のペイント弾やレーダーといった「実現できそうなハイテク」を軸にしたという。
パトカーとして大量に登場したのは3代目〜5代目のセドリックで、カーチェイスで次々に大破していった。壊される車両は元タクシーや教習車だったとされ、丸目のライトや古い型のセドリックが出てくると「これは壊されるな」と視聴者が察したというのも定番の話である。
主なスーパーマシン[編集]
- マシンX
- 5代目スカイライン(通称ジャパン)のターボGT-Eがベース。大門軍団初の特殊車両で、52種類の特殊装備を持つとされた。設定上の最高速度は240km/h。航空機風のコクピット、全周波数受信の無線、容疑者の動きを追う小型モニターなどを搭載した。
- スーパーZ
- 大門専用車。2代目フェアレディZ(S130型)の280Z Tバールーフ 2by2がベースで、金色の部分が油圧で上に開くガルウイングドアが最大の特徴。リアの5本出しマフラーのうち排気管は中央の1本だけで、残りは煙幕装置「スカンク」。ボンネットには催涙弾発射装置も付く。製作費は1台1,500万円とも言われる。
- マシンRS/RS軍団
- 6代目スカイライン(DR30型)がベース。最初は情報分析車マシンRSとして登場し、PART-III第16話から攻撃車両RS-1、情報収集車RS-2を加えた3台編成の「RS軍団」となった(マシンRSはRS-3に改装)。RS-1はルーフにマシンガンを備え、アフターバーナーで加速。RS-2はトランクにロケット砲を積んでいたが、劇中で使われることは一度もなかった。
- 特別機動車両サファリ
- 日産サファリをベースにした4WDで、PART-I第104話で初登場。消防車の部品を流用した放水砲が武器で、「銃は嫌だが派手さはほしい」という両者の折衷案から生まれたという。もっとも、車のサイズの都合で放水できるのは約1分間だけだった。
- ガゼール(オープン)
- 木暮課長の専用車。初代ガゼールの2ドアハードトップをオープンにした特注車で、PART-I第1話から登場。この車のみ製作はガレージタルガが担当した。
- バイク
- 巽はハーレーダビッドソン、鳩村はスズキ・カタナ(カタナR)に乗った。
今も続く人気[編集]
2020年に渡哲也が亡くなった際には、日産の公式アカウントが劇用車を紹介し、多くのスーパーマシンが良い状態で残っていることも話題になった。原寸大のマシンXをDIYで再現するファンも現れるほどで、2026年にはAUTOartが1/18スケールの「スーパーZ」を再販し、10月下旬発売・税込41,800円で予約を受け付けた。ガルウイングとスイングドアの開閉、催涙弾発射装置、スカンク、そしてショットガンまで再現した仕様である。
爆破・カースタントの伝説[編集]
毎週が映画のクライマックス[編集]
本作のカースタントは、車がジャンプして横転し、炎上するところまでを一つの見せ場として作り込んでいた。犯人の車が坂道でジャンプして空中で一回転する、トラックがアジトに突っ込んで爆発する、といった場面が毎週のように登場する。
爆破も規模が桁違いで、アジト用にセットを一から建てて吹き飛ばすことも珍しくなかった。福島ロケでは建設費3,000万円とされる犯人のアジトを爆破し、岡山・香川ロケでは無人島に作った約1,500万円の香港マフィアのアジトを、福岡ロケでは約1,700万円相当の100トン漁船を爆破している。
伝説の「煙突倒し」[編集]
特に有名なのが、PART-II第38話(愛知ロケ)で撮影された、名古屋市の庄内川沿いにあった廃工場の煙突を倒壊させる場面。巨大な煙突が根元から崩れ落ちる映像はインパクト抜群で、のちにオープニング映像にも使われた。
2026年6月5日、NHK総合『あさイチ』の「プレミアムトーク」に舘ひろしが生出演した際には、この煙突倒壊シーンを含む爆破・銃撃シーンが紹介され、舘が当時の秘話を語った。俳優生活50年を迎えた舘にとっても、本作は「人生の中で一番影響を受けた作品」だという。
路面電車から観光バスまで[編集]
壊されたのは車だけではない。広島ロケでは広島電鉄の750形が犯人にジャックされ、北海道ロケでは麻薬製造工場、山形ロケでは国鉄の貨車3両、宮城ロケでは大型バス、鹿児島ロケでは桜島の砕石場跡に作ったアジトが爆破された。静岡ロケでは浜名湖の遊覧船を爆破している。地方の協力がなければ成立しない撮影ばかりで、それがそのまま全国縦断ロケの見どころになった。
全国縦断ロケ[編集]
裕次郎復帰の「お礼参り」[編集]
PART-IIからPART-IIIにかけての全国縦断ロケは、解離性大動脈瘤の長期療養から復帰した石原裕次郎が、闘病中に応援してくれたファンに感謝を伝え、元気な姿を見せることを目的に企画されたとされる。ロケ先では軍団総出で地元の人々と交流し、撮影そのものがお祭りのような熱気を帯びた。
主なロケ地[編集]
- 第1弾:静岡県(1982年5月、PART-II第10・11話)。静岡駅前にヘリを着陸させ、他局から苦情が出たという逸話がある
- 第2弾:広島県(1982年7月、PART-II第18・19話)。路面電車ジャック
- 第3弾:北海道(1982年10月、PART-II第26・29話)
- 第4弾:愛知県・三重県など(1982年11 - 12月、PART-II第37・38話)。名古屋の煙突倒壊はこの回
- 第5弾:福島(1983年3月)。超合金技術の海外流出がテーマ
- 第6弾:鹿児島(1983年4月)。雨で爆破が翌日に延期された
- 第7弾:福岡県(PART-III第18・19話)。博多どんたくを絡めた話
- 第8弾:山形県(PART-III第23・24話)。ミサイル強奪がテーマ
- 第9弾:宮城県(1983年8 - 9月、PART-III第33話)。核爆弾テロがテーマ
- 第10弾:岡山・香川(1983年10 - 11月、PART-III第39・40話)
- 第11弾:関西(1984年2 - 3月、PART-III第48 - 50話)
PART-I時代にも、第64・65話で福岡・大分・熊本にまたがる大規模な地方ロケが行われている。
地元の熱狂[編集]
地方ロケ回の地元での視聴率は軒並み高かったとされ、関西ロケでは大阪城公園での挨拶イベントに約12万人が集まったとも伝えられる。最終回のロケ地となった博多湾周辺も含め、各地には今も「西部警察のロケ地」を訪ねるファンがいる。2015年にはケーブル4Kで紀行番組『西部警察 全国キャラバン!! ロケ聖地巡礼』(全10話)も放送された。
2004年スペシャルと撮影事故[編集]
幻の連続ドラマ『西部警察2003』[編集]
2003年7月17日、テレビ朝日は『西部警察』の復活を発表した。『西部警察2003』として同年10月から12月に木曜夜の枠で全10話を放送する計画で、ロケ地は名古屋・大阪・広島。名古屋・栄でのビル爆破や、金城ふ頭・ガーデンふ頭周辺でのカーチェイスなども予定され、制作費は1話あたり約1億円とされた。あわせて単発スペシャルも完成していた。
名古屋での事故[編集]
2003年8月12日13時50分ごろ、名古屋市港区のスーパーオートバックス名古屋ベイ駐車場での撮影中、俳優の池田努が運転するTVRタスカンが曲がり切れずに見物人の中へ突っ込み、5人が負傷する事故が起きた。
渡哲也は社長として俳優とともに負傷者を見舞って謝罪。翌13日、名古屋で記者会見を開き、連続ドラマの制作中止と10月からの放送取りやめを発表した。渡は「『西部警察』はファンがあってのもの」と語っている。石原プロ側の申し入れをテレビ朝日が受け入れる形で連続ドラマは中止となり、その枠には別の作品が編成された。事故をめぐっては、運転していた俳優と監督が起訴猶予、石原プロの幹部が略式起訴で罰金となった。
1年遅れの放送[編集]
完成していたスペシャルも無期限延期となったが、再編集を経て、当初の予定より15分拡大した形で2004年10月31日に『西部警察 SPECIAL』として放送された。主要キャストは渡哲也(大門圭介)、舘ひろし(鳩村英次)、徳重聡(橘一馬)、池田努(松山孝之)など。テロ組織を率いる敵役の鈴木誠を、石原プロの神田正輝が演じた。
劇用車はレギュラー版の日産車中心から一転、ほぼ全車が外国車になった。大門はメルセデス・ベンツSクラスをチューンしたブラバスS6.7、鳩村はTVRサガリス、橘はロータス・エリーゼに乗り、ほかにもTVRやアルファロメオが投入された。約8,000万円で購入したはしご車も登場し、のちに神奈川県真鶴町の消防団に寄贈されている。
放送・配信・ソフト化[編集]
再放送[編集]
CSではファミリー劇場の「デカ劇場」枠でHDリマスター版が放送され、スカパー!のホームドラマチャンネルでも繰り返し放送されている。2024年末からの石原裕次郎生誕90年企画でもPART-IIなどが放送された。2026年もホームドラマチャンネルで7月から毎週土曜19時30分にアンコール放送が行われ、秋にはPART-IIIが土曜夜にまとめて放送されている。NHK BSプレミアムでも2017年に最終回スペシャルが放送された。
配信[編集]
2024年10月時点では、HuluでPART-I〜IIIの全236話が見放題配信中と報じられている。Amazon Prime Videoなどで視聴できるとする記事もあるが、配信状況は時期によって変わるため、最新の状況は各サービスで確認したい。
DVD・Blu-ray[編集]
1999年に総集編のビデオ・DVDが発売され、2012年からテレビシリーズの傑作選DVD-BOXが登場。2014年にはコンプリートBlu-rayも発売された。2019年には放送40周年を記念して、全236話をDVD60枚に収めた「西部警察 40th Anniversary コンプリートDVD-BOX<ファイナル エディション>」がポニーキャニオンの通販限定で発売。価格は11万1,111円で、現金輸送用ジュラルミン風ケースに収納、1/64スケールのミニカーまで付くという本作らしい凝りようだった。2024年にはアシェットからDVDマガジンが創刊されたが3号で休刊し、同年12月に再創刊されている。
評価・影響[編集]
視聴率[編集]
関東地区の平均視聴率は公称14.5%。一方で「平均視聴率20%以上(全国平均)」と紹介するメディアもあり、数字は集計方法によって幅がある。最終回は関西地区で33%を記録したとされ、地方ロケ回は地元で特に高い数字を取った。
「刑事ドラマ=派手」のイメージ[編集]
同時期の刑事ドラマの代表格が日本テレビ系の『太陽にほえろ!』で、こちらは若手刑事の成長と人間ドラマが軸。これに対して『西部警察』は、とにかく火薬と車でスケールを見せる路線を突き進み、「昭和の刑事ドラマ」の両極を形作った。石原プロ所属の神田正輝が『太陽にほえろ!』でドック刑事を演じていた時期と重なるのも面白いところ。
本作でスターになった舘ひろしは、その後『あぶない刑事』シリーズで刑事アクションの第一人者となり、2021年の石原プロ解散後、2025年12月の「石原裕次郎生誕90周年祭」では「渡さんと石原さんのおかげ」と語り、『西部警察』の頃は「渡さんについていくことで頭がいっぱいだった」と振り返った。
車好きへの影響[編集]
スカイラインやフェアレディZといった日産車を「ヒーローの車」として毎週お茶の間に届けたことで、当時の子どもたちの車好き・日産好きを育てたと評価されることも多い。ミニカーやプラモデル、スケールモデルは今も新作・再販が続き、放送から40年以上たった2026年でもスーパーZの模型が予約を集めている。
余談[編集]
- PART-III最終回の撮影後には、石原良純、舘ひろし、渡哲也、御木裕、柴俊夫の「大門軍団」が並んだ記念写真が撮られており、後年の雑誌記事でも紹介されている。
- 番組の破壊記録には「始末書45枚」という項目まで含まれている。どこにどんな始末書を出したのかは定かではないが、伝説を語るうえでのお約束のオチになっている。
- RS-2のトランクに積まれたロケット砲は、劇中で一度も発射されないまま番組が終わった。RS軍団の3台はそれぞれ1台ずつしか作られておらず、予備車もなかったという。
- 劇中のスピードメーターはギア比をいじってあり、実際の100km/hで200km/hを指すようになっていた。画面上のスピード感はこうして作られていた。
- 2021年には舘ひろしのパーソナル写真集『西部警察 PERSONAL2 舘ひろし』が発売され、未公開を含む223点の写真とともに、大門軍団の秘話が収録された。
- 静岡ロケでは静岡駅前にヘリを着陸させ、他局から苦情が出たとされる。全国縦断ロケの「何でもあり」ぶりを象徴するエピソードである。
