| 太陽にほえろ! Taiyō ni Hoero! | |
|---|---|
| 略称 | 太陽 |
| ジャンル | 刑事ドラマ、青春アクションドラマ |
| 放送期間 | 1972年7月21日 - 1986年11月14日 |
| 放送時間 | 毎週金曜 20:00 - 20:54ごろ |
| 話数 | 全718話 |
| 放送国家 | 日本 |
| 言語 | 日本語 |
| 放送局 | 日本テレビ系列 |
| 平均視聴率 | 最高40.0%前後とされる(42.5%とする資料もある) |
| 制作 | |
| 企画 | 岡田晋吉(日本テレビ) |
| プロデューサー | 岡田晋吉、梅浦洋一(東宝) ほか |
| 演出 | 竹林進 ほか |
| 制作 | 日本テレビ、東宝 |
| 脚本 | 小川英、長野洋 ほか |
| 音楽 | 大野克夫(作曲)、井上堯之バンド(演奏) |
| 出演者 | 石原裕次郎、露口茂、竜雷太、下川辰平、小野寺昭、萩原健一、松田優作、勝野洋、宮内淳、沖雅也、木之元亮、山下真司、神田正輝、渡辺徹、世良公則、地井武男、渡哲也 ほか |
| その他 | |
| 原作 | なし(オリジナル) |
| 関連番組 | 『太陽にほえろ!PART2』(1986年 - 1987年)、スペシャルドラマ『七曲署捜査一係』(1997年) |
| オープニング曲 | 「太陽にほえろ!メインテーマ」(井上堯之バンド) |
概要[編集]
太陽にほえろ!(たいようにほえろ)とは、1972年7月21日から1986年11月14日まで日本テレビ系で放送された刑事ドラマである。全718話。警視庁七曲警察署(東京都新宿区の架空の署)捜査第一係を舞台に、「ボス」こと藤堂係長(石原裕次郎)のもとで、あだ名で呼ばれる新人刑事たちが成長し、そして殉職していく姿を描いた。14年4か月続いた、昭和を代表する国民的刑事ドラマ。
詳細[編集]
どんな作品?[編集]
ひとことで言えば「刑事ドラマの皮をかぶった青春ドラマ」。それまでの刑事ドラマは『七人の刑事』に代表されるように陰惨な事件を淡々と追うシリアスなものが主流だったが、本作は若手刑事が走り、悩み、ぶつかりながら一人前になっていく過程を正面から描いた。メディア文化評論家の碓井広義は、本作を「青春アクション刑事ドラマ」という新ジャンルだったと評している。
主役は事実上「その時々の新人刑事」で、ボスや山さん(露口茂)、ゴリさん(竜雷太)、長さん(下川辰平)、殿下(小野寺昭)といったベテラン陣が彼らを見守る。若者の暴走と大人の包容力という構図のおかげで、子どもから親世代まで家族そろって見られる金曜夜の定番になった。
日テレの「長寿番組」計画[編集]
企画の中心にいたのは日本テレビのプロデューサー・岡田晋吉。当時はTBSが『キイハンター』『ありがとう』などで強さを誇っており、日本テレビも看板となる長寿番組を必要としていた。岡田は他局のヒット番組を徹底的に研究し、自身が手がけた学園ドラマ(『飛び出せ!青春』など)の青春ドラマの手法を刑事ものに持ち込んだ。制作は東宝が担当し、東宝側のプロデューサー梅浦洋一とともに番組を作り上げた。
主演の石原裕次郎は、映画スターがテレビの連続ドラマに出ることに当初乗り気ではなく、ワンクール(13本)だけという約束で引き受けたとされる。ところが番組は大ヒットし、そのまま14年間ボスを演じ続けることになった。この経験で裕次郎はテレビの影響力を実感し、のちに石原プロモーションで『大都会』『西部警察』などの刑事ドラマを自ら制作していく。
「あだ名」「疾走」「殉職」の3点セット[編集]
本作のフォーマットとして有名なのが次の3つである。
- あだ名 — 新人刑事には着任早々、見た目や行動にちなんだニックネームが付けられる。マカロニ・ウェスタン風の三つ揃いだから「マカロニ」、ジーンズ姿だから「ジーパン」、テンガロンハットをかぶっていたから「テキサス」といった具合。
- 疾走 — 新人刑事が犯人を追って街を全力で走るシーンは毎回の見せ場で、メインテーマとともに作品の代名詞になった。ニコニコ大百科などでは、初期の疾走担当の役名が早見淳・柴田純・三上順と、なぜか全員「じゅん」だったことがネタにされている。
- 殉職 — 新人や無名の若手を主役級で登場させ、成長を描いたうえで殉職によって降板させる。社会学者の太田省一は、レギュラー刑事の殉職を描いたことを本作の「画期的な発明」と評している。
殉職シーンは演じる俳優の意向が強く反映され、撮影当日のアドリブも認められていたという。このため各刑事の最期は、その俳優の個性がもっとも濃く出る名場面になった。
新人スターの登竜門[編集]
本作は「ここに出れば売れる」と言われた若手俳優の登竜門でもあった。萩原健一、松田優作、勝野洋、宮内淳、沖雅也、山下真司、神田正輝、渡辺徹、世良公則、三田村邦彦らが新人刑事役を務め、その多くが本作をきっかけに主演級の俳優へと飛躍した。松田優作はほぼ無名の新人だったが、文学座の先輩・村野武範の紹介で岡田晋吉と出会い、岡田は初めて彼の演技を見たとき「絶対に逃したくない」と感じたと振り返っている。
舞台となる七曲署は東京都新宿にある架空の警察署。実在の街並みでロケが行われたため、昭和40年代後半から60年代初頭の東京の風景が数多く映り込んでいるのも、今見返すときの楽しみのひとつである。
歴史[編集]
1972年 - 1974年:マカロニとジーパンの時代[編集]
1972年7月21日、第1話「マカロニ刑事登場!」で放送がスタート。当初は萩原健一演じる新人刑事・早見淳(マカロニ)を主人公とする青春アクションドラマとして構想されていた。長髪・ノーネクタイの三つ揃いに拳銃を提げたマカロニは、それまでの刑事像を壊す存在だった。
しかし萩原は1年ほどで降板を強く希望し、「劇中で死にたい」と申し出る。製作側がこれを受け入れ、1973年7月13日の第52話「13日金曜日 マカロニ死す」で、マカロニは立ち小便の直後に通り魔に刺されるというあっけない最期を迎えた。翌週の第53話「ジーパン刑事登場!」から松田優作演じる柴田純(ジーパン)が登場。ジーパンは1974年8月30日の第111話「ジーパン・シンコその愛と死」で殉職し、「新人が来て、育って、死ぬ」というパターンが番組の型として定着する。
1974年 - 1980年:黄金期[編集]
ジーパンの後は勝野洋のテキサス(三上順、第112話 - 第216話)、宮内淳のボン(田口良、第168話 - 第363話)、沖雅也のスコッチ(滝隆一)、木之元亮のロッキー(岩城創)、山下真司のスニーカー(五代潤)と新人刑事が次々に登場。視聴率も高い水準で推移し、ビデオリサーチ調べで最高40%前後を記録した黄金期とされる。
1980年7月には、第1話からのレギュラーだった殿下(小野寺昭)が婚約者を迎えに行く途中の交通事故で死亡し、第415話からは神田正輝演じるドック(西條昭)が加わった。ドックは医大中退という異色の経歴を持つ軽妙な刑事で、殉職せずに最終回まで在籍した。
1981年 - 1985年:ボスの闘病と世代交代[編集]
1981年、石原裕次郎が解離性大動脈瘤で倒れ入院・手術を受け、ボスは長期にわたり番組を離れた。この間、ボス不在の一係を山さんらベテランが支え、裕次郎は同年12月25日放送の第489話で復帰を果たす。
1982年は大きな転換の年で、1月にスコッチが病死、8月にロッキーがカナダで殉職、10月にはゴリさんが殉職し、長さんも警察学校教官へ転任した。初期メンバーが次々と去る中、渡辺徹のラガー(竹本淳二)、三田村邦彦のジプシー(原昌之)、世良公則のボギー(春日部一)、地井武男のトシさん(井川利三)、長谷直美のマミー(岩城令子)、又野誠治のブルース(澤村誠)、石原良純のマイコン(水木悠)らが加わり、一係の顔ぶれは大きく入れ替わった。
1986年:山さんの殉職と最終回[編集]
1986年4月、第1話からの古参・山さん(山村精一)が第691話で殉職。番組最後の殉職者となった。同年5月、裕次郎が再入院し、第706話からは渡哲也演じる橘兵庫警部が係長代理として着任する。裕次郎の兄弟分である渡が、裕次郎の不在を埋める形での出演だった。
裕次郎が健康な状態での復帰は難しいとして降板を申し出たことから、番組は円満終了が決まる。1986年11月14日放送の最終回・第718話「そして又、ボスと共に」に裕次郎は復帰し、生死の境をさまようブルースをめぐる物語の中で、命の尊さを語る長い独白を見せた。これが俳優・石原裕次郎の最後の演技とされ、裕次郎は翌1987年7月17日に52歳で死去した。
その後:PART2とスペシャル[編集]
最終回の翌々週、1986年11月28日から『太陽にほえろ!PART2』の放送が始まった。藤堂が本庁に栄転して1年後の七曲署を舞台に、奈良岡朋子が新しい係長を演じたが、1987年2月までの全12話で終了した。
1997年にはスペシャルドラマ『七曲署捜査一係』が放送され、劇中で藤堂がすでに亡くなっていたことが明かされている。
主な登場人物とキャスト[編集]
捜査第一係の刑事たち[編集]
在籍話数と退場理由は主に日本語版Wikipediaの登場人物一覧に基づく。●は殉職、■は事故死、▲は病死、※は通り魔による死亡。
| あだ名 | 役名 | 演者 | 在籍話 | 退場 |
|---|---|---|---|---|
| ボス | 藤堂俊介 | 石原裕次郎 | 第1話 - 最終話(療養による休演あり) | 最後まで在籍 |
| 山さん | 山村精一 | 露口茂 | 第1話 - 第691話 | ●1986年4月 |
| ゴリさん | 石塚誠 | 竜雷太 | 第1話 - 第525話 | ●1982年10月 |
| 長さん | 野崎太郎 | 下川辰平 | 第1話 - 第520話 | 1982年に警察学校教官へ転任 |
| 殿下 | 島公之 | 小野寺昭 | 第1話 - 第414話 | ■1980年7月 |
| シンコ | 内田伸子 | 関根恵子(現・高橋惠子) | 初期 - 第111話 | 1974年に退職 |
| マカロニ | 早見淳 | 萩原健一 | 第1話 - 第52話 | ※1973年7月 |
| ジーパン | 柴田純 | 松田優作 | 第53話 - 第111話 | ●1974年8月 |
| テキサス | 三上順 | 勝野洋 | 第112話 - 第216話 | ●1976年9月 |
| ボン | 田口良 | 宮内淳 | 第168話 - 第363話 | ●1979年7月 |
| スコッチ | 滝隆一 | 沖雅也 | 第217話 - 第244話、第399話 - 第493話ほか | ▲1982年1月 |
| ロッキー | 岩城創 | 木之元亮 | 第256話 - 第520話 | ●1982年8月(カナダ) |
| スニーカー | 五代潤 | 山下真司 | 第364話 - 第475話ほか | 1981年に退職し沖縄へ |
| ドック | 西條昭 | 神田正輝 | 第415話 - 最終話 | 最後まで在籍 |
| ラガー | 竹本淳二 | 渡辺徹 | 第476話 - 第658話 | ●1985年8月 |
| ジプシー | 原昌之 | 三田村邦彦 | 第494話 - 第545話ほか | 1983年に西多摩署へ栄転 |
| ボギー | 春日部一 | 世良公則 | 第521話 - 第597話 | ●1984年4月 |
| トシさん | 井川利三 | 地井武男 | 第526話 - 最終話 | 最後まで在籍 |
| マミー | 岩城令子 | 長谷直美 | 第546話 - 最終話(それ以前はセミレギュラー) | 最後まで在籍 |
| ブルース | 澤村誠 | 又野誠治 | 第562話 - 最終話 | 最後まで在籍 |
| マイコン | 水木悠 | 石原良純 | 第623話 - 最終話 | 最後まで在籍 |
| デューク | 島津公一 | 金田賢一 | 第660話 - 第715話 | 1986年に海外研修へ |
| DJ | 太宰準 | 西山浩司 | 第706話 - 最終話 | 最後まで在籍 |
| 警部 | 橘兵庫 | 渡哲也 | 第706話 - 最終話 | 最後まで在籍 |
主な人物の補足[編集]
- ボス(藤堂俊介/演:石原裕次郎)
- 七曲署捜査第一係長。第1話から最終話まで在籍した唯一の刑事で、部下を怒鳴るより黙って見守るタイプの理想の上司。デスクでブラインドの隙間から外をのぞく姿は、本作を象徴するポーズとしてたびたびパロディにされた。
- マカロニ(早見淳/演:萩原健一)
- 本富士署から転属してきた最初の新人刑事。派手な三つ揃いと拳銃姿を見た殿下に「マカロニ・ウェスタン」みたいだとからかわれたのがあだ名の由来。マカロニの死をきっかけに、ゴリさんは空にしていた拳銃に1発だけ弾を込めるようになった。
- ジーパン(柴田純/演:松田優作)
- 配属当日に無銭飲食で留置場に入れられ、そこから初出勤したという破天荒な新人。空手の有段者で、派出所勤務の警官だった父の過去から拳銃にコンプレックスを持ち、第72話「海を撃て!! ジーパン」で初めて発砲した。同僚のシンコと婚約した幸せの絶頂で殉職する。
- テキサス(三上順/演:勝野洋)
- 熊本出身の一本気な九州男児。犯人をおびき出すためにテンガロンハットをかぶっていた姿があだ名の由来。柔道四段の左利き。
- ボン(田口良/演:宮内淳)
- 姉7人に囲まれて育った大阪の「ぼんぼん」。明るいムードメーカーで、スニーカーが刑事を志すきっかけになった人物でもある。
- スコッチ(滝隆一/演:沖雅也)
- 英国製のものばかり好むダンディな一匹狼。ゴリさんが叫んだ「スコッチ野郎!」があだ名の由来。一度は一係を去ったのちに復帰し、最後は病に倒れた。歴代でただ一人の病死刑事である。
- ロッキー(岩城創/演:木之元亮)
- 北海道出身の山男で、ロッキー山脈の登頂が夢。新人刑事としての在籍期間は歴代最長。のちにマミーと結婚し、双子の父となった。
- スニーカー(五代潤/演:山下真司)
- ボンに助けられたことがきっかけで刑事になった沖縄出身の青年。ボンからもらったスニーカーを愛用していた。
- ドック(西條昭/演:神田正輝)
- 医大中退という異色の経歴を持つ刑事。当初はゴリさんから「ヤブ」と呼ばれていたが、やがて「ドック」に落ち着いた。軽妙な二枚目で、最終回まで在籍した。
- ラガー(竹本淳二/演:渡辺徹)
- 高校時代のラグビー経験があだ名の由来。演じた渡辺徹は当時アイドル並みの人気で、ファンからの差し入れを食べ続けた結果、着任時と殉職時で体型がかなり変わってしまったという。
- 警部(橘兵庫/演:渡哲也)
- ボスの療養中に本庁捜査一課から来た臨時の係長代理。城北署時代のボスの後輩という設定。部下をあだ名で呼ばない質実剛健な人物だが、最終回では瀕死のブルースに「ブルース!」と呼びかけた。
殉職と名シーン[編集]
マカロニ「あっけない死」の衝撃(第52話)[編集]
最初の退場者マカロニの死は、銃撃戦の末の英雄的な殉職ではなかった。事件を解決し、入院中のゴリさんを見舞った帰り道、工事現場で立ち小便をしていたところを通り魔に刺され、そのまま息絶える。「刑事だって、人はこうしてあっけなく死ぬ」というリアリズムは萩原健一側の発案とされ、視聴者に大きな衝撃を与えた。厳密には職務中の死ではないため、ファンの間では「正確には殉職ではない」とも言われる。
ジーパン「なんじゃこりゃあ!」(第111話)[編集]
日本のドラマ史に残る名シーン。ジーパンは自分が身を挺して守った男に撃たれ、腹から流れ出る自分の血を見て「なんじゃ、こりゃあ!」と叫ぶ。この絶叫は台本にはなく、松田優作のアドリブだったとされる。放送は1974年8月30日。婚約者シンコとの幸せを目前にした死というドラマ性も相まって、50年以上たった今もモノマネやパロディで繰り返し使われている。
テキサスからボンへ[編集]
テキサス(第216話)は栄転直前、拳銃密造グループの取引現場に単身で乗り込み、銃撃戦の末に殉職。ボン(第363話)は事件関係者の女性をかばって被弾し、一係に連絡を入れる無線の向こうにボスの声を聞きながら息絶える。いずれも「刑事の死」をそれぞれの個性で描き分けた回として語られる。
1982年の連続退場[編集]
1982年は殉職・死亡が相次いだ年だった。
- スコッチ:拳銃密造事件の捜査中、格闘の直後に喀血し、搬送先で山さんとゴリさんに看取られて病死。
- ロッキー:出張先のカナダで容疑者を追い詰めた際、リスをかばって撃たれる。海外で殉職した唯一の刑事。
- ゴリさん:覚醒剤密造事件の銃撃戦の直後に撃たれ、救急車の中でボスと婚約者に看取られて息を引き取った。歴代でボスに最期を看取られたのはゴリさんだけである。
ボギー、ラガー、そして山さん[編集]
ボギーは第597話「戦士よさらば・ボギー最後の日」で、縁日の人混みの中で組織の男たちに刺殺され、事件解決につながるダイイングメッセージを残した。刺殺された刑事はマカロニに次いで2人目。ラガーはつくば万博(1985年)行きのバスを狙うバスジャック事件で犯人と相討ちになり殉職した。
そして1986年4月、第1話からの古参である山さんが、千代田署への栄転が決まった直後に報復に来た暴力団員に撃たれて殉職。最終回ではブルースが殉職寸前まで追い込まれるが一命を取り留め、本作の殉職の歴史は山さんで幕を閉じた。
音楽[編集]
井上堯之バンドのメインテーマ[編集]
音楽は作曲を大野克夫、演奏を井上堯之バンドが担当した。井上堯之バンドは、萩原健一や沢田研二が参加していたロックバンドPYGの流れをくむグループで、萩原の主演作『傷だらけの天使』の音楽でも知られる。
オープニングの「太陽にほえろ!メインテーマ」は、イントロ明けに太陽が昇る映像とともに鳴り響くロックサウンドで、刑事ドラマにエレキギターとブラスを持ち込んだ先駆けとして語られる。オープニングは時期によって「メインテーマ」「'79」「'86」などのバージョンがある。音楽評論の分野では「井上堯之こそこのドラマの陰の立て役者」と評する声もあり、刑事が走る場面で流れる劇伴も含め、音楽と映像の一体感が本作の大きな魅力になっている。
劇伴のその後[編集]
メインテーマは今も野球の応援曲、バラエティ番組の効果音、スポーツ中継などで頻繁に使われ、ドラマを見たことがない世代にも「どこかで聴いたことがある曲」として浸透している。作曲の大野克夫は沢田研二「勝手にしやがれ」などの作曲でも知られる。井上堯之は2018年に死去した。
視聴率・評価[編集]
視聴率[編集]
本作は全期間を通じて高視聴率を維持した。2026年に創刊されたDVDコレクションの発表では最高視聴率40%とされ、文春オンラインの記事では42.5%と紹介されるなど、資料によって数字に幅があるが、いずれにせよ日本の連続ドラマ史上トップクラスの数字である。レギュラー刑事が殉職する回は特に視聴率が高かったとされる。
もともとは半年程度の放送予定だったが、好評のため延長が重ねられ、結果的に14年4か月・全718話という長寿番組になった。日本テレビが求めていた「長寿の看板番組」という狙いを、ほぼ完璧に達成したことになる。
評価と影響[編集]
本作が確立した「若手の成長」「あだ名」「殉職による卒業」というフォーマットは、その後の刑事ドラマに大きな影響を与えた。石原プロモーションが手がけた『大都会』シリーズ(日本テレビ)や『西部警察』(テレビ朝日)は、本作でテレビの力を知った石原裕次郎がアクション路線をさらに推し進めたものといえる。社会学者の太田省一は、人情ものとアクションものという刑事ドラマの2つの流れを統合し、後の作品の手本になったと評価している。
配信・再放送[編集]
配信[編集]
2026年10月時点で、本作を定額見放題で配信している主要サービスは確認できない。作品情報サイトFilmarksでも、2026年9月時点でU-NEXT、Hulu、Amazon Prime Video、Netflix、TVerなどで配信されているサービスは見つからなかったとされている。日本テレビ系作品だが、全718話という膨大な話数もあって配信のハードルは高いようだ。
DVD[編集]
映像ソフトは日本テレビ系のバップ(VAP)からDVD-BOXなどが発売されてきた。そして2026年8月25日には、デアゴスティーニ・ジャパンから隔週刊『太陽にほえろ!DVDコレクション』が創刊された。全178号で、毎号4話を放送順に収録(テレビスペシャル収録号は3話)。創刊号は490円、第2号以降は1,999円(税込)で、冊子には竜雷太、小野寺昭、岡田晋吉のインタビューが掲載された。2026年現在、全話を順番に見るなら最も現実的な手段がこのシリーズである。
再放送[編集]
かつては地上波で夕方の再放送の定番だったが、近年は地上波での再放送はほとんどない。CS・BSの専門チャンネルで不定期に放送されることがあるので、見たい場合は各局の番組表を確認するのがよい。
よくある質問[編集]
Q. 太陽にほえろ!はどこで見れる?
A. 2026年10月時点では、定額見放題の主要配信サービスでは配信されていない。確実なのはDVDで、2026年8月創刊のデアゴスティーニ『太陽にほえろ!DVDコレクション』(全178号)なら全話を放送順にそろえられる。過去に発売されたバップのDVD-BOXの中古品や、CSでの再放送を探す手もある。
Q. 全何話?いつからいつまで放送された?
A. 全718話。1972年7月21日から1986年11月14日まで、14年4か月にわたって日本テレビ系で放送された。その後、続編『太陽にほえろ!PART2』(全12話)が1986年11月から1987年2月まで放送されている。
Q. 「なんじゃこりゃあ!」は何話?
A. 第111話「ジーパン・シンコその愛と死」(1974年8月30日放送)。松田優作演じるジーパン刑事が撃たれ、自分の血を見て叫ぶ場面で、松田のアドリブだったとされる。
Q. 殉職した刑事は誰?
A. マカロニ(第52話)、ジーパン(第111話)、テキサス(第216話)、ボン(第363話)、ロッキー、ゴリさん、ボギー(第597話)、ラガー、山さん(第691話)など。殿下は交通事故死、スコッチは病死、マカロニは通り魔による死で、厳密には殉職でないとも言われる。
Q. ボスは誰が演じた?最終回は?
A. 石原裕次郎。第1話から最終回まで出演した唯一のレギュラーで、最終回の第718話「そして又、ボスと共に」が裕次郎の最後の演技となった。病気療養中には渡哲也が橘警部として係長代理を務めた。
Q. 神田正輝は何の役?
A. 第415話から最終回まで出演したドック刑事(西條昭)。医大中退の刑事という設定で、殉職せずに最後まで在籍した。のちに石原プロモーションに所属し、長く旅番組の司会としても親しまれた。
Q. 主題歌(テーマ曲)は誰の曲?
A. 歌入りの主題歌はなく、インストゥルメンタルの「太陽にほえろ!メインテーマ」がオープニングに使われた。作曲は大野克夫、演奏は井上堯之バンド。
Q. 最高視聴率は?
A. 40%前後とされ、資料によっては42.5%とも紹介される。日本の連続ドラマとしてはトップクラスの数字である。
余談[編集]
- マカロニの退場は当初の予定より早く、萩原健一の強い降板希望によるもの。「劇中で死にたい」という申し出から、のちに番組の名物となる「殉職」の伝統が生まれた。
- ボギーの車のナンバーは「品川55 へ…1」で、「ハルヒ・ヘイチ」と読み違えられた免許証のネタにちなむ遊び心が仕込まれていた。演じた世良公則は人気が高く、当初1年ほどの予定が半年延長されたという。
- マイコン刑事を演じた石原良純は石原裕次郎の甥(兄・石原慎太郎の次男)。本作で俳優デビューし、のちに気象予報士・タレントとしても活躍している。
- ドック役の神田正輝は、出演中の1985年に松田聖子と結婚し、娘の神田沙也加が生まれた。
- 本作には警察犬も登場し、「ジュン2号」はテキサス殉職後にボンとコンビを組み、第220話では黒幕逮捕に貢献している。
- ニコニコ大百科などでは、初期に疾走シーンを担当した新人刑事の名前がすべて「じゅん」(早見淳、柴田純、三上順)だったことがよく話題にされる。