小山茉美
Mami Koyama
Nishio_Castle.jpg
出身地・愛知県西尾市のシンボル、西尾城(出典:ウィキメディア・コモンズ、Bariston撮影、CC BY-SA 4.0)
誕生日 1955年1月17日
年齢 71歳
出身地 愛知県西尾市
国籍 日本
血液型 A型
学歴 愛知県立西尾高等学校卒業、愛知江南短期大学中退(ニューヨーク市立大学ハンター校に短期留学)
職業 声優、女優、ナレーター、歌手
活動期間 1975年 -
代表的な実績 則巻アラレ(『Dr.スランプ アラレちゃん』)、ミンキーモモ(『魔法のプリンセス ミンキーモモ』)、キシリア・ザビ(『機動戦士ガンダム』)、ベルモット(『名探偵コナン』)
受賞 東京アニメアワードフェスティバル2026 アニメ功労部門
事務所 青二プロダクション
関連活動 劇団シアター・ウィークエンド
別名 小山まみ(1980年以前の旧芸名)
その他 特技:日本舞踊(名取)、スキューバダイビング。趣味:旅


概要[編集]

小山茉美(こやま まみ)とは、愛知県西尾市出身の声優・ナレーターである。青二プロダクション所属。『Dr.スランプ アラレちゃん』の則巻アラレ、『名探偵コナン』のベルモットなどで知られ、「元祖アイドル声優」とも称されるレジェンドである。

詳細[編集]

「んちゃ!」から「A secret makes a woman woman」まで[編集]

小山茉美のすごさを一言でいうなら「振れ幅」である。1981年にはお茶の間で「んちゃ!」と叫ぶロボット少女・則巻アラレを演じ、そのずっと後には『名探偵コナン』で妖艶かつ謎だらけの黒の組織幹部・ベルモットを演じている。同じ人の声だと知って驚くファンは今も後を絶たない。さらに『機動戦士ガンダム』のキシリア・ザビ、『ONE PIECE』のビッグ・マムと、子ども・お姫様・冷徹な指導者・怪物級の海賊まで、ほぼ全ジャンルを制覇しているのだ。

「クセのないメゾソプラノ」という武器[編集]

声質は「クセのない新鮮でのびのあるメゾソプラノ」と評され、少年少女から大人の女性、さらには動物役まで演じ分ける。所属事務所の青二プロダクションのプロフィールでは音域「A~D」、方言は三河弁とされている。ファンの間では「七色の声」と呼ばれることも多く、デビューから半世紀近くたっても声の若々しさが変わらないことがしばしば話題になる。

キャリア50年超の功労者[編集]

2025年12月、東京アニメアワードフェスティバル(TAAF)2026の「アニメ功労部門」顕彰者の一人に選ばれた。同部門には押井守や安彦良和といった大御所も名を連ねている。紹介文では「キャリア50年を超えてなお輝くメゾソプラノの美声」「元祖アイドル声優」と称えられ、代表作として『Dr.スランプ アラレちゃん』『魔法のプリンセス ミンキーモモ』『名探偵コナン』が挙げられた。昭和・平成・令和の三時代を第一線で走り続けた証といえる。

生い立ちとデビュー[編集]

西尾で育った少女時代[編集]

1955年1月17日、愛知県西尾市に生まれる。1歳のときに父親を亡くし、母親が保育士の資格を取りながら兄妹を育てたという。2つ年上の兄がいる。地元の西尾市立鶴城中学校、愛知県立西尾高等学校を経て愛知江南短期大学の初等教育学部に進むが中退。学生時代から演劇に関わっていた。

劇団からテレビドラマ、そして声の世界へ[編集]

上京後、劇団シアター・ウィークエンドの第1期研究生を経て同劇団に所属。1975年、山田太一脚本のNHKドラマ『キヨコは泣くもんか』に出演した。その後「声の仕事をやったらどうか」と勧められたことがきっかけで声優の道へ。1980年以前は「小山まみ」の芸名で活動していた。

『一休さん』での苦いデビュー[編集]

声優デビュー作は『一休さん』の桔梗屋弥生(初代)。ところが、本人はのちのインタビューで当初は「アニメだからセリフを覚えなくていいし、絵を見てその通りに喋ればいいんでしょ」と甘く考えていたと告白している。現場はセリフが多く、周りは有名声優ばかり。3本出たところで「君、もう来なくていいよ」と言われてしまったという。そこを救ったのが野沢雅子や松島みのりら先輩の励ましで、「並大抵の覚悟じゃできない仕事」だと思い知った彼女は気合いを入れ直し、声優を続ける決意を固めた。初主役は『あしたへアタック!』の聖美々である。

80年代の快進撃[編集]

『機動戦士ガンダム』キシリア・ザビ[編集]

1979年放送の『機動戦士ガンダム』では、ジオン公国の実力者キシリア・ザビを演じた。冷静で野心的な女性指導者という、20代前半の若手には難しい役どころを堂々とこなし、劇場版『機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編』(1982年)でも同役を担当。後年も『ガンダム無双』シリーズなどのゲームでキシリアを演じ続けている。ガンダムシリーズでは他に『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』関連作のカレン・ジョシュワ、『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』のタリア・グラディスも担当。物語上キシリアの命運を握るシャア役は、私生活でもつながりのあった古谷徹ではなく池田秀一である点もファンの小ネタとして語られる。

『ニルスのふしぎな旅』と少年役[編集]

1980年から放送された『ニルスのふしぎな旅』では主人公の少年ニルスを担当。いたずら好きで小人にされてしまう少年の冒険を、元気いっぱいの少年声で演じきった。少年役もこなせる幅広さは、この時期にすでに確立されていたといえる。

『Dr.スランプ アラレちゃん』則巻アラレ[編集]

そして1981年、代表作となる『Dr.スランプ アラレちゃん』が始まる。原作は鳥山明の大ヒット漫画。実は小山はもともと木緑あかね役のオーディションを受けていたが、アラレ役がまだ決まっていなかったため受けてみたところ、最終的にアラレ役に選ばれたという。「んちゃ!」「バイちゃ!」「キーン!」といったセリフは子どもたちの間で大流行し、アラレは国民的キャラクターになった。本人は「アラレは私の分身」と語るほど思い入れが深い。

アラレ役はその後も長く続き、劇場版『ドラゴンボール 摩訶不思議大冒険』(1988年)や『ドラゴンボール超』(2016年)などでもアラレを演じている。『ドラゴンボール』シリーズでは、くしゃみで性格が変わるランチ役も担当した。

『魔法のプリンセス ミンキーモモ』と歌手活動[編集]

1982年からの『魔法のプリンセス ミンキーモモ』では主人公モモを演じ、主題歌「ラブ・ラブ・ミンキーモモ」も歌唱した。アラレ、モモと立て続けに主役を射止めたことで、今でいう「アイドル声優」のはしりとして人気が爆発。ライブハウスや大ホールでのコンサートツアーも行い、歌手としても活動した。アルバムのジャケットイラストを鳥山明に描いてもらったこともあるという。

また「アラレちゃん音頭」は全国の盆踊り大会で使われるほどヒットし、盆踊りの定番曲の一つになった。

そのほかの80年代の役[編集]

『うる星やつら』では面堂終太郎の妹・面堂了子を担当。映画『AKIRA』(1988年)ではヒロインのケイを演じた。『キテレツ大百科』では初代コロ助として「〜ナリ」口調でおなじみのキャラクターを作り上げている。『シティーハンター』シリーズでは海坊主のパートナー・美樹も演じた。

空白の一年と世界放浪[編集]

1989年元旦のひらめき[編集]

売れっ子のど真ん中にいた1989年の元旦、小山は大きな決断をする。のちに本人は「このまま一生こまねずみのように働き続けるのか、悶々としていたら、急に『そうだ、旅に出よう!』って閃いちゃった」と振り返っている。前年に番組のアマゾンロケでペルーへの興味が深まり、子どものころからの夢だったマチュ・ピチュ訪問を計画。「1クール休むってことはレギュラー仕事ができないから、この際1年間休んでペルーに行こう」と考えたという。

レギュラー降板という代償[編集]

この長期休業に伴い、1990年頃にアニメのレギュラーを降板。『キテレツ大百科』のコロ助も後任に引き継がれた。人気絶頂の声優が1年間姿を消したことはファンに大きな衝撃を与え、この時期は「空白の一年」とも呼ばれる。それでも本人にとっては人生を見つめ直す旅であり、事務所プロフィールの趣味欄には今も「35の国と地域」への旅が挙げられている。2002年にはテレビドラマ版『キテレツ』でコロ助の声を久々に担当した。

『名探偵コナン』ベルモット[編集]

謎の女幹部を担当[編集]

『名探偵コナン』では、黒の組織の幹部ベルモットと、その表の顔であるハリウッド女優クリス・ヴィンヤード、さらにその「母」とされる大女優シャロン・ヴィンヤードを演じている。変装の名人で、江戸川コナンの正体を知りながら守るような素振りを見せるなど、作中屈指のミステリアスなキャラクターだ。「A secret makes a woman woman」という決めゼリフでも知られ、赤井秀一・安室透・毛利蘭らとの因縁も深い。作品初期には別キャラクターの花井亜希子なども演じている。

「秘密が多すぎる」本人も困惑[編集]

2023年9月6日に開かれた『名探偵コナン 黒鉄の魚影』の舞台あいさつでは、ベルモットについて「あまりに秘密が多い」とこぼし、「いまだに会話を聞いてもついていけない」と笑わせた。作品のパーティーで原作者の青山剛昌に「先生、教えてください!」と直談判したところ、青山から「以前お話していますよ」と言われ、すでに秘密を聞かされていたのに全く覚えていなかったことが判明。改めて説明を受けた後は「私だけの秘密よ、誰にも教えないわ」とベルモットばりに締め、会場を沸かせた。

映画でも存在感[編集]

劇場版でもたびたび登場し、『名探偵コナン 純黒の悪夢』や『名探偵コナン 黒鉄の魚影』では、組織の一員として動きつつ灰原哀やコナンをめぐって独自の行動をとる姿が描かれた。2025年に女性向けアニメ情報サイト「にじめん」が実施した「小山茉美が演じるキャラ」ランキングでは、ベルモットが則巻アラレを1票差でかわして1位となり、3年連続の首位に輝いている。

2000年代以降の主な出演[編集]

アニメ[編集]

2000年代以降も話題作への出演が続く。『BLACK LAGOON』では顔に火傷の痕を持つロシアン・マフィアの女ボス・バラライカを担当し、ドスの効いた声でファンを震え上がらせた。『美少女戦士セーラームーンR』のエスメロード、『約束のネバーランド』のグランマ、『ONE PIECE』のビッグ・マム(2代目)も小山の持ち役。ビッグ・マムでは映画『ONE PIECE FILM RED』(2022年)にも出演した。2024年の『劇場版モノノ怪 唐傘』では歌山役、2026年には『本好きの下剋上 領主の養女』への出演も発表されている。

吹き替え[編集]

洋画の吹き替えでも長いキャリアを持ち、キム・ベイシンガー、シャロン・ストーン、ミシェル・ファイファー、ゴールディ・ホーンらを持ち役とする。事務所プロフィールでは『チャーリーズ・エンジェル』『となりのサインフェルド』『アンカーウーマン』などが挙げられている。

ナレーション・ゲーム[編集]

ナレーターとしては『報道特集』『報道ステーション』『ポツンと一軒家』などを担当。青二プロダクション公式Xでは、2023年12月31日放送のNHK総合『激突!合戦将棋~姉川の戦い~』でナレーションを務めることが告知された。合戦の攻防を将棋対局のスタイルで描く異色ドラマである。ゲームでは『ドラゴンクエストXI』『ファンタシースターオンライン2』『Returnal』などにも出演。ラジオパーソナリティや舞台、書籍執筆も手がけている。

鳥山明との絆[編集]

アラレ役をきっかけに、原作者・鳥山明とは長い付き合いがあった。『週刊少年ジャンプ』1982年39号には、アラレの帽子をかぶった小山が鳥山と並んで撮った写真が掲載されている。

2024年3月に鳥山の訃報が伝えられると、小山は「則巻アラレこと、小山茉美」の名で追悼コメントを発表。決してマスコミに顔を出さない鳥山が、自身のラジオ番組やライブコンサートには必ずゲストとして出演し、いつも応援してくれたことを明かし、「私にとってはもう一人の“則巻せんべい博士”でした」とつづった。また、則巻千兵衛役の内海賢二が亡くなった際には「博士 また会おうね」と追悼のメッセージを寄せている。アラレとして二人の「博士」を見送ったことになる。

余談[編集]

  • 日本舞踊は名取の腕前。深水流で、朝丘雪路の直弟子とされる。特技にはスキューバダイビングも挙げている。
  • 資格欄には普通免許と並んで「珠算2級」がある。
  • 世界を旅した経験は「35の国と地域」に及び、ニューヨーク市立大学ハンター校への短期留学経験もある。
  • 『一休さん』で「もう来なくていい」と言われた新人が、半世紀後にアニメ功労賞を受ける――という大逆転のキャリアである。
  • ガンダムシリーズでは主要キャラを3人演じており、キシリアの最期にかかわるシャア役の声優との共演では、ユーモアたっぷりのコメントを残しているという。
  • ジン役の堀之紀らとともに黒の組織の中核を長年担い、高山みなみ演じるコナンとの掛け合いも見どころの一つ。

外部リンク[編集]

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