| 古谷徹 Toru Furuya | |
|---|---|
![]() 第28回東京国際映画祭オープニングセレモニー(2015年)の「ガンダムの世界」企画に登壇した古谷徹(出典:ウィキメディア・コモンズ) | |
| 本名 | 古谷徹 |
| 誕生日 | 1953年7月31日 |
| 年齢 | 73歳 |
| 出身地 | 神奈川県横浜市 |
| 国籍 | 日本 |
| 家族 | 妻:間嶋里美(元声優、1985年結婚)、娘1人。元妻:小山茉美(声優) |
| 学歴 | 関東学院六浦中学校・高等学校、明治学院大学経済学部 |
| 職業 | 声優、俳優、ナレーター |
| 肩書 | 青二プロダクション所属声優 |
| 活動期間 | 1950年代後半(子役)- |
| 代表的な実績 | 星飛雄馬(『巨人の星』)、アムロ・レイ(『機動戦士ガンダム』シリーズ)、ペガサス星矢(『聖闘士星矢』)、安室透(『名探偵コナン』、2024年降板) |
| 受賞 | 第2回声優アワード富山敬賞(2008年)、第4回声優アワードシナジー賞(2010年)、第13回声優アワード助演男優賞(2019年) |
| 事務所 | 青二プロダクション(1982年 -) |
| 関連活動 | 舞台、ナレーション、イベント出演 |
| あだ名 | 古ちん(小学生時代) |
| その他 | 声種はテノール。決め台詞「アムロ、行きまーす!」 |
| リンク | 青二プロダクション公式プロフィール |
概要[編集]
古谷徹(ふるや とおる、1953年7月31日 - )とは、神奈川県横浜市出身の日本の声優で、青二プロダクションに所属するベテランである。子役から出発し、『巨人の星』の星飛雄馬、『機動戦士ガンダム』のアムロ・レイ、『聖闘士星矢』のペガサス星矢、『名探偵コナン』の安室透など、半世紀以上にわたり「時代の主人公」を演じ続けてきたアニメ史の生き字引である。
詳細[編集]
「永遠の少年声」の持ち主[編集]
古谷徹の最大の特徴は、10代から70代になるまで「少年・青年の主人公」を張り続けた、その声の若さにある。中学3年生で星飛雄馬を演じ、20代半ばでアムロ・レイ、30代で星矢、そして50代後半で29歳の公安警察官・安室透を担当した。声種はテノールで、まっすぐで熱く、それでいてどこか繊細さをにじませる声質は「古谷節」とも呼ばれる。
日本のテレビアニメの歴史そのものとキャリアが重なっている点も特異で、スポ根アニメ、ロボットアニメ、1980年代のジャンプアニメ、1990年代の少女アニメ、2010年代のミステリー作品と、各時代の大ヒット作に主要キャストとして名を連ねている。「日本アニメの主人公の声」と聞いて古谷の声を思い浮かべる人は世代を問わず多い。
「アムロ」と「安室」のふしぎな縁[編集]
古谷を語るうえで外せないのが、アムロ・レイと安室透という二つの「アムロ」である。『名探偵コナン』の作者青山剛昌は大のガンダムファンとして知られ、安室透という名前はアムロ・レイと、その声を演じる古谷「徹」から取られたとされる。同様に、ライバル的な立ち位置の赤井秀一はシャア・アズナブル役の池田秀一の名に由来するといわれ、作中でも二人の因縁が描かれるというファン垂涎の構図になっている。
つまり古谷は、自分の役名と自分の名前を元にして作られたキャラクターを、さらに自分で演じるという珍しい経験をした声優である。安室透役は2012年からアニメに登場し、劇場版『名探偵コナン ゼロの執行人』(2018年)で社会現象級の「安室の女」ブームを巻き起こした。
2024年の報道とその後[編集]
2024年5月、『週刊文春』が古谷と女性ファンとの長期にわたる不倫関係などを報じ、古谷本人も事実を認めて謝罪した。これを受けて安室透役、『ONE PIECE』のサボ役、『ドラゴンボール』シリーズのヤムチャ役がそれぞれ後任に交代している(詳細は炎上とバズの節)。
一方でアムロ・レイ役は続投しており、2025年には『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』最終話へのサプライズ出演、2026年には『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女』関連でアムロを演じるなど、ガンダム関連を中心に活動を続けている。
経歴[編集]
子役時代[編集]
1953年、神奈川県横浜市磯子区に生まれる。5歳頃にテレビの戦争ドラマで子役デビューし、幼くして芸能の世界に足を踏み入れた。10歳のときには洋画『ローマに咲いた恋』の吹き替えを担当しており、声の仕事のキャリアもこの頃に始まっている。
学校は関東学院六浦小学校から同中学校・高等学校へと進んだ。小学生時代のあだ名は「古ちん」だったという。中学1年生だった1966年、テレビアニメ『海賊王子』のキッド役でアニメに初出演。子役から声の仕事へと軸足を移していく。
『巨人の星』で一躍主役へ[編集]
1968年、中学3年生で『巨人の星』の主人公・星飛雄馬役に抜擢される。父・星一徹の「大リーグボール養成ギプス」、ちゃぶ台返し、「重いコンダラ」の空耳で知られるオープニングなど、昭和のスポ根アニメを象徴する作品で、熱血少年・飛雄馬の声は日本中に浸透した。
まだ声変わり期を抜けたばかりの少年が、プロ野球を舞台にした長期シリーズの主役を務めたことは大きな話題となり、のちに『新・巨人の星』(1977年)でも飛雄馬を再演している。「古谷徹=熱い主人公」というイメージは、この作品で確立されたといってよい。
一時休業から『鋼鉄ジーグ』、そしてガンダムへ[編集]
『巨人の星』終了後は学業に軸足を移し、明治学院大学経済学部に進学した。1975年、永井豪原作のロボットアニメ『鋼鉄ジーグ』の主人公・司馬宙役で本格的に活動を再開。以後、ロボットアニメやヒーローものの主役を次々に担当していく。
そして1979年、富野由悠季監督の『機動戦士ガンダム』でアムロ・レイ役に起用される。内向的でメカいじりが好きな少年が戦争の中で成長していく物語は、それまでの「熱血ロボットアニメ」と一線を画すリアルロボットの元祖となり、再放送とガンプラブームを経て国民的作品へと成長した。古谷はこの役を『機動戦士Ζガンダム』『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』と演じ続け、以後40年以上にわたってアムロの声であり続けている。
同じ1979年には『サイボーグ009』(第2作)の島村ジョー(009)役も務めた。1982年からは現在の所属事務所である青二プロダクションに籍を置いている。
1980〜90年代:ジャンプアニメと少女アニメの「王子様」[編集]
1986年は古谷にとって大きな年で、『聖闘士星矢』の主人公ペガサス星矢役と、『ドラゴンボール』のヤムチャ役を同時期にスタートさせた。星矢の「燃えろ小宇宙(コスモ)よ!」と叫ぶ熱血ぶりと、ヤムチャのどこか三枚目な味わいは対照的で、古谷の芸域の広さを示している。
1987年には『きまぐれオレンジ☆ロード』で超能力を持つ優柔不断な主人公・春日恭介を演じ、ラブコメの主人公としても支持を得た。1992年からは『美少女戦士セーラームーン』のタキシード仮面(地場衛)役を担当し、少女たちの「王子様」の声としても記憶されている。
2000〜2010年代:レジェンドとしての再評価[編集]
2000年代以降は、ガンダムシリーズのゲーム・OVA・イベントでアムロを演じ続けるとともに、往年の名作のリメイクや続編にも出演した。2008年には第2回声優アワードで、長年の功績をたたえる「富山敬賞」を受賞。2010年には第4回同アワードでシナジー賞を受賞している。
2012年、『名探偵コナン』に安室透役で登場。「バーボン」「降谷零」という3つの顔を持つトリプルフェイスのキャラクターは、主に劇場版『ゼロの執行人』(2018年)のヒットで爆発的な人気を獲得した。2019年には第13回声優アワードで助演男優賞を受賞し、60代後半にして若い世代のファンを大量に獲得するという異例のブレイクを果たした。2014年からは『ONE PIECE』でルフィの義兄・サボも演じている。
2024年以降[編集]
2024年5月の週刊誌報道を受け、同年6月22日に青二プロダクション公式サイトで安室透役とサボ役の降板を発表した。同年10月には『ドラゴンボールDAIMA』の放送開始に合わせ、ヤムチャ役も鈴木崚汰に交代したことが公式サイトで明らかにされた。
一方、アムロ・レイ役は継続。2025年の大阪・関西万博では、アムロのAIボイスとして声を担当したと報じられ、「事実上の復帰」として話題になった。同年6月24日深夜に放送された『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』(ジークアクス)最終話(第12話)では、謎の声「エンディミオン・ユニット」を演じ、シャア役の池田秀一、ララァ役の潘恵子とともに初代ガンダムのキャストが集結する形となった。
2026年1月30日公開の映画『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女』では、アムロ・レイと同作のクロスオーバーPVでアムロの声を担当し、本編にもアムロ役で出演したとされる。同年4月5日には日本マクドナルドが公式Xで公開したガンダムを思わせる動画に、池田秀一らとともに声で出演した。2026年10月時点では、ガンダム関連を中心とした活動を続けている。
人物像[編集]
役への向き合い方[編集]
少年時代から現場に立ち続けてきたベテランで、70歳を超えても10代のアムロを違和感なく演じられることには、ファンや共演者から驚きの声が上がることが多い。
安室透役では、作品を盛り上げるイベントやSNSでの発信にも積極的で、劇場版公開時には「安室さん」として振る舞うサービス精神も見せた。キャラクターと演者の境界が曖昧になるほどファンとの距離が近かったことは、のちの報道の受け止められ方にも影響したといえる。
家族[編集]
1976年に声優の小山茉美と結婚したが、1983年に離婚。1985年に声優の間嶋里美と再婚し、一女をもうけている。小山茉美とは『Dr.スランプ アラレちゃん』などで知られるベテラン同士であり、当時の声優界の大型カップルだった。
ガンダムとの関わり[編集]
アムロ役については、古谷自身が「ライフワーク」と位置づけるほど思い入れが深いとされる。アニメだけでなく、ゲーム、パチンコ・パチスロ、展示イベント、プラモデルのCMなど、アムロとしての仕事は多岐にわたる。シャア役の池田秀一とは40年以上にわたって宿敵を演じ合う間柄で、イベントでの掛け合いはガンダムファンにとっての恒例行事となっている。
主な出演作[編集]
テレビアニメ[編集]
| 開始年 | 作品 | 役名 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 1966年 | 海賊王子 | キッド | アニメ初出演 |
| 1968年 | 巨人の星 | 星飛雄馬 | 初主演。続編『新・巨人の星』でも同役 |
| 1975年 | 鋼鉄ジーグ | 司馬宙 | 活動再開作 |
| 1979年 | 機動戦士ガンダム | アムロ・レイ | 代表作。以後シリーズで継続 |
| 1979年 | サイボーグ009(第2作) | 島村ジョー(009) | |
| 1985年 | 機動戦士Ζガンダム | アムロ・レイ | |
| 1986年 | 聖闘士星矢 | ペガサス星矢 | 主人公 |
| 1986年 | ドラゴンボールシリーズ | ヤムチャ | 2024年に鈴木崚汰へ交代 |
| 1987年 | きまぐれオレンジ☆ロード | 春日恭介 | 主人公 |
| 1992年 | 美少女戦士セーラームーン | タキシード仮面(地場衛) | |
| 2012年 | 名探偵コナン | 安室透(降谷零/バーボン) | 2024年降板。後任は草尾毅 |
| 2014年 | ONE PIECE | サボ | 2024年降板。後任は入野自由 |
| 2025年 | 機動戦士Gundam GQuuuuuuX | エンディミオン・ユニット | 最終話に出演 |
劇場アニメ[編集]
| 公開年 | 作品 | 役名 |
|---|---|---|
| 1981年 - 1982年 | 劇場版『機動戦士ガンダム』三部作 | アムロ・レイ |
| 1988年 | 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア | アムロ・レイ |
| 2018年 | 名探偵コナン ゼロの執行人 | 安室透 |
| 2026年 | 機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女 | アムロ・レイ(関連PVほか) |
名言・名台詞[編集]
- 「アムロ、行きまーす!」(アムロ・レイ)
- ガンダム発進時の名台詞。ガンダムを知らない人でも一度は聞いたことがあるレベルの定番フレーズ。
- 「親父にもぶたれたことないのに!」(アムロ・レイ)
- ブライトに殴られた際の台詞。「二度もぶった!」とセットで、パロディの定番になっている。
- 「燃え上がれ、俺の小宇宙(コスモ)よ!」(ペガサス星矢)
- 星矢が必殺技を放つ前の叫び。1980年代の少年たちが真似した熱血フレーズ。
- 「僕の、恋人は……この国さ」(安室透)
- 劇場版『ゼロの執行人』で話題となった台詞。「安室の女」ブームを象徴する一言として広く引用された。
炎上とバズ[編集]
2024年の週刊誌報道と謝罪[編集]
2024年5月22日、『週刊文春』(電子版)が、古谷が37歳年下の女性ファンと2019年1月頃から2023年9月頃まで約4年半にわたって不倫関係にあったと報じた。記事では、相手女性の妊娠と中絶、口論の際に手をあげたことなども伝えられた。
古谷は報道を受けて事実関係を認め、謝罪のコメントを発表。「残りの人生をかけて誠心誠意償っていく所存」と述べた。国民的作品の人気キャラクターを演じるベテラン声優の報道であり、ファンの間では大きな衝撃が広がった。
安室透・サボ役の降板[編集]
2024年6月22日、青二プロダクション公式サイトで、古谷が『名探偵コナン』の安室透役と『ONE PIECE』のサボ役を降板することが発表された。古谷はコメントで「今の自分に唯一できる償いの形として、熟考の末、断腸の思いで、安室透役とサボ役を降板することに」したと説明。『名探偵コナン』側も声明を出し、今後の放送については協議を進めると発表した。
後任について、安室透役は2025年1月18日放送の「怪盗キッドと王冠マジック」前編のエンディングクレジットで草尾毅と発表された。草尾版安室の初台詞が流れると「違和感がない」との反応が相次ぎ、X(旧Twitter)で「安室の声」がトレンド入りした。草尾は『ドラゴンボールZ』のトランクス役でも知られ、「ヤムチャからトランクスへ」という声優ファンならではの反応も見られた。サボ役は入野自由が引き継いでいる。
ヤムチャ役の交代[編集]
2024年10月、『ドラゴンボールDAIMA』公式サイトで、ヤムチャの声優が古谷から鈴木崚汰へ交代することが発表された。1986年の『ドラゴンボール』放送開始から約38年にわたって演じ続けた役であり、こちらも大きな話題となった。
復帰をめぐる賛否[編集]
アムロ役の継続や、2025年の大阪・関西万博でのAIアムロ、『ジークアクス』最終話への出演は「声が聴けてよかった」と歓迎する声がある一方、報道内容を理由に起用への違和感を示す声も上がり、SNSでは賛否が分かれた。2026年4月の日本マクドナルドのコラボ動画出演時にも、批判的なコメントが寄せられたと報じられている。
余談[編集]
- 安室透の名前は「アムロ」と「古谷徹」の「徹」が元ネタとされ、本名の「降谷零」も「古谷」と「アムロ・レイ」をもじったものといわれる。つまり降谷零はほぼ全身が古谷徹由来のキャラクターである。
- 『巨人の星』の星飛雄馬役を始めたのは中学3年生のときで、劇中の飛雄馬とほぼ同世代だった。
- 飛雄馬(1968年)からアムロ(1979年)、星矢(1986年)、安室透(2012年)まで、各年代の大ヒット作で主要キャラクターを担当しており、親子二世代・三世代で「古谷徹の声」に親しんだ家庭も少なくない。
- 『名探偵コナン』では赤井秀一の声を池田秀一が担当しており、安室と赤井の対立は「アムロ対シャア」の再現としてガンダムファンからも注目された。
- 草尾毅が安室透役の後任に決まった際、ファンの間では「ドラゴンボールでヤムチャ(古谷)とトランクス(草尾)が共演していた」という縁も話題になった。
