YouPorn
YouPorn
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YouPornのロゴ(出典:ウィキメディア・コモンズ)
略称 YP
国家 アメリカ合衆国(運営会社はカナダ・モントリオール拠点のAylo)
種類 成人向け動画共有サイト
市場情報 非上場
業種 インターネット・成人向けエンターテインメント
設立日 2006年8月
所有者 Aylo(旧Manwin、旧MindGeek)
主要株主 Ethical Capital Partners(Ayloの親会社)
別名 ユーポルン、ユーポーン
リンク https://www.youporn.com/


概要[編集]

YouPorn(ユーポルン/ユーポーン)とは、2006年8月にアメリカ合衆国で開設された無料の成人向け動画共有サイトである。YouTubeの名前と仕組みを露骨に借りた「無料・広告収入型・ユーザー投稿型」の成人向け動画サイト、いわゆる「チューブサイト」の先駆けの一つであり、2011年以降はPornhubと同じAylo(旧Manwin、旧MindGeek)グループが運営している。

詳細[編集]

名前の由来[編集]

サイト名は「YouTube」の「Tube」を「Porn」に差し替えただけの、きわめて分かりやすいネーミングである。YouTubeが開設されたのが2005年、Googleに買収されたのが2006年秋であり、YouPornはまさにYouTubeが世界的に社会現象化していく真っ只中に登場した。「動画を誰でもアップロードでき、誰でもブラウザ上で無料再生できる」というYouTubeの体験を、そのまま成人向けジャンルに移植したのが最大の発明だった。

ドメインは2005年12月に登録されたとされ、サイトの稼働開始は2006年8月(英語版Wikipediaなどでは8月26日)とされる。日本語では「ユーポルン」「ユーポーン」「ようぽるん」など表記揺れがあり、日本のネット掲示板では単に「YP」「ようつべのエロ版」と呼ばれることもあった。

サイトの基本的な仕組み[編集]

YouPornの基本モデルは、視聴を完全無料にしてページ上の広告で稼ぐ「広告収入型」である。それまでの成人向け動画ビジネスはDVDの販売・レンタルや月額制の有料会員サイトが中心で、YouPornはその前提を崩して爆発的にアクセスを集めた。

投稿者は一般ユーザーのほか、制作会社やスタジオのプロモーション用アカウントもある。スタジオ側は本編の一部やダイジェストを無料で公開し、有料サイトや自社の配信サービスへ誘導する、という使い方をするようになった。これは現在のPornhubやXHamster、XVIDEOSなどにも共通する「無料チューブサイト=巨大な広告・集客装置」という構造であり、YouPornはその原型の一つと言える。

規模[編集]

開設からわずか1年ほどで、YouPornは世界最大級の成人向けサイトに成長した。2008年時点で月間ユニークユーザー約1,500万人と報じられており、英語版Wikipediaによれば2012年には1日平均約950TBものデータを転送していた(2006年の開設直後は1日3TB程度)。2013年には全ウェブサイト中83位、成人向けサイトでは5位(上位はXHamster、XVIDEOS、Pornhub、LiveJasmin)という順位データもある。2014年11月時点のAylo(当時MindGeek)関連の資料では、月間訪問数は約8,000万とされている。

歴史[編集]

開設と「チューブ戦争」(2006年〜2008年)[編集]

2006年の開設当初のYouPornは、キュラソー(オランダ領カリブ)に拠点を置くMidstream Media International N.V.という会社が運営していたとされ、サーバーはテキサス州のホスティング業者にあった。創業者個人の名前は公にほとんど出ておらず、誰が作ったのかは業界フォーラムで今でも話題になるほど匿名性が高かった。

YouPornの急成長は、アメリカの成人向け映像業界を直撃した。GIGAZINEが2008年に紹介した海外報道によれば、大手制作会社Vivid Entertainmentは2004年以降DVD販売が50%減少したとされ、業界全体の売上も2006年に11%落ち込んだ。同じ時期にはPornoTubeなど類似の無料サイトが相次いで登場しており、この一連の無料化の波は「音楽業界にとってのファイル共有」と同じ構図だと評された。

一方で、当時のYouPorn自体の収益は月12万ドル程度と報じられており、アクセス規模に比べれば控えめだった。既存業界側からは約2,000万ドルでの買収打診があったという話も伝えられている。

Vivid Entertainmentによる提訴(2007年)[編集]

2007年、Vivid EntertainmentはYouPornを提訴した。ユーザーが同社の著作物を無断でアップロードし、無料配信されていることで収益が失われている、という主張である。これはYouTubeが同時期にViacomなどから著作権侵害で訴えられていた構図の成人向け版とも言え、「プラットフォームは投稿内容にどこまで責任を負うのか」という問題は、この後も成人向けチューブサイト全体につきまとうことになる。

「履歴スニッフィング」訴訟(2010年)[編集]

2010年12月、カリフォルニア州の住民2人が、ロサンゼルスの連邦裁判所でYouPornを相手取った集団訴訟を起こした。訴えの内容は、ブラウザが「訪問済みリンクを別の色で表示する」仕様を悪用し、利用者がほかにどのサイトを訪問したかを本人に無断で調べる「履歴スニッフィング(history sniffing)」を行っていた、というものだった。当時のアメリカ合衆国連邦取引委員会(FTC)の幹部も履歴スニッフィングを「クッキー削除という利用者のプライバシー対策をすり抜けるもの」と批判しており、ネット広告のプライバシー問題を象徴する事件の一つとして報道された。その後、主要ブラウザはこの手法が使えないよう仕様を変更している。

Manwinによる買収(2011年)[編集]

2011年5月、ドイツ出身の起業家ファビアン・ティルマン(Fabian Thylmann)が率いるManwinがYouPornを買収した。Manwinは2010年にモントリオールのMansef(Pornhubの運営元)などを買い集めて誕生した会社で、2011年には投資家125者から3億6,200万ドルを調達するなど、成人向けサイトの「ロールアップ(買い集め)」を猛スピードで進めていた。

これにより、YouPornは本来ライバル関係だったPornhubと同じグループに入った。さらにManwinは2013年夏にRedTubeも取得し、世界の主要な無料チューブサイトの多くが1社に集中するという、業界の構造変化が起きた。

利用者情報の流出(2012年)[編集]

2012年2月、YouPorn関連のチャットサービスから100万件を超える利用者情報が流出した。Manwin側は、外部委託していたチャットサービスの不備が原因だと説明した。成人向けサイトの会員情報流出は、単なる個人情報漏洩にとどまらず「どのサイトを使っていたか」自体が知られるという点で、利用者にとって影響が大きい種類のインシデントである。

MindGeekからAyloへ(2013年〜現在)[編集]

2013年10月、ティルマンが税務問題を抱えるなかで持ち株を経営陣のフェラス・アントゥーンとデビッド・タッシロに売却し、社名はMindGeekへと変わった。2020年以降はPornhubをめぐる報道や訴訟によってグループ全体が強い批判にさらされ、2022年6月には両CEOが辞任。2023年3月にカナダの投資会社Ethical Capital Partnersが同社を買収し、同年8月に社名をAyloへ変更した。YouPornはこの間ずっと同グループの主要サイトの一つとして運営が続いている。

運営会社Ayloとグループ内での位置づけ[編集]

Ayloとは[編集]

Ayloはカナダ・モントリオールに本社を置く成人向けコンテンツ企業で、ルクセンブルク、キプロス、アイルランド、キュラソーなど多数の国・地域に子会社を持つ。無料動画サイトとしてはPornhub、RedTube、YouPorn、Tube8、Thumbzillaなど、有料の制作スタジオとしてはBrazzers、Reality Kings、Digital Playgroundなどを傘下に持つ。売上は2021年に約4億6,000万ドルとされる。広告配信はグループ内の広告ネットワーク「TrafficJunky」が担っている。

Pornhubとの関係[編集]

YouPornとPornhubは同じ会社のサイトであり、技術基盤やコンテンツ管理、広告の仕組みはかなりの部分が共通している。開設はYouPornが2006年、Pornhubが2007年で、YouPornのほうが「先輩」にあたるが、現在の知名度・アクセス数ではPornhubが圧倒的に大きい。

グループ内の役割分担としては、Pornhubがブランドの「顔」として大規模なマーケティングやデータ公開(年次統計「Pornhub Insights」など)を担うのに対し、YouPornやRedTubeは同じグループ内の別ブランドとして、検索流入や別の利用者層を受け止める位置づけになっている。そのため、Pornhubで問題になったポリシー変更(投稿者の本人確認の厳格化など)や、各国の規制への対応は、YouPornにもほぼ同時に適用されることが多い。

2025年のFTC・ユタ州との和解[編集]

2025年9月、アメリカの連邦取引委員会(FTC)とユタ州は、Pornhubなど複数の成人向けサイトの運営会社が違法コンテンツ対策について利用者を欺いたとして措置を取り、Ayloが500万ドルを支払う内容で和解した。報道の焦点はPornhubだったが、グループ全体のコンテンツ管理体制に関わる話である。

各国での規制・遮断[編集]

初期の遮断事例[編集]

YouPornは知名度が高かったぶん、各国の規制の「最初の標的」になりやすかった。

  • ドイツ(2007年):青少年保護の観点から問題視され、プロバイダーのArcorがYouPornへのアクセスを遮断し、200万人以上の利用者に影響した。ただしDNSを利用した遮断だったため、回避は容易だったとされる。
  • シンガポール(2008年):政府が「象徴的な措置」として一部の成人向けサイトを遮断した際、その対象の一つとなった。
  • スリランカ(2009年):裁判所の命令で、YouPornを含む12の成人向けサイトが遮断された。
  • インド(2018年):ウッタラーカンド州高等裁判所の命令を受け、政府が800以上の成人向けサイトの遮断を命じ、YouPornもその対象となった。

米国の州法による年齢確認と「州単位の遮断」[編集]

2020年代に入ると、規制の主戦場は「サイトそのものの禁止」から「年齢確認の義務化」へと移った。アメリカでは2023年のユタ州を皮切りに、成人向けサイトに対し、政府発行の身分証などで利用者の年齢を確認することを義務付ける州法が次々と成立した。

Ayloはこうした州法について、「年齢確認そのものは支持するが、各サイトに身分証を預ける方式はプライバシーと安全を損ない、利用者を規制を守らない無名サイトへ流すだけだ」と主張し、法律が施行される州からのアクセスを丸ごと遮断するという対応を取ってきた。遮断されるとサイトのトップページに抗議メッセージが表示され、動画は一切見られない。この遮断はPornhubだけでなくYouPornとRedTubeにも同時に適用される。

最初の遮断はユタ州(2023年5月)で、法律施行の2日前だった。その後テキサス州(2024年3月)などが続き、2026年6月時点の報道では、アラバマ、アリゾナ、アーカンソー、フロリダ、ジョージア、アイダホ、インディアナ、カンザス、ケンタッキー、ミシシッピ、ミズーリ、モンタナ、ネブラスカ、ノースカロライナ、ノースダコタ、オクラホマ、サウスカロライナ、サウスダコタ、テネシー、テキサス、ユタ、バージニア、ウェストバージニア、ワイオミングの24州で遮断されている。2026年7月にはアイオワ州でも同様の法律が施行された。2025年6月には、合衆国最高裁判所がテキサス州の年齢確認法を合憲と判断しており、州法の流れは止まっていない。

一方で2026年9月には、ユタ州が改正した年齢確認法(利用者が本当にユタ州にいるかどうかの判定までサイト側に厳格に求める内容)について、連邦地裁がAylo側の申し立てを認め、施行を差し止める仮処分を出したと報じられた。州法をめぐる法廷闘争は現在進行形である。

フランス・イギリス・オーストラリア[編集]

  • フランス:2025年6月、年齢確認を義務付ける規則の施行に抗議し、AyloはPornhub・YouPorn・RedTubeのフランスからのアクセスを停止した。その後、パリの行政裁判所が規則の効力を一時停止したことで6月下旬にいったん再開したが、7月に国務院(コンセイユ・デタ)が規則を復活させたため、再び遮断された。フランスはPornhubにとって世界2位の市場とされていた。
  • イギリス:2025年7月にオンライン安全法(Online Safety Act)の年齢確認義務が始まった際、Ayloは当初これに従うと表明した。しかし2026年1月、「この制度は未成年保護という目的を果たしていない」として、2026年2月2日から新規利用者の受け入れを停止し、すでに年齢確認を済ませた既存利用者のみアクセス可能とする方針に転換した。対象にはYouPornとRedTubeも含まれる。
  • オーストラリア:2026年3月9日から、同様にAyloのサイトが制限対象になったと報じられている。

日本での知名度と扱い[編集]

日本での知名度[編集]

日本では、YouPornは「PornhubやXVIDEOSほどではないが名前は知られている海外のアダルトサイト」という位置づけである。2000年代後半、YouTubeやニコニコ動画の普及と同時期に「海外にはYouTubeのエロ版がある」という話題で知られるようになり、2ちゃんねるやまとめサイトでも「ようつべのパロディ名のサイト」として紹介された。

個人クリエイターが直接販売するOnlyFansやMyFansが台頭した現在、日本の利用者の中心は、日本のアダルトビデオが大量に投稿されてきたXVIDEOSや、グループの主力ブランドであるPornhub、日本発のFC2動画などで、YouPornは相対的に存在感が薄い。YouPornは欧米の投稿が中心で、日本のAVやAV女優の作品を目当てにする利用者にとっては選択肢として優先度が低い、という事情がある。Yahoo!知恵袋などには「YouPornは安全?」「見ても請求されない?」といった質問が繰り返し投稿されており、名前は知っていても実態はよく分からない、という層が一定数いることがうかがえる。

日本の法律との関係[編集]

日本では、刑法175条(わいせつ物頒布等罪)により、わいせつな画像・動画を頒布・公然陳列することが処罰対象となっている。日本のアダルトビデオにモザイク処理があるのはこのためである。YouPornは海外の会社が海外のサーバーで運営しているため、日本の刑法175条が運営会社に直接及ぶことは想定しにくく、日本からのアクセスも遮断されていない。

一方で、日本国内から無修正動画などを投稿した日本人が、刑法175条違反で摘発される事例は海外サイト全般で報じられている。また、視聴(ストリーミング再生)自体を処罰する規定は日本にはないが、2021年施行の改正著作権法により、海賊版と知りながら著作物をダウンロードする行為は、条件によっては違法となる。つまり「見るだけ」と「保存する」では法的な扱いが異なる。

日本の利用者が遭遇しやすいトラブル[編集]

YouPorn自体は実在企業が運営する正規のサイトで、動画を見ただけで料金が請求される仕組みはない。日本の利用者がトラブルに遭う典型は周辺で起きるもので、「youporn」に似た名前の偽サイトによるワンクリック詐欺風の請求画面、「ウイルスに感染しました」と表示して偽サポート窓口への電話を促す偽警告広告、ポップアップから出会い系・課金サイトへ誘導する広告などが知られている。

他サイトとの比較[編集]

Pornhubとの違い[編集]

PornhubとYouPornは同じAylo傘下で、仕組みはよく似ている。違いは主にブランドの規模と役割である。Pornhubは年次統計の公開、SNSでのユーモアある広報、各種キャンペーンなどで一般メディアにも頻繁に登場する「表の顔」であり、アクセス数も桁違いに大きい。YouPornは開設こそ早いものの、現在はグループ内の第二・第三のブランドという位置づけで、話題になるのは主に「Pornhubと一緒に遮断された」というニュースのときである。

XVIDEOSとの違い[編集]

XVIDEOSはチェコ系の企業WGCZが運営する、Ayloとは別系統の巨大チューブサイトである。日本では特に知名度が高く、日本のAVの投稿が多いことで知られる。XVIDEOSは各国の年齢確認規制に対してもAyloとは異なる対応を取ることがあり、「Pornhubやその系列は州ごと遮断、他の大手は別の対応」といった違いが生じる。YouPornはAyloの方針にそのまま従うため、規制対応の面ではPornhubと完全に同じ動きをする。

日本のサービスとの違い[編集]

FANZA(旧DMM.R18)やMGS動画などの日本の配信サービスは、国内法に沿ってモザイク処理された正規作品を有料で販売・配信するモデルである。これに対しYouPornは無料・広告収入型・投稿型で、コンテンツの出どころや権利処理の確認は運営側のポリシーに依存する。「無料で大量に見られるが、権利関係と広告のリスクがつきまとう海外チューブサイト」と「有料だが権利処理された国内配信」という対比は、YouPorn以降の約20年間ほとんど変わっていない。

炎上とバズ[編集]

eスポーツチーム「Team YP」[編集]

2014年、YouPornはeスポーツへの参入を目指し、同年7月にTwitter(現X (SNS))でスポンサー先のチームを募集すると投稿して大きな話題になった。当初は「成人向け企業のスポンサーは受け入れられない」という反応も多く、League of Legendsを運営するRiot Gamesは成人向け企業によるチームスポンサーを認めない方針を示した。

それでも同年12月、スペイン・マドリードのチーム「Play2Win」がスポンサー契約を結び、「Team YP」として活動を開始した。当初はDota 2、Hearthstoneなどの部門を持ち、のちには大乱闘スマッシュブラザーズ、ストリートファイター、Counter-Strikeなどにも手を広げた。大会の広告規制を考慮して、ユニフォームには目立つブランドロゴを出さない工夫がされたと報じられている。成人向けサイトがゲーム業界のスポンサーになるという前代未聞の試みとして、ゲームメディアで大きく取り上げられた。

州単位の遮断画面[編集]

アメリカの州単位の遮断では、アクセスすると動画の代わりに、州の年齢確認法を批判するメッセージが表示される。テキサス州での遮断後には「Texas VPN」の検索数が急増したと報じられ、規制が実質的に回避手段の需要を押し上げる皮肉な結果として話題になった。

余談[編集]

  • 開設当初のYouPornは運営者がほとんど表に出ず、「誰がYouPornを作ったのか」は業界フォーラムで今でも質問が立つほどの謎になっている。
  • 2014年のeスポーツ参入では、YouPornの副社長が「ついにゲームとeスポーツに正式参入できて最高だ」とコメントしている。
  • 米国の州単位の遮断では、Pornhub・YouPorn・RedTubeが同じ日に一斉に同じ抗議画面に切り替わるため、「3つのサイトが実は同じ会社」ということが一般にも広く知られるきっかけになったとされる。
  • 名前が「YouTube」のもじりである点は後発のRedTubeも同じで、「〇〇Tube」という命名は、その後の成人向け動画サイトの定番パターンになった。

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